入試動向分析

2023年 私立大一般選抜志願者動向分析【2023年6月】

2023(令和5)年度

 

2023年私立大一般選抜について、難関校を中心に、人気度を示す「志願者動向」を分析する。
あわせて、難易変動の指標となる「実質倍率」の変化も見ていく。
受験生数の減少に比例して志願者減、京阪神で合格者絞り込みが見られた。


【全体解説】

志願者3%減、チャレンジ志向だが前年の反動も。
大都市圏志向が強まり、京阪神で合格者絞り込み


独自入試は志願者4%減
共テ利用方式は前年並み

 『螢雪時代』編集部では、学部学生の募集を行う全国の私立大学(584大学。通信制と専門職大学を除く)に対し、2023年(以下、23年。他年度も同様)の一般選抜の志願者数を調査した。4月中旬現在で集計した確定志願者数のデータは「240大学:約281万5千人」にのぼる。

 この集計は各大学の独自入試(大学が独自の試験問題等で行う入試)と大学入学共通テスト(以下、共テ)利用方式を対象としている。

 その結果、私立大一般選抜の志願者数は、 22年の同時期に比べ約3%減少したことがわかった。今後発表される大学の志願者数を加えても、最終的に私立大の一般選抜志願者数は「3%程度の減少」となりそうだ(グラフ1)。複数の入試日程・方式等を合計した「延べ志願者数」なので、学内併願などの重複を除いた実質的な志願者数は、見かけほど変化していない可能性もあるが、それでも志願者が減少したことは間違いない。

 私立大一般選抜の志願状況を方式別に見ると(グラフ2)、共テ利用方式が前年並みだったのに対し、大学の独自入試と独自・共テ併用方式(独自入試の指定科目と、共テの高得点または指定科目を合計して判定)がいずれも4%減と、独自入試に関わる減少が目立つ。


チャレンジ志向と節約志向
推薦型・総合型の易化も影響

 23年の4(6)年制大学の受験生数は、『螢雪時代』編集部の推定では22年に比べ約2%減となる見込み。また、共テの志願者も3.4%減と、基礎となる数値が縮小したことを考慮すると、私立大の志願状況は順当に見える。

 文部科学省の最終集計では、私立大一般選抜は「21年=志願者15%減、合格者7%増/22年=志願者:増減なし、合格者5%増」と、倍率低下による易化が続いたため、23年はその反動も予想されたが、コロナ禍以前(20年)の水準はさらに遠のいた。

 こうした結果となった理由も含め、23年私立大一般選抜の志願動向の特徴としては、次の4つのポイントが挙げられる。


(1)チャレンジ志向と併願減

 23年入試は、21年の「共テ導入」と、25年の「新課程入試」のちょうど中間年度で、大規模な変更の少ない「無風期」といえる。そのため、 21・22年に難関校をはじめ、私立大全体が合格者増で倍率ダウンしたことはチャンスと捉えられ、上智大・明治大・同志社大の志願者が増えるなど、チャレンジ志向が見られた。

 また、ワクチン接種などのコロナ禍対策が進んだことが、遠隔地受験の心理的なハードルを押し下げた。大都市圏の大学でも対面授業が増え、学生生活もコロナ禍以前の状態に戻りつつあることも、大都市圏志向につながった模様だ。

 一方で、混迷する国際情勢に伴う経済不安と家計不安から「節約志向」は続き、受験生が合格確保校への併願を絞る(または受けない)傾向が見られた。特に、中堅校の志願者減が顕著で、全体の志願状況は「二極化」したといえる。

 ただし、難関~準難関校もコロナ禍以前まで回復した大学は少ない。過去3か年の同時期で志願者を比較すると、中央大は「前年比5%増、 20年比=22%減」、立命館大も「前年比3%増、 20年比=12%減」など、回復ははるか遠く。その中で、学習院大(20年比=7%増)、明治大(同5%増)、関西学院大(同32%増)は、コロナ禍以前を超える人気ぶりが注目される。


