入試動向分析

2018年の私立大入試はこう変わる!【2017年9月】

2017(平成29)年度

「英語外部検定利用」の導入が加速。47大学で定員増が認可される!

 

 私立大の入試ガイドがほぼ出そろった。インターネット出願への全面移行や英語外部検定利用など、私立大入試(おもに主要校の一般入試)のどこが変わるのか、どのような大学・学部・学科が新設されるかを紹介する。

 

※この記事は『螢雪時代・2017年9月号』の特集より一部改変のうえ、転載いたしました。

 

 

 人気校の変更点を総まとめ!
 日本大・明治大・同志社大・福岡大などで大幅に定員増!

 

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 全国のおもな私立大の入試変更点で、志望動向に影響しそうなものを一挙に掲載した。
 英語外部検定を利用する方式の導入が相次ぎ、一般入試の変更点の主流となっている。
 定員管理の厳格化がさらに進む一方で、大都市圏の主要大学では定員増が続く。
 東北学院大・東京理科大・日本大の入学前予約型給付奨学金の導入も注目される。

 
 

志望校の入試のしくみを把握し、的確でムダのない受験対策を!

 

 『螢雪時代』編集部では、全国の大学から2018年(以下、18年)入試の概要(科目・配点、募集人員、日程など)を掲載した「入試ガイド」を集めた。
 私立大入試のしくみは多様かつ複雑で、しかも毎年のように変更される。大規模な入試改革や、出願システムの変更などが数多くあるのだ。
 ここでは、おもに全国各地区で志願者数の比較的多い大学の入試ガイドから、17年に比べ大きく変更され、志望動向に影響しそうなポイントを、独自入試、センター試験(以下、セ試)利用入試を中心に紹介する。
 『螢雪時代』9月号付録「2018年 全国私立大学 入試科目・配点一覧」とあわせ、志望校の入試情報をしっかりつかみ、得意科目を最大限に生かせる、効率的な受験対策や併願作戦をたてよう。そして、くわしくは各大学の入試ガイドや募集要項を必ず取り寄せ、確認してほしい。

 

駒澤大・東京女子大などで英語外部検定利用を導入

 

(1)「定員管理の厳格化」と定員増

 16年から始まった大学の定員管理の厳格化は、18年も続く。入学定員の超過率はさらに抑制され、補助金が交付されなくなるラインは、大規模校(収容定員8千人以上)で「17年1.14倍→18年1.10倍」、中規模校(同4千人~8千人)で「17年1.24倍→18年1.20倍」となる。合格者の絞り込みにつながりそうだが、一方で私立47大学の定員増(5,701人増)が6月末に認可された。前年同時期(44大学:7,354人増)ほどでないが、それでも大規模な定員増だ。さらに、私立19大学の定員増(1,130人増)が7月末に申請された(認可分と合わせ、6,831人増)。
 特に増加数が多いのは、東北学院大(151人増:6%増)、日本大(472人増:3%増)、武蔵野大(385人増:19%増)、明治大(1,030人増:15%増)、同志社大(326人増:5%増)、福岡大(310人増:8%増)といった、大都市圏や地方主要都市の大~中規模校だ(対前年比率も示した。表も参照)。これらの大学には、倍率アップの緩和を期待し、多くの志願者が集まりそうだが、定員増加率ほど合格者を出さないことは、17年入試で実証済み。かえって倍率アップによる難化もありうるので、要注意だ。

 

 

(2)ネット出願

 インターネット出願(以下、ネット出願)の実施校は、17年に私立大の過半数を超えた。しかも、その半数が全面移行(紙の願書を廃止)した。18年は、ネット出願の新規導入は小規模校を中心に続き、大~中規模校では全面移行する大学が相次いでいる。神戸女学院大が独自入試・セ試利用入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。この他にも、多摩美術大・愛知医科大・京都薬科大など十数校でネット出願を導入する予定だ(対象となる入試や、全面移行か紙の願書と併用するかは各大学で異なる)。
 また、すでに実施している大学では、学習院大・国士舘大・同志社女子大・佛教大・甲南大・西南学院大など、十数校がネット出願に全面移行(一部方式を除く)し、紙の願書を廃止する。

 

