国立6大学の教員養成系学部で、教員養成以外の課程を募集停止!
国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』がすべて出そろった。教員養成系学部をはじめ、大きく変貌しつつある国公立大の入試で、志望動向や難易変動に影響しそうな変更点を紹介する。
この記事は『螢雪時代・2016年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)
大阪大は全学部で後期を募集停止。東京海洋大・横浜国立大・新潟大・滋賀大・島根大で学部増設を予定!
国公立大志望動向に影響しそうな2017年入試の変更点を掲載した。国立6大学の教員養成系学部における「教員養成以外の課程」の募集停止、文系学部の定員減、理系学部の定員増、推薦・AOの増加などが注目される。一般入試では、2次で英語・面接重視の傾向が見られ、英語外部検定利用も増えている。
文系縮小・理系拡大が目立つ
2次は英語・面接重視の傾向
国公立大の2017年(以下、17年)入試「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点が正式に発表されたが、大規模な入試改革や学部改組、募集人員の増減などが数多くある。そうした変更点を、一般入試で募集人員の多い日程(おもに前期)を中心に紹介する。また、「螢雪時代10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部学科を含む)を日程別・系統別に分け、一覧表にして掲載した。
10月のセンター試験(以下、セ試)の出願時には、理科の受験パターン(A~Dのいずれか)を事前申請しなければならない。そのため、併願校も含め、なるべく早めに志望校を決めておく必要がある。「螢雪時代10月号」付録『2017年 全国国公立大学 入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校決定の参考にしてほしい。
(1)学部改組・定員増減
16年度と同様に、国立大で大規模な学部改組が目につく。全体として、①教員養成系学部を教員養成機能に特化し、教員免許を卒業要件としない課程を廃止・縮小(表1)、②人文・社会科学系学部を縮小、③理工・農学系学部を拡大、④上記の①②による定員削減分で、文理融合型の学部を増設、という傾向が続いている。
①については、6大学の教員養成系学部で教員養成以外の課程を募集停止する。②③の例としては、神戸大における文系学部の統合(国際文化・発達科学→国際人間科学)や定員減(文115人→100人)、理系学部の定員増(理140人→153人、工540人→565人、農150人→160人)が注目される。また、学部の増設は国立5大学(東京海洋大‐海洋資源環境、横浜国立大‐都市科学、新潟大‐創生、滋賀大‐データサイエンス、島根大‐人間科学)で予定されているが、東京海洋大以外は④にあたる。
北見工業大‐工、山形大‐人文社会科学・理・工、千葉大‐工、横浜国立大‐経済・経営、新潟大‐理・工・農、鳥取大‐地域、大分大‐理工、琉球大‐工など、複数学科を1学科、あるいはより少数の学科に統合・再編する学部も目立つ。
公立では、宮城大が「学部・学科→学群・学類」に改組。また、岐阜薬科大‐薬で4年制学科を廃止し、薬剤師養成の6年制学科に一本化するのが注目される。
(2)募集人員・日程変更
大阪大で推薦・AO「世界適塾入試」を導入し、8学部で後期を募集停止。横浜国立大‐経済・経営、熊本大‐文・法・理・工でAOを導入して一般入試枠を縮小。東北大でもAOの募集枠を拡大し、前期の募集人員を削減するなど、難関校を中心に、募集人員を一般入試から推薦・AO入試へ移行するケースがみられる。
大阪大の他、弘前大‐医(保健)、横浜国立大‐教育、香川大‐医(看護)、岐阜県立看護大などで後期を募集停止。また、宮城大‐事業構想学群・食産業学群で募集人員を「前期増加、後期削減」する。一方、山形大‐医(看護)・工[フレックス]で後期を復活、北見工業大‐工、茨城大‐工、兵庫県立大‐経営で募集人員を「前期削減、後期増加」したのが注目される。なお、4月から「私立→公立」に移行した2大学では、福知山公立大が「前期・後期」で、山陽小野田市立山口東京理科大が「前期・中期」で新規実施する。
(3)一般入試科目
高知大‐医(医)、宮崎大‐工の前期、宮城大‐看護学群の前・後期など、理系学部を中心に、2次に英語を追加するケースが増えている。
また、教員養成系を中心に、面接や総合問題を課すケースも増えている。千葉大‐教育の前期では課程により面接や総合問題を追加、茨城大‐教育の前・後期、京都教育大の後期、熊本大‐教育の前期でも、面接を追加、または他の科目等を面接に変更する。英語・面接対策の重要性が、ますます高まっている。
