入試動向分析

2025年の私立大入試はこう変わる!【2024年8月】

2024(令和6)年度

私立大の2025年入試ガイドがほぼ出そろった。
「新課程入試」への移行以外に、2025年私立大一般選抜は何が変わるのか、
どのような大学・学部・学科が新設されるかを紹介する。

 

全体解説:
人気校の変更点を総まとめ!共テ利用の情報必須方式や多科目型の導入、英語外部検定の新規利用に要注目!

  

私立大専願者の「共テ離れ」や
「年内入試」志向が加速する!?

 『螢雪時代』編集部では、全国の私立大から2025年(以下、25年。他年度も同様)新課程入試の概要(科目・配点、募集人員、日程など)を掲載した「入試ガイド」を集めた。ここでは、新課程の移行に伴う、新登場の教科・科目(情報、歴史総合など)の指定状況を除いた、24年入試からの変更で、志望動向に影響しそうなポイントを、主に全国各地区で志願者数の比較的多い大学について、一般選抜、つまり独自入試と共通テスト(以下、共テ)利用方式を中心に紹介する。
 『螢雪時代』9月号付録「2025年 全国私立大学 入試科目・配点一覧」とあわせて活用し、志望校の入試情報を把握した上で効率的な受験対策や併願作戦を立てよう。なお、詳細は各大学の入試ガイドや募集要項を必ず入手し、確認してほしい。
 25年の4(6)年制大学受験生数は、24年より約2%増加する見込み(小誌推定)。新課程初年度の共テは、新登場の教科・科目以外の変更は少なく、既卒者対象の経過措置(旧課程科目の出題)もあり、大きな難易変動はなさそう。ただし、情報の追加、国語の出題増、数学の出題範囲増などの負担感が敬遠材料となり、私立大専願者の「共テ離れ」が進みそうだ。また、新登場の教科・科目の影響が小さい私立大難関~準難関校の一般選抜へ、国公立大からの併願増が予想される。
 ここ数年の私立大の易化傾向から、難関~準難関校への「チャレンジ志向」が続く一方、中堅校を中心に学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型・総合型と略)で「早く確実に」決める傾向が強まると見られる。特に首都圏では、東洋大・大東文化大などで「学科試験で判定、併願可」の推薦型を導入。関西地区では一般的なタイプだが、首都圏ではまだ珍しい。一般選抜に近い実施方法のため対策が立てやすく、模試代わりにも使えるため、多数の志願者を集めるのは必至。一般選抜の志望動向にも影響を及ぼしそうだ。

 

立命館大・関西学院大の共テ利用で
情報必須の方式を新規実施

 

