入試動向分析

2018年の国公立大入試はこう変わる!【2017年10月】

2017(平成29)年度

国立3大学・公立6大学で学部増設。大括り募集や学科の統合が目立つ!

 

 国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』がすべて出そろった。大括り募集、英語・面接重視など、大きく変貌しつつある国公立大の入試で、志望動向や難易変動に影響しそうな変更点を紹介する。

 

この記事は『螢雪時代・2017年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)

 

 

公立小松大・長野県立大が新設。富山大・香川大・首都大学東京などで全学規模の学部改組を予定!


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国公立大志望動向に影響しそうな2018年入試の変更点を掲載した。国立3大学・公立6大学の学部増設、首都大学東京・香川大などの全学的な改組、「文系縮小・理系拡大」の継続、「大括り募集」の増加などが注目される。一般入試では、2次で英語・面接重視の傾向が続き、英語外部検定利用も増えている。

 

2次は英語・面接重視の傾向。公立大で中期日程が増加

 

 国公立大の2018年(以下、18年)入試「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点が正式に発表されたが、大規模な入試改革や学部改組、募集人員の増減などが数多くある。そうした変更点を、一般入試を中心に紹介する。
なお、「螢雪時代10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部、学科を含む)を、日程別・系統別に分けて一覧表にして掲載。さらに、国公立大のインターネット出願の実施・導入状況についても掲載した。
10月のセンター試験(以下、セ試)の出願時には、理科の受験パターンを事前申請しなければならない。そのため、併願校も含め、なるべく早めに志望校を決める必要がある。「螢雪時代10月号」付録『2018年 全国国公立大学 入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校決定の参考にしてほしい。

 

(1)新増設・改組・定員増減

 国立大の学部増設・改組は16~17年度ほどではなく、むしろ公立大で目立つ。最も大規模なのは、首都大学東京の全学的な改組だ。文理融合の都市教養学部を4学部(人文社会・法・経済経営・理)に分割し、都市環境学部を「1学科5コース→6学科」、システムデザイン学部も「1学科5コース→5学科」に改編。この他にも、2大学(公立小松大・長野県立大)が新設され、5大学で学部増設(横浜市立大‐データサイエンス、都留文科大‐教養、名古屋市立大‐総合生命理、島根県立大‐人間文化、山陽小野田市立山口東京理科大‐薬)が行われる。
一方、国立大では、①人文・社会科学系、教員養成系の縮小、②理工・農学系の拡大、③文理融合型学部を増設、の傾向が継続。3大学の学部増設(富山大‐都市デザイン、広島大‐情報科学、九州大‐共創)、香川大・琉球大の大規模な学部改組、埼玉大の定員増減(教育を定員減、工を定員増)などが注目される。また、茨城大‐工、富山大‐工、京都工芸繊維大、香川大‐経済・創造工、熊本大‐工、琉球大‐国際地域創造など、複数学科等を1学科、あるいはより少数に統合・再編する動きも目立つ。
なお、医師不足や偏在の解消策として認められた、医学部の臨時定員増について、08~09年の認可分が期限を迎え、18年は期間延長を各大学が申請中。ほぼ同様の規模で認可される見通しだが、一部変更もあり得るので要注意だ。

 

(2)募集人員・日程変更

 一橋大‐経済・法・社会でセ試を課す推薦を導入し、法・社会で後期を募集停止、経済で後期の募集枠を縮小。また、東京医科歯科大が推薦の募集枠を拡大、弘前大・東北大などもAO入試の募集枠を拡大し、一般入試の募集人員を削減するなど、募集人員を一般入試から推薦・AO入試へ移行するケースがみられる。
この他、筑波大‐医療科学類、千葉大‐薬(薬)、金沢大‐経済学類、九州大‐歯、熊本大‐医(保健)などで後期を募集停止。また、兵庫教育大、香川大‐創造工・農で募集人員を「前期増加、後期削減」する。一方、新設の名古屋市立大‐総合生命理は、後期のみで実施する。
なお、4月から「私立→公立」に移行した長野大が「前期・中期」で新規実施。また、新設の長野県立大も初年度から「前期・中期」で実施するなど、公立大で中期日程の導入が相次ぐ。

 