(3)英語外部検定利用

 各大学で“グローバル人材”育成が重視される中、実践的な英語運用能力を持つ入学者の確保へ向け、従来の入試方式の中で、独自試験やセ試の英語の代わりに、4技能(読む、聞く、書く、話す)を測定できる「英語外部検定試験」を利用する方式の導入や拡大が相次いでいる。
 東京女子大が「指定の基準以上で出願可。あとは英語以外の科目で合否判定」する方式を新規実施。また、国士舘大・駒澤大・東京都市大・京都産業大などで「指定基準に達すれば、英語を満点、またはレベルに応じた得点に換算し、他科目と合算」する方式を導入する。既実施校では、立教大・南山大などが、セ試利用入試でも英語外部検定利用が可能になった。
 
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 この他には、次のような特徴がみられる。
(4)AO・推薦入試は拡大傾向にある。新規実施するのは「AO入試=成城大‐経済・文芸、早稲田大‐文化構想・文・商・人間科学・スポーツ科学(新思考入試:地域連携型)、南山大‐外国語、藤田保健衛生大‐医、京都女子大‐文・発達教育・家政・法、など/公募推薦=東京理科大‐理1部・工・基礎工・理工・薬、日本大‐法2部、聖マリアンナ医科大‐医、大阪医科大‐医(建学の精神入試)、など」。
(5)「英語外部検定利用」以外に、一般入試で目立った変更は少ない。その中で、志望動向に影響しそうなのは、日本大における学部共通日程入試(N方式)の受験料減額だ。
(6)ここ数年と同様、学内併願時の受験料割引や奨学金制度の導入・拡充が目立つ。特に、東北学院大・東京理科大・日本大における、入学前予約型の給付奨学金の新設が注目される。

 

●変更点一覧の見方

 文中、センター試験は「セ試」、インターネット出願は「ネット出願」と略。学部・学科名は原則として略称とし、例えば「医(看護)」のように記載。入試方式・日程等も略称とし(例:一般入試前期日程→一般前期、セ試利用入試前期→セ試前期)、変更点は「17年→18年」で表記した。また、誌面の都合上、学科単位の変更や、ほぼ変更のない大学については、原則として割愛した。

 

◎英語外部検定利用の表記について

 出願資格=大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば出願でき、あとは英語以外の科目を受験し、その得点で合否が決まる(単に出願資格の場合もある)。
 得点換算=大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば、英語を満点(または一定の得点)と見なして換算する。その他の入試科目の得点と合算し、合否を判定。
 加点=スコアや級ごとに設定された得点に換算し、満点を超えない範囲で合計点に加える。セ試や大学独自で実施する英語の受験が必要。

 
 

北海道・東北~関東・甲信越
 
日本大が学部共通日程入試「N方式」の受験料を減額

 