①共テ利用方式の変更
 私立大の共テ利用方式では、情報は「選択」あるいは「課さない」がほとんどだが、情報を必須とする新方式を導入する大学もある。また、多科目型を導入する傾向が続いている。
【情報必須の方式】立命館大では7学部の共テ併用方式で情報活用型を新規実施。関西学院大の共テ利用1月出願でも情報必須の8科目型を新規実施。この他、獨協大・東京都市大でも情報必須の新方式を導入する。
【多科目型の導入】青山学院大-国際政治経済の共テ利用、日本女子大の共テ利用前期で5科目型を、名城大-法・農・薬のC方式前期で5教科型を、近畿大― 情報の共テ利用前期で6教科7科目型、同― 建築の共テ利用中・後期で5教科7科目型を導入。情報必須の新方式と合わせ、国公立大併願者が主な対象と見られる。
【共テ併用型】早稲田大- 社会科学・人間科学が独自入試を、独自入試と共テの成績を組み合わせる「共テ併用方式」に全面的に移行する。
【その他】聖心女子大・聖マリアンナ医科大で共テを新規利用。一方、獨協医科大-医で廃止する。また、立命館大の共テ利用3月選考では、7学部で5教科型と3教科型の2タイプを廃止する。
②独自入試の変更
【実施方法】国際基督教大で一般A方式を人文・社会科学選択、自然科学選択、日英バイリンガル面接利用の3タイプに分割する。
【新方式】東邦大- 医・薬・理・看護・健康科学で統一入試を、大阪歯科大-歯・医療保健・看護で全学部日程を新規実施する。医療系大学の共通入試導入として注目される。
【試験日程】実践女子大では1月実施の一般Ⅰ期を新規実施。甲南大では一般中期の試験日程を「2/9→2/17・18」に繰り下げ、法・経済・経営・マネジメント創造・理工で一般後期を廃止する。
③英語外部検定利用の拡大
 独自試験や共テの英語の代わりに(または併用し)、英語外部検定を利用する方式の導入が、ここ数年に続いて盛んだ。芝浦工業大の一般前期・全学統一日程、玉川大の全学統一入試前・後期では、英語の独自試験を廃止し、共テの英語または英語外部検定の利用に全面移行。また、慶應義塾大- 文の一般選抜で新規利用する。この他、主な新規利用例として、亜細亜大の全学統一入試前・中期、國學院大の一般A日程、中央大-商の学部別選抜、津田塾大の一般A方式、名城大の一般A・F・K方式、武庫川女子大の一般前・後期などが挙げられる。なお、早稲田大では英語外部検定を利用する方式を、商で廃止する一方、文・文化構想の2学部では募集枠を拡大する。
④受験生の経済的負担の軽減
【奨学金・特待生】神戸女学院大で「150周年記念 共通テストスカラシップ制度」を新設。新規実施の共テ利用スカラシップ5科目型で大学指定の得点率を上回った入学者は、授業料等の半額を2年間減免される。
【受験料減額】東京工科大では共テ利用前・中・後期の受験料に、期ごとの定額制(併願しても1万5千円のまま。従来は1万円増)を導入する。
⑤その他の変更
【キャンパス移転】東京理科大-薬が「千葉県野田市→東京都葛飾区」、龍谷大- 社会が「滋賀県大津市→京都市伏見区」にキャンパス移転。いずれも志願者大幅増の要因となりそうだ。
【女子大の共学化】清泉女学院大(清泉大に改称予定)、名古屋女子大(名古屋葵大に改称予定)、神戸松蔭女子学院大(神戸松蔭大に改称予定)が全学部で共学に移行し、東京家政学院大・園田学園女子大(園田学園大に改称予定)・活水女子大も一部の学部を共学化する。

  

【ここがポイント】

東洋大など「学科試験重視、併願可」の推薦型の導入も一般選抜の動向に影響か
首都圏では早稲田大、京阪神では立命館大・関西学院大・甲南大の動向に要注目

  

主な変更点は何か?

●変更点一覧の見方

 文中、共通テストは「共テ」と略。「共テ併用」は、共テの成績と大学の独自試験を組み合わせた方式。学部・学科名は原則として略称とし、例えば「医(看護)」のように記載。入試方式・日程等も略称とし(例:一般選抜前期日程→一般前期、共テ利用入試前期→共テ利用前期)、変更点は「24年→25年」で表記した。また、誌面の都合上、学科単位の変更、ほぼ変更のない大学は、原則として割愛した。

◎英語外部検定利用の表記について

出願資格=大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば出願でき、あとは英語以外の科目を受験し、その得点で合否が決まる(単に出願資格の場合もある)。

得点換算=大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば、英語を満点(または一定の得点)と見なして換算する。その他の入試科目の得点と合算し、合否を判定。

加点=スコアや級ごとに設定された得点に換算し、満点を超えない範囲で合計点に加える。共テや大学独自で実施する英語の受験が必要。

  

《北海道・東北〜関東・甲信越》

早稲田大- 社会科学・人間科学で
独自入試を共テ併用に全面移行

 

