入試動向分析

2023年 国公立大入試 変更点速報
 【2022年5月】


2023年国公立大入試の志願動向に影響しそうな変更点を速報する。
一橋大・名古屋市立大の情報科学系学部の新設や、岡山大の全学部の後期募集停止などが注目される。

※この記事は『螢雪時代・2022年5月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)

一橋大が文理融合型の情報科学系学部を新設!
岡山大が全学で後期を募集停止、影響大!

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東京外国語大で数学負担増
名古屋大-工で女子枠新設

2023年(以下、23年)国公立大入試の特徴と、志願動向に影響しそうな変更点を見ていこう。23年入試では、新増設・改組、募集人員の増減、科目の変更、学校推薦型・総合型選抜(以下、それぞれ推薦型、総合型と略)の導入など、22年とほぼ同程度の見込みだ。
 22年入試では共通テスト(以下、共テ)の難化にもかかわらず、受験生は「初志貫徹」の出願傾向で、難関校にも積極的にチャレンジした。ただし、過去の共通1次でもセンター試験でも、平均点は導入3年目もダウン(=難化)しており、23年の共テもそうなる可能性があるので、受験生には冷静な判断が求められる。



①学校推薦型・総合型選抜の変更
【国立大】名古屋大-工で、2学科(電気電子情報工、エネルギー理工)の共テを課す推薦型に「女子枠」を新設。岡山大では、文で共テ免除推薦を廃止し、共テを課す総合型を新規実施。また、法[夜]で共テを課す総合型を新規実施、理は生物学科で共テ免除推薦型を、その他の4学科で共テを課す総合型を新規実施する。
 この他、横浜国立大-経営で共テを課す総合型を廃止し、共テ免除推薦型の募集枠を拡大。新潟大-農で推薦型(普通科等)を「共テ免除→課す」に変更。長崎大-多文化社会で共テを課す推薦型を新規実施する。
【公立大】高知工科大-理工学群で共テを課す推薦型を廃止し、共テ免除総合型を新規実施。山陽小野田市立山口東京理科大-工で共テ免除総合型を、薬で共テを課す総合型を新規実施。また、岩手県立大-ソフトウェア情報、高知県立大-看護の推薦型で全国枠を新設する。



②新増設・改組
 要注目は、ここ数年で新設が相次ぐ情報科学系の学部増設だ。一橋大が「ソーシャル・データサイエンス学部」、名古屋市立大が「データサイエンス学部」を新設する。
 一橋大では初の文理融合学部であり、文理双方の難関校志望者から注目されそう。一方で、既存4学部は定員減となることもあり、首都圏の志願動向にやや影響しそうだ。
 私立の旭川大が公立大学法人化し、「旭川市立大」となる予定。また、名桜大では「国際学群→国際学部」への改組と、学科増設(人間健康-健康情報)を予定している。
 この他、大分大-医で「メディカル・イノベーション学科」を増設。高知工科大で「環境理工学群→理工学群」に改組。一方、東京学芸大-教育で、教員養成課程を「4→1」に統合。長崎大- 経済で夜間主コースを募集停止する。

名桜大では「国際学群→国際学部」への改組と、学科増設(人間健康-健康情報)を予定


③日程・募集人員の変更
 一般選抜の日程変更では、岡山大が全学で後期募集を停止する(22 年まで後期を行った文・法[昼・夜]・経済[昼]・理・医(保健)・歯・薬・工・農で募集停止)。関西~中国・四国の難関~準難関校の貴重な併願先だっただけに影響は大きく、23年国公立大入試で最大の変動要因と言っても過言ではない。広島大・徳島大の後期、大阪公立大・兵庫県立大の中期・後期の志願者増に結びつきそうだ。
 この他、岐阜大-医(医)、長崎大-多文化社会の後期募集停止、岩手県立大-ソフトウェア情報の「後期→中期」への移行、一方で香川大-農の後期復活などが注目される。
 募集人員では、長崎大-水産が募集人員の配分を「前・後期均等→前期重視」に変更する。
 なお、愛媛大-医(医)で定員減の予定。医師不足対策として実施された「臨時定員増」が期限を迎えるためで、最終的に再申請すると見られるが、人数を減らして申請する可能性もあるので要注意だ。


