私立大の2026年入試ガイドがほぼ出そろった。
新課程入試も2年目に入り、私立大一般選抜は何が変わるのか、どのような大学・学部・学科が新設されるかを紹介する。
全体解説:人気校の変更点を総まとめ!情報必須の方式の導入、受験料割引の拡充、英語外部検定の新規利用に要注目!
「基礎学力型」の年内入試が
26年も一般選抜に影響する!?
『螢雪時代』編集部では、全国の私立大から2026年(以下、26年。他年度も同様)入試の概要(科目・配点、募集人員、日程など)を掲載した「入試ガイド」を集めた。ここでは、主に全国各地区で志願者数の比較的多い大学の入試ガイドをもとに、25年から変更され、志望動向に影響しそうなポイントを、一般選抜、つまり独自入試と共通テスト(以下、共テ)利用方式を中心に紹介する。
『螢雪時代』9月号付録「2026年 全国私立大学 入試科目・配点一覧」とあわせて活用し、志望校の入試情報を把握したうえで効率的な受験対策や併願の戦略を立てよう。なお、詳細は各大学の入試ガイドや募集要項で必ず確認してほしい。
新課程初年度の25年共テは、国語や数学ⅠA、英語リーディングなどの平均点アップが目立ち、初登場の情報もほぼ7割に達した。26年共テは出題レベルが調整され、全体に平均点ダウン(=難化)が予想される。これが国公立大志願者の慎重な出願傾向につながり、私立大への志望変更や併願増が見込まれる。
ここ数年で「私立大一般選抜は易化した」との意識が浸透し、25年はチャレンジ志向から難関~中堅上位校が人気を集めた。また、25年は首都圏における「基礎学力型」導入などから学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型・総合型)の志願者が急増し、一般選抜への再挑戦者の増加と、大学の合格者絞り込みにつながった。26年も首都圏を中心に基礎学力型の導入が相次ぐため、同様の現象が起きる可能性が高い。
一方、上記の合格者絞り込みは敬遠材料となり、チャレンジ志向にやや歯止めがかかりそう。
また、以前から基礎学力型の推薦型・総合型を実施していた関西地区では、龍谷大・近畿大など出願時に志望理由書等の提出を追加する変更が相次ぐ。受験生は入試ガイドを念入りに確認しよう。
東京理科大で共テ利用方式を再編成
法政大の共テC方式が情報必須に
新課程初年度の25年入試では、各大学の入試教科・科目だけでなく、実施方式などの変更も多かったが、2年目となる26年入試では、全体に変更が25年より少ない見通しだ。その中で、注目すべき事例を紹介する。
①共テ利用方式の変更
【実施方式の再編成】東京理科大は共テ利用A方式を「4教科型」「3教科型」「2教科+英語資格検定」「理二部」の4タイプに分割する一方、C方式(独自・共テ併用)とグローバル方式(英語外部検定利用の独自入試)を廃止。また、東海大で共テ利用中期を新規実施する。
【情報必須の科目増】情報が必須、または選択可の大学・学部は25年と比べ微増に留まる。その中で、早稲田大‐教育のC方式(独自・共テ併用)で共テを7→8科目に増加するのをはじめ、法政大の共テ利用C方式が6→7科目、豊田工業大の共テ利用A方式が7→8科目に増加するが、いずれも情報を必須として追加する。
【多科目型の導入】獨協大で共テ利用国公立併願型(外国語・経済・法は4・5科目型、国際教養は5・6科目型)、千葉工業大で5教科基準点型入試、芝浦工業大の共テ利用前・後期で6教科8科目型、東京都市大の共テ利用後期で6教科型を新規実施。さらに、近畿大では法・経営・総合社会・産業理工の共テ利用中期で5教科5科目型、薬の同中期で3教科5科目型、同後期で4教科5科目型を新規実施する。
【共テ利用の廃止】推薦型・総合型に主軸を移す中・小規模の大学では共テ利用方式離れが進む。相模女子大など8大学で廃止する予定。
②独自入試の変更
【実施方式の再編成】愛知大で一般入試(独自入試)を従来の「前期、共テプラス、数学重視型、M方式」→「スタンダード方式、共テ併用方式、最高得点重視方式、2科目方式」に変更。スタンダード方式(3科目受験が必須)以外の3方式は、いずれもスタンダード方式の受験が必須で、その得点を利用する。