(4)英語外部検定利用
一般入試で、4技能(読む、聞く、話す、書く)を測定する英語外部検定を利用できる大学が増えつつある。九州工業大・鹿児島大が、全学の前・後期のセ試で新たに利用。また、東京藝術大‐音楽(前期のセ試)、宮崎大‐地域資源創成(前期の2次)などでも新たに利用する。
(5)2段階選抜
弘前大‐医(医)の前期で2段階選抜を新規実施し、京都大‐医(人間健康科学)、大阪大‐外国語・医(医)、広島大‐医(医)の前期などで、予告倍率を厳しくする。一方、静岡県立大‐食品栄養科学の前・後期で廃止する。
エリア別/国公立大学・2017年入試情報
【変更点の見方】
以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。新増設学部・学科等(改組を含む)の名称は仮称。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、[昼]=昼間主コース、[夜]=夜間主コース、セ試=センター試験、2次=個別学力検査等、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、インターネット出願=ネット出願、と略記。変更点は「16年→17年」で表記。紙面の都合上、学科・専攻等の単位の小規模な変更、募集人員の小幅な変更や、推薦・AOに関する変更などは、原則として割愛。一般入試の科目等の変更については、セ試・2次とも、原則として科目数の変更に限って掲載した。なお、セ試の科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。
《北海道・東北》
山形大・宮城大で全学的に改組
会津大は前期を2方式に複線化
●小樽商科大
商[昼・夜]【前】で、学外試験場を青森に新設(商[昼]は専門・総合学科卒業生入試を含む)。
●北見工業大
①工を6→2学科(地球環境工・地域未来デザイン工:計8コースで構成)に統合・改組する予定。/②工学部全体の募集人員を「【前】170人→164人、【後】137人→143人」に変更。
●弘前大
①医(保健)で後期を募集停止、【前】127人→150人に増加。/②医(医)【前】で2段階選抜を新規実施。予告倍率は募集人員の8倍(以下、募集人員を略)。2次で理科を除外し、一般枠の面接を点数化(300点)。/③医(保健=看護・理学療法・作業療法)【前】の2次で理科を、同(保健=放射線技術科学・検査技術科学)【前】の2次で数学を除外。/④人文社会科学【後】で、2次を「総合問題→小論文」に変更。
●岩手大
理工でAO(25人)を新規実施し、一般入試の募集人員を「【前】282人→265人、【後】77人→79人」に変更、推薦を81人→71人に削減。
●東北大
AOの募集枠を拡大、一般入試を削減。文【前】200人→190人(AOⅡ期10人→20人)、農【前】120人→114人(AOⅡ・Ⅲ期30人→36人)。
●山形大
①人文を「人文社会科学部」に改組、2→1学科(5コース)に統合・再編し、定員減(300人→290人)の予定。募集人員は、【前】198人→190人、【後】52人→30人に削減し、セ試免除推薦を増加(50人→70人)。/②地域教育文化を8→2コースに統合・再編し、定員減(240人→175人)の予定。募集人員は【前】150人→110人、【後】39人→25人、セ試免除推薦51人→35人に削減し、AOを新規実施。/③理を5→1学科(6コース)に統合・再編し、定員増(185人→210人)の予定(募集人員=【前】128人→136人、【後】20人→30人、セ試免除推薦5人→12人)。/④工[昼]を7→5学科に再編し、定員増(570人→600人)の予定。募集人員は、【後】59人→69人に増加、セ試課すAO(30人)を新規実施する一方、【前】381人→371人に削減。/⑤工[フレックス]で後期を新規実施し、セ試課す推薦を廃止。/⑥医(看護)で後期を新規実施し、【前】38人→35人、推薦22人→20人に削減。/⑦医(看護)【前】で、セ試の理科を2(3)科目→1(2)科目に軽減。
●札幌市立大
デザイン【後】で、セ試の数学を1→2科目に負担増。
●宮城大
①学部・学科を「学群・学類」に改編し、看護学部(1学科)を「看護学群(看護学類)」、事業構想学部(2学科)を「事業構想学群(事業プランニング・地域創生・価値創造デザインの3学類)」、食産業学部(3学科)を「食産業学群(食資源開発・フードマネジメントの2学類)」に改組する。/②看護学類で定員増(90人→95人:編入学を定員減)。/③全学類でAOを新規実施し、推薦入試(「セ試免除→課す」に変更)の募集枠を縮小。また、一般入試の募集人員を「後期→前期」に移行。看護学群は「【前】40人→48人、推薦36人→24人」、事業構想学群は「【前】75人→100人、【後】40人→20人、推薦70人→40人」、食産業学群は「【前】59人→62人、【後】24人→12人、推薦36人→28人」に募集人員を変更。/④上記の改編に伴い、事業構想・食産業の2学群で、一般入試・推薦入試を学群一括募集に移行(16年は学科別募集。入学後、2年進級時に所属学類を決定)/⑤食産業【後】で、セ試を6(7)科目→7(8)科目に負担増。/⑥看護【前】【後】で、2次に英語を追加。/⑦事業構想【前】【後】で、2次を「数学・英語・論説」に統一。/⑧食産業で、2次に「前期=数学・理科、後期=数学」を追加し、A(数学重視)・B(理科重視)の2区分を新設。