●日本赤十字北海道看護大
 一般後期を廃止し、セ試後期を新規実施する。
●北海学園大
 ①人文1・2部でセ試Ⅰ期を新規実施(Ⅱ期は実施済み)。/②人文1・2部の一般入試で「英語外部試験利用入試」を新規実施(得点換算)。大学独自の英語と比べ、高得点の方を利用する。
●北海道科学大
 ①工・保健医療・未来デザインでセ試中期を廃止。/②工の一般前・後期を2→3科目に負担増。/③一般入試・セ試利用・推薦・AOをネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止する。
●東北学院大
 ①入試前予約型・給付型の予約継続型給付奨学金「3L奨学金」を新設(採用内定者数は60人。1年次に入学手続時の学生納付金相当額、2年次以降は年額30万円を給付)。/②文系5学部で定員増減を実施(文410人→400人、経済570人→627人、経営310人→341人、法325人→358人、教養400人→440人)。/③文の一般入試で「英語外部試験利用入試」を新規実施(得点換算)。前期全学部型と同日実施。
●東北福祉大
 全学部で3科目型の「給付型奨学金入試」を新規実施。12月実施で、募集人員は4学部で計50人。合格者は4年間、授業料を半額免除される。
●自治医科大
 医で定員減(123人→110人:期限付きの定員増加分)の予定。ただし、期限延長を申請中。
●獨協医科大
 ①医の一般入試で学外試験場(東京)を新設。/②医で、一般入試を53人→58人に募集人員増、セ試利用入試を20人→15人に募集人員減。
●埼玉医科大
 医のセ試利用入試で後期を新規実施する。
●獨協大
 ①一般入試・セ試利用入試でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止。/②外国語・国際教養のセ試利用入試で「英語資格」型を新規実施(出願資格)。出願時期はセ試中期と同じで、セ試2科目(外国語も選択可)を受験。募集人員は、外国語15人、国際教養は若干名。
●神田外語大
 一般入試の英語外部検定の利用方法に、従来の見なし満点(英検準1級レベル)の他に、加点(英検2級レベルなら5点を加点)を追加する。
●学習院大
 ①一般入試でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止。/②法・経済・理・国際社会科学、および文(心理・教育)で、「コア試験日・プラス試験日」を設定。募集が「1→2回」となり、同一学部・学科の2回受験が可能となる。
●北里大
 ①医の一般入試で適性検査を除外。/②獣医(獣医以外)の一般Ⅰ期、医療衛生(リハビリテーション以外)の一般前・後期を3→2科目に軽減。
●共立女子大
 ①文芸で、募集人員を「全学統一60人→80人、一般2月55人→68人、一般3月35人→10人、セ試利用3月10人→2人」に変更。/②国際で、募集人員を「全学統一45人→60人、一般2月35人→48人、一般3月35人→10人、セ試利用3月5人→2人」に変更。/③看護でセ試利用3月を廃止する。
●国士舘大
 ①一般入試・セ試利用・推薦・AOでネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止。/②デリバリー入試・一般中期で、新たに英語外部検定利用が可能に(得点換算)。大学独自の英語と比べ、高得点の方を利用する。
●駒澤大
 全学部統一日程入試で、学外試験場を増設(高崎・宇都宮・静岡)。また、英語外部検定利用が可能になる(得点換算)。
●実践女子大
 ①一般Ⅰ期2科目型と一般Ⅱ期で「全学部統一入試」を導入。/②一般Ⅰ期3科目型で「外部試験利用入試」(得点換算)を新規実施。/③一般Ⅲ期で「高校時代活動評価入試」を導入(高校時代の活動実績を最大50点まで加算)。/④一般Ⅰ期2科目型で、学外試験場を新設(仙台・新潟・長野・静岡)する。