【共テ併用への移行】明治大‐経営の学部別入試が、独自入試から、独自入試と共テの成績を組み合わせる「共テ併用方式」に全面移行する。
【学部共通入試】北海学園大で全学部統一型入試、神奈川大で全学統一型を新規実施する。
【情報必須の方式】立命館大の学部個別配点方式で、独自作問の情報が必須の「情報型(文系=経営・総合心理・スポーツ健康科学・食マネジメント、理系=映像・情報理工)」を新規実施。
【試験日程】日本女子大の個別選抜型・英語外部試験利用型で、同一学部・学科が複数日受験可能に(家政・文・人間社会・国際文化=1→3日、理・建築デザイン・食科学=1→2日)。川崎医科大‐医の一般選抜で、1次試験の試験日を「1/26→2/1」に繰り下げる。
③英語外部検定利用の拡大
独自試験や共テの英語の代わりに(または併用し)、英語外部検定を利用する方式の導入が、ここ数年と同じく盛んだ。東京慈恵会医科大‐医(看護)の一般選抜の1次で、英語の個別試験を廃止して英語外部検定利用に移行。その他、主な新規利用例として、成城大の共テ利用B・N方式(法以外の3学部)、日本大‐法・スポーツ科学・生産工・松戸歯のA個別方式、立正大の一般2月前・後期と3月試験、神奈川大の一般前・後期などが挙げられる。
④受験生の経済的負担の軽減
【奨学金・特待生】共立女子大は全学統一方式でスカラシップ奨学金制度を新設。東海大も全学部統一選抜前期で特待生奨学金を導入する。
【受験料割引】北海学園大は3種類の併願割引制度を導入(併願割引、1・2部割引、A・B日程割引)。日本女子大では独自入試・共テ利用方式ともに、併願割引制度を大幅に拡充する。
主な変更点は何か?
●変更点一覧の見方
文中、共通テストは「共テ」と略。「共テ利用」は、共テの成績と大学の独自試験を組み合わせた方式。学部・学科名は原則として略称とし、例えば「医(看護)」のように記載。入試方法・日程等も略称とし(例:一般選抜前期日程→一般前期、共テ利用入試前期→共テ利用前期)、変更点は「25年→26年」で表記した。また、誌面の都合上、学科単位の変更や、ほぼ変更のない大学は、原則として割愛した。
◎英語外部検定利用の表記について
出願資格=大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば出願でき、あとは英語以外の科目を受験し、その得点で合否が決まる(単に出願資格の場合もある)。
得点換算=大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば、英語を満点(または一定の得点)と見なして換算する。その他の入試科目の得点と合算し、合否を判定。
加点=スコアや級ごとに設定された得点に換算し、満点を超えない範囲で合計点に加える。共テや大学独自で実施する英語の受験が必要。
《北海道・東北~関東・甲信越》
日本女子大の個別選抜型で同一学部・学科が複数日受験可能に
●日本赤十字北海道看護大
看護の一般選抜で募集人員減(43人→23人)、小論文→国語に変更。
●北海学園大
①一般選抜で全学部統一型入試制度を導入、同一日で複数併願可に。/②試験日程を4日間(学部・学科別)→2日間(A・B日程:全学部統一)に短縮、同一学部・学科の併願可に。/③3種類の併願割引制度を導入(併願割引=2出願目以降、3万円→1万5千円に半減。1・2部割引=同一学部・学科の1・2部の併願で1万円減額。A・B日程割引=両日程出願時に受験料合計から1万円減額)。/④人文1部の共テ利用Ⅰ期をA・B方式に複線化。同一学部・学科併願可に。/⑤法1部の共テ利用Ⅰ期でA・Bの2方式を1方式に統合。/⑥工の一般A日程を独自・共テ併用型に変更。
●酪農学園大
農食環境学群に農環境情報学類を増設予定。
●東北学院大
工(機械知能工)の一般前期・後期の選択科目に「情報」を追加。
●宮城学院女子大
①現代ビジネス学部に「観光ビジネス学科」を増設予定。/②学芸学部で英文学科を「英語文化コミュニケーション学科」に改組予定。/③全学の一般A日程で試験科目を国語・英語に統一し、全学部型を3→2科目に軽減。生活科学(食品栄養)のみ理科(評定平均値を利用)、学芸(音楽)のみ音楽科専門試験も課す。/④生活科学(食品栄養)の一般B日程を「理科・書類選考→国語・英語、理科(評定平均値を利用)」に増加。
