共通テスト難化に揺れた、2022年(以下、22年)入試結果データがほぼ出そろった。
ここでは、国公立大、私立大それぞれの一般選抜の結果を最終チェック。
さらに、新増設や科目変更など、23年入試の最新情報も紹介する。
※この記事は「螢雪時代(2022年8月号)」の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)
全体解説:一般選抜の結果を見ると、国立大後期はやや難化、私立大は全体に倍率低下。理系の資格志向が顕著。
国公立大:
横浜国立大が倍率アップ
大阪公立大はややダウン
国公立大の22年一般選抜の実施結果を『螢雪時代』編集部で調査したところ、全体の集計では21年に比べ、国立大が「志願者2%増、合格者:前年並み」で、倍率(志願者÷合格者。以下、特に注記のない場合は同じ)は3.4倍→3.5倍(21年→22年。以下同じ)とややアップ。一方、公立大(別日程実施の大学を除く)は「志願者2%減、合格者:前年並み」で、倍率は4.3倍→4.2倍とややダウンした。
日程別に見ると(グラフ2)、国立大後期と公立大中期の倍率アップ、公立大前期のダウンが注目される。
21年入試では、新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)の影響で、家計不安などに伴う「超地元志向」から、通学圏内の地方公立大の志願者が増加した。
22年はワクチン接種などコロナ禍対応が進み、遠隔地受験への心理的ハードルが下がった。また、大学入学共通テスト(以下、共テ)の平均点が、当初の予想を超えて大幅ダウン(グラフ1)。特に数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・Bの難化は文理ともに影響すると見られたが、成績上位層が初志貫徹の出願を堅持したことが、大都市圏の難関国立大の志願者増につながった。なおかつ、家計不安から「どうしても国立大」という受験生が、後期まで粘って合格を目指したことが、募集枠縮小(2%減)の国立大後期の志願者増と倍率アップに結びついた。
一方、公立大にぎりぎり手が届く学力層を共テの難化が直撃したため、公立大前期は志願者減。合格者が2%増と緩和されたことも、倍率ダウンにつながった。
各大学の実質倍率(全学の合計。受験者数÷合格者数。ただし、*は志願者数÷合格者数)の変動を見てみよう。難関校では、北海道大(2.4倍→2.7倍)の倍率アップが目立つ。また、東京大(3.0倍→3.2倍*)・東京工業大(3.8倍→3.9 倍*)・一橋大(3.8倍→ 4.0 倍*)・大阪大(2.2倍→2.3倍)もややアップ。一方、名古屋大(2.3倍→ 2.2 倍)はややダウンした。
準難関校では、21年にコロナ禍対応で2次を取りやめ、22年に復活した横浜国立大は、合格者20%減のため倍率大幅アップし(2.6倍→4.3倍*)、難化したと見られる。一方、2大学(大阪市立大・大阪府立大)が統合し、志願者数トップとなった大阪公立大は、「受験者8%減、合格者3%減」で3.7倍→3.5倍とややダウン。また、千葉大(4.7倍→4.4倍*)・東京都立大(5.1倍→ 4.3倍*)のダウンが目立った。
各地区の中堅校では、毎年繰り返されるのだが、安全志向から前年の極端な反動が見られた。倍率の変動が目立った主な大学は次の通り。
【倍率アップ】弘前大1.8倍→2.7倍、宇都宮大1.5倍→1.9倍、新潟大2.0倍→2.3倍、福井大1.8倍→2.2倍、奈良女子大2.0倍→2.7倍、徳島大2.2倍→2.9倍、岩手県立大3.2倍→3.6倍、京都府立大3.0倍→3.7 倍、島根県立大2.0倍→2.5倍、山陽小野田市立山口東京理科大3.2倍→ 4.6倍、長崎県立大2.2 倍→2.5 倍 |
学部系統別に見ると(グラフ3)、志願状況に比例して、文系に比べ理系で倍率アップの系統が多く、やや「文低理高」傾向が見られる。理、農・水畜産・獣医、薬は、「理系の資格志向」に加え、ワクチン開発などで化学・生物系への注目が高まった影響と見られ、特に薬は難化した模様だ。
他方、経済・経営・商、国際・国際関係の倍率アップは、前年の反動に加え、「海外留学が困難」などの逆風にかかわらず、コロナ禍の後を見据えた出願傾向の反映といえる。
私立大:
志願者1%増、合格者8%増。文系中心に易化