④入試科目の増減など
【主体性の評価】北海道教育大では、札幌校・旭川校・釧路校の前・後期と函館校の一部の後期で、「学びの履歴と志望理由書」提出を追加。前期は加点対象とし、後期では面接の参考とする。徳島大-理工[昼]の後期も、2次に志望調書の提出と点数化(25 点)を追加。
 一方、三重大-人文の後期で、2次のペーパーインタビュー(志望理由について記述)を「試験科目→提出書類、配点化→総合評価」に変更する。
【科目数の増減】東京外国語大は全3学部の前期で、共テの数学を「1→2科目」に増加。岩手県立大-ソフトウェア情報の中期で2次を1→3教科に増加。横浜市立大-理・データサイエンスの前期で、2次に英語を追加する。
 一方、富山大-工は生命工以外の4コースの後期で、2次の面接を廃止。愛媛大-医(看護)の前期の2次でグループディスカッションを廃止する。
【配点の変更】兵庫県立大-理の中期で、共テの英語リーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更する。
【2段階選抜】横浜国立大-理工の前・後期、岩手県立大-ソフトウェア情報の中期で2段階選抜を新規実施。また、広島大-医(医)の前期で、予告倍率を「募集人員の7倍→約5倍」に引き締める。一方、長崎大-水産の前期では2段階選抜を廃止し、共テの得点を「2段階選抜のみに利用→2次と合わせて合否判定に利用」に変更する。

以下から、2月末までに判明した「2023年国公立大入試の主な変更点」を掲載した。さらに今後、各大学が6~7月に発表する「選抜要項」(入試の概略を紹介した冊子)、10~12月に発表する「募集要項(出願書類を備えた正式な入試要項)」などで必ず確認してほしい。


【ここポイント!】
変更は22年と同程度。落ち着いて準備を!
後期日程の縮小、総合型の拡大が続く
選抜要項などで必ず確認すること!


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2023年国公立大入試の主な変更点(速報)

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[変更点の見方] 2月末までに判明した変更点のうち、一部を掲載した。以下の一覧で、新設・改組以外の学部(学科等)名は略称で、【前】=前期日程、【後】=後期日程、【中】=公立大中期日程、[昼]=昼間コース、[夜]=夜間主コース、共テ=大学入学共通テスト、個別=個別試験(2次試験)、共テ免除=共テを課さない、推薦型=学校推薦型選抜、総合型=総合型選抜、の略。増設学部・学科等の名称は仮称で、設置構想中を含む。「募集人員の変更」は、変更のある日程・方式のみ掲載。「一般選抜の科目等の変更」は、共テについては原則として、科目数の変更を掲載した。共テの科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6または7科目」と表示した。なお、医学部(医学科)の定員減や募集人員減は、今後の定員増の再申請によって変更の可能性がある。


●新増設・改組
(設置構想中を含む)

《私立大学の公立大学法人化》
旭川市立大  私立の旭川大(経済・保健福祉の2学部)を公立大学法人へ転換し、名称変更予定(名称は仮称)

《学部等の増設・改組等》
東京学芸大  教育学部で初等教育・中等教育・特別支援教育・養護教育の各教員養成課程を統合し、「学校教育教員養成課程」に改組。初等教育、中等教育、特別支援教育、養護教育の4専攻を設置する予定
一橋大  ソーシャル・データサイエンス学部(定員60人)を開設予定/既存の学部を定員減の予定(商275人→258人、経済275人→258人、法170人→159人、社会235人→220人)
長崎大  経済学部夜間主コースを募集停止予定
大分大  医学部に「メディカル・イノベーション学科」を増設予定(生命健康科学・臨床医工学・医療マネージメントの3コース構成)
名古屋市立大  データサイエンス学部(定員80人)を開設予定
高知工科大  理工学群(環境理工学群を名称変更予定)・情報学群を、それぞれ「4→3専攻」に改編予定
名桜大  国際学群を「国際学部」に改組予定。6専攻を「国際文化・国際観光産業」の2学科に統合、280人→340人に定員増/人間健康学部に「健康情報学科」を増設予定

●一般選抜の日程変更
《「後期日程募集停止」の大学・学部等》
岐阜大  医(医)
三重大  教育(学校教育=数学初等・中等)
京都工芸繊維大  工芸科学(デザイン・建築)
岡山大 文・法[昼・夜]・経済[昼]・理・医(保健)・歯・薬・工・農
広島大 教育(第四類=音楽文化系)
長崎大 多文化社会

《「後期日程新規実施」の大学・学部等》
秋田大 医(保健)
東京医科薬科大 医(保健衛生=検査技術学)
香川大 農

《「中期日程新規実施」の大学・学部》
岩手県立大 ソフトウェア情報(←後期から移行)