●東北芸術工科大
①芸術学部で文化財保存修復学科を歴史遺産学科に統合し「文化財保存修復コース」に改組予定。/②デザイン工学部でコミュニティデザイン学科を企画構想学科に統合し「地域デザインコース」に改組予定。
●獨協大
共テ利用国公立併願型を新規実施。外国語・経済・法は4科目型・5科目型、国際教養は5科目型・6科目型を実施。
●神田外語大
共テ利用2月選考で5科目型を新規実施。
●千葉工業大
共テ利用の5教科基準点型入試を新規実施(各学科指定の基準点に達すれば合格)。
●亜細亜大
①経営の一般学科別3教科型でベスト2方式を新規実施。/②共テ利用前期・後期で新たな受験料割引制度(1回分の受験料で2併願まで可)を導入。
●学習院大
①文(英語英米文化)で一般選抜プラス試験(他学部のメイン試験日に共通問題で選抜を実施)を新規実施。/②新設予定の国際文化交流(学習院女子大を統合予定)で一般C方式を廃止し、英語コミュニケーション学科の一般選抜で英語からライティングを除外。
●共立女子大
①一般2月前期の試験日を「1→2日間」に拡大。/②一般全学統一方式でスカラシップ奨学金制度を新設(成績上位50人を対象に最大4年間、年間授業料を免除)。
●杏林大
①外国語の一般前期で英語外部検定を新規利用。/②保健(健康福祉、臨床心理)で一般後期を新規実施。
●慶應義塾大
医の一般選抜で栃木県地域枠を新設。
●國學院大
人間開発の共テ利用V方式で、前期は5科目型、後期は4科目型を新規実施。
●国士舘大
①デリバリー選抜、一般中期の学外試験場を変更。小田原(デリバリー選抜は那覇も)を廃止、宇都宮・甲府に新設。/②一般後期の試験日を「2→1日」に短縮(全学部とも3/2)。
●実践女子大
一般Ⅰ期で学外試験場(仙台、新潟、長野、静岡、宇都宮、高崎)を新設(一般Ⅱ期から移行)。
●芝浦工業大
共テ利用前期で4教科5科目型を3教科4科目型に軽減。また、共テ利用前・後期で6教科8科目型を新規実施(情報必須)。
●昭和女子大
食健康科学(健康デザイン)のA 日程で、3→2教科に軽減。
●成蹊大
①国際共創学部を開設予定。/②一般G方式(2教科型グローバル教育プログラム統一入試)を廃止。/③一般E方式(全学部統一入試)で英語外部検定を新規利用(得点換算)。
●成城大
①全4学部で共テ利用N方式(国公立大併願型)を導入。文芸・社会イノベーションは新規実施、経済はB方式4科目型、法は同4教科型をN方式に移行。/②経済・文芸・社会イノベーションの共テ利用B方式・N方式で英語外部検定を新規利用(得点換算)。
●清泉女子大
共テ利用前期で4科目型・5科目型、同後期で5科目型を新規実施。
●聖路加国際大
①看護の一般A方式で1次の学科試験を2→3科目に増加。/②看護の一般B方式で面接を追加。/③看護の共テ利用C方式の科目選択方法を「文理融合型、理数型、文系型」に複線化(複数同時出願可)。
●中央大
①5学部共通選抜、理工共テ併用の学外試験場で、新潟・広島を廃止。/②国際情報の共テ併用入試で「数学型」を新規実施。
●東海大
①共テ利用中期を新規実施。/②全学部統一選抜前期で特待生奨学金を導入。
●東京家政大
①家政学部を改組して共創デザイン学部を開設予定。/②社会デザイン学環、文化情報学環を開設予定。
●東京経済大
一般個別方式で札幌会場を廃止。
●東京工芸大
①工の一般Ⅰ期で「英語外部検定試験利用型」を導入。/②芸術で共テ併用のⅠ期D方式を新規実施。/③芸術の一般Ⅰ期・Ⅱ期の各A・B方式で英語外部検定を新規利用。
●東京慈恵会医科大
医(看護)の一般選抜の1次で、「数学・理科各必須→数学・理科から1科目選択」に軽減、英語の個別試験を廃止して英語外部検定利用に統一(得点換算)。
●東京女子医科大
看護の一般選抜で「情報、志望理由書」を除外、面接を追加。
●東京都市大
共テ利用後期で6教科型を新規実施(情報必須)。
●東京農業大
一般A・B日程で、数学の出題範囲に数学C(ベクトル)を追加。