●北星学園大
①文・経済・社会福祉で一般Ⅱ期を新規実施(3月上旬)。/②一般Ⅰ期で青森会場を廃止。/③文(心理・応用コミュニケーション)の共テ利用Ⅰ期で、英語からリスニングを除外。
●北海学園大
 経済2部で共テ利用Ⅰ・Ⅱ期を新規実施。
●北海道科学大
 全学の一般後期で総合評価型(学科1科目・総合問題・面接・書類審査を課す)を新規実施。
●酪農学園大
 獣医学類で一般選抜(個別学力入試)を復活。
●東北学院大
 地域総合(政策デザイン)の共テ利用前・後期で4→3科目に軽減(国語が必須→選択に)。
●東北工業大
 一般B日程で学外試験場(青森・盛岡・秋田・山形・郡山)を廃止。
●東北福祉大
 一般A日程の学外試験場で札幌・新潟を廃止。
●国際医療福祉大
 保健医療学部に「医学検査学科」を増設予定(栃木県大田原市)。
●獨協医科大
 ①医で共テ利用選抜を廃止し、一般後期を募集人員増(10人→15人)。/②医で茨城県地域枠・埼玉県地域枠(各2人)を「一般前期→推薦型(指定校制)」に移行する。
●獨協大
 ①一般選抜で東京会場(東京駅直結)を増設。/②共テ利用情報(国語・外国語・情報必須)を新規実施。
●文教大
 ①文・健康栄養・経営で文理2教科入試(2/2)を新規実施。/②全国入試・一般A日程・文理2教科入試で英語外部検定を新規利用(得点換算)。
●亀田医療大
 看護学部で受験料と入学金を無料とし、年間授業料を「100万円→70万円」に減額。
●神田外語大
 ①一般2月選考で3科目型を新規実施。/②グローバル・リベラルアーツで共テ利用3月を新規実施。
●千葉工業大
 独自・共テ併用のSB日程で「総合問題→タイプⅠ(情報選択)・Ⅱ(国語選択)」に変更。
●青山学院大
 ①文(英米文)の個別学部日程で、英語外部検定利用のD方式を新規実施、B方式の総合問題にリスニングを含む。また、共テ利用に4科目型を追加。/②国際政治経済の個別学部日程で、国際経済学科は英語外部検定利用のB方式を新規実施、国際政治・国際コミュニケーションの2学科はB方式を「共テ併用→英語外部検定利用」に変更。/③国際政治経済の共テ利用で5科目型を新規実施。/④教育人間科学の共テ利用で、教育学科は5科目型を追加、心理学科は3→5科目に負担増。
●亜細亜大
 ①経済・法・国際関係・社会の一般学科別で3教科型(ベスト2)を新規実施(3教科受験、高得点2教科判定)。/②全学統一入試前・中期で英語外部検定を新規利用(得点換算)。
●大妻女子大
 ①社会情報(環境情報学)・人間関係(人間福祉)の一般A方式Ⅱ期で面接を除外。/②比較文化の一般A方式Ⅱ期で、国語から古文を除外。/③社会情報(情報デザイン)の共テ利用B方式Ⅰ期で3科目型を新規実施。/④比較文化の共テ利用B方式Ⅰ期で2科目型を新規実施。
●学習院大
 理(化学)で一般選抜プラス試験(他学部のメイン試験日に共通問題で選抜を実施)を導入。
●学習院女子大
 国際文化交流で3月実施の一般C方式を新規実施(英語外部検定利用。出願資格・得点換算)。
●共立女子大
 ①全学統一方式の試験日を「1→2日間」に拡大し、新潟会場を増設、長野会場を廃止。/②一般3月日程を「2月日程後期」に繰り上げる。/③共テ利用方式で基準点型を新規実施(3・4科目型。合格基準点は各学部・学科で設定)。
●杏林大
 保健の一般B日程で小論文を追加。
●慶應義塾大
 ①文の一般選抜の外国語で、英語外部検定が利用可に(英検CSEスコア2,500以上。得点換算)。/②経済で一般選抜の募集枠を縮小(A方式420人→400人、B方式210人→220人)。/③法で「論述力→小論文」に変更し、歴史の配点を100点→150点に増加。/④環境情報・薬で数学の出題範囲にⅢCを追加(環境情報で「情報および数学」選択の場合は含まない)。
●國學院大
 一般A日程の2/4で英語外部試験利用型を導入(出願資格。独自試験の英語を免除)
●国際基督教大