(2)推薦型・総合型の合格者増が影響

 学校推薦型選抜(以下、推薦型)・総合型選抜(以下、総合型)の22年に続く合格者増も、一般選抜の志願動向に影響を及ぼした。

 推薦型・総合型合計で、22年に比べ「志願者4%増、合格者6%増」(22年12月下旬現在:127大学集計)。22年の「志願者:前年並み、合格者6%増」(文部科学省の最終集計)ほどではないが、早めの入学者確保を見据え、合格者を多めに出す大学が主に中堅校で目立った。

 もともと私立専願型の成績中~下位層は、中堅校の推薦型・総合型にシフトしていたため、一般選抜の受験者層は厚みを失ったと見られる。

 「学科試験中心、併願可」と一般選抜に近いスタイルで推薦型・総合型を実施する、京阪神の大学を例に挙げてみよう。定員増を行った大阪経済大は、推薦型・総合型が「志願者64%増、合格者94%増」のため、一般選抜の志願者は17%減。また、神戸学院大も推薦型・総合型の「志願者5%増、合格者12%増」が、一般選抜の志願者19%減の一因になったと見られる。


(3)共通テストの易化も影響

 共テは数学をはじめ、22年に比べて大幅に平均点がアップ(=易化)した。

 22年の大幅難化の反動ともいえる共テの易化の影響は、私立大の共テ利用方式にも及び、共テ本試験日の後に締め切る「事後出願」の日程・方式は、結果を見てから出願できるため、志願者増が目立った。

 また、23年一般選抜の変更点には、上智大や早稲田大など共テ利用方式に関わるものが多かったことも、共テ利用方式の志願者が前年並みを保つ要因となった。

 さらに、地方公立大にぎりぎり手が届く学力層が、共テの平均点アップの影響でかえって後期への出願をあきらめ、私立大の共テ利用方式への併願を増やしたものと見られる。


(4)「女子大離れ」が進む

 一部の難関大以外はおしなべて志願者減が目立つ中でも、顕著なのが「女子大離れ」だ。

 女子大だけの集計では、前年比13%減。「共学志向」の強まりに加え、小規模校が多く、学部の選択肢が限られる(社会科学系や理工系が少ない)ことも、人気低下の要因と見られる。

 さらに、24年から恵泉女学園大・神戸海星女子学院大が募集停止、桜花学園大が共学化する予定など、女子大は転機を迎えている。


地区・系統ごとに見ると?


大都市圏志向と「理系の資格志向」が強まる

 全国6地区ごとの志願動向を見ると(グラフ3)、大都市圏を擁する関東・甲信越、関西の減少が小幅であるのに対し、北海道・東北、北陸・東海、中国・四国の減少が注目される。コロナ禍対策の進展から、大都市圏志向が強まり、各地区から首都圏や京阪神の難関~中堅上位校への受験生の流れが加速した模様だ。

 次に学部系統別の志願状況を見てみよう(グラフ4)。コロナ禍や国際情勢の混迷に伴う経済不安の影響で、「理系の資格志向」が強まり、医、歯、農・水畜産・獣医が増加。一方で、社会・社会福祉が大幅減、前年の反動から法、薬が減少するなど、全体的に弱めの「文低理高」となった。ただし、経済・経営・商は前年並みを保ち、海外留学が難しい国際・国際関係・外国語も微減に留まるなど、今後を見据えた志願動向も見られた。

 なお、芸術・体育の増加は、デザインなどを中心とした美術系によるところが大きい。また、家政・生活科学の大幅減は「女子大離れ」の影響といえる。


上智大・関西学院大が大幅増
青山学院大・法政大が大幅減

 ここから、各大学の志願状況を見ていこう。表1では、志願者数(大学合計:4月中旬現在)の多い順に、上位20大学を示した。志願者数の合計は、全体(240大学:約281万5千人)の約53%と半数以上を占める。

 表1以外の大学も含め、首都圏や京阪神の難関~中堅上位校では、志願者増減が相半ばする。志願者数トップは10年連続で近畿大だが3%減。前年の志願者16%増の反動と、推薦型の易化(志願者1%増に対し、合格者4%増)が要因と見られる。一方、2位の千葉工業大(4%増)はSB日程(従来のB日程と同日・別時間に実施、同時併願可)の導入が主な要因となった。