●募集人員の変更
秋田大 医(保健)=前期64人→44人、後期10人(新規)、総合型42人→52人
東京医科歯科大 医(保健衛生=検査技術学)=前期27人→20人、後期7人(新規)/歯(歯)=後期15人→10人、推薦型5人→10人
横浜国立大 経済=前期140人→145人(DSEP5人→10人)、後期80人→90人(DSEP5人→10人・LBEEP5人〈新規〉)、総合型30人→15人(GBEEP15人→募集停止)
※DSEP・LBEEP・GBEEP=学問分野複合学習プログラム
名古屋大 医(医)=前期一般枠90人→85人・地域枠5人(新規実施)、後期(5人)を「地域枠→一般枠」に移行
広島大 工( 第三類)= 前期90人→80人、後期7人→10人、総合型7人→14人
香川大 農=前期105人→90人、後期15人(新規)
愛媛大 医(医)=地域特別枠推薦20人→5人(予定)
長崎大 経済[昼]=総合型15人→45人/情報データ科学=前期70人→75人、推薦型15人→20人/水産=前期45人→60人、後期45人→30人、推薦型15人→25人/医(保健=理学療法学)=前期15人→24人
岩手県立大 ソフトウェア情報=後期20人→中期15人
新潟県立看護大 看護=前期50人→45人、推薦型35人→40人
金沢美術工芸大 美術工芸=中期137人→144人、推薦型13人→11人
神戸市看護大 看護= 前期55人→60人
岡山県立大 保健福祉(看護)=前期20人→24人、後期8人→4人
山陽小野田市立山口東京理科大 薬=中期70人→60人、総合型10人(新規)
高知工科大 理工学群=前期A方式50人→40人、同C方式10人(新規)、後期15人→10人、推薦型25人→10人、総合型20人(新規)

●一般選抜の科目等の変更
北海道教育大 [個別]教育(教員養成課程=札幌校・旭川校・釧路校)【前】【後】、同(国際地域=函館校〈地域教育〉)【後】=「学びの履歴と志望理由書」提出を追加。前期では加点対象とし、後期では面接の資料として活用(加点しない)
秋田大 [共テ]教育文化(学校教育=英語教育)【前】【後】=英語のリーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更。[個別]教育文化(学校教育=英語教育)【前】=英語からリスニングを除外、小論文(英語)を追加/同(学校教育=理数教育)【前】=2→1科目、英語を選択から除外
宇都宮大 [共テ]地域デザイン科学(社会基盤デザイン)【前】=物理100点→200点、同【後】=数学200点→300点・物理100点→200点。[個別] 地域デザイン科学(社会基盤デザイン)【前】=2→1科目(理科を除外)
東京医科歯科大 [2段階選抜]歯(歯)【前】で予告倍率を「募集人員の約6倍→約10倍」に緩和
東京外国語大 [共テ]言語文化【前】・国際社会【前】・国際日本【前】=5または6 → 6 または7 科目( 数学1→2科目)
横浜国立大 [2段階選抜]理工【前】【後】で新規実施(予告倍率:前期=募集人員の6倍、後期=同8倍)。[個別]教育【前】=「面接の結果によっては共テ・個別合計が合格最低点に達しても不合格とする」条件を追加
富山大 [共テ]理(数学)【後】=3→5科目(数学2科目を追加)。 [個別]工( 生命工以外)【後】=面接を除外
岐阜大 [個別]教育(学校教育=美術)【前】=「国語・数学・英語から1」を除外
三重大 [個別]人文【後】=ペーパーインタビュー(面接に代わる志望理由についての記述試験)が「教科→出願書類」に(配点化→総合評価)
京都工芸繊維大 [個別]工芸科学(応用生物学域)【後】=課す→課さない(総合問題を除外)/同(物質・材料科学域、設計工学域)【後】=理科を除外
広島大 [2段階選抜]医(医)【前】=予告倍率を「募集人員の7倍→約5倍」に引き締める。[個別]医(医)【前】=英数重視型のA(em)配点を追加/理(化学)【後】=理科→面接
徳島大 [個別]理工[昼]【後】=志望調書(25点)を追加/医(医科栄養)【前】=面接を追加/医(保健=検査技術科学)【前】=志望理由書(40点)を追加
愛媛大 [個別]医(看護)【前】=グループディスカッションを廃止
福岡教育大 [個別]教育(初等=幼児教育)【前】=小論文→面接/同(初等=小学校教育、人文・社会教育)【前】=小論文→面接、調査書点数化を廃止/同(初等=理数・自然教育)【前】=「数学または理科」を追加、小論文→面接、調査書点数化を廃止/同(初等=芸術・実技教育)【前】=実技等を追加、小論文→面接、調査書点数化を廃止/同(中等=家庭)【前】=家庭→小論文/同(初等=小学校教育、人文社会教育、理数・自然教育)【後】=面接→小論文
長崎大 [2段階選抜]水産【前】で2段階選抜(基準:共テ900点中450点以上)を廃止。[実施方式]水産【前】=「共テ900点を2段階選抜のみに利用、個別280点で合否判定」→「共テ900点、個別900点で合否判定」に変更/経済[昼]【前】=配点A(個別の数学・外国語が均等配点)、配点B(個別の数学・外国語で高得点の方を2倍)のうち、配点Bを廃止
鹿児島大 [共テ]医(保健=理学療法学)【前】【後】=理科2→1科目。[個別]共同獣医【後】=課す→課さない(面接を除外)
岩手県立大 [個別]ソフトウェア情報【中】=1→3教科、2段階選抜を新規実施
茨城県立医療大 [共テ]保健医療(看護、理学療法、作業療法)【前】【後】=理科2→1科目
東京都立大 [共テ]健康福祉(放射線)【後】=国語を追加
横浜市立大 [個別]理【前】・データサイエンス【前】=英語を追加
金沢美術工芸大 [個別]美術工芸(デザイン、工芸)【中】=面接を除外/同(美術=芸術学)【中】=小論文を「選択→必須」とし、ポートフォリオ提出を追加
兵庫県立大 [共テ]理【中】=英語のリーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更
山陽小野田市立山口東京理科大 [共テ]工(機械工、電気工)【前】=B方式で「4または5科目→5または6科目」。[個別]薬【中】=数学の出題範囲に数学Ⅲを追加
高知工科大 [実施方法]理工学群【前】=C方式を新規実施(募集10人)。共テで理科の配点重視(750点満点中400点)、2次が理科1科目