『螢雪時代』編集部の私立大一般選抜結果調査(554大学集計)によると、21年に比べ全体で「志願者1%増、合格者8%増」、倍率は3.1倍→2.9倍とややダウンした。
入試方式別では、各大学の独自入試は「志願者1 % 増、合格者6 % 増」で倍率は3.3倍→3.1倍にダウン。また、共テ利用方式(独自入試との併用を含む)は「志願者1%減、合格者8%増」で、倍率は2.8 倍→2.5倍とダウンした。
前年の私立大一般選抜は「志願者15%減、合格者7%増」(文部科学省集計)で全体に易化したが、その反動が予想されていたより弱く、22 年の志願者は微増に留まった。
コロナ禍対応の進展に加え、前年の易化が「チャレンジ志向」に結びつき、首都圏や京阪神の難関~準難関校が人気復活したが、中堅上位~中堅校は志願者減が目立った。コロナ禍に伴う家計不安から、21年に続き併願校絞り込みが行われた模様。さらに中堅上位~中堅校の学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型、総合型と略)が合格者増で易化したため、一般選抜の受験者層が厚みを失ったものと見られる。
国立大志向もあり、入学手続率の読みにくさから、難関校から順次、正規合格者を増やし、さらに追加・補欠合格を多めに出した。そのため、中堅校に至るまで、玉突きで同じ措置を取らざるを得ず、倍率ダウンする大学が続出、全体に易化したといえる。
志願者数の上位10大学(表1)の入試結果を見ると、7大学で志願者が増加したが、9大学で合格者が増加。6大学で実質倍率(受験者÷合格者。ただし、*を付した大学は志願者÷合格者)がダウンした。
この他、主な大学のうち、実質倍率のダウンが比較的大きかった大学は次の通り。
学習院大4.4倍→3.3倍、國學院大3.8倍→3.5倍、駒澤大3.2倍→2.7倍、上智大3.8倍→3.1倍、専修大3.3倍→2.9倍、東京電機大5.1倍→4.6倍、明治学院大3.3倍→2.7倍、立教大4.5倍→4.0倍、京都産業大3.3倍→2.8倍、龍谷大2.9倍→2.5倍、関西学院大2.7倍→2.4倍、甲南大2.8倍→ 2.5 倍 |
一方、主な大学で倍率アップしたのは、青山学院大(3.8倍→4.1倍)、愛知大(2.1倍→2.4倍)など少数に留まる。
地区別の集計をみると(グラフ4)、4地区で倍率ダウン、2地区で前年並み。特に首都圏を擁する関東・甲信越で、合格者大幅増による倍率ダウンが顕著。難関校をはじめとした追加・補欠合格の多さが影響したといえる。
学部系統別にみると(グラフ5)、私立大の主軸といえる経済・経営・商をはじめ、文系学部で合格者増と倍率ダウンが著しく、全体的に易化した模様。ただし、志願者増の法は倍率も前年並みを保った。一方、理系学部は農・獣医畜産・水産、薬がやや倍率アップ。その他も小幅なダウンに留まり、志願状況でも倍率面でも「文低理高」が鮮明に表れた。
グラフ6で文理別・難易ランク別の志願者・合格者動向(5月27日現在:駿台予備学校の集計)を見てみよう。ここでいう難易ランク(第3回駿台・ベネッセ共通テスト模試での合格可能性60%ラインによるグループ分け)は、同じ大学内でも学部によって異なるが、おおむね、Aランクは難関校や難関医科大、Bランクは準難関校、Cランクは中堅上位校、D~Eランクは中堅クラスを指す。
文系は「チャレンジ志向」を反映してAランクは志願者微増だが、合格者の増加率が大きく上回る。B~Dランクが「志願者減・合格者増」で、Eランクのみ志願者・合格者ともに減少した。
一方、理系は「文低理高」傾向を反映し、A~Cランクが「志願者増・合格者増」。一転してDランクは「志願者減・合格者増」となり、Eランクは志願者・合格者ともに減少した。
文系では「B→D」と志願者減少率が高まり、理系はCランクが志願者・合格者ともに増加率が最も高いのが特徴的。Eランクは、推薦型・総合型で入学者の多数が決まる大学が多いことから、一般選抜の志願者も合格者も増やしようがなかったものと見られる。いずれにせよ、文理ともに難関校から中堅校に至るまで、広く倍率ダウンした様子が見て取れる。
また、全国の私立大を、大学単位の競争率(実質倍率)グループ別に分類すると(グラフ7)、5倍以上の高倍率校をはじめ、2~4倍台が減る一方で、1倍台の低倍率校が大幅増と、前年と似た現象が起きている。高倍率校から玉突き状に合格者増が連鎖した結果といえる。
合格者成績の実例を見ると?