●国際教養大
一般入試(A~C日程)でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。
●会津大
①コンピュータ理工【前】の募集単位を、セ試の科目数でA・Bの2方式に分割。B(7または8科目:募集36人)は新規実施、A(理1または2科目:募集138人)は従来から実施。/②コンピュータ理工【前】で、学外試験場を京都に増設。
●福島県立医科大
①医【前】で募集人員を変更。一般枠を47人→42人に削減、地域枠を20人→25人に拡大。/②医【後】で2段階選抜の予告倍率を緩和(約9倍→約10倍)。
《関東・甲信越》
茨城大‐教育、千葉大‐教育の2次で面接重視の科目変更
●茨城大
①人文を「人文社会科学部」に改組、2→3学科に再編、定員減(395人→360人)の予定(【前】210人→195人、【後】115人→100人、推薦70人→65人に募集人員減)。/②教育で、情報文化・人間環境教育の2課程を募集停止し、教員養成課程(養護教諭を含む)を215人→240人に定員増の予定(【前】144人→161人、推薦41人→50人に増員)。/③農を3→2学科に再編、定員増(115人→160人)の予定(【前】75人→107人、【後】17人→29人に増員)。/④工の募集人員を「前期→後期」へ移行(昼=【前】304人→265人・【後】115人→179人、夜=【前】28人→21人・【後】7人→14人)。/⑤工[昼・夜]【前】【後】のセ試で、理科基礎2科目を選択から除外。/⑥教育では、次のコース等・日程で2次を変更(面接重視の方向)。学校教育(社会・美術)【前】、同(理科・音楽)【後】で面接を追加。同(技術)【前】、同(数学)【後】で「数学→面接」。同(美術)【後】で「小論文→面接」。同(保健体育)【後】で「実技→面接」。養護教育【前】=プレゼンテーションを追加。/⑦工[昼]【前】のB方式で、生体分子機能工は2次の理科で「化学必須→物理・化学から1」に変更。また、マテリアル工は2次に理科を追加する。
●筑波大
体育専門学群【前】で募集人員減(148人→140人:推薦・AO枠を拡大)。
●宇都宮大
①国際で「2→1学科」に統合する予定。/②農(応用生命化学)【前】で、2次を小論文→理科に変更。
●埼玉大
①教養【前】【後】のセ試で、公民の選択に現代社会、倫理、政治・経済を追加。/②工(情報システム工)【前】【後】では、セ試の理科で物理が「選択→必須」に(他は化学・生物・地学から1)。
●千葉大
①工を「10→1学科(9コース)」に統合する予定。ただし、17年一般入試は改組前の10学科で実施し、科目・配点等は変更なし。/②国際教養でAOを新規実施し、【前】90人→85人に募集人員減。/③教育(小学・養護教諭)【前】の2次で面接を、同(中学)【前】の2次で総合問題を追加(ただし、中学美術は「面接→総合問題」)。/④理(数学・情報数理)【前】の2次に理科を追加。また、同(生物)【後】の2次を「総合問題→理科」に変更。/⑤工(機械工・メディカルシステム工・電気電子工・共生応用化学・画像科学・情報画像)【後】の2次で「総合問題→数学・理科」に、同(ナノサイエンス)【後】で「面接→数学・理科」に変更し、同(都市環境システム)【後】で数学を追加。/⑥医【後】で、2次を「小論文・総合問題→数学・理科・英語」に変更。/⑦園芸(応用生命化学)【後】で、2次を「総合問題→理科」に変更。
●東京医科歯科大
医(医)【後】で、2段階選抜の予告倍率を「約6倍→約8倍」に緩和する。
●東京学芸大
教育(初等教育=国際教育)で、2次を「小論文→面接」に変更。
●東京海洋大
①「海洋資源環境学部」を新設予定(定員105人:2学科)。募集人員は「【前】66人、【後】27人、推薦12人」。/②海洋科学を「海洋生命科学部」に改組、「4学科→3学科+水産教員養成課程」に再編し、定員減(275人→170人)の予定(募集人員=【前】167人→102人、【後】70人→44人、推薦22人→10人、AO16人→14人)。/③海洋工で定員減(175人→160人)を予定。推薦を廃止、【前】96人→91人に削減。
●東京藝術大