●東京薬科大
薬で共テ利用のA方式Ⅱ期を新規実施。
●東京理科大
①創域情報学部を開設予定。/②理学部第一部に「科学コミュニケーション学科」を増設予定。/③共テ利用A方式を「4教科型」「3教科型」「2教科+英語資格検定」「理二部」の4タイプに分割。「理二部」以外は昼間学部が対象。「2教科+英語資格検定」は英語外部検定利用(出願資格)。/④C方式(独自・共テ併用)、グローバル方式(英語外部検定利用の独自入試)を廃止。
●東邦大
①医の一般入試の1次で、理科150点→200点に配点アップ。/②医の統一入試で基礎学力試験を2次→1次に移行し(成績は2次の判定で使用)、2次の学科試験(数学・理科)を廃止。1次で「理科300点→200点、数学200点→100点」に配点ダウン。/③健康科学の統一入試で数学・理科を除外。
●日本大
①法・スポーツ科学・生産工・松戸歯のA個別方式で英語外部検定を新規利用。/②国際関係のN全学統一方式で2期を導入。/③生産工の一般A個別方式1期・2期が同一日での複数学科併願可に。/④松戸歯のA個別方式1期・2期で小論文を除外。/⑤生物資源科学のA個別方式1期で千葉・八王子の2会場を廃止。/⑥N全学統一方式1期で八王子会場を廃止。/⑦薬の共テ利用C方式で数学2→1科目に軽減。
●日本社会事業大
社会福祉で一般後期を廃止し、共テ利用後期を新規実施。
●日本獣医生命科学大
①獣医(獣医保健看護)・応用生命科学の一般Ⅰ期でA日程(全マーク式。3学科同時併願可)を新規実施。/②独自入試の数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加。
●日本女子大
①個別選抜型・英語外部試験利用型で、同一学部・学科が複数日受験可能に(家政・文・人間社会・国際文化=1→3日、理・建築デザイン・食科学=1→2日)。/②併願割引を拡充、3学科目以降の受験料を「個別選抜型=1万5千円→5千円、英語外部試験利用型=1万円→5千円」に減額。/③共テ利用前・後期で併願割引を導入。2学科目は1万5千円→1万円、3学科目以降は1万5千円→5千円に減額し、個別選抜型・英語外部試験利用型との併願も対象に。
●法政大
①共テ利用C方式が6→7科目に増加(情報を追加)。/②文(地理)のT日程で「地理→国語または数学」に変更。
●明治大
①経営で学部別入試を「独自入試→独自・共テ併用」に変更。/②全学部統一入試、商・理工・農の学部別入試で、数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加。/③商の共テ利用前期で5科目方式を廃止、「学部別入試500人→525人、共テ前期6科目方式30人→50人」に募集人員増。/④情報コミュニケーションの共テ利用3科目方式・6科目方式で、共テの英語の配点を「リーディング160点・リスニング40点またはリーディング200点のいずれか高得点」→「リーディング・リスニング各100点」に変更。
●立教大
①環境学部を開設予定。/②法(国際ビジネス法)のグローバルコースで一般選抜を新規実施。
●立正大
一般選抜の2月前期・後期、3月試験で英語外部試験利用方式を新規利用(得点換算)。
●早稲田大
①教育の一般C方式(独自・共テ併用)で共テを7→8科目に増加(情報を追加)。/②国際教養の一般選抜(独自・共テ併用)で、共テ(2科目)のうち必須科目を「国語→国語または数学」に変更。
●神奈川大
①一般選抜で全学統一型を新規実施。/②全学統一型、共テ利用入試で2併願目無料制度(同一日程併願の場合)を導入。/③一般前期・後期で新たに英語外部検定利用可に。
●関東学院大
①情報学部を開設予定。/②国際文化学部を2→1学科に統合・改組予定。
●北里大
①未来工の一般前期で試験場を「東京→相模原キャンパス」に変更。/②理(化学、生物科学)で一般中期を新規実施。/③獣医(グリーン環境創成科学)の共テ利用前期で2教科方式を新規実施(数学・理科・外国語・情報から2教科)。また、後期を3→2教科に軽減。/④医で共テ利用後期を新規実施。/⑤健康科学の一般後期で長野会場を廃止。
《北陸・東海〜九州》