 一般A方式を人文・社会科学選択(110人)、自然科学選択(40人)、日英バイリンガル面接利用(20人)の3タイプに分割(カッコ内は募集人員)。一般B方式は「英語外部試験利用」に名称変更する。
●駒澤大
 医療健康科学の一般T方式で学外試験場を新設(他学部と同じ12会場)。
●実践女子大
 ①1月実施の一般Ⅰ期を新規実施(1/24)。従来のⅠ・Ⅱ期は「Ⅱ・Ⅲ期」に名称変更。/②共テ利用Ⅰ期で2科目外部試験利用方式を新規実施する。
●芝浦工業大
 全学部の一般前期・全学統一日程をA方式(3教科)・B方式(2教科。旧英語資格・検定利用方式)に分割し、英語の独自試験を廃止。A方式は共テの英語または英検を利用(得点換算)、B方式は英語外部検定を利用(出願資格)。
●順天堂大
 共テ利用で、医療科学は2科目判定型を、健康データサイエンスは3科目判定型を新規実施。
●上智大
 文(哲学)の学部学科・共テ併用方式で、共テ英語のリーディング・リスニングの配点比率を「1:1→3:2」に変更。
●昭和大
 「昭和医科大学」に名称変更予定。
●白百合女子大
 共テ利用前・後期で英語外部検定が利用可に(得点換算)。
●成蹊大
 E・G・P方式で千葉会場を増設。
●成城大
 ①全学部統一S方式に新潟会場を増設。/②社会イノベーションで、特待生制度の授業料半額免除対象者を「全学部統一S方式12人→4人、学部別A方式3教科型12人→20人」に変更。
●聖心女子大
 共テ利用方式を新規実施(2教科型)。
●清泉女子大
 独自・共テ併用の後期共テプラス志望理由作文方式を新規実施(共テ1科目+志望理由作文)。
●専修大
 ①ネットワーク情報の共テ併用AS方式で、共テの情報Ⅰを必須として追加し、数学ⅠAは必須だが合計点に加えず、合格基準として利用する。/②文(英語英米文)の共テ利用で、前期は5科目型を廃止、後期を「4→3科目」に軽減。/③ネットワーク情報の共テ利用後期で情報必須型(4科目)を新規実施。/④一般後期で学外試験場(仙台・新潟・長野・静岡)を廃止。
●大東文化大
 ①一般選抜(3教科)でベスト2教科型(3科目受験、高得点2科目判定)を新規実施。/②法(法律)の共テ利用前期で4科目型を新規実施。
●玉川大
 全学統一入試前・後期、給付型奨学金入試前・後期、地域創生教員養成入試で、英語の個別試験を廃止し、共テの英語または英語外部検定を新規利用。一方、英語外部試験スコア利用入試を廃止する。
●中央大
 ①商の学部別選抜で英語外部試験利用方式を新規実施。/②国際経営が6学部共通選抜の募集から離脱。法・経済・商・文・総合政策の「5学部共通選抜」に名称変更。/③国際情報の学部別選抜の英語外部試験利用方式で、利用方法を「出願資格のみ→出願資格、得点換算」に変更。
●津田塾大
 一般A方式で英語外部試験利用型を新規実施(出願資格。英語の独自試験を免除)。
●帝京大
 理工を4学科→2学科(総合理工、データサイエンス)に統合・改組する予定。
●東京経済大
 ①一般前・後期を「全学統一方式前・後期、個別方式」に変更。試験日を2/3に新設(全学統一方式前期)し、2/10(従来の前期2教科型)を廃止する。/②個別方式は原則として3教科受験で、ベスト2プラス(ベスト2型から改称)を同時併願のみの扱いに変更する。
●東京工科大
 ①共テ利用中期を新規実施。/②共テ利用前・中・後期で英語外部検定を新規利用(得点換算)。また、受験料が期ごとの定額制(併願しても1万5千円のまま。従来は1万円増)になる。/③一般A・B日程で上位2教科判定方式を追加(追加受験料は不要)。
●東京女子大
 共テ利用方式で、英語Speaking Test 利用型と3月期(国公立併願型)を廃止し、Global Citizenship Program Link 型(英語外部検定利用、英語スピーキングテスト利用)を新規実施。
●東京電機大
 共テ利用前・後期で4教科方式(情報)を追加し、同(国語)と複線化。
●東京都市大
 ①理工(電気電子通信工)、情報工、メディア情報(情報システム)、デザイン・データ科学で、一般前期情報型を新規実施。共テ2教科と独自入試「情報Ⅰ・Ⅱ」(外部試験利用可)で判定。/②共テ利用前期で6教科基準点型を新規実施(情報必須)。
