入試動向分析

国公立大・私立大 2027年の入試はこう変わる!【大学入試の最新変更点】【2026年9月】

2026(令和8)年度

国公立大の入試概要をまとめた「選抜要項」や、私立大の入試ガイドがほぼ出そろった。
国公立大では後期日程の縮小、私立大では共テ利用方式の変更が目立つ。
大学・学部の新設なども含め、一般選抜の志願動向に影響しそうな変更点を紹介する。

 

国公立大《全体解説》

 

東北大と東京大の学際系組織の新設に注目
教員養成・看護で後期の募集停止が目立つ

国公立大の2027年(以下、27年。他年度も同様)入試の「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点が正式に発表された。ここでは、27年国公立大入試における新増設等と一般選抜の変更点の特徴を紹介する。志望校決定の参考にしてほしい。ただし、今後の変更もあり得るので、大学ホームページや募集要項で最新の発表をチェックしよう。

 

(1)新増設・改組
注目は、東北大が新設する「ゲートウェイカレッジ」と、東京大が新設する「UTokyo College of Design」。前者は全学部参画の特別教育プログラムで、後者は学士・修士一貫の教育課程となる。この他、情報系の学部増設や定員増、福島大の全学的な改組(5学類→4学部)が目立つ。なお、私立の九州看護福祉大が、公立大学法人化を予定している。

 

(2)日程変更・募集人員
【日程変更】後期を募集停止し、募集人員を学校推薦型・総合型選抜に移す流れが続く。特に教員養成系と看護で目立ち、前者は岩手大‐教育や愛媛大‐教育、後者は三重大‐医(看護)や高知大‐医(看護)などで後期を募集停止。また、九州大‐工で後期を大幅に縮小、併願先となる大学への影響が注目される。

【募集人員】全体の傾向としてはここ数年と変わらず、理・工・農・情報で募集人員増、文系学部と教員養成系で募集人員減が目立つ。理・工は募集人員の増加幅ほどは志願者が増えない見込みで、狙い目とも言える。

東北大・東京大は前述の新設により、それぞれ既存の学部や科類が募集人員減となるので、難化要因として要注意だ。

 

(3)その他の変更
【2段階選抜】鹿児島大‐歯の後期で2段階選抜を新たに予告。鳥取大‐医(医)、広島大‐医(医)の前期で基準を厳格化する。

【科目等の増減】2次から総合問題や小論文を除外、あるいは科目減を行う変更が多く、全体に2次の負担軽減の傾向となっている。

【学外試験場】公立千歳科学技術大が「2会場新設、3会場廃止」するなど、地方公立大で学外試験場の増設・廃止が目立つ。

【学費の増額】国立大で学費の値上げに踏み切る大学が見られる。岡山大・香川大・熊本大が授業料(年額)を増額。お茶の水女子大でも増額を検討している。

 

2027年 国公立大入試の主な変更点

 

【変更点の見方】旺文社調査による。8月中旬現在の判明分で、今後変更の可能性もあるので、募集要項などで必ず確認してほしい。/変更点は「2026年→2027年」で表記。/学部・学科等の名称は一部を除き略称。/[昼]=昼間コース、[夜]=夜間主コース、共テ=大学入学共通テスト、個別=個別試験(2次試験)、の略。/増設学部・学科等は仮称・設置構想中・計画中を含む。/「募集人員の変更」で、医学部医学科は今後の定員増の再申請によって変更の可能性がある。/「一般選抜の科目等の変更」は、共テについては原則として、科目数の変更を掲載した。/教科名等は略称を用いた場合がある。国=国語、地公=地理歴史・公民、数=数学、理=理科、外=外国語、英=英語、情=情報。

 

 


 


 


 


 


 

私立大《全体解説》

 

募集停止や男女共学化、薬学部定員減が続く
入学金減額・授業料増額の傾向が強まる

『螢雪時代』編集部では、全国の私立大から27年入試の概要(科目、配点、募集人員、日程など)を掲載した「入試ガイド」を集めた。ここでは、8月中旬時点で判明した大学・学部等の新増設・改組と、主に全国各地区で志願者数の比較的多い大学の入試ガイドをもとに、志望動向に影響しそうな変更点のポイントを、一般選抜と共通テスト(以下、共テ)利用方式を中心に紹介する。

なお、詳細は各大学の入試ガイドや募集要項で必ず確認してほしい。

 

(1)新増設・改組・募集停止等
小規模大学の募集停止、女子大の男女共学化の流れが加速している。

【募集停止】愛知工科大・愛知文教大・京都華頂大・甲子園大が募集停止予定。また、川村学園女子大が27年の募集を中止する。

【男女共学化】武庫川女子大が男女共学化し「武庫川大学」に名称変更予定。また、仙台白百合女子大も共学化し「仙台白百合大学」に、広島女学院大も共学化し「YIC学院大学」に名称変更する予定だ。

【学部の増設・改組】国公立大と同様、情報系の学部・学科等の新設や改組が目立つ。また、理・工・農の学部・学科等の新設、一方で文系や医療系の学部・学科等の統合・縮小も続いている。

 

(2)薬学部の定員減
私立大薬学部の縮小が止まらない。城西国際大‐薬が募集停止するほか、27年度に定員減を申請した薬学部(6年制)は次の通り。昭和医科大‐薬200人→140人、新潟薬科大‐薬130人→90人、鈴鹿医療科学大‐薬(薬)100人→90人、広島国際大‐薬120人→70人、長崎国際大‐薬120人→100人、九州医療科学大‐薬(薬)100人→60人。

 

(3)共テ利用方式の変更
京都産業大が理・情報理工・生命科学の共テ利用前期で6科目型を新規実施、関西大が政策創造を除く全学部の共テ利用前期で8科目型を新規実施、甲南大‐理工も共テ利用前期で8科目型を新規実施するなど、主に中堅上位校以上の共テ利用方式で、多科目型の導入や既存入試の多科目化が目立つ。

 

(4)英語外部検定利用の拡大
独自入試や共テの英語の代わりに(または併用し)、英語外部検定を利用する方式が、引き続き盛んに導入・拡充されている。主な新規利用例としては、成城大‐経済・社会イノベーション・文芸の一般S方式、日本大の一般N全学統一方式などが挙げられる。

 

(5)医学部の日程繰り下げ
愛知医科大‐医の一般、関西医科大‐医の一般前期、兵庫医科大‐医の一般A・Bで1次試験を「1月下旬→2月上旬」に繰り下げ、医学部入試も2月上旬が過密日程化する。

 

(6)受験生の経済的負担
【受験料割引】文教大で併願定額制度を拡充するなど、ここ数年と同様、受験料の「併願割」や「定額制」の導入・拡大が続く。

【学費】青山学院大や駒澤大など、入学金を減額し、授業料を増額する傾向が目立つ。

 

2027年 私立大入試の主な変更点

 

【変更点の見方】旺文社調査による。8月中旬現在の判明分で、今後変更の可能性もあるので、募集要項などで必ず確認してほしい。/変更点は「2026年→2027年」で表記。/学部・学科等の名称は一部を除き略称。/共テ=大学入学共通テストの略。/「共テ併用」は、共テの成績と大学の独自入試を組み合わせた方式。/新設大学および増設学部・学科等は仮称・設置構想中・計画中を含む。/「一般選抜の変更」の学部(学科等)欄の「-」は、全学または一部の学部・学科等を示す。

 

 


 


 


 


 


 

この記事は「螢雪時代(2026年10月号)」より転載いたしました。

 

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