(3)募集単位の変更

 学科の統合と並んで、学部・学科等に分けず大括りで募集し、入学後に所属を決定する方式の導入も見られる。金沢大の後期では、学類別の募集とは別に「後期一括入試(文系・理系)」を導入。2次は文・理系それぞれの共通問題を受け、同入試による入学者は、2年次から各学域・学類へ配属される。また、九州工業大では、入試時は「学科別→類別募集」に移行。募集単位として工学部に5つ、情報工学部に3つの類を設け「類別入試」を実施。入学後、やはり2年次に所属学科・プログラムを決定する。

 

(4)一般入試科目

 21年以降に実施される「入試改革」を意識し、2次に英語や小論文、面接などを追加するケースが目立つ。東京大‐理Ⅲの前期で面接を追加。茨城大‐工[昼・夜]の前・後期で英語を追加、同‐教育の前期でも課程・選修により面接や集団行動を追加。埼玉大‐工の前期は小論文を追加。愛知教育大‐教員養成課程では、前期の2次で学科試験を小論文に変更、後期の2次も課程・専攻により異なっていた選抜方法(学科試験、総合問題、実技など)を面接に変更する。

 

(5)英語外部検定利用

 一般入試で、英語外部検定を利用できる大学が増えている。佐賀大が全学の前・後期のセ試で新たに利用。金沢大も前・後期のセ試で、利用を全学規模に拡大。また、茨城大‐工(前・後期の2次)、千葉大‐看護(前期の2次)なども新たに利用する。


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エリア別/国公立大学・2018年入試情報


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【変更点の見方】

以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。新増設・改組・定員増減は予定で、名称は仮称。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、[昼]=昼間主コース、[夜]=夜間主コース、セ試=センター試験、2次=個別学力検査等、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、と略記。変更点は「17年→18年」で表記。紙面の都合上、学科・専攻単位の小規模な変更、募集人員の小幅な変更や、推薦・AOに関する変更などは、原則として割愛。一般入試の科目等の変更については、セ試・2次とも、原則として科目数の変更に限って掲載した。なお、セ試の科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。

 

《北海道・東北》
弘前大・東北大でAO枠拡大、一般入試の募集人員を削減

 

●北海道教育大

 ①旭川校【前】・釧路校【前】が、札幌会場(札幌校とは別の市内中心部)で新たに受験可に。/②函館校(国際地域=地域教育)で後期を新規実施。

●弘前大

 AOの募集枠を拡大し、一般入試を削減。人文社会科学が「【後】60人→35人、AO35人→60人」、教育が「【前】130人→109人・【後】30人→20人、AO10人→41人」、理工が「【前】221人→191人・【後】79人→75人、AO60人→94人」、農学生命科学が「【前】130人→124人・【後】50人→48人、AO35人→43人」。

●岩手大

 理工【前】で名古屋会場を廃止する。

●東北大

 ①次の学部・学科等でAOの募集枠を拡大し、一般入試を削減。医(医)【前】120人→105人(AO15人→25人)、医(保健=看護学)【前】54人→50人(AO16人→20人)、歯【前】43人→37人(AO10人→16人)。/②文【前】で、2段階選抜の予告倍率を「募集人員(以下、略)の約5倍→約4倍」に引き締める。

●宮城教育大

 ①教育で推薦枠拡大(45人→64人)、【前】229人→225人・【後】71人→56人に募集人員減。/②教育(中等=英語教育)で後期を募集停止。

●秋田大

 ①理工で募集人員を、【前】220人→229人に増加、【後】86人→71人に削減。/②理工【前】で、セ試・2次の配点比率により、a(セ試重視)・b(2次重視)の2方式に分割(aは従来型)。

●山形大

 ①医(医)で募集人員を、【前】85人→75人に削減、【後】10人→15人に増加。/②工[昼](高分子・有機材料工、情報・エレクトロニクス、機械システム工)【前】、工[フレックス]【前】で、2次の数学Aの出題範囲に「整数の性質」を追加。/③工[フレックス]【前】の2次で面接を除外。

●宮城大

 ①看護学群【前】で43人→48人に募集人員増。/②看護学群【前】【後】で、セ試の理科を1(2)科目→2(3)科目に負担増。

●秋田県立大

 ①システム科学技術を「4→5学科」に再編する予定(機械知能システム・電子情報システム→機械工・知能メカトロニクス・情報工)。/②システム科学技術【前】【後】、生物資源科学【前】【後】で、学外試験場を「さいたま→東京」に移転。

●秋田公立美術大

 美術【前】で学外試験場(仙台)を廃止。

●山形県立米沢栄養大

 健康栄養【前】【後】のセ試の理科で「化学基礎と生物基礎」が選択可に(基礎・発展の同一名称科目の選択可)。

 