●芝浦工業大
 ①セ試利用方式の募集人員を「工162人→205人、システム理工85人→107人、デザイン工30人→36人、建築34人→44人」に増加。/②システム理工(生命科学・数理科学)、デザイン工の全学統一日程と一般後期を2→3科目に増加する。
●昭和大
 歯・薬・保健医療のセ試利用入試で、B方式「地域別選抜入試」を新規実施(医は導入済み)。全国を6地区に分け、それぞれに募集人員を設定(地区により、各学部・学科で1~2人)。現役のみ受験可。学部(学科)ごとの募集人員は、歯6人、薬10人、保健医療(看護10人・理学療法6人・作業療法6人)。
●成城大
 ①経済・文芸でセ試B方式後期を廃止。/②S方式(全学部統一入試)で福岡会場を増設する。
●聖心女子大
 ①全学で定員増(465人→490人)を実施。/②文の3教科方式を、A(固定配点)・B(得点科目ウェイト配点型)の2方式に分割。Bは3科目中、最高得点科目の配点を2倍にする。総合小論文型とあわせ、3方式間の併願割引制度を導入。/③文の総合小論文方式で、英語外部検定利用が可能になる(得点換算)。
●専修大
 ①スカラシップ入試の募集枠を拡大(全学で60人→100人)。/②一般後期の学外試験場を増設(仙台・新潟・長野・静岡)する。
●玉川大
 全学部で、セ試利用の「国公立大学併願スカラシップ入試」を新規実施する。募集人員は40人、セ試前期と同時併願可。合格者は授業料が国公立大と同額になる。
●中央大
 理工のセ試利用入試併用方式で、2学科まで同時併願可に(2学科目の受験料を1万9千円→1万円に減額)。
●津田塾大
 学芸(英文)で、一般A方式の英語から書き取り試験を除外し、セ試C方式の後期(5科目型)を新規実施する。
●帝京大
 理工のセ試利用入試で面接を除外する。
●東海大
 全学(医学部医学科を除く)の一般A方式で、新たに英語外部検定利用が可能に(得点換算)。A方式の英語と比べ、高得点の方を採用する。
●東京女子大
 一般入試で「英語外部検定試験利用型」を新規実施(出願資格。3教科型と同日実施で、英語以外の2科目で受験可、同時併願可で併願割引制度も導入)。ただし、新設予定の国際英語学科の場合は加点(最大20点)も行う。
●東京電機大
 ①情報環境をキャンパス移転(千葉県印西市→東京都足立区)。/②理工を「5→6学系」に再編する予定。/③工2部で定員増(150人→180人)を実施。/④全学(工2部以外)でセ試後期を新規実施。/⑤システムデザイン工・未来科学・理工で、一般前・後期に数学満点選抜方式(3科目受験は必須だが、数学が満点なら合格)を導入する。
●東京都市大
 全学統一入試・一般前期で、新たに英語外部検定利用が可能になる(得点換算)。
●東京農業大
 ①農学部で生物資源開発・デザイン農の2学科を増設し、バイオセラピー学科を募集停止する予定。/②生物産業学部(所在地=北海道網走市)で全学科の名称を変更予定(生物生産→北方圏農、アクアバイオ→海洋水産、食品香粧→食香粧化学、地域産業経営→自然資源経営)。/③農・応用生物科学・生命科学・地域環境科学・国際食料情報でセ試後期3科目型を新規実施。
●東京理科大
 ①受験生対象の給付型奨学金「新生のいぶき奨学金」を新設(採用者数100人。年額40万円を給付。昼間学部の一般入試を受験する自宅外通学予定者が対象)。/②昼間学部の一般入試で英語外部検定利用の「グローバル方式」を導入(出願資格。経営‐ビジネスエコノミクスは導入済み)。
●東洋大
 経営の一般前期で、新たに英語外部検定利用が可能に(得点換算)。大学独自の英語の受験も必須で、高得点の方を採用する。
●日本大