国公立大:
共テ・2次の配点比率で合格者の成績分布も変わる
「倍率」とともに気になるのが、合格者の最低点や平均点といった「合格者データ」だろう。
合格最低点は合否の分かれ目になる、いわゆる「ボーダーライン」。合格平均点は、総じて最低点より得点率(%)にして5~10p(ポイント)程度高い。合格最低点は「最低目標」として重要なデータなのだが、確実に合格を目指すには、「合格者平均点」のレベルまで学力アップしておくことが望まれる。
22年入試の例として、岡山大の前期日程の合格者データを見てみよう(表2)。
総合点を得点率(%)に換算し、各学部・学科等を分野別にまとめて平均すると、文系・教員養成系で「最低60%・平均65%」、理工農系で「最低55%・平均60%」、医療系で「最低60%・平均67%」となる。合格するには、文系・教員養成系、医療系で60%程度(医は70%以上)、理工農系で55%程度の得点が必要だったのだ。また、合格者平均点を共テ・2次(個別試験)ごとに平均すると「文系・教員養成系=共テ67%・2次62%、理工農系=共テ65%・2次57%、医療系=共テ71%・2次62%」となる。マーク式の共テに比べ、記述式の2次の方が得点しにくかったことがわかる。
このうち、配点が共テ重視の文学部と、2次重視の理学部物理学科を比較してみよう。
文学部の配点は「共テ750点、2次400点、総計1,150点」。合格者は、共テでは得点率68%~84%(平均74%)に分布し、最高・最低の差は16p。2次では得点率54~74%(平均63%)に分布し、最高・最低の差は20p。配点の少ない2次の方が最高・最低の差が大きく、共テの得点である程度合否が決まったといえる。
一方、理学部物理学科の配点は「共テ900点、2次1,400点、総計2,300点」。合格者は、共テでは得点率48~74%(平均64%)に分布、最高・最低の差は26p。2次では得点率45~71%(平均58%)に分布し、最高・最低の差は26p。配点の少ない共テと配点の多い2次で、最高・最低の差が変わらず、2次の得点力も合否に強く影響したことがうかがえる。
私立大:
合格ライン周辺から入試の実態を把握しよう
次に、私立大一般選抜の「合格ライン」付近の状況を見てみよう。国公立大と同様、合格への道標となる大切なデータだ。
グラフ8に、龍谷大‐ 経営(前期日程:文系型スタンダード方式)の22年入試で、合格ライン付近の人数分布を示した。同方式の科目・配点は「英語」「国語」「世界史、日本史、政治・経済、数学から1」の3 科目で各100 点、計300 点。受験者数1,609 人に対し合格者数342人で、実質倍率は4.7 倍。合格最低点は191 点(得点率63.7%)だった。その分布状況を見ると、
①合格最低点を含め、上10 点幅のゾーンに125 人と、全合格者の約37%が集中している。 |
合格ライン付近では、総合的にほぼ同じ学力の受験生がひしめき合い、わずか1 点差で合否が決まる。では、“1 点差”を争う合格ラインを、どうやって突破するのか?
