入試動向分析

2020年の国公立大入試はこう変わる!【2019年10月】

2019(令和1)年度

教員養成系や理工系で統合・縮小や「大括り募集」の導入が目立つ!

 

 国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』が全て出そろった。“入試改革”直前ながら、学科統合、大括り募集、面接重視など、意外に変化がある2020年入試。志望動向や難易変動に影響しそうな変更点を紹介する。

 

この記事は『螢雪時代・2019年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)

 

 

長崎大や公立2大学で学部増設。新潟大・鹿児島大・県立広島大で全学規模の学部改組を予定!


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 国公立大志望動向に影響しそうな2020年入試の変更点を掲載した。鹿児島大・県立広島大などの大規模改組、国立大の学科等の統合、教員養成系学部の定員減や課程の統合など縮小傾向が注目される。一般入試では、2次で面接重視の変更、理工系の大括り募集の導入が目立つ。

 
 

全体に変更点は少ないが、面接重視の傾向が強まる

 

 国公立大の2020年(以下、20年)入試「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点が正式に発表された。21年“入試改革”を直前に控え、例年より変更点は少ないが、それでも学部増設・改組、募集人員や入試科目の増減などがけっこうある。そうした変更点を、一般入試を中心に紹介する。なお、「螢雪時代10月号」では、実施校が国公立大の過半数を超えたインターネット出願の導入状況についても掲載した。
 特に、①負担の増減(入試科目数、面接、学費・受験料、2段階選抜など)、②募集枠の増減(募集人員、学部等の新設・廃止、入試日程・方式の新設・廃止など)は、志願者増減や倍率変動につながりやすいので、注意しておこう。
 10月のセンター試験(以下、セ試)の出願時には、理科の受験パターンを事前申請しなければならないため、併願校も含め、なるべく早めに志望校を決める必要がある。「螢雪時代10月号」付録『2020年 全国/国公立大学 入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校決定の参考にしてほしい。

 

(1)新増設・改組など

 国立大では、宇都宮大‐教育と群馬大‐教育が連携し、カリキュラム等を共同設計・実施する、全国初の「共同教育学部」を設置。入学者は各大学で学びつつ「双方向遠隔メディアシステム」などで相互の授業を受けることになる。
 新潟大・鹿児島大で大規模な改組、長崎大で情報データ科学部の増設を予定。新潟大‐経済科学、九州大‐芸術工、鹿児島大‐理・工で、複数学科を1つ、あるいはより少数に統合する。
 一方、公立大では、県立広島大の学部・学科の統合を伴う全学的な改組が目立つ。また、2大学で学部増設(新潟県立大‐国際経済、福知山公立大‐情報)、公立初の専門職大学(静岡県立農林環境専門職大)の新設が予定される。さらに、首都大学東京が20年4月から「東京都立大学」に名称変更される予定だ。
 全体に、教員養成系で定員減や専攻・コースの統廃合など、規模縮小が顕著。群馬大‐共同教育、新潟大‐教育、長崎大‐教育、鹿児島大‐教育などで定員減。特に、長崎大‐教育における芸術・技術系4専攻の募集停止は象徴的だ。

 

(2)募集人員・日程変更

 一般入試の日程変更では、鳥取大‐医(医)、広島大‐医(医)、福島県立医科大‐医の後期募集停止、「私立→公立」に移行した公立千歳科学技術大の前期・中期の新規実施が注目される。
 募集人員の変更では、医学科で定員減や募集人員減の予告が続出。深刻な医師不足の対策として実施された「臨時定員増」が期限を迎えたためで、最終的には再申請すると見られるが、人数を減らして申請する大学もあり、要注意だ。
 この他、東北大‐経済の前期、新潟大‐工の前・後期、岐阜大‐工の前・後期、都留文科大‐文の前・中期など、募集人員を一般入試から推薦・AO入試へ移行するケースが見られる。

 

(3)募集単位の変更

 宇都宮大‐共同教育、群馬大‐共同教育では、募集単位も共通化。いずれも分野・専攻を「教育人間科学系、人文社会系、自然科学系、芸術・生活・健康系」の4系統に集約し、大括り募集を行う。九州大‐芸術工の前期、鹿児島大‐理の後期、同‐工の前期でも、入学後に専門分野を決定する大括り募集の入試方式を導入する。