●推薦型・総合型の変更
宇都宮大 農(農業環境工)で、共テ免除総合型と共テ免除推薦型(専門高校・農業関連学科推薦)を新規実施し、共テ課す推薦を廃止
東京農工大 農(共同獣医)で共テを課す推薦型の「産業動物獣医師養成枠」を新規実施
横浜国立大 経営で共テを課す総合型を廃止し、共テ免除推薦型の募集枠拡大(34人→49人)
新潟大 農の推薦型(普通科等)を「共テ免除→課す」に、募集を「プログラム別→一括」に変更し、小論文を廃止
信州大 教育(学校教育=心理支援教育)で共テを課す推薦型を新規実施/医(保健=看護学・作業療法学)で推薦型を「共テ免除→課す」に変更
富山大 理(数学)で推薦型を「共テ免除→課す」に変更
金沢大 生命理工学類生命システムコースで共テを課す総合型を新規実施
名古屋大 工(電気電子情報工、エネルギー理工)の共テを課す推薦型で「女子枠」を新設
岡山大 文で共テ免除推薦型を廃止し、共テを課す総合型を新規実施/法[夜]で共テを課す総合型を新規実施/理(数学、物理、化学、地球科学)で共テを課す総合型、同(生物)で共テ免除推薦型を新規実施
広島大 教育(第四類=音楽文化系)で総合型を「共テ免除→課す」に変更
徳島大 生物資源産業の共テ免除推薦型で「地域産業振興枠」を新設/理工[昼](光システム)で、共テ免除推薦型の「次世代光フロンティア入試」を新規実施
福岡教育大 教育(中等=家庭)で推薦型を「共テ免除→課す」に変更
長崎大 多文化社会で共テを課す推薦型を新規実施
宮崎大 農(海洋生物環境)で共テ免除総合型を新規実施
岩手県立大 ソフトウェア情報の推薦型で全国枠を新設
東京都立大 システムデザイン(航空宇宙システム)で一般推薦(共テ免除)を廃止し、高校特定型特別推薦(指定校制、共テ免除、英語外部検定利用)を新規実施
都留文科大 教養(地域社会)で学校推薦型(活動評価)を廃止し、総合型を新規実施
山陽小野田市立山口東京理科大 工で共テ免除総合型を新規実施/薬で共テを課す総合型を新規実施
高知県立大 看護の推薦型で全国枠を新設
高知工科大 理工学群で共テを課す推薦型を廃止し、共テ免除総合型を新規実施

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2022年5月号)」より転載いたしました。

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