グラフ8の右側に、合格最低点とその1 点下の受験者から、特徴のある得点パターンをピックアップした(科目ごとの得点は、中央値補正法を行った得点調整後の点数で小数第2位まで表示)。ここからわかるのは、「得意科目」の大切さと、「苦手科目」克服の必要性だ。
3 科目入試では、1科目で得点が伸びなくても、他の科目でカバーできることが多い。Aさんのように得意科目があれば、他が普通、またはやや苦手であっても心強い。ただし、Dさんのように苦手科目の失点が大きすぎると、カバーしきれず、1点差に泣くことになる。
得意科目の優位を生かすには、苦手科目を「やや苦手〜普通」までにレベルアップし、最低でも5 割以上の得点はほしい。私立大一般選抜で合格確実なライン(7 割台)をクリアするためには、得意科目(8割台)を持ち、残り2科目で7 割台と6 割台をキープしよう。
ここポイント!
国公立中堅校で前年の極端な反動も
私立大は合格者増の玉突きで易化
でも人気校の合格ライン際は激戦!
23年変更点は何か?
共通テストの日程は22年と同時期
国公立大の出願締切は2月3日に
ここからは、国公立大・私立大の23年入試について、6月下旬までに判明した主な変更点の一部を紹介する(以下、新増設大学・学部等については全て予定)。なお、推薦型・総合型と一般選抜の変更、国公立大の新増設・改組については、5・6月号に掲載したものを除いた。
23 年入試の実施日程が順次発表されている。共通テストは1月14日・15日に本試験、同28 日・29日に追・再試験が行われる。間隔が2週間空くのは、新型コロナウイルス罹患者の回復期間を踏まえての措置。大学入試センターから各大学への成績提供は22年と同時期(2月6日以降)になる。
国公立大の出願締切日は2月3日に決定。また、私立大の共テ利用方式の合格発表日も、22 年とほぼ同時期になるものと見られる。
各大学の入試日程や、以下に紹介する変更点については、7月中に発表される国公立大の選抜要項、私立大の入試ガイド(印刷物、あるいはホームページ)などで必ず確認してほしい。
国公立大:
静岡大・島根大で学部増設
周南公立大は前・中期で実施
●国公立大の新増設と改組
6月10日、文部科学省は「魅力ある地方大学の実現に資する国立大学の定員増」の選定結果を公表した。地方創生を目的とした政策に基づき、国立大の定員増の制限を緩和するもの。5大学が申請し、島根大・広島大・徳島大の3大学が選ばれた。いずれも理系学部の増設や定員増だ。以下、主な学部改組や新増設の予定をまとめた(新設学部等の名称は仮称)。
金沢大で融合学域に「スマート創成科学類」を増設し、観光デザイン学類も定員増(15人→20人)を予定。静岡大で地域創造学環を母体に「グローバル共創科学部」を開設予定。
島根大では「材料エネルギー学部」を開設予定。また、広島大- 情報科学では「80 人→ 150 人」、徳島大- 理工[ 昼] でも「550 人→ 580 人(医光/医工融合プログラムを新設予定)」に定員増の予定。一方、大分大-理工は2→1学科に統合し、定員減(385人→ 355 人)の予定だ。
●推薦型・総合型
【新規実施】 山形大- 工[フレックス]で共テ免除推薦型を新規実施(共テ免除総合型2期を廃止)/横浜市立大-医(看護)で共テを課す推薦型(特別公募制)を新規実施/福井県立大-生物資源(生物資源)で総合型を新規実施する。
【実施方法の変更】 国際教養大で総合型入試Ⅰの試験日を「11月→10月」に繰り上げる/和歌山県立医科大- 医の推薦型に全国対象の県民医療枠B(産科枠)を新設。産科医養成が目的。
●一般選抜の日程変更等