 

(4)2段階選抜

 長崎大‐歯の後期、公立千歳科学技術大‐理工の中期で2段階選抜を新規実施。また、滋賀医科大‐医(医・看護)、九州大‐医(医)の前期で大幅に予告倍率を引き締める。一方、名古屋大‐医(医)の前期、茨城県立医療大の前・後期で2段階選抜を廃止。また、大阪大‐医(医)の前期で予告倍率・ラインを緩和し、琉球大‐医(医)の前期でも大幅に予告倍率を緩和する。

 

(5)一般入試科目など

 一般入試では、2次で負担増や、面接重視の変更が目立つ。千葉大‐教育の前期で、全体に学科試験を2→3教科に増加。静岡大‐工の前・後期で英語を追加。九州大‐医(医)・歯の前期で面接を追加。愛媛大‐教育の前期で小論文を「グループディスカッション」に変更。また、宇都宮大‐共同教育、群馬大‐共同教育では、募集単位ごとに異なっていた2次の選抜方法を、基本的に前期は「小論文・面接」、後期(群馬大のみ実施)は「面接」にそろえる(芸術系は実技も必須)。さらに、千葉大‐教育、大阪大‐医(医)の前期は、もともと2次重視の配点比率だったが、さらに2次の配点を高める。
 この他、東北大‐経済の前・後期で、文系型に加え、理系受験生向きの「理系入試」を導入する。
 なお、千葉大は20年4月の入学者から年間授業料を10万円以上増額。経済的負担が高まる。


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エリア別/国公立大学・2020年入試情報


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 ここがPOINT
●学部・学科等の統合が多い
●医学科の募集人員は流動的、要注意
●2次は面接重視の変更が多い

 

【変更点の見方】

以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。新増設・改組・定員増減は予定で、名称は仮称。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、[昼]=昼間主コース、[夜]=夜間主コース、セ試=センター試験、2次=個別学力検査等、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、と略記。変更点は「19年→20年」で表記。誌面の都合上、学科・専攻単位の小規模な変更、募集人員の小幅な変更や、推薦・AOに関する変更などは、原則として割愛。一般入試の科目等の変更については、セ試・2次とも、原則として科目数の変更に限って掲載した。セ試の科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。なお、医学部医学科の定員減や募集人員減については、今後の臨時定員増の再申請によって変更の可能性がある。

 
 

《北海道・東北》
東北大‐経済の前・後期で理系入試を新規実施

 

●弘前大

 ①医で「心理支援科学科」を増設。一般入試は前期のみ募集(10人)。/②教育(中学音楽・美術・保健体育)で前期を募集停止 (AOに移行)。/③医(医)で【前】65人→70人に募集人員増(うち、青森県定着枠15人→20人)。/④理工(物質創成化学)【前】で、2次の理科が「化学必須」→「物理・生物も選択可」に。

●東北大

 ①経済【前】【後】で理系入試を新規実施(従来の入試は「文系入試」に)。セ試は前・後期とも5教科7科目(理科発展2科目)、個別は「前期=数学・理科2科目・英語、後期=数学」を課す。また、2段階選抜も実施し、予告倍率は「前期=募集人員(以下、略)の約4倍、後期=約10倍」。/②経済で募集人員を、【前】185人→165人に削減、【後】30人→40人、AOⅢ期45人→55人に増加(各10人、理系入試を含む)。

●秋田大

 医(医)【後】で、募集人員を25人→20人に削減し、2段階選抜の予告倍率を「7倍→10倍」に緩和する。

●山形大

 医(医)【前】で、募集人員を75人→65人に削減し、2段階選抜の予告倍率を「約4.5倍→約5倍」に緩和する。

●公立千歳科学技術大

 ①理工で前期・中期を新規実施(19年は私立大として別日程実施)。募集人員は【前】125人、【中】55人。選抜方法は、前期が「セ試=4教科6(7)科目、2次=数学・理科」、中期が「セ試=前期と同じ、2次=数学」で2段階選抜を新規実施(予告倍率=10倍)。/②理工【前】で、東京・名古屋に学外試験場を増設。