立命館大は6学部の独自入試で情報必須の方式を新規実施
●金沢工業大
一般試験Aで共テ併用の「共テプラス(科目高得点型、大学院進学)」を新規実施。
●岐阜聖徳学園大
看護で「看護個別日程」を新規実施。
●愛知大
①一般入試(独自入試)を従来の「前期、共テプラス、数学重視型、M方式」→「スタンダード方式、共テ併用方式、最高得点重視方式、2科目方式」に変更。スタンダード方式(3科目受験が必須)以外の3方式は、いずれもスタンダード方式の受験が必須で、その得点を利用する(同時併願可)。/②一般後期を廃止。/③共テ利用前期で2科目方式・4科目方式を新規実施。/④一般入試の英語で記述式を廃止、全マークシートに。/⑤一般入試の併願割引制度を変更。2出願目以降の受験料を1万5千円に統一(25年は前期、共テプラス、数学重視型が2万円)。
●愛知学院大
歯で特待生制度「開学150周年記念歯学部専願特待生」を新設。前期A、共テ利用Ⅰ期の得点率60%以上の成績上位者が対象で、20人を選抜。
●豊田工業大
工の共テ利用A方式で7→8科目に増加(情報を追加)。
●名城大
①経営(経営)・薬で一般K方式(A方式利用の傾斜配点方式)を新規実施。/②農の独自入試で、数学の出題範囲に数学B、数学Cを追加。/③農の共テ利用C方式後期を2→3教科に増加。
●京都産業大
法・文化の一般選抜で学科併願制度を導入(1日2学科の出願可)。
●京都女子大
一般前期の学外試験場に大阪(梅田)を追加。
●京都橘大
①デジタルメディア学部を開設予定。/②工学部に「ロボティクス学科」を、健康科学部に「臨床工学科」を増設予定。/③国際英語学部に「グローバルスタディーズ、国際共生」の2専攻を、経済学部に「経済学、現代社会」の2専攻を設置予定。
●同志社大
①独自入試の数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加。/②政策の共テ利用入試で4科目方式→5科目方式に変更(数学1→2科目)。/③社会(産業関係)の共テ利用入試で、個別試験を廃止(小論文→課さない)。
●佛教大
看護学部を開設予定。
●立命館大
①デザイン・アート学部を開設予定。/②一般選抜の学部個別配点方式で、独自作問の情報が必須の「情報型」を新規実施。経営・総合心理・スポーツ健康科学・食マネジメントで情報型文系、映像・情報理工で情報型理系を実施。/③一般選抜で松本会場を廃止。/④経営(国際経営)で共テ併用方式(情報活用型)を廃止。/⑤スポーツ健康科学の共テ方式後期型で、5教科型・3教科型を廃止。
●龍谷大
①国際以外の9学部の一般中期で、高得点2科目方式(文系型・理系型)を新規実施。/②心理・経済の共テ利用前期で数学1教科方式を新規実施。
●大阪医科薬科大
①看護の一般2科目・3科目入試で面接を追加。/②看護で外部試験利用2科目・3科目入試(得点換算)を新規実施、高得点2科目入試を導入。
●大阪産業大
①経営学部を2→1学科に統合・改組予定。/②経済学部を2→1学科に統合・改組予定。
●大阪歯科大
①歯の一般前・後期で小論文・面接を、共テ利用前・後期で面接を廃止し、志望理由書の段階評価を導入。/②看護の一般全学部日程を3→2教科に軽減。
●大阪電気通信大
①一般中期理系型で理科を廃止し、小論文(事前提出)を追加。/②健康情報、総合情報、建築・デザインの一般中期文系型に小論文(事前提出)を追加。
●関西大
①システム理工学部に「グリーンエレクトロニクス工学科」を増設予定。/②商の全学日程2で3教科型(同一配点方式)を新規実施。/③商の共テ併用で個別試験を2→1科目(英語)に軽減。/④外国語の共テ利用前期で3科目型を追加。
●関西医科大
①看護の一般2・3教科型で試験日程を1→2日に増加。/②リハビリテーション(作業療法)で共テ利用4教科型を新規実施。
●関西外国語大
①一般前期A方式で英語からリスニングを除外。/②一般前期でB方式(地歴・外国語の2科目)を新規実施。/③一般前期A・B・共テプラス方式、一般後期で英語外部検定を新規利用(加点)。/④共テ利用後期を3→2科目に軽減。
●近畿大