《関東・甲信越》
茨城大‐工で英語重視の変更、東京大‐理Ⅲで面接を導入

 

●茨城大

 ①工を「8→5学科」に再編・統合し、「Aコース→昼間コース、Bコース→フレックスコース(夜間主)」に名称変更。/②教育【前】の2次で面接重視の変更を実施。学校教育(教育実践科学・国語・英語・数学・音楽・保健体育・家庭)で面接を追加、同(理科)で「数学→理科・面接」に増加、同(特別支援教育)で「小論文→集団活動」に変更。/③工[昼]【前】のB方式(セ試・2次合計で判定。A方式はセ試のみで判定)の2次で、機械システム工・物質科学工・電気電子システム工・都市システム工の4学科は英語を、情報工学科は理科・英語を追加。/④工[夜]【前】でB方式を新規実施。/⑤工[昼・夜]【後】の2次で英語を追加。/⑥工[昼・夜]【前】【後】の2次で、英語外部検定利用が可能に(得点換算)。/⑦農(食生命科学、地域総合農=農業科学)【前】で、2次の理科の選択から物理を除外する。

●筑波大

 ①医療科学類で後期を募集停止。/②生物学類【前】で37人→32人に募集人員減(推薦15人→20人)。/③知識情報・図書館学類【前】で60人→50人に募集人員減(推薦20人→30人)。

●埼玉大

 ①教育で定員減(430人→380人)。【前】327人→283人、推薦103人→97人に募集人員減。/②工を「7→5学科」に再編、「イノベーション人材育成プログラム」を新設し、定員増(440人→490人)。【前】201人→235人・【後】222人→240人に募集人員増。/③教養で募集人員を、【前】125人→115人・【後】35人→25人に削減(セ試免除推薦を導入)。/④経済[昼]で募集人員を、【前】240人→215人に削減、【後】40人→50人に増加(セ試課す推薦を導入)。/⑤工【前】で2次に小論文を追加。/⑥理【後】・工【後】の2次から英語を除外する。

●千葉大

 ①医で定員減(117人→112人)の予定。【前】97人→92人に募集人員減。/②工【前】【後】が「学科別募集→コース別募集」に移行し、デザインコースで後期を募集停止(AOを新規実施)。/③薬【後】が「学部一括募集→学科別募集」になり、薬学科(6年制)で後期を募集停止(4年制の薬科学科では後期を継続)。また、前期では学部一括募集を継続する。推薦も「学部一括募集→学科別募集」になり、薬科学科では募集停止し、薬学科では継続する。/④園芸で【後】61人→44人に募集人員減(AOを新規実施、推薦を廃止、特別選抜を若干名→10人に)。/⑤教育(中学英語)【前】、園芸(園芸)【前】、看護【前】の2次で英語外部検定が利用可能に(加点)。

●お茶の水女子大

 ①生活科学に「心理学科」を増設。/②文教育(人間社会科学)【前】の2次で「国語・数学必須→国語・数学から1選択」に軽減。

●東京大

 理Ⅲ【前】の2次で面接を追加、出願書類に志望理由書(本人作成)を追加。

●東京医科歯科大

 ①医(医)【後】で15人→10人に募集人員減(セ試課す推薦を導入)、2段階選抜の予告倍率を「約8倍→約12倍」に緩和。/②医(保健)【前】で65人→62人に募集人員減。/③歯(歯)【前】で38人→33人、同(口腔保健)【前】で32人→28人に募集人員減(セ試免除推薦を導入)。

●東京海洋大

 海洋生命科学【前】【後】、海洋資源環境【前】【後】では、出願資格に英語外部検定(英検準2級以上など)が必須だが、経過措置(セ試の英語の基準点<250点中175点以上など>)を18年入試まで延長する。

●東京学芸大

 教育(養護教育)【前】で2次に面接を追加。

●一橋大

 法・社会で後期を募集停止、経済【前】で215人→200人に募集人員を削減する(3学部ともセ試課す推薦を導入)。

●横浜国立大

 ①教育で全国枠推薦の募集枠拡大(28人→54人)、【前】160人→134人に削減。/②教育(学校教育=人間形成・教科教育)【前】で、2次に集団面接を追加し、選択科目で「総合問題→小論文」に変更。また、同(特別支援教育)【前】で、2次を「総合問題→小論文・集団面接」に変更。