 ①一般入試出願前予約採用型給付奨学金「日本大学創立130周年記念奨学金(第1種奨学生)」を新設(募集人員は250人。年額30万円を給付。法2部以外の一般入試出願予定者が対象)。/②6学部で定員増減を実施(法1部1,400人→1,533人、法2部300人→200人、文理1,833人→1,900人、経済1,400人→1,566人、商1,200人→1,266人、生産工1,400人→1,540人)。/③N方式(学部共通日程入試)で、受験料を「医=6万円→5万円、歯・松戸歯=5万円→2万4千円、その他の学部=3万5千円→1万8千円」に減額する。/④法のA方式1期で、2学科以上の同時併願が可能に(併願割引も導入)。/⑤法2部がA方式1期とセ試C方式3・4教科型を新規実施。/⑥商のセ試C方式1期で「4教科奨学金型」を廃止。/⑦工のセ試C方式で、5教科型を「4教科型」に軽減。/⑧生物資源科学でセ試C方式を廃止する。一方、N方式1期の実施学科を「2→12」に増やし、全学科で実施する。
●日本医科大
 医で学費を減額する(初年度納付金:545万円→450万円、6年間合計:2,770万円→2,200万円)。
●日本女子大
 全4学部で定員増(家政409人→447人、文341人→377人、人間社会440人→485人、理171人→189人)を実施する。
●日本体育大
 ①体育・児童スポーツ教育の2学部で、セ試利用前・後期を新規実施。/②一般入試・セ試利用入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。
●法政大
 法・理工で「英語外部試験利用入試」を新規実施(出願資格)する。
●武蔵野大
 ①6学部で定員増(文201人→220人、法250人→320人、経済300人→505人、人間科学341人→392人、薬145人→160人、看護120人→145人)を実施する。/②教育学部に「こども発達学科」を増設する予定。
●明治大
 ①全10学部で定員増を実施(法800人→920人、商1,000人→1,150人、政治経済1,000人→1,150人、文775人→910人、理工925人→1,065人、農520人→600人、経営650人→745人、情報コミュニケーション450人→520人、国際日本350人→400人、総合数理260人→300人)。/②国際日本の一般入試で、英語外部検定が利用可能に(得点換算)。/③商の一般入試で「英語4技能試験利用方式」を新規実施する(出願資格)。
●明治学院大
 文(英文・フランス文)・社会・法の一般A日程で「英語外部検定試験利用型」を追加する(文は得点換算方式、社会・法は出願資格方式)。
●立教大
 全学部のセ試利用入試で、新たに英語外部検定利用が可能に(得点換算)。セ試の英語と比べ、高得点の方を採用する。ただし、4技能(読む、聞く、書く、話す)ごとに最低基準を設定。
●立正大
 ①6学部で定員増(文510人→560人、経済360人→400人、経営300人→330人、法300人→340人、地球環境科学230人→245人、心理250人→285人)を実施。/②一般入試・セ試利用入試がネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止。/③経済でコース制を導入、経済学・国際・金融の3コースを設置する。
●早稲田大
 ①政治経済の一般入試で、政治・経済が選択不可に。/②法の一般入試で、数学が選択可に(セ試の得点を利用)。/③国際教養の一般入試で、英語外部検定利用(4技能:加点)を導入する一方、英語リスニングを廃止する。
●麻布大
 ①獣医で一般Ⅱ期を新規実施。/②獣医(獣医)のセ試Ⅰ期で、セ試の理科を2→1科目に軽減(基礎科目選択の場合は2科目)。/③全学でセ試Ⅱ期を廃止する。
●諏訪東京理科大
 ①18年4月から公立に移行し、「公立諏訪東京理科大」に名称変更予定。/②工のセ試A方式で「前期=3→4科目、中期=2→4科目」に増加、後期(国語・英語が選択不可に)も含め「数学2科目・理科1科目必須」に。/③工の一般B方式で、前・後期とも数学の出題範囲に数Ⅲを追加し、前期の選択から英語を除外(数学・理科必須に)。