●東京理科大
 薬を「千葉県野田市→東京都葛飾区」にキャンパス移転。
●東邦大
 医・薬・理・看護・健康科学で「統一入試」を新規実施。医は英語外部検定利用(出願資格)。
●東洋大
 ①一般中期・共テ利用中期を廃止。/②一般後期2教科型を3教科型に負担増。/③文(教育=人間発達)、文2部(教育)、福祉社会デザイン(社会福祉)、健康スポーツ科学(栄養科学)、生命科学(生命科学・生物資源)、食環境科学で多面的評価入試(英語外部検定利用、小論文、面接等で選抜)を新規実施。
●日本大
 ①文理のA個別方式、C共テ利用方式で2期を廃止し、A個別方式で英語外部検定が利用可に(得点換算)。/②文理(社会、数学)のC共テ利用方式で3→4科目に増加(社会=情報を必須として追加/数学=「理科・情報から1」を追加)。/③芸術でA個別方式を廃止し、N全学統一方式1期で学力検査型・専門試験併用型を新規実施。/④国際関係のA個別方式1・2期で英語外部検定が利用可に(得点換算)。/⑤生産工でCA共テ併用方式を廃止し、C共テ利用方式2期を新規実施。/⑥工のC共テ利用方式を3→2教科型に軽減する。
●日本女子大
 全学の共テ利用前期で5科目型を新規実施。
●武蔵野大
 一般A日程の試験日程を「2→3日間」に延長。全学部対象のA日程(文理)を新規実施する。
●明治大
 ①総合数理(先端メディアサイエンス)で全学部統一入試(3科目方式)を募集停止。/②国際日本で学部別入試を2→4方式に増加。3科目方式を2科目方式・共テ併用型3科目方式に分割し、英語4技能試験活用方式(地歴を除外し、国語1科目に軽減)にも共テ併用型(独自:国語+共テ:地歴)を追加する。
●明治学院大
 国際(国際キャリア)で共テ利用前期を新規実施。
●早稲田大
 ①商の一般選抜で英語4技能テスト利用型(募集30人)を廃止し、地歴・公民型を募集人員増(355人→390人)。/②社会科学の一般選抜を、独自試験(3教科)から共テ併用(共テ=国語・外国語必須の3科目/個別=英語必須、総合問題・数学から1)に変更、募集人員減(450人→370人)。選択科目により、総合問題型(270人)・数学型(100人)の2方式に分割(併願不可)。/③社会科学で共テ利用入試を募集人員減(50人→30人)。/④文の募集人員を変更。一般選抜を340人→260人に削減、英語4技能テスト利用方式を50人→85人に増加。/⑤文化構想の募集人員を変更。一般選抜を370人→330人に削減、英語4技能テスト利用方式を70人→110人に増加。/⑥基幹理工の募集単位を「3→4学系」に再編、学系3(情報系)を新設。/⑦人間科学の一般選抜(文系・理系方式)を、独自試験から共テ併用に変更。募集人員は「国英型220人・数英型120人」で、国英型は「共テ=国語必須の2科目/独自試験=国語・英語」、数英型は「共テ=数学2科目必須の3科目/独自試験=数学・英語」を課す。/⑧スポーツ科学の一般選抜(共テ併用)で「小論文→総合問題」に変更し、共テ利用入試の募集人員を「共テのみ方式50人→20人、共テ+競技歴方式50人→75人」に変更する。
●神奈川大
 外国語(中国語)で一般前期B方式と共テ利用後期を新規実施。
●神奈川工科大
 受験料を減額(一般選抜3万円→1万円、共テ利用方式1万5千円→5千円)する。
●北里大
 ①理(物理)・医療衛生・未来工で一般中期を新規実施。/②医療衛生で一般後期を廃止し、共テ利用選抜を新規実施。/③理の一般前期の学外試験場を埼玉に新設、仙台を廃止。/④医療衛生の一般前期で長野会場を廃止。/⑤未来工の共テ利用選抜で「数学力重視型」を新規実施。/⑥健康科学で共テ利用前・後期を新規実施。/⑦健康科学(新潟県)の一般前・後期でさいたま・長野に学外試験場を増設する一方、一般後期は東京を廃止。
●聖マリアンナ医科大
 医で共テ利用選抜を新規実施(共テ=6科目/個別=適性検査・小論文・面接)。