 首都圏の難関~準難関校では、上智大(18%増)が大幅増、学習院大(9%増)・中央大(5%増)・明治大(5%増)が増加。一方、青山学院大(8%減)・国際基督教大(10%減)・東京理科大(6%減)・法政大(9%減)・立教大(7%減)が減少、慶應義塾大(1%減)・早稲田大(3%減)もやや減少。全体的にはチャレンジ志向だが、前年の反動が強く作用した。

 上智大は共テ利用方式で3教科型を導入。従来(数学必須の4教科型)に比べ、文系学部で数学を受けずにすむこともあり、人気を集めた模様。また、中央大は法学部の「東京の郊外→都心」のキャンパス移転に加え、前年の大幅減(17%減)の反動も影響した。

 一方、早稲田大は教育で独自・共テ併用方式を導入したが、主力のC方式は共テ科目数の多さ(7~8科目)、2段階選抜、他方式との併願不可などが敬遠され、学部全体の志願者9%減につながった。

 いわゆる「日東駒専」は、駒澤大(5%増)・日本大(5%増)が増加したが、東洋大(11%減)が大幅減、専修大(3%減)も減少した。日本大は経営体制刷新によるイメージ回復とN全学統一方式2期の実施学部増など多様な入試改革の相乗効果と見られ、東洋大は隔年現象(1年おきに増減を繰り返す)と見られる。

 京阪神では、いわゆる「関関同立」のうち、関西学院大(13%増)が大幅増、同志社大(9%増)・立命館大(3%増)も増加したが、関西大は微減(2%減)となった。関西学院大は、前年の倍率ダウン(2.7倍→2.4倍)に加え、共テ利用の英語外部検定利用方式で出願資格を緩和したことも人気の要因と見られる。

 また、いわゆる「産近甲龍」のうち、甲南大(14%増)が大幅増、龍谷大(9%増)も増加したのに対し、京都産業大は微増(1%増)、近畿大はやや減少と、22年とは逆の志願状況となった。龍谷大は心理学部の増設、甲南大は一般中期と外部試験活用型(英語外部検定利用)の導入が、志願者増の主な要因となった。


英語外部検定利用も
志願動向に影響

表2では、志願者1,000人以上で、構成する全学部が志願者数を発表した大学について、増加率が高い順に上位20大学を示した。このうち10大学は前年の志願者減や倍率ダウンの反動がベースにあり、さらに入試の変更や学部増設などが複合的に作用した結果だ。

 特に注目したいのが、共テ利用方式を用いた新方式実施と、英語外部検定利用の導入・拡大だ。表2では、上智大・清泉女子大・関西外国語大が前者、拓殖大・玉川大・東京電機大・甲南大・西南学院大が後者に該当する。

 英語外部検定利用の場合、受検機会が複数あり、取得した級・スコアが複数大学で使用でき、入学後も役立つ。しかも、一般選抜で英語外部検定を利用する私立大は、23年では226大学と前年に比べ微増(4大学増)ながら、全私立大の約4割を占める。高校生の英語検定・資格試験の受験が一般化し、有資格率も上がっている現状では、センター試験以上に独自入試と異なる対策が必要な共テと比べ、私立専願型の受験生にとって使い勝手の良い方式といえる。


大都市圏もそれ以外も
中堅校の減少が顕著

 ここまで紹介した大学以外について、各地区の志願状況を見てみよう。


①首都圏

 準難関~中堅上位校では、明治学院大(16%増)が大幅増。一方、國學院大(5%減)・成城大(9%減)・成蹊大(5%減)・武蔵大(9%減)が減少するなど、前年の反動が目立つ。また、津田塾大(7%減)・東京女子大(17%減)・日本女子大(3%減)の女子大上位校も、やはり前年の反動からそろって減少した。

 理工系中心の大学では、東京電機大(17%増)が大幅増、東京都市大(6%増)が増加、工学院大(4%減)・芝浦工業大(3%減)がやや減少した。

 中堅校では、玉川大(27%増)が大幅増、亜細亜大(8%増)・神奈川大(3%増)も増加。一方、大東文化大(10%減)・東海大(14%減)は大幅減、桜美林大(7%減)も減少した。また、女子大では共立女子大(6%増)・実践女子大(8%増)が増加、大妻女子大(16%減)・東京家政大(35%減)は大幅減と明暗が分かれた。