●山梨大

 工【前】の学外試験場を「東京→横浜」に移転。

●信州大

 ①経法(総合法律)、医(保健=理学療法学)で後期を募集停止。/②工で【前】299人→322人、【後】70人→101人に募集人員増(セ試課す推薦を廃止)。/③農【前】【後】で、セ試の理科の選択から基礎科目を除外。/④経法(応用経済)【後】で、セ試の地歴・公民を「2→1科目」選択に軽減。/⑤工(水環境・土木工、機械システム工)【後】で、セ試の理科(2科目)の物理が「選択→必須」に。/⑥経法(応用経済)【後】で、2次を「課さない→数学」に変更。/⑥工(応用化学以外)【後】の2次で「面接→数学」に変更。

●群馬県立県民健康科学大

 診療放射線【前】の2次で、新たに調査書を点数化(150点)、面接を100点→150点にアップ。

●首都大学東京

 ①都市教養を、人文社会・法・経済経営・理の4学部に分割・改組(人文・社会系、法学系、経営学系、理工学系を移行)。一般入試の募集人員の増減は、人文社会【前】146人→141人・【後】22人→27人、経済経営【前】170人→130人・【後】30人→20人、理【前】137人→97人・【後】54人→42人(法は前期のみ実施で、増減なし)。/②都市環境を「1学科5コース→6学科」に改組、都市教養から都市政策コースを移行し「都市政策学科」を増設。【前】118人→156人・【後】30人→39人に募集人員増。/③システムデザインを「1学科5コース→5学科」に改組、都市教養から2コース(電気電子工学・機械工学)を移行・統合する。【前】170人→195人・【後】50人→63人に募集人員増(以上、図1を参照)。/④健康福祉で【前】117人→97人・【後】28人→23人に削減。


首都大学東京の学部増設・改組(予定)

●横浜市立大

 ①「データサイエンス学部」を新設(定員60人)。/②医(看護)【前】で2次に面接を追加。

●新潟県立大

 人間生活(健康栄養)A日程で、セ試に国語を追加し、2次から小論文を除外。

●都留文科大

 「教養学部」を増設(定員330人:2学科構成)。文(初等教育、社会)を移行し、それぞれ「学校教育学科・地域社会学科」に名称変更。

●長野大

 ①17年4月から「私立→公立」に移行。定員増(環境ツーリズム・企業情報各75人→95人)を行い、一般入試はセ試を課す前期・中期で新規実施する。募集人員は「社会福祉=【前】50人・【中】25人、環境ツーリズム=【前】30人・【中】27人、企業情報=【前】30人・【中】27人」。入試科目は3学部共通で、前期は「セ試4教科、2次は課さない」、中期は「セ試4教科、2次は2科目(国語必須、英語・数学から1選択)」。/②中期で学外試験場を設置(福島・東京・長岡・松本・富山・名古屋)。

●長野県立大

 ①長野県短大を母体に、4年制大学を新設。グローバルマネジメント・健康発達の2学部を設置。/②一般入試はセ試を課す前期・中期で実施。募集人員は「グローバルマネジメント=【前】70人・【中】60人、健康発達=【前】40人、【中】6人」。

 

《北陸・東海》
金沢大で後期一括入試を導入、英語外部検定利用を大幅拡大

 

●富山大

 ①「都市デザイン学部」を開設(定員140人)。理(地球工)を「地球システム科学科」として、工(材料機能工)を「材料デザイン工学科」として移行する。募集人員は「【前】81人・【後】33人、推薦9人、AO17人」。/②工を「6→1学科(5コース)」に統合し、定員減(405人→365人)する(以上、図2を参照)。/③理・工の募集人員を変更。理は「【前】143人→117人・【後】51人→42人」に減少、工は「【前】254人→264人・【後】73人→57人」に増減。/④次の学部で定員減。人文185人→170人、経済[昼]345人→305人・[夜]60人→30人。これに伴い、経済[夜]で前期を募集停止し、人文【前】119人→110人・【後】36人→35人、経済[昼]【前】210人→199人・【後】59人→30人、経済[夜]【後】15人→12人に募集人員減。/⑤薬で、【前】70人→75人に増員、【後】20人→10人に削減。/⑥新設予定の都市デザイン【前】で学外試験場を設置(さいたま・名古屋)。/⑦工【後】で全体的に負担増。コース別に見ると、セ試が「電気電子工学・知能情報工学・機械工学・応用化学=4教科5科目→5教科7科目、生命工学=3教科4科目→5教科7科目」に、2次が「電気電子工学・知能情報工学・機械工学=課さない→数学・面接、応用化学=課さない→化学・面接」に増加。/⑧都市デザイン(材料デザイン工)【後】で、セ試の理科を1→2科目に、2次を「課さない→総合問題」に負担増。/⑨芸術文化【前】で2次から面接を除外、同【後】も募集区分aで面接を除外、募集区分bで「面接→小論文」に変更。