22 年4月に公立化した周南公立大(前身は私立の徳山大)では、23年から前期・中期で一般選抜を実施する。募集人員は「経済=前期50人・中期47人、福祉情報=前期8人・中期10人」。また、横浜市立大-理で後期を新規実施する。
●一般選抜の科目等の変更
【募集単位等の変更】 弘前大- 農学生命科学の前期で、学科間の第2志望選抜を導入(生物と分子生命科学、食料資源と国際園芸農)/電気通信大-情報理工学域の前期を大括り募集(Ⅰ〜Ⅲ類の一括募集)から類別募集に変更/和歌山県立医科大- 医の前期で、全国対象の県民医療枠C(不足診療科枠)を新設。産科・小児科・精神科に従事する医師の育成を目的とする。
【科目等の変更】 岩手大- 教育(小学校教育、特別支援教育)の後期の2次で面接を除外。また、同- 農(共同獣医以外)の後期の2次で「小論文→面接」に変更/筑波大-国際総合学類の前期で、共テの地歴・公民を「2→1科目」に軽減/鹿児島大-理・歯・共同獣医の前期で、配点パターンa(共テ重視)・b(2次重視)に複線化。理・歯は高得点の方を利用、共同獣医は募集人員を分割(各10人)/神奈川県立保健福祉大の後期で2次に小論文を追加、社会福祉学科の前・後期で2次の面接を「個人→集団」に変更/愛知県立大-看護の前期で2次から国語を除外/横浜市立大- 理の前期で、B方式の共テを7→5科目に軽減、2次で理科1→2科目に増加/公立小松大- 保健医療(看護)の中期で2次の面接を「個人→集団」に変更する。
【2段階選抜】 岐阜大- 医(医)の前期で、2段階選抜の予告倍率を「募集人員の約15倍→受験者500人程度となる倍率」に変更/岩手県立大-ソフトウェア情報の中期で、2段階選抜を新規実施(予告倍率=募集人員の30倍)/横浜市立大- 理の後期で2段階選抜を新規実施(予告倍率=募集人員の約10 倍)する。
私立大:
情報科学系学部の新設が目立つ
上智大で共テ利用方式を複線化
●新増設・改組等
23年度の私立大学の新設予定、学部・学科等の増設予定が文部科学省から発表された(大学は前年10月末認可申請。学部・学科等は3月末認可申請分。表3を参照)。大学の新設予定はなく、5専門職大学が設置認可申請中。また、15大学で学部等の増設を認可申請中だ。
その他に設置届出として、①東京都市大-デザイン・データ科学、東洋大- 福祉社会デザイン、同- 健康スポーツ科学、立教大- スポーツウエルネス、龍谷大- 心理、武庫川女子大- 社会情報、同-心理・社会福祉などの学部増設、②東北学院大(教養を4学部に分割)などの学部改組が予定されている。全体に、情報・教育・心理・医療といった分野で目立つ。
●推薦型・総合型
【新規実施・廃止】 杏林大- 医で総合型を廃止/日本大では、芸術(放送)で公募制推薦型を新規実施。また、文理(地球科学)・商で総合型を、工で総合型2期を新規実施/愛知工業大-工の推薦型で「工学部推薦」を新規実施/立命館大では、AI活用の学習プログラムに対応したAO選抜を3学部で新規実施(経済「数学重視方式」、スポーツ健康科学「CREA方式(数学的素養型)」、食マネジメント「プレゼンテーション方式(基礎数学型)」)/大阪経済大の公募推薦で基礎学力型を新規実施(総合評価型との併願が必須)。また、人間科学で総合型のAO入試を導入/甲南大の公募制推薦で「外部英語試験活用型」を導入/兵庫医科大は全学部で総合型を新規実施/川崎医科大-医の総合型に特定診療科専攻枠を新設する。