●宮城大

 事業構想学群【前】・食産業学群【前】で、学外試験場(さいたま市)を廃止。

●国際教養大

 ①国際教養で一般入試の募集人員を、A日程40人→55人に増加し、B日程50人→40人・C日程15人→5人に削減。/②A日程でセ試を「3(4)科目→5(6)科目」に負担増。一方、B日程でセ試を「5(6)科目→3(4)科目」に軽減。

●福島県立医科大

 ①医で後期を募集停止し、【前】67人→80人に募集人員増。/②医【前】で2段階選抜の予告倍率を「約5倍→約4倍」に引き締める。

 
 

《関東・甲信越》
宇都宮大・群馬大が連携、共同教育学部を開設

 

●筑波技術大

 ①産業技術(産業情報)【前】で「専攻別募集→学科募集」に統合。/②産業技術(総合デザイン)【前】で2次を「実技→総合問題」に変更。また、同(産業情報)【前】の2次でB試験(総合問題を課す。Aは数学)を新規実施。

●宇都宮大

 ①教育を改組し、群馬大との「共同教育学部」を開設(図1)。/②共同教育【前】で、系別募集を継続するが、各系の名称を変更(学校教育・特別支援教育系→教育人間科学系、教科文系→人文社会系、教科理系→自然科学系、教科実技系→芸術・生活・健康系)。教育人間科学系・人文社会系・自然科学系では、出願時に希望する分野を第3志望まで指定可。また、教育人間科学系で、学校教育分野を2分野(教育、教育心理)に分割。/③地域デザイン科学(建築都市デザイン)【前】【後】で、セ試を6→7科目に負担増。/④地域デザイン科学【後】の2次で、建築都市デザインは「実技→課さない」に、社会基盤デザインも「小論文→課さない」に変更。/⑤共同教育【前】で、2次を小論文(芸術系は実技)・面接に統一。教育人間科学系、人文社会系は「国語・数学・英語から1→小論文」に、自然科学系は「数学→小論文」に、芸術・生活・健康系=家政は「実技→小論文」に変更する。

●群馬大

 ①理工で定員増(510人→540人)。3学科で前期の募集人員を増加(化学・生物化学86人→91人、環境創生理工50人→55人、電子情報理工70人→76人)。/②教育を改組し、宇都宮大との「共同教育学部」を開設(図1)。定員減(220人→190人)を行い、募集人員を【前】145人→126人・【後】44人→27人に削減。/③共同教育【前】【後】で「専攻別募集→系別募集」に変更(国語・社会・英語→人文社会系、数学・理科・技術→自然科学系、教育・教育心理・特別支援教育→教育人間科学系、音楽・美術・家政・保健体育→芸術・生活・健康系)。教育人間科学系・人文社会系・自然科学系では、出願時に希望する専攻を第3志望まで指定可。/④共同教育(芸術・生活・健康系=音楽、教育人間科学系=教育・教育心理)で後期を募集停止。/⑤共同教育【前】で2次を小論文・集団面接(芸術系は実技も)に統一。美術以外の専攻で集団面接を追加(美術は既に実施)。人文社会系(英語)で「英語→小論文」に、自然科学系(数学・技術)で「数学→小論文」に変更。芸術・生活・健康系(音楽)で筆記試験(楽典)を除外。/⑥共同教育【後】で2次を集団面接(芸術系は実技も)に統一。自然科学系で「小論文→集団面接」に、芸術・生活・健康系(保健体育)で「筆記試験(保健体育)→集団面接」に変更する。

●千葉大

 ①20年4月以降の入学者から、年間授業料を「535,800円→642,960円」に値上げする予定。/②文(人文=日本・ユーラシア文化)で後期を募集停止(AOを新規実施)。/③医で【前】97人→95人に募集人員減。/④教育【前】で、2次を大幅に変更。全体に学科試験を「2→3教科」に負担増。また、課程・コース・分野別に、次のように変更する。小学校=国語・数学が「選択→必須」に。中学国語・中学理科=数学を追加。中学社会=小論文→国語・数学。中学数学・中学技術=理科を追加。小中専門‐音楽・図画工作美術・保健体育・家庭、英語教育=2→1方式に統一。特別支援教育=適性検査→面接、国語・数学が「選択→必須」に。乳幼児教育=国語・数学が「選択→必須」に。養護教育=理科を追加。/⑤教育【前】で、セ試・2次の配点を「450点:1,000点」に統一。2次の配点を「小学校=450点→1,000点、中学校=700点→1,000点、小中専門教育・英語教育=450点または700点→1,000点、特別支援教育・乳幼児教育・養護教育=550点→1,000点」にアップ。