  

《北陸・東海〜九州》

関西学院大の共テ利用方式で
情報必須の8科目型を新規実施

 

●金沢工業大
 ①一般選抜で「都道府県選抜試験」を新規実施。/②一般試験Aが「3→2教科」に軽減。
●岐阜聖徳学園大
 一般選抜を「A〜C日程→前・後期」に再編し、前期で基礎科目方式を新規実施。
●愛知大
 法・経済・経営・文(心理)・地域政策(食農環境)の数学重視型入試で、配点を「国語・英語各100点→50点」に変更(数学は200点で変更なし)。
●愛知医科大
 ①医で共テ利用後期を廃止。/②看護で共テ併用型を新規実施(共テ2教科、独自2科目)。
●南山大
 ①理工の共テ利用前期で5→6教科型に増加(情報を追加)。/②国際教養の共テ利用前期で3教科型を新規実施。
●日本福祉大
 共テ利用前期で全学部出願型(3教科型)を追加。
●藤田医科大
 医療科学(医療検査、放射線)の一般前期でB日程2科目型を新規実施。
●名城大
 ①共テC方式前期で、法・農・薬は5教科型を新規実施し、農の4教科型を3教科型に軽減。/②法・外国語・人間・都市情報・農・薬の一般A・F・K方式が英語外部検定利用可能に(外国語=加点、その他=満点に換算)。
●京都産業大
 理・情報理工の一般前期で「情報プラス方式」(情報必須の3科目判定)をオプションで追加。
●京都橘大
 ①一般前期A日程(従来は3科目)に2科目方式、同B日程(従来は2科目)に3科目方式を追加。また、両日程の3科目方式の合格者対象に、3種の特待生制度(たちばな超AI時代特待生< 工- 情報工が対象>、S特待生、特待生)を新設。/②一般前期A~C日程に共テ併用方式を追加。
●京都薬科大
 薬で一般後期(2教科型)を新規実施(2月下旬実施)。
●同志社大
 グローバル・コミュニケーションで共テ利用方式を新規実施する。
●同志社女子大
 ①一般前期で共テプラス方式を新規実施。独自3教科のうち高得点2教科と共テ1科目で判定する。/②全学の共テ利用入試で英語外部検定が利用可能に(得点換算。24年は学芸-国際教養のみ)。/③生活科学(食物栄養科学)の一般前・後期で国語から古文を除外し、食物科学専攻の一般前期に2教科型を追加する。
●佛教大
 ①一般B日程3科目型、共テ利用前期で「英語民間試験方式」を導入。/②共テ利用の募集人員を前期50人→75人、後期17人→37人に増加。
●立命館大
 ①産業社会・経営・映像・食マネジメント・情報理工・理工・生命科学(生命情報)の2月入試の共テ併用方式で、共テの情報Ⅰが必須の「情報活用型」を新規実施。一方、情報理工ではISSE 方式を廃止。/②共テ利用3月選考(後期型)で、文・法・政策科学・経営・国際関係・映像・食マネジメントは5教科型・3教科型を、産業社会は5教科型を、薬は3教科型を廃止する。
●龍谷大
 ①社会を「滋賀県大津市→京都市伏見区」にキャンパス移転。/②社会の共テ利用前期で数学1教科方式を新規実施。
●藍野大
 ①看護学部を開設予定。/②医療保健学部に「健康科学科」を増設予定。
●追手門学院大
 ①一般選抜の学外試験会場に名古屋を追加。/②一般最終日程で数学重視型を新規実施。
●大阪医科薬科大
 薬の一般入試Bで3→2科目に軽減(英語を除外、数学が選択→必須)。
●大阪経済大
 国際共創で共テ利用前期C方式を新規実施。
●大阪工業大
 ①工(生命工)・情報(データサイエンス)の一般入試で文理型を新規実施。/②共テ利用前期C日程・後期C日程で「文理5科目総合型」を追加。
●大阪歯科大
 ①歯・医療保健・看護の一般選抜で全学部日程を新規実施(英語外部検定利用可)。/②医療保健の一般前期で面接を除外。また、一般後期で「学科2科目→小論文」に変更。
●関西大
 ①ビジネスデータサイエンス学部を開設予定。/②システム理工学部に「グリーンエレクトロニクス工学科」を増設予定。/③全学日程1の2教科型(英語外部試験利用方式)で、利用方法に「加点」を追加(従来は出願資格)。
●関西医科大