②京阪神地区

 主な女子大では、京都女子大(11%減)・同志社女子大(17%減)・神戸女学院大(38%減)・武庫川女子大(13%減)とそろって大幅減。中堅校でも、佛教大(36%減)・大阪経済大(17%減)・大阪工業大(10%減)・摂南大(19%減)・桃山学院大(42%減)・神戸学院大(19%減)と軒並み大幅減となった。

 一方、志願者増は関西外国語大の35%増が目立つ程度。留学を取り巻く環境など逆風下ながら、学部増設(国際共生)や共テ利用関連の新方式導入が大幅増の要因となった。

 なお、学費を減額(6年間で2,770万円→ 2,100万円)した関西医科大 – 医では44%増と、志願者が激増した。


③その他の地区

 国公立大との併願が多い各地域の拠点大学のうち、志願者が増えたのは愛知大(9%増)・西南学院大(10%増)が目立つ程度。一方、北海学園大(9%減)・中京大(11%減)・南山大(5%減)・広島修道大(14%減)・松山大(19%減)・九州産業大(6%減)・福岡大(7%減)が減少し、全学規模の学部改組(教養を4学部に分割)を行った東北学院大(2%減)や、名城大(2%減)・岡山理科大(2%減)も微減。大都市圏志向の影響とともに、前年の反動も顕著に見られた。


【ここポイント】

チャレンジ志向と推薦型・総合型人気に二極化
大都市圏志向が加速、中堅校は減少目立つ
英語外部検定利用なども人気要因に


合格状況はどうなったか?


「志願倍率」に惑わされず
「実質倍率」に注目しよう

 次に、私立大一般選抜の合格状況を見よう。

中でも倍率の変化は、「難化・易化」を計る物差しとなる重要データだが、一般的に使われる「倍率」には次の 2 通りあることに注意したい。

*志願倍率=志願者数÷募集人員=見かけの倍率
*実質倍率=受験者数÷合格者数=実際の倍率

 私立大では合格者の入学手続率を考え、独自入試で募集人員の5倍程度、共テ利用方式では 10 倍程度の合格者を出すのが普通だ。

グラフ5で関西学院大-工の例を見てみよう。一般入試(全学部日程)の志願倍率は18.4倍だが、合格者(補欠合格を含む)を募集人員の7.7倍出しているので、実質倍率は2.3倍となる。また、共テ利用入試(1月出願)の志願倍率は53.6倍もの超高倍率だが、合格者を募集人員の23.6倍も出しているので、実質倍率は2.3倍におさまった。これなら「とても手が出ない」という倍率ではないだろう。

 見かけの倍率に惑わされることなく、実際の倍率を志望校選びのデータとして活用しよう。


受験者3%減、合格者1%減
倍率は2.9倍と前年並み

 旺文社が私立大一般選抜の受験・合格状況について調査したところ、正規合格者まで発表した148大学の集計(4月中旬現在)では、受験者数(未公表の場合は志願者数で代替)の3%減に対し、合格者数は1%減のため(グラフ6)、実質倍率(以下、倍率)は22年・23年ともに2.9倍と変動がなかった。

 地区別の集計では、首都圏(3.2倍→3.1倍)、京阪神(3.0倍→3.1倍)、その他の地区(2.4倍→2.2倍)となり、首都圏が合格者増で倍率ダウンしたのに対し、京阪神は合格者減で倍率アップと対照的な結果になった。

 特に、京阪神の「合格者絞り込み」は、21・22年の合格者増の傾向と比べ、やや潮目が変わった印象がある。その要因としては、①推薦型・総合型で合格者を増やし(志願者5%増に対し合格者9%増:40大学集計)、入学者確保に努めた結果、一般選抜では合格者を増やす余地がなかった、②同じ理由から、3月入試で志願者自体が残っておらず、結果として合格者も減少した、③定員管理の方式が「入学定員の単年度管理」から「収容定員の複数年度管理」に変わり、柔軟な運用が可能になったため、21・22年の合格者増に対し、23年は調整を行った可能性がある、等が挙げられる。

 以下、主な大学で倍率が目立って変動したケースを紹介する(*は「志願者÷合格者」、その他は実質倍率。主に 2 月入試の集計)。

①倍率アップ 学習院大3.3倍→3.6倍、京都産業大2.8倍→3.2倍、龍谷大2.5倍→3.0倍、近畿大3.8倍→4.1倍、甲南大2.5倍→3.1倍、西南学院大2.9倍→3.3倍