●横浜国立大

 都市科学(建築、都市基盤)【前】の2次で、理科の選択から生物を除外、「物理・化学必須」に。

●新潟大

 ①経済[昼]を「2学科→1学科(4プログラム)」に統合、定員増(305人→350人)を行い、「経済科学部」に改組。【前】160人→180人・【後】65人→80人に募集人員増。一方で、夜間主コースを募集停止。/②人文で定員減(225人→210人)、「6→3プログラム」に統合。【前】145人→140人、【後】50人→40人に募集人員減。/③教育で定員減(220人→180人)、「3→1プログラム」に統合。同(学校=教育心理)で後期を募集停止し、【前】144人→120人、【後】36人→20人に募集人員減。/④法で定員減(180人→170人)、法曹養成プログラムを増設。【前】90人→85人、【後】40人→35人に募集人員減(以上、図2も参照)。/⑤工でAO新規実施、推薦枠拡大(110人→133人)に伴い、【前】349人→310人、【後】71人→60人に募集人員減。/⑥経済科学【後】で、2次を「総合問題→課さない」に変更。

●信州大

 ①医(医)【前】で100人→95人に募集人員減。/②教育(学校教育=心理支援)【前】で、2次に面接を追加。

●茨城県立医療大

 保健医療【前】【後】で2段階選抜を廃止する。

●高崎経済大

 経済【前】【中】・地域政策【前】【後】で、高松に学外試験場を増設。

●東京都立大

 ①20年4月に「首都大学東京」から名称変更予定。/②人文社会(人文)で、【前】61人→51人、【後】12人→10人に募集人員減(指定校推薦12人→24人)。

●横浜市立大

 医(医)【前】で80人→74人に募集人員減。また、医(看護)【前】も70人→65人に募集人員減。

●新潟県立大

 「国際経済学部」を増設する。募集人員はA日程40人・B日程20人・C日程5人(いずれも別日程)。選抜方法は、A日程が「セ試=5教科5(6)科目、2次=英語必須と数学・小論文から1」、B日程が「セ試=3教科3科目、2次=A日程と同じ」、C日程が「セ試=2教科2科目、2次=小論文」で、A・B日程では学外試験場(東京)を設置する。

●都留文科大

 ①文(英文)で、【前】20人→15人、【中】40人→30人に募集人員減(AO20人→35人)。/②文(英文)【前】【中】で、セ試5教科5科目型を新規実施(従来型は3教科3科目型)。また、同【中】で国語が「必須→選択」になり、配点が「セ試500点→400点、2次300点→200点」に変更された。

●長野大

 環境ツーリズム【前】・企業情報【前】のセ試で、国語・英語が「必須→選択」となり、セ試を「受験科目中、上位4科目で判定。そのうち上位2科目の配点を2倍」に変更。


東京工業大の学部増設・改組(予定)

 

《北陸・東海》
静岡大‐工で2次に英語追加。全国初の公立専門職大学新設

 

●金沢大

 医学類【前】で、2段階選抜の予告倍率を「3.5倍→3倍」に引き締める。

●福井大

 ①医(看護)【後】で10人→5人に募集人員減。/②全学の前・後期の2次で、合否判定に調査書を追加(点数化しないが総合判定に利用)。

●岐阜大

 ①工で募集人員を、【前】232人→222人・【後】235人→214人に削減(推薦43人→74人)。/②医(医)で募集人員を、【前】32人→37人に増加、【後】35人→25人に削減。/③医(看護)【前】で47人→42人に募集人員減。/④教育で特別支援教育課程を学校教育教員養成課程に統合(特別支援教育講座に)。

●静岡大

 ①情報(情報社会)【前】の2次で「国語→小論文」に変更。/②工【前】【後】で、2次に英語を追加。また、同(数理システム工)【前】で、理科の選択から生物を除外する。

●浜松医科大

 医(医)で【前】75人→66人、【後】15人→14人、推薦25人→20人に募集人員減。

●名古屋大

 医(医)【前】で2段階選抜を廃止する。

●富山県立大

 ①工で、電子・情報工学科(定員80人)を「電気電子工(同45人)、情報システム工(同45人)」の2学科に分割・改組。/②工で募集人員を【前】215人→221人、【後】38人→34人に変更。