 ①医で地域枠を「推薦型→一般前期」に移行。/②看護の一般3教科型で活動実績報告による加点制度を導入(最大5点)。/③リハビリテーションの一般2教科型を「2教科型プラス」に変更、提出物の活動実績PR書の点数化(20点)を追加。
●近畿大
 ①医を「大阪府大阪狭山市→同堺市」にキャンパス移転(25年11月)。/②情報の共テ利用前期で6教科7科目型、中期で4教科4科目型、後期で3教科3科目型を追加。/③建築の共テ利用中・後期で5教科7科目型を追加。/④共テ利用中期の出願締切日を「2/1→2/10」に繰り下げる。
●森ノ宮医療大
 ①一般前・後期で面接を廃止。/②共テ利用選抜で面接併用型を廃止。
●大和大
 共テ利用前期で、教育・保健医療・情報が7科目型、政治経済・社会・理工が8科目型を導入。
●関西学院大
 ①全学部の共テ利用1月出願で8科目型(情報必須)を新規実施。/②理・工・生命環境・建築の共テ利用1月出願で3教科型(英語資格・検定試験利用も)を新規実施。/③商の共テ利用3月出願で英数3科目型を廃止。/④人間福祉の学部個別日程で英語・国語型を廃止し、傾斜配点型を新規実施。/⑤社会・教育の学部個別日程で英数日程を新規実施。/⑥生命環境(生命医科学)が、専攻別募集(生命医科学、発生再生医科学、医工学)から学科一括募集に変更。
●甲南大
 ①一般前期の試験日程を「2/1~5→1/30~2/1、2/4・5」に変更、一般中期を「2/9→2/17・18」に繰り下げる。/②法・経済・経営・マネジメント創造・理工で一般後期を廃止。/③一般前期を3教科に統一(従来の2教科型は廃止)。/④一般中期を3→2教科に軽減。/⑤グローバル教養学環で一般中期を新規実施。/⑥共テ利用前期で、フロンティアサイエンスが5科目型、知能情報が6科目型を新規実施。/⑦理工(物理)で共テ利用後期を新規実施。
●神戸学院大
 一般前期で2科目評価型(3科目受験必須)、後期で1科目評価型(2科目受験必須)を導入。
●神戸女学院大
 ①「150周年記念 共通テストスカラシップ制度」を新設。新規実施の共テ利用スカラシップ5科目型で大学指定の得点率を上回った入学者は、授業料等の半額を2年間減免(入学後の成績により延長あり)。/②共テ利用後期を廃止。
●神戸薬科大
 一般前期で110人→80人に募集人員減。
●兵庫医科大
 ①リハビリテーションで一般後期を新規実施。/②薬の一般後期で「英語→小論文」に変更。
●武庫川女子大
 ①一般前・後期で「英語外部検定利用型」をオプションで追加。/②共テ利用後期を新規実施(従来の一般Dは「共テ利用前期」に名称変更)。
●岡山理科大
 ①一般前期A日程3科目型・B日程2科目型で「高得点科目重視型」を導入。/②共テ利用Ⅰ期で5教科方式(6科目型)を追加。
●川崎医療福祉大
 一般前期の募集人員を、学部ごとに「医療福祉62人→44人、保健看護36人→18人、リハビリテーション56人→36人、医療技術88人→52人、医療福祉マネジメント44人→36人」に削減(総合型の募集枠拡大<大学全体で421人→518人>による)。
●広島国際大
 全学で一般中期を廃止。
●松山大
 人文(英語英米文)の一般Ⅰ期で3→1科目(英語のみ)に軽減。
●九州産業大
 ①一般前期で、生命科学が文系を、人間科学・経済・芸術が理系を新規実施。/②建築都市工(住居・インテリア)で実技前期を新規実施。
●産業医科大
 ①産業保健(看護)の一般A方式で、2次の国語を小論文に変更。また、2次の学外試験場を新設(東京)。/②産業保健(産業衛生科学) の一般A方式で、2次を学科2科目→面接に変更。
●日本赤十字九州国際看護大
 ①共テ利用Ⅲ期(3月出願)を新規実施。/②共テ利用Ⅰ・Ⅱ期で面接を廃止。
●福岡工業大
 共テ利用前期をA ・Bに複線化。Aは従来の前期と同じ、新規実施のB(情報型)は情報必須。
●立命館アジア太平洋大
 ①一般前・後期で英語外部検定を新規利用(得点換算)。/②共テ方式、共テ併用方式、共テ+面接方式で、英語外部検定の利用方法を「満点と見なす→段階的な得点換算」に変更。/③共テ+面接方式で共テの基準点(60%以上)を廃止する。