 
 

北陸・東海~九州
 
南山大・京都産業大のセ試利用入試で英語外部検定が利用可に

 

●金沢医科大
 医で一般後期を新規実施。「1次=数学・英語、2次=小論文・グループ面接」で選抜する。
●常葉大
 ①静岡市駿河区に「草薙キャンパス」を新設し、教育・外国語が同葵区から、経営・社会環境・保育が富士市から移転する。/②保育で定員増(80人→160人)を実施。/③教育(初等教育)の奨学生入試、一般前・後期、セ試利用入試を「専攻別募集→課程一括募集」に変更(入学後、2年次に専攻を決定)。奨学生入試、一般前・後期は文系型・理系型・実技型の3タイプで実施する。
●愛知大
 ①文学部に「心理学科」を増設予定。/②地域政策学部に「食農環境コース」を増設予定。
●愛知工業大
 独自・セ試併用のセンタープラスA・M方式を新規実施する。セ試2教科とA・M方式の高得点1科目を合計して判定する。
●金城学院大
 一般前期に「複数日評価型」を追加。複数日受験したうちの高得点2科目を合計し、2・3科目型とは別に、もう1回合否を判定する。
●中京大
 ①10学部(スポーツ科以外)の前期A方式で2教科型を新規実施。/②スポーツ科の前期A・M方式で3教科型を新規実施する。/③セ試利用入試で過年度のセ試成績利用を廃止する。
●南山大
 ①セ試利用入試(前期3教科型・5教科型、後期)で、新たに英語外部検定利用が可能に(得点換算)。/②全学統一入試(併用型)で、セ試の英語でも外部検定利用が可能に(従来は個別のみ)。
●日本赤十字豊田看護大
 セ試後期を新規実施、セ試3教科と面接で選抜。
●藤田保健衛生大
 ①医で一般後期を新規実施し、前期で面接を新たに点数化(調査書等とあわせ100点)する。/②医のセ試前期に「地歴・公民から1」を追加する(6→7科目)。
●京都外国語大
 一般入試のA日程・C日程で語学検定試験結果活用型(出願資格+得点換算)を新規実施。英語外部検定利用の他に、小論文を課す。
●京都産業大
 ①経済で定員増(570人→625人)を実施。/②総合生命科学の一般入試で、数学の出題範囲から数Ⅲを除外。/③全学部のセ試前・後期で、英語外部検定が利用可能に(得点換算。例:英検準1級=セ試の英語を満点と見なす)。
●京都女子大
 現代社会で、募集人員を現代社会・国際社会・情報システムの3専攻に分割(一般前期A方式では3専攻の同時併願可)。
●京都橘大
 健康科学部に作業療法・臨床検査の2学科を増設する予定。
●同志社大
 全14学部で定員増を実施する(神60人→63人、文670人→705人、社会415人→442人、法850人→893人、経済850人→893人、商850人→893人、政策400人→420人、文化情報280人→294人、理工720人→756人、生命医科学240人→265人、スポーツ健康科学210人→221人、心理150人→158人、グローバル・コミュニケーション150人→158人、グローバル地域文化180人→190人)。
●同志社女子大
 一般入試・セ試利用入試・推薦でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止する。
●佛教大
 ①一般入試・セ試利用入試・公募推薦でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止する。/②一般A日程で、同時3学科まで併願可とし、3学科目の受験料を「1万円→5千円」に減額。
●立命館大
 ①「食マネジメント学部」を開設予定(滋賀県草津市)。/②理工のセ試利用入試で、新たに英語外部検定利用が可能に(見なし満点)。
●龍谷大
 ①理工のセ試前期で、独自・セ試併用の「3教科一般入試併用型」を新規実施(セ試=数学・理科の高得点3科目、一般=A日程の数学・理科・英語)。/②理工の一般C日程で配点セレクト方式(数学重視方式、理科重視方式)を新規実施。重視する科目の得点を2倍する。
●追手門学院大
 ①国際教養で定員増(230人→330人)を実施。/②全6学部のセ試利用入試で、前期に4科目型を追加し、最終日程(2科目型)を新規実施する。
●大阪医科大
 ①看護の一般入試に2科目型を追加し、3科目型の国語の一部に記述式を導入。/②医でセ試後期を廃止する。
●大阪工業大
 後期C日程(セ試利用)で英語外部検定利用が可能に(得点換算)。
●大阪歯科大
 ①歯のセ試前・後期で小論文を除外する。/②一般前・後期で独自・セ試併用の「プラス1」を新規実施(前期=セ試1教科・一般3教科、後期=セ試1教科・一般2教科)。
●大阪電気通信大
 ①工学部に「建築学科」、総合情報学部に「ゲーム&メディア学科」を増設し、金融経済学部を募集停止する予定。/②医療福祉工(理学療法、健康スポーツ)の前期A・B日程理系型で「2→3教科」に増加する。
●大阪薬科大
 ①薬学部で薬科学科(4年制)を募集停止し、薬学科(6年制)に一本化する予定。/②薬(薬)でセ試後期を廃止する。
●関西大
 ①経済・政策創造の学部個別日程で「2教科型英語外部試験利用方式」を新規実施(出願資格)。/②政策創造・人間健康の全学部日程に「3教科型同一配点方式」を追加。/③政策創造のセ試前期に4・6科目型を追加。/④システム理工・環境都市工のセ試中期で、語学力重視方式を「システム理工=5→3科目、環境都市工=5→4科目」に軽減する。
●関西外国語大
 ①御殿山キャンパス(大阪府枚方市)を新設、英語国際を中宮キャンパス(同)から移転する。/②一般前期で英語1科目型のS方式を導入(英語外部検定による加点方式も導入)。
●関西学院大
 ①経済の一般入試(全学日程、学部個別日程)に「理系3科目型」を追加。/②教育(初等教育)の学部個別日程文系型・理系型で、書類審査(調査書を10点に点数化)を加えた総合評価で合否判定を行う「主体性評価方式」を導入する。
●甲南大
 ①一般入試・セ試利用入試・推薦でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止。/②文でセ試後期・セ試併用型後期を廃止する。
●神戸女学院大
 一般入試・セ試利用入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止する。
●兵庫医療大
 セ試利用入試で、薬が中期、看護が後期を廃止し、全3学部で面接併用型を新規実施する。
●武庫川女子大
 一般入試・セ試利用入試・推薦でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止する。
●岡山理科大
 教育・経営の一般前期SA・SB・SAB方式、後期で、国語の除外範囲を「漢文→古文・漢文」に拡大し、出題は現代文のみに。
●九州産業大
 一般前期で新たに英語外部検定利用が可能に(得点換算)。大学実施の英語の受験も必須で、高得点の方を採用する。

 

 