②倍率ダウン 千葉工業大3.7倍→3.3倍、国士舘大3.0倍→2.2倍、上智大4.6倍→3.9倍*、東海大2.6倍→2.1倍、佛教大3.1倍→2.6倍、追手門学院大4.5倍→4.1倍、大阪工業大3.7倍→3.1倍、大阪電気通信大4.8倍→3.2倍、桃山学院大2.0倍→1.4倍、久留米大2.6倍→2.0倍、福岡大3.0倍→2.7倍

 このうち、京阪神の中堅上位校で合格者絞り込みが目立った。京都産業大は受験者2%増に対し合格者10%減、龍谷大も受験者11%増に対し合格者5%減、甲南大も受験者13%増に対し合格者10%減。また、近畿大は受験者2%減ながら合格者11%減のため、いわゆる「産近甲龍」がそろって合格者を絞り込み倍率アップ、全体としてやや難化した模様だ。

 一方、上智大では志願者18%増に対し、合格者を39%も増やしたため、かえって倍率ダウン。上記以外になるが、受験者13%増の関西学院大も、22年に続く合格者大幅増(18%増)のため、倍率は2.6倍→2.5倍にダウンした。思い切って挑戦した結果、意外な合格を手にした受験者もいたのではないだろうか。


ボーダーライン付近は激戦
明暗を分ける1点の重み

 受験生の中には、ふだん「1点の差」を気にも留めない人がいるだろう。しかし、入試本番ではその「1点」が大切なのだ。

グラフ7に、関西大-商の2月一般入試(全学日程1・2の合計)の23年入試結果から、合格ライン付近の上下10点幅の人数分布を示した。受験者5,549人、合格者1,271人で倍率は4.4倍。合格最低点は450点満点で277点(得点率61.6%)だった。

 注目すべきは、最低点を含めた「上10点幅」の部分で、ここに合格者全体の約25%が集中する。最低点ぴったりのボーダーライン上にいるのは39人。高校の1クラス分の人数だ。わずか1点差での不合格者も39人(やはり1クラス分)、10点差以内の不合格者は364人もいる。合格ライン付近は、同じ得点帯の中に、多くの受験生がひしめき合っているのだ。

 たった1つのケアレスミスが命取りになり、合否が入れ替わるのが「入試本番」。ふだんの勉強から解答の見直しを習慣づけよう。


【ここポイント】

京阪神で合格者絞り込みが目立つ
「産近甲龍」がそろって難化か
「1点の重み」の大切さを認識しよう


24年変更点は何か?


理工・医療・心理の増設目立つ
広島修道大が大規模な入試改革

 24年入試の主な変更点の一部を紹介する。


●新設大学・学部等(以下は予定。名称は仮称)

 北海道武蔵女子大・仙台青葉学院大・愛知医療学院大・高知健康科学大の4大学が新設予定。

 学部等の増設は、理工系(日本女子大 – 建築デザイン、明治学院大 – 情報数理など)、医療系(順天堂大 – 薬、北里大 – 健康科学、大阪歯科大 – 看護など)、心理系(京都女子大 – 心理共生、神戸女学院大 – 心理など)が目立つ。


●推薦型・総合型の変更

 早稲田大 – 社会科学の全国自己推薦で英語外部検定利用を必須化。また、東京医科大 -医(医)で「全国ブロック別学校推薦型」、産業医科大 – 医で共テを課す総合型を新規実施する。


●一般選抜の変更

 日本赤十字系列の6看護大で共テ利用の共通入試を新規実施(同時併願可)。広島修道大は一般前期で試験日程を整理(5→3日間)、全日程でスタンダード(受験必須、全学共通問題)・高得点科目重視・共テプラスの3方式を同時実施。同時併願可とし、受験料のセット割引も導入。


●キャンパス移転

 東洋大 – 生命科学・食環境科学が「群馬県→埼玉県」に移転。立命館大 – 映像・情報理工も交通至便な大阪府のキャンパスへ移転する。

 

この記事は「螢雪時代(2023年6月号)」より転載いたしました。

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