●福井県立大

 生物資源で「創造農学科」を増設し、前期を募集人員増(18人→31人)。

●静岡県立農林環境専門職大

 全国初の公立専門職大学として、1学部1学科(生産環境経営‐生産環境経営)で静岡県磐田市に開学予定。募集人員は「一般入試12人、学校長推薦12人」で、いずれもセ試を課さない。一般入試は数学Ⅰ・A、理科(化学・生物から1選択)、小論文、面接、資格等加点で選抜し、試験日は「2/25=筆記、2/26=面接」。

 
 

《関西》
滋賀医科大で2段階選抜の予告倍率を大幅に引き締め

 

●滋賀医科大

 ①医(医)【前】で75人→60人に募集人員減。/②医(医・看護)【前】で、2段階選抜の予告倍率を「約7倍→約4倍」に引き締める。

●大阪大

 医(医)【前】で、2段階選抜の予告倍率・ラインを「セ試900点中720点→630点、募集人員の約2.6倍→約3倍」に緩和。また、2次の数学・理科・英語の配点を各200点→500点にアップし、セ試・2次の配点比率を「500点:600点→500点:1500点」と、さらに2次重視(55%→75%)に変更する。

●大阪教育大

 教育(小中教育・中等教育=理科)【後】の2次を「小論文→面接」に変更。

●奈良女子大

 生活環境(食物栄養)【前】【後】のセ試で「地歴・公民2科目利用型」を新規実施(7または8科目)

●福知山公立大

 ①「情報学部」を増設予定(以下は予定で、変更の可能性がある)。募集人員は【前】55人(5教科型40人・3教科型15人)・【後】10人。選抜方法は、前期5教科型が「セ試=5教科6(7)科目、2次=小論文」、前期3教科型が「セ試=3教科4(5)科目、2次=小論文」、後期が「セ試=5教科6(7)科目、2次=小論文」で、前期は学外試験場を大阪に設置する。/②地域経営(地域経営)を、【前】50人→41人(5教科35人→30人、3教科15人→11人)、【後】10人→7人に募集人員減。

●大阪市立大

 ①理で【前】104人→111人、【後】27人→32人に募集人員増。/②医(医)で【前】80人→75人に募集人員減(大阪府指定医療枠5人を廃止)。

●兵庫県立大

 看護【後】で、2次から小論文を除外し、面接を点数化(100点)する。

●奈良県立医科大

 医(看護)で、前期一般枠を募集人員増(35人→40人)。

 
 

《中国・四国》
鳥取大・広島大の医学科で後期日程を募集停止

 

●鳥取大

 医(医)で後期を募集停止し、【前】65人→79人に募集人員増。

●島根大

 医(医)【前】で62人→58人に募集人員減。

●岡山大

 ①医(医)で【前】98人→95人に募集人員減。/②医(保健)で、専門高校・総合学科卒業生入試を募集停止。

●広島大

 医(医)で後期を募集停止する。

●山口大

 ①医(医)で【前】60人→55人に募集人員減。また、後期の中に地域枠(3人)を新設。/②農(生物機能科学)【前】のセ試の理科(2科目)で、化学が「選択→必須」に。/③農【前】の2次が、数学・理科必須→「数学・理科から1選択」に軽減。

●徳島大

 ①理工[昼]で【前】287人→304人に募集人員増(推薦160人→143人)。/②歯(歯)で募集人員を「【前】20人→24人、【後】10人→6人」に変更。/③全学で、2次の数学Aの出題範囲に「図形の性質」を追加(全範囲に拡大)。

●愛媛大

 ①教育で特別支援教育課程を学校教育教員養成課程に統合(特別支援教育コースに)。/②教育(中等=音楽・美術)で前期を募集停止(AOに移行)。/③教育【前】で、2次を「小論文→グループディスカッション」に変更。/④教育【前】【後】の2次で、合否判定に調査書・活動報告書を追加(グループディスカッションまたは面接に含めて評価)。