富山大学の学部増設・改組(予定)

●金沢大

 ①理工学域を6→7学類に再編し、定員増(589人→614人)。フロンティア工・電子情報通信・地球社会基盤・生命理工の4学類を新設。/②経済学類(以下、学類を略)で定員減(185人→135人)、地域創造(80人→90人)・国際(70人→85人)で定員増。/③経済で後期を募集停止、【前】150人→110人に募集人員減。/④後期で、学類別募集の他に「後期一括入試(文系・理系)」(図3)を新規実施(募集人員=文系62人・理系82人)。文系は「セ試=3教科4~5科目、2次=総合問題」、理系は「セ試=数学2科目・英語、2次=理科」で選抜。同入試による入学者は、2年次から各学域・学類に配属(文系は人間社会学域の6学類へ、理系は理工学域・医薬保健学域の10学類へ)。このため、学類別募集は人文【後】35人→32人、理工学域【後】100人→42人、保健【後】20人→17人に削減。/⑤機械工・フロンティア工・電子情報通信で「理工3学類前期一括入試」を導入(17年は学類別募集)。/⑥前期では、経済【前】以外に、次の学域・学類における募集人員の増減が目立つ。法【前】125人→115人、国際【前】40人→48人、地域創造【前】50人→55人、理工学域【前】482人→499人、薬・創薬科学【前】70人→64人/⑦学校教育【前】・地域創造【前】【後】のセ試で、公民の選択に現代社会・倫理・政経を追加(地域創造は地歴A科目も)。/⑧経済【前】で2次から国語を除外。/⑨保健(放射線技術科学・検査技術科学)【前】の2次で、数学を追加。/⑩人文【前】【後】・経済【前】・学校教育【前】・地域創造【前】【後】・国際【後】・数物科学【後】・物質化学【後】・地球社会基盤【後】・保健【前】【後】、後期一括入試のセ試で、英語外部検定利用が可能に(得点換算。セ試と比べ高得点の方を採用)。


金沢大学の学部増設・改組(予定)

●福井大

 工(機械・システム工、電気電子情報工、応用物理)【後】の2次で「物理→数学」に、同(建築・都市環境工)【後】の2次で「小論文→数学」に変更。

●静岡大

 情報(情報社会)【前】【後】のセ試を「地歴・公民・理科から3(4)科目選択」→「地歴・公民から2科目、理科から1(2)科目選択」に変更。

●浜松医科大

 ①医(医)【後】で10人→15人に募集人員増(推薦30人→20人)。/②医(医)【前】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=4倍)、同【後】で予告倍率を「15倍→10倍」に引き締める。

●愛知教育大

 ①教員養成課程の前期の2次で、学科試験等(課程・専攻により異なる)を小論文に変更する。【前期】初等=幼児教育、初等・中等=英語が「国語→小論文」。初等=教育科学・生活科学、初等・中等=家庭・音楽・美術・保健体育、養護教諭が「学科試験→小論文」。初等・中等=国語・社会、中等=書道)が「英語→小論文」。初等・中等=数学・情報が「英語・理科から1→小論文」。初等・中等=理科、中等=技術が「数学→小論文」。初等・中等=日本語教育が「英語・国語→小論文・総合問題」。中等=教育科学が「総合問題→小論文」。特別支援学校が「学科試験→小論文・面接」。/②教員養成課程の後期の2次も、課程・専攻により異なっていた選抜方法を面接に変更。【後期】初等・中等=国語・社会、中等=書道が「総合問題→面接」。初等・中等=数学、中等=情報が「数学→面接」。初等・中等=音楽・美術・保健体育が「実技→面接」。特別支援学校が「小論文→面接」。

●豊橋技術科学大

 工で【前】40人→45人に募集人員増、「グローバル技術科学アーキテクト養成コース入試」を新規実施(募集15人)。一方、専門・総合学科推薦を25人→15人、普通科・理数科等推薦を15人→5人に削減。