【実施方法の変更】 東北福祉大で総合型の募集を2→1回に削減(Ⅰ・Ⅱ期→探求型)/東京女子大で「知のかけはし入試」が「専願→併願可」に/愛知大では一般推薦併願制学科試験型で「資格・活動実績点」を廃止/京都外国語大の英語検定型入試B〜D日程で、選考方法から小論文を除外/同志社大-経済の自己推薦で、2次選考から英語を除外し、英語外部検定を新規利用/大阪工業大で総合型が「専願→併願可」に/関西医科大- リハビリテーションの総合型の募集を1→2回に増加(A・B日程を設定)。
●一般選抜(独自入試)の変更
【首都圏】 千葉工業大でSB日程を新規実施。B日程と同日実施、同時併願可。総合問題で判定/芝浦工業大の一般後期で個別試験の英語を廃止し、共テ利用または英語外部検定利用に移行/昭和大-医の一般Ⅰ期で歯学部併願入試を廃止/東京経済大は一般後期で英語外部検定を新規利用/東京電機大では、一般前期で試験日1日あたり、最大4学科・学系まで併願可に(従来は1学科・学系のみ)。また、一般後期に英語外部検定利用枠を新設/東京理科大-創域理工(数理科学、電気電子情報工)でS方式を新規実施/日本大では、芸術・理工・工・薬・生物資源科学(獣医)でN全学統一方式2期を、国際関係でA方式3期を新規実施。また、商のA方式1・2期で英語外部検定を新規利用。一方、芸術でA方式2期を廃止。生物資源科学のA方式では学外試験場を削減(1期で2会場、2期で11会場を廃止)/法政大-経営で「英語外部試験利用入試」を新規実施。
【京阪神】 追手門学院大は一般前期で地歴公民重視型・英語重視型を廃止/大阪工業大-知的財産では、合否判定の科目数を前期A日程で3→2科目、AC日程で共テ・独自各3→2科目に変更/関西医科大の一般選抜で小論文を除外/近畿大-生物理工の一般前期B日程で学部独自方式(3科目受験、数理2科目判定)を新規実施/甲南大では一般選抜で中期日程を新規実施。また、一般前期・中期で「外部英語試験活用型」を導入/兵庫医科大-薬・看護・リハビリテーションの一般前期で特定科目重視型を廃止/武庫川女子大は一般B(中期)で3科目型を廃止し、2科目傾斜配点型を追加。
【その他の地区】 愛知学院大- 歯の一般前期A・中期・後期で小論文を除外/西南学院大-国際文化で英語4技能利用型一般入試を新規実施/福岡歯科大の一般A日程と共テ利用1期で学外試験場を新設(東京・大阪)する。
●一般選抜(共テ利用)の変更
文中、「共テ併用」とは大学の独自入試と共テ利用入試の成績を組み合わせて合否判定する「独自・共テ併用型」を示す。
【首都圏】 千葉工業大で共テ利用後期を3タイプに複線化(Ⅰ=2教科方式、Ⅱ=数理3科目方式、Ⅲ=4教科方式)/青山学院大では共テ利用入試で、文(史学)が6科目型、法が5科目型、総合文化政策・社会情報・コミュニティ人間科学が4・5科目型を追加。また、理工の個別学部日程B方式(共テ併用)で共テを4→1科目に軽減(数学・理科を除外)、地球社会共生の個別学部日程(共テ併用)で共テを3→2科目に軽減/杏林大-医・保健で共テ利用後期を廃止/上智大の共テ利用方式で3教科型を新規実施/東京都市大-理工(自然科学以外)の一般前期で、独自・共テ併用の理工系探究型を新規実施。共テ2教科と探究総合問題を課し、入学手続時に所属学科を選択/日本大- 理工でCA共テ併用方式を廃止する。
【京阪神】 京都産業大で共テ利用方式の英語リーディング・リスニングの配点比率を「1:1→4:1」に変更/大阪医科薬科大- 薬で共テ後期を新規実施/関西大-システム理工・環境都市工・化学生命工の共テ併用、化学生命工の共テ後期で4科目型を導入/近畿大- 経済の共テ前期で5教科7科目型を追加する。
ここポイント!
地方国立大の理系で定員増の予定
私立大では一般選抜の募集回数増と
英語外部検定利用の拡大が目立つ
(文責/小林)
※この記事は「螢雪時代(2022年8月号)」より転載いたしました。