①薬で共テ併用A・B日程を新規実施。/②法・経営・総合社会・産業理工の共テ利用中期で5教科5科目型を新規実施。/③法・経営の共テ利用後期で4教科4科目型を新規実施。/④薬の共テ利用中期で3教科5科目型、同後期で4教科5科目型を新規実施。
●摂南大
①一般前期でB日程(1/27)を新規実施(3科目型・2科目型。1/20・21はA日程に)。また、共テ併用前期Bも新規実施。/②薬の一般後期を3→2科目に軽減(化学を除外)。/③一般前期B日程、一般後期で他学部併願制度を導入。/④共テ利用入試で受験料割引制度を導入(5千円で2出願まで可。3出願以上は、さらに5千円で併願数にかかわらず可)。
●神戸学院大
共テ利用前・後期の3科目型・4科目型で、得点率70%以上の全員を特待生制度の対象に追加。
●神戸薬科大
①一般後期を廃止。/②一般B日程(旧:中期)で共テ併用方式を新規実施。
●武庫川女子大
①一般後期で学外試験場を12→6に削減(東京・京都・鳥取・広島・愛媛・沖縄を廃止)。/②共テ利用後期で2→3科目(建築は3→4科目)に増加。
●岡山理科大
①一般前期でC日程を新規実施(2月下旬)。/②共テ利用Ⅰ期を特待生制度の対象に追加。/③理・工・情報理工・生命科学・生物地球・経営の一般最終日程で学科試験(1科目)を廃止(面接のみで選抜)。
●川崎医科大
医の一般選抜で、1次試験の試験日を1/26→2/1に繰り下げる。
●広島工業大
①一般A・B日程で英語外部検定を新規利用(得点換算)。/②一般A日程を3科目→「3科目受験、高得点2科目で判定」に変更。
●松山大
経済・経営・法・人文(社会)で一般Ⅰ期を新規実施(従来はⅡ期のみ)。
●西南学院大
商・経済・法・人間科学の一般A日程で、国語から古文を除外。
●福岡歯科大
口腔歯で一般C日程を新規実施(英語外部検定利用可〈加点〉)。
新増設の大学・学部等は?
情報科学系の増設が目立つ
中央大‐理工が3学部に分割
ここからは、全国の私立大(専門職大学を含む)について、26年度に新設予定の大学・学部・学科等(既存の学部・学科の組織改編を含み、原則として通信制課程を除く)を紹介する。
大学・学部・学科の新増設予定(認可申請分)、さらに学部・学科の改組・再編等に伴う増設で4月末までに文部科学省に「設置届出」があったもの(6月末発表)を掲載した。
学問分野や教員組織等を大きく変えないなど、一定の条件を満たす場合に限り、文部科学大臣に届け出れば学部・学科等を増設できる(設置届出)。その他の学部・学科増設や、大学の新設には「認可申請」が必要で、最終的には8月末に正式認可される予定だ。
●大学の新設と募集停止
6大学が開設を申請中。また、事業創造大学院大学(修士課程のみ)が通信制の四年制学部を増設、「開志創造大」に名称変更する予定。一方、名古屋柳城女子大・京都ノートルダム女子大の2大学が募集停止し、学習院女子大は学習院大と統合する予定だ。
●学部・学科増設(設置届出)
4月末までの届出分は、学部等の増設(既設学部の改組を含む)が15大学18学部、学科増設が22大学24学部31学科となった。
届出は12月まで随時受け付けられ、今回の掲載分は26年度の一部に過ぎない。
●学部・学科増設(認可申請)
認可申請は、学部増設が17大学17学部、学科増設が5大学5学部5学科等。このうち東北公益文科大は公立大学法人に移行する予定だ。
その他、学部・学科とは別に、3大学で「学部等連係課程実施基本組織」の申請があった。これは学内の既存の学部等が連係し、学問分野横断型の教育プログラムを行うための組織だ。
●新設大学・学部・学科の特徴
分野別に見ると、25年と同じく情報科学系の学部増設が目立ち、次いで看護・医療系も多い。また、中央大‐理工が基幹理工・社会理工・先進理工の3学部に分割・改組されるのと、共学化や募集停止が続出する女子大で、活発な増設・改組が行われるのが注目される。
新設大学・学部・学科等の詳細は、案内パンフレットや募集要項などで必ずチェックし、不明の点は入試担当者に問い合わせよう。特に、申請時とは名称や定員が変更されている場合があるので、注意してほしい。
この記事は「螢雪時代(2025年9月号)」より転載いたしました。