●三重大

 2次の数Aの出題範囲に「整数の性質」を追加。

●富山県立大

 ①工【前】で学外試験場を増設(さいたま)。/②工(環境・社会基盤工)【前】で、2次の理科が「物理必須→物理・化学から1」に。

●公立小松大

 ①小松短大・こまつ看護学校を母体に、4年制大学を新設。生産システム科学・保健医療・国際文化交流の3学部を設置。/②一般入試は別日程実施(募集人員=生産システム科学60人、保健医療60人、国際文化交流60人)。

●静岡県立大

 薬の中期および推薦で「学部一括募集→学科別募集(薬:6年制、薬科学:4年制)」に変更。

●名古屋市立大

 「総合生命理学部」を増設(定員40人)。生命情報・数理物質情報の2コース構成。一般入試は後期のみ実施(募集40人)。

●三重県立看護大

 看護【前】で地域枠を新設(募集5人)し、一般枠を50人→45人に削減。

 

《関西》
神戸大‐経済で複線方式化、大阪市立大‐商で学科増設

 

●滋賀大

 データサイエンスで、【前】60人→50人に募集人員減(AO20人→30人)。

●京都大

 ①薬【前】は「学科別募集(薬:6年制、薬科学:4年制)→学部一括募集」に変更(入学後、3年次後期に所属学科を決定)。/②薬(薬)でセ試課すAOを新規実施し、【前】77人→74人に削減。

●京都教育大

 教育(学校教育=社会)で後期を募集停止。

●京都工芸繊維大

 工芸科学で、5課程(生体分子応用化学、高分子機能工学、物質工学、デザイン経営工学、デザイン・建築学)を2課程(応用化学、デザイン・建築学)に再編する予定。

●大阪大

 ①次の学部・学科でAO・推薦の募集枠を拡大し、一般入試を削減。経済【前】213人→206人(AO7人→14人)、工【前】793人→766人(推薦27人→54人)、医(保健)【前】156人→151人(推薦4人→9人)。/②工【前】の2段階選抜(予告倍率=約3倍)で、対象を「第1志望学科が募集人員の約3倍を超えた場合のみ実施(ただし第2志望学科も不合格)」に限定。

●神戸大

 ①経済【前】で200人→220人に募集人員増(推薦70人→50人)。/②経済【前】を3方式(総合選抜、数学選抜、英数選抜)に分割(募集人員は160人、30人、30人)。2次では、総合選抜は従来型(国語・数学・英語の3教科)、数学選抜は数学、英数選抜は数学・英語を課す。最大3つまで同時併願可。

●兵庫教育大

 学校教育で、募集人員を【前】77人→80人に増加、【後】33人→22人に削減。

●滋賀県立大

 工(材料科学)【前】で、2次を「英語→グループ討論」に変更し、同【後】も2次にグループ討論を追加。

●大阪市立大

 ①商に「公共経営学科」を増設。募集は学部単位(2年次後期から所属決定)のため、【前】183人→198人に募集人員増。/②工(化学バイオ工)【後】で、セ試に国語を追加、2次を「論文(化学や生物に関する素養と論述能力を問う)→数学」に変更し、2段階選抜の予告倍率を17倍→10倍に引き締める。

●大阪府立大

 ①生命環境科学域の自然科学類を「理学類」に名称変更し、数理科学課程を増設、定員増(115人→149人)。募集人員は「【前】88人→120人、【後】21人→24人」に増加。/②理学類【前】【後】で理科均等型を廃止し、数学重点型を新規実施。

●兵庫県立大

 経営【前】【後】のセ試を「地歴・公民・理科から2(3)科目選択」→「地歴・公民から1科目、理科から1(2)科目選択」に変更。

●和歌山県立医科大

 医【前】の2次から小論文を除外。

 

《中国・四国》
広島大・香川大で大規模改組、徳島大‐薬が学科別募集に

 

●鳥取大

 ①医(医)【前】の2次に理科2科目を追加。/②医(生命科学)【前】の2次で理科2科目を追加し、面接を除外。

●島根大

 ①総合理工を「5→7学科」に再編し、一般入試の募集人員を「【前】223人→233人・【後】77人→81人」に増加(推薦枠を縮小)。/②生物資源科学を「4→3学科」に再編。/③人間科学【後】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約16倍)。/④生物資源科学(農林生産)【後】で2次に面接を追加。

●岡山大

 ①教育で「岡山県北地域教育プログラム」を新設(県北部での教育を志す教員養成が目的)し、一般入試の募集枠縮小(【前】184人→154人)。/②全学一括募集の「マッチングプログラムコース」を廃止し、「グローバル・ディスカバリー・プログラム」を新設(学部横断型プログラム)。/③医(保健)【後】で募集人員減(20人→14人)。