●高知大

 「土佐さきがけプログラム」を廃止する。

●県立広島大

 ①人間文化・経営情報の2学部(4学科)を「地域創生学部(1学科3コース)」に統合・改組し、定員減(220人→200人)。【前】123人→85人・【後】40人→32人に募集人員減。/②生命環境(生命科学・環境科学の2学科)を「生物資源科学部(地域資源開発学科、生命環境学科)」に改組し、定員減(165人→140人)。【前】86人→60人・【後】34人→20人に募集人員減。/③保健福祉を「5学科→1学科(5コース)」に統合・改組し、【後】33人→25人に募集人員減(以上、図3も参照)。

●山陽小野田市立山口東京理科大

 工【前】【中】・薬【中】で、松江に学外試験場を増設。

●高知工科大

 環境理工学群で【後】20人→15人に募集人員減(セ試のみ方式5人を廃止)。


愛媛大の学部増設・改組(予定)

 

《九州》
長崎大で情報系学部を増設、鹿児島大で全学規模の改組

 

●九州大

 ①芸術工を「5学科→1学科(5コース)」に統合・改組する。/②芸術工【前】で、コース別募集と別に「学科一括入試」(大括り募集)を新規実施。同入試による入学者は、入学後に複数分野を学び、コース選択を実施。/③医(医)【前】で、2段階選抜の予告倍率を「約4倍→約2.5倍」に引き締め、2次に面接を追加。/④歯【前】の2次に面接を追加する。

●長崎大

 ①「情報データ科学部」を増設予定(募集人員=【前】70人・【後】15人)。工の情報工学コースを移行する。選抜方法は、前期が「セ試=5教科7科目、2次=数学・理科・英語」、後期が「セ試=3教科5科目、2次=数学」。②一方、工は【前】263人→221人、AO67人→59人に募集人員減。/②教育で定員減(240人→180人)、小学校教育コースを「4専攻→3系」に再編、中学校教育コースで音楽・美術・技術・家庭の4専攻を募集停止。/③教育で中学校教育コースを「専攻別募集(10専攻)→系別募集(文系・理系・実技系)に変更(実技系は保健体育のみ)。/④歯【後】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約20倍)し、2次を総合問題→小論文に変更。

●熊本大

 医(医)【前】を95人→90人に募集人員減。

●大分大

 教育で「小学校教育コース」を「初等中等教育コース」に改組。

●鹿児島大

 ①教育で定員減(215人→190人)、【前】162人→124人・【後】33人→24人に募集人員減。特別支援教育教員養成課程を学校教育教員養成課程に統合(特別支援教育コースに)し、実技系初等中等教育コースを初等教育・中等教育の2コースに吸収。/②理を「4学科→1学科(5プログラム)」に統合・改組する。/③工で建築以外の6学科を「先進工学科」に統合・改組(6プログラムで構成)する(以上、図4も参照)。/④教育(中等教育=音楽・保健体育)で後期を募集停止。/⑤医(保健=看護)で後期を募集停止。/⑥理【後】で「大括り入試」を新規実施(2年次進級時にプログラム配属)。前期はプログラム別募集。/⑦工(先進工)【前】で、プログラム別募集と別に「括り枠」を新設、大括り募集を行う。同枠の入学者は、1年次後期に各プログラムに配属決定。/⑧全学の前・後期で、セ試の英語外部検定利用の基準を変更。「英検準1級等の取得者はセ試の外国語を満点と見なす(セ試の外国語は受験必須)」→「英検準1級等以上で、セ試の英語筆記200点中160点以上、同リスニング50点中40点以上の場合、外国語を満点と見なす。英語筆記が160点未満、同リスニングが40点未満の場合、各得点の25%を加点」に条件を引き上げた。/⑨教育【前】【後】で、2次に面接を追加。/⑩理(生命科学)【前】の2次を「数学、物理・生物から1、化学・地学から1」から2科目選択→「数学必須、理科から1科目選択」に変更。

●琉球大

 ①国際地域創造[昼]で【後】35人→44人に募集人員増。/②医(医)【後】で、2段階選抜の予告倍率を「約5倍→約10倍」に緩和。

●北九州市立大

 地域創生学群で、【前】35人→40人、推薦15人→20人、AO30人→60人に募集人員増(社会人夜間特別枠を廃止)。


佐賀大の学部増設・改組(予定)

 

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2019年10月号)」より転載いたしました。


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