  

新増設の大学・学部等は?

女子大中心に情報・建築・教育系の増設予定が目立つ

 ここからは、全国の私立大(専門職大学を含む)について、25年度に新設予定の大学・学部・学科等(既存の学部・学科の組織改編を含み、原則として大学新設以外の通信制課程を除く)を紹介する。
 大学の新設予定、学部・学科の増設予定(認可申請分)、さらに学部・学科の改組・再編等に伴う増設で、4月末までに文部科学省に「設置届出」があったもの(6月末発表)を、下の添付ファイルに掲載した。学問分野や教員組織等を大きく変えないなど、一定の条件を満たす場合に限り、文部科学大臣に届け出れば学部・学科等を増設できる(設置届出)。その他の学部・学科増設や、大学の新設には「認可申請」が必要で、最終的には8月末に正式認可される予定だ。
●大学の新設と募集停止
 東京経営大・ZEN 大の2大学が開設を申請中で、どちらも通信教育課程だ。
 一方、ルーテル学院大・高岡法科大・桃山学院教育大の3大学、上智大短大部・龍谷大短大部・武庫川女子大短大部など23短大が募集停止する。

●学部・学科増設(設置届出)
 4月末までの届出分は、学部等の増設(既設学部の改組を含む)が亜細亜大- 社会、日本女子大- 食科学、神戸女学院大- 生命環境、武庫川女子大- 環境共生など25大学31学部、学科増設が15大学19学部31学科となった。
 届出は12月まで随時受け付けられ、今回の掲載分は25年度の一部に過ぎない(5月以降の届出分の一部を「変更点一覧」に掲載)。

●学部・学科増設(認可申請)
 認可申請は、学部増設が大妻女子大- データサイエンス、追手門学院大- 理工、安田女子大-理工など10大学10学部、学科増設が3大学3学部3学科。このうち桃山学院大-人間教育は、桃山学院教育大を統合して開設される。
 今回の申請で私立大の定員は約300人増える。さらに別途申請された定員増(約1,300人)を加え、募集停止の3大学を除くと、私立大全体の定員は約1,400人増える(大学新設を含み、通信教育課程と編入学定員を除く)。
 この他、学部・学科とは別に、2大学で「学部等連係課程実施基本組織」の申請があった。これは学内の既存の学部等が連係し、学問分野横断型の教育プログラムを行うための組織だ。

●新設大学・学部・学科の特徴
 分野別に見ると、国の理系拡大の方針に従い、理工系学部の増設が目立つ。中でも多いのが情報科学系と建築系。また、愛知淑徳大-教育など教員養成系の増設も目立つ。この他、金沢工業大の全学的な改編(4→6学部)、龍谷大-社会の学科統合(3→1学科)も要注目だ。
 24年に引き続き、女子大で活発な増設・改組が行われる。女子受験生の志望分野の多様化や共学志向の強まりを受け、大妻女子大や安田女子大など、従来カバーしていなかった分野へ進出する一方、フェリス女学院大(3→1学部に統合)のように人文・芸術系を統合するなど、「生き残り」を賭けた模索が続いている。

 
 新設大学・学部・学科等の詳細は、案内パンフレットや募集要項などで必ずチェックし、不明の点は入試担当者に問い合わせてほしい。特に、申請時とは名称や定員が変更されている場合があるので、注意してほしい。

  

【ここがポイント】

情報科学・建築・教員養成系の増設が目立つ
女子大で理系を中心とした増設や、改組・統合が活発化

  

2025年度/私立大学の新設予定大学・学部・学科一覧(認可申請分+設置届出<4月分>)


この記事は「螢雪時代(2024年9月号)」より転載いたしました。

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