●広島大

 ①「情報科学部」を開設(定員80人)。募集人員は「【前】72人・【後】6人、AO2人」。/②総合科学に文理融合型の「国際共創学科」を増設。/③医(医)で定員減(120人→115人)の予定。/④次の学部等で定員減。文140人→130人、教育475人→445人、法[夜]40人→30人、経済[夜]60人→45人、工490人→445人。このため、一般入試の募集人員を、文【前】95人→90人、教育【前】326人→315人・【後】58人→55人、経済[夜]【前】27人→20人・【後】8人→5人、工【前】427人→398人・【後】41人→30人に削減。/⑤総合科学【前】で一般入試の募集人員増(100人→110人)。⑥総合科学【後】の募集形態を変更。文科系と理科系を「分けて試験実施→分けずに一括実施」に変更し、2次を「文科系(小論文・外国語)・理科系(数学・理科)→面接」に統一する。

●山口大

 ①医(医)【前】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=7倍)し、2次で理科1→2科目に。/②理(生物・化学)【後】の2次で「小論文→理科」に変更。

●徳島大

 ①薬が「学部一括募集→学科別募集(薬:6年制、創製薬科学:4年制)」に変更。薬学科では後期を募集停止。/②薬(薬)【前】で2次に集団面接を追加し、2段階選抜を新規実施(予告倍率=10倍)。/③生物資源産業【前】で、配点を「セ試500点→550点(数学100点→150点)、2次500点→450点(面接200点→150点)」に変更。

●香川大

 ①工を「4→1学科(7コース)」に統合、「創造工学部」に改組し、定員増(260人→330人)。一般入試の募集人員は、【前】156人→184人に増加、【後】52人→49人に削減。/②経済を「3→1学科(昼5コース・夜1コース)」に統合・改組し、定員減(300人→250人:[昼] 280人→240人、[夜] 20人→10人)。経済[昼]の一般入試の募集人員は「【前】136人→110人、【後】45人→35人」に削減。/③医に「臨床心理学科」を増設予定(定員20人)。/④教育で「人間発達環境課程」を募集停止(以上、図4を参照)。/⑤農で【前】100人→105人・推薦25人→30人に増員し、【後】25人→15人に削減。/⑥新設予定の医(臨床心理)【前】で2段階選抜を導入(予告倍率=約6倍)。/⑦経済[昼]【前】【後】のセ試で、地歴・公民・理科の選択科目数を「3(4)科目→2(3)科目」に軽減し、地歴でA科目が選択可に。


香川大学の学部増設・改組(予定)

●愛媛大

 医(医)【後】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約20倍)。

●高知大

 ①教育(学校教育=幼児教育・教育科学・教科教育・特別支援教育)【前】の2次で、選択科目から理科と小論文を除外し、国語を追加。/②教育【前】で募集人員増(68人→78人)。/③医(医)【前】で募集人員減(65人→60人)。

●島根県立大

 ①松江キャンパスに「人間文化学部」を増設(定員110人)。保育教育・地域文化の2学科構成。/②出雲キャンパスの看護に「健康栄養学科」を増設し、「看護栄養学部」に名称変更。/③人間文化(保育教育)、看護栄養(健康栄養)の一般入試は前期のみ実施。

●山陽小野田市立山口東京理科大

 薬学部を増設(定員120人)。一般入試は中期のみで実施予定(募集90人)。

●下関市立大

 ①経済で【前】120人→130人に募集人員増 (A方式65人・B方式65人に複線化)、【中】193人→180人に削減。/②経済【前】は、全3学科で入試方式を統一し、新たにA方式(4教科型)・B方式(2~3教科型)に分割。A方式は「セ試=4(5)科目、2次=論述(長文理解)」、B方式は「セ試=2(3)科目、2次=論述(長文理解、図表理解)」(17年は「セ試=2(3)科目(経済・公共マネジメントが国語または外国語必須、国際商が外国語必須)、2次=小論文」)。3学科志望制を導入し、第3志望まで同時出願可になる。/③経済【前】【中】のセ試で、英語リスニングが必須に(17年の英語は「筆記のみ」「筆記・リスニング」で高得点の方を利用」)。/④経済【前】【中】で「入試成績優秀者入学金優遇制度」を導入(入学金を半額免除)。

 