●久留米大
 ①一般入試・セ試利用入試でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止する。/②全学(医‐医以外)で独自・セ試併用の「センタープラス入試」を新規実施。/③文・法・経済・商・人間健康で同一試験日の複数同時併願が可能に。
●西南学院大
 一般入試・セ試利用入試でネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止する。
●福岡大
 ①8学部で定員増を実施(人文540人→605人、法600人→630人、経済600人→660人、商1部605人→665人、理240人→250人、工640人→700人、医‐看護100人→110人、スポーツ科学280人→295人)。/②薬(薬)で募集人員を、一般前期120人→115人に削減、セ試Ⅱ期5人→10人に増加する。
●熊本学園大
 ①一般前期で、1回の受験で学部の枠を超えて3併願まで可能に。/②セ試B日程で「学部内のみ同時併願可→全学科同時併願可」に変更。

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 新設大学・学部・学科をチェック!
 看護・医療、栄養、教育・保育、心理、スポーツ系の増設が目立つ

 

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 ここからは、全国の私立大について、18年度に新設予定の大学・学部・学科等(既存の学部・学科の組織改編を含む)を紹介する。看護・医療、食物・栄養、教育・保育、スポーツといった分野の新設が目立つ。北海道科学大と北海道薬科大の統合、九州産業大の大規模な改組も注目される。

 
 

東海大・九州産業大などで学部増設や改組を予定

 

 私立大における、18年度の新設予定大学、および学部・学科の増設予定(認可申請分)、さらに学部・学科の改組・再編等に伴う増設で、5月末までに文部科学省に「設置届出」があったもの(6・7月末発表)を、このページ下にリンクした。
 学問分野や教員組織等を大きく変えないなど、一定の条件を満たす場合に限り、文部科学大臣に届け出れば学部・学科等を増設できる(設置届出)。その他の学部・学科増設や、大学そのものの新設には「認可申請」が必要で、最終的には8月末に正式に認可される予定だ。

●大学の新設と大学・短大の募集停止

 3大学が新設予定で、このうち1大学は通信制だ。一方、北海道薬科大と4短大(立教女学院短大・小松短大・神戸山手短大・奈良学園大奈良文化女子短大部)が募集停止を予定している。

●学部・学科増設(設置届出)

 5月末までの届出分は、学部増設(既設学部の改組を含む)が大東文化大‐社会、東海大‐文化社会・健康、京都産業大‐情報理工、神戸学院大‐心理など24大学30学部等、学科増設が東京女子大‐現代教養(国際英語、心理・コミュニケーション)、明治学院大‐法(グローバル法)など27大学28学部34学科となった。届出は12月まで随時受け付けられるので、今回の掲載分は18年度のごく一部に過ぎない。なお、6月以降の届出分の一部を、変更点一覧に掲載した。

●学部・学科増設(認可申請)

 認可申請したのは、学部増設が19大学19学部、学科増設が5大学5学部5学科。このうち、北海道科学大‐薬は、同じ学校法人が設置する北海道薬科大を統合して開設される(すでに北海道科学大のキャンパス内に移動済み)。また、岡山理科大が獣医学部の開設を申請。認可されれば52年ぶりの獣医系の新設となる。今回の申請で、私立大の定員は約2,500人増える(新設大学を含む)。さらに、6月末に別途認可された定員増(約5,700人)と、7月末に別途申請された定員増(約1,100人)を加えると、私立大全体の定員は約9,300人増える(通信教育課程と編入学定員を除く)。

●新設大学・学部・学科の特徴

 分野別に見ると、看護・医療系の学部・学科の新増設が、申請・届出を合わせ15大学と多い。しかも看護学部・学科の増設が、大東文化大・関西医科大など10大学と、前年度に続いて“看護ラッシュ”の様相を呈している。次いで、食物・栄養、心理、教育・保育、スポーツといった分野の増設予定も目立つ。
 この他、全学規模の大幅な改組(日本工業大・大谷大の「1→3学部」化、九州産業大の文系学部の増設や統合、など)も注目される。
 新設大学・学部・学科等の詳細は、案内パンフレットや募集要項などで必ずチェックし、不明の点は入試担当者に問い合わせてほしい。

 

平成30年度 大学・短大新増設一覧(7月末現在までの発表分)

 

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2017年9月号)」より一部改変のうえ、転載いたしました。

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