《九州》
九州工業大で学科を再編、学科別→類別募集に移行

 

●九州大

 ①「共創学部」を開設(定員105人)。募集人員は「【前】65人、推薦10人、AO20人」。/②理に「国際理学コース」を開設。/③理(数学)・歯で後期を募集停止。/④新設予定の共創【前】で2段階選抜を導入(予告倍率=約4倍)。/⑤学部増設などに伴い、次の学部で一般入試の募集人員を変更。法【前】154人→146人・【後】35人→33人、経済【前】185人→176人・【後】53人→50人、文【前】134人→119人・【後】25人→22人、教育【前】39人→36人、理【前】187人→197人・【後】44人→27人、工【前】681人→665人・【後】117人→113人、芸術工【前】143人→136人、農【前】180人→172人・【後】28人→24人、歯【前】42人→45人。

●九州工業大

 ①工・情報工で学科を再編。工は「総合システム工→宇宙システム工」に、情報工は「電子情報工→情報・通信工、システム創成情報工→知的システム工、機械情報工→物理情報工、生命情報工→生命化学情報工」に学科名称を変更。/②全学で「学科別募集→類別募集」に移行。工に「工学1~5類」、情報工に「情工1~3学類」を設け、募集段階では「類別入試」を実施し、入学後の2年進級時に所属学科を決定する(図5)。


九州工業大学の学部増設・改組(予定)

●佐賀大

 全学の前・後期のセ試で、英語外部検定利用が可能に(得点換算)。

●長崎大

 ①多文化社会【前】で学外試験場を変更(東京を廃止、大阪に新設)。/②多文化社会【前】【後】で2段階選抜の基準点を複数化。前期は従来(セ試の外国語の得点率80%以上)に加え、「セ試の外国語75%以上、かつ外国語以外の3教科3(4)科目の得点率75%以上」でも合格とする。また、後期は従来(セ試の外国語の得点率85%以上)に加え、「セ試の外国語80%以上、かつ外国語以外の2教科2科目の得点率80%以上」でも合格とする。/③教育(学校教育=中学音楽)【前】で、2次に面接を追加。/④歯【前】で2次に面接を追加する。

●熊本大

 ①工を「7→4学科」に再編・統合。/②医(保健)で後期を募集停止。/③法【前】で募集人員減(155人→145人)。/④理【前】で募集人員増(140人→150人)。/⑤医(医)【前】のセ試の理科(2科目)で、生物が「必須→選択」に。

●大分大

 ①福祉健康科学【前】【後】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=【前】約3倍・【後】約10倍)。/②医(看護)【前】【後】のセ試の地歴・公民で、地歴A科目、現代社会、倫理、政治・経済が選択可能に。

●宮崎大

 ①地域資源創成【前】で学外試験場を新設(東京)。/②農【前】で学外試験場を「横浜→東京」に移転。

●鹿児島大

 ①医(保健)【後】で18人→13人に募集人員減。/②共同獣医【前】で学外試験場(東京)を廃止。

●琉球大

 ①法文(定員405人)・観光産業科学(同140人)を、人文社会(同200人:3学科8プログラムで構成)・国際地域創造(同345人:昼間主コースは1学科5プログラム、夜間主コースは1学科3プログラムで構成)の2学部に改組する(定員に夜間主コースを含む)。夜間主コースは国際地域創造の方に統合する(以上、図6を参照)。/②国際地域創造【前】【後】を「国際的思考系」「論理的思考系」「数学的思考系(昼間主コースの前期のみ)」に分けて募集(個別の科目による)。入学後、昼間主コースは2年次後学期から、夜間主コースは2年次前学期から各プログラムに配属。なお、人文社会は学科別募集で、2年次前学期から各プログラムに配属。/③農(健康栄養科学コース)【前】で、セ試の化学が「必須→選択」になり、2次が「小論文・面接→数学・理科」に変更。/④医(保健)【前】で2次に面接を追加。/⑤理(物質地球科学=物理系)【前】で、配点パターンA(セ試重視)・B(2次重視)を新設。合計点を比較し、高得点の方を合否判定に利用する。


琉球大学の学部増設・改組(予定)

●北九州市立大

 ①外国語で【前】166人→161人・【後】26人→21人に募集人員減(推薦・AO枠を拡大)。/②外国語(国際関係)【後】で、2次を「小論文→面接」に。

●大分県立看護科学大

 看護【前】で35人→40人に募集人員増(県外推薦を廃止)。

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2017年10月号)」より転載いたしました。


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