①音楽・美術の一般入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。/②音楽【前】のセ試で、新たに英語外部検定の利用が可能に。指定の級・スコア(英検準1級など)を満たせば、セ試の英語を満点と見なす(ただし、外国語の受験は必要)。
●横浜国立大
①「都市科学部」を新設予定(定員248人:4学科)。募集人員は「【前】119人、【後】62人、AO37人」。/②教育人間科学を「教育学部」に改組し、学校教育課程に特化、人間文化課程を募集停止する予定。また、後期を募集停止。/③理工を「4→3学科」に改組、学科名称を変更(機械工学・材料系→機械・材料・海洋系)、建築都市・環境系学科を新設学部へ移行する予定。募集人員を「【前】407人→358人、【後】279人→260人、AO24人→10人、推薦35人→25人」に削減。/④経済を「2→1学科」に統合し、前期を募集人員減(140人→125人)、AOを新規実施。/⑤経営を「4→1学科」に統合し、夜間主コースを募集停止する予定。また、後期を募集人員減(113人→98人)、AOを新規実施。
●上越教育大
一般入試・推薦入試でネット出願を導入(紙の願書と併用)。
●新潟大
①「創生学部」を新設予定(定員65人)。募集人員は「【前】45人、【後】10人、推薦10人」。/②教育で学習社会ネットワーク・生活科学・健康スポーツ科学・芸術環境創造の4課程を募集停止する予定(教員養成に特化)。/③理を「6→1学科(7プログラム)」に再編・統合し、定員増(190人→200人)の予定。前期を123人→133人に増員。/④工を「7→1学科(9プログラム)」に再編・統合し、定員増(480人→530人)の予定(募集人員=【前】318人→349人、【後】65人→71人、推薦97人→110人)。/⑤農を「3→1学科(5プログラム)」に再編・統合し、定員増(155人→175人)の予定(募集人員=【前】100人→111人、【後】26人→30人、推薦29人→34人)。/⑥工【前】【後】で、募集単位を「分野(9プログラムを5分野に分類)」別募集に移行し、セ試の数学を「数Ⅰ・A必須、『数Ⅱ・B、簿記・会計、情報関係基礎から1』」に、理科を「物理・化学・生物・地学から2(各発展)」に統一。また、工【前】で2次の理科を「物理・化学・生物・地学から1(各基礎・発展)」に統一。さらに、工【後】の配点を「セ試800点・2次100点」に統一する。/⑦医(保健)の募集人員を「後期→前期」に移行(【前】78人→91人、【後】33人→20人)。/⑧理【前】の2次で、選抜方法A~Cに複線化。/⑨教育(学校教育=英語)【後】の2次で、面接の内容に英語を追加。
●山梨大
生命環境(地域システム)【前】のセ試で、「地歴・公民から各1→地歴・公民・理科から2」に変更。
●信州大
①繊維(化学・材料)【前】の2次で、理科が「化学必須→物理・化学から1」に。/②工(水環境・土木工)【後】で2次を「課さない→面接」に変更。
●群馬県立女子大
国際コミュニケーション【前】の2次を「英語→面接(一部、英語を含む)」に変更。
●横浜市立大
国際総合科学(理学系)【前】の2次で英語を(セ試の英語を300点→500点に)。
●新潟県立大
人間生活(健康栄養)C日程の2次で面接を廃止。
●都留文科大
文に「国際教育学科」を増設予定(定員40人)。
《北陸・東海》
愛知教育大が全学的に改組
岐阜薬科大で4年制学科を廃止
●富山大
①人文で募集人員を「【前】111人→119人、【後】41人→36人」に変更。/②経済[昼・夜]【後】で、2次を「英語→小論文(英語を含む)」に変更。
●金沢大
人間社会(法・経済)【前】【後】、理工(機械工・電子情報・環境デザイン・自然システム)【前】、同(環境デザイン)【後】のセ試で、公民の選択に現代社会・倫理・政治経済を追加。
●福井大
①教育【前】で、選抜区分を「9→5」にまとめた。新たな選抜区分は「文系型・理系型・実技型(音楽・美術・体育)」。所属するサブコース・系は2年進級時に決定。/②教育(初等教育=特別支援)【後】で、セ試を3(4)科目→7(8)科目に負担増。
●静岡大
①工【後】で2次を1→2科目に増加。学科別では、機械工・電気電子工で物理を、数理システム工で「物理・化学から1」、化学バイオ工で数学を追加し、電子物質科学で数学・理科が「選択→各必須」に。/②教育(学校教育=社会科)【後】で、2次を「集団面接→個人面接」に変更。/③教育(学校教育=国語)で後期を新規実施。
●愛知教育大
①教育で、現代学芸課程(定員232人)を募集停止し、「教育支援専門職養成課程」(同130人:3コース構成)を新設予定。新旧課程の比較では、合計で【前】155人→64人、【後】63人→30人に減少(推薦は14人→36人に増加)。/②初等教育教員養成課程に2選修(生活科、日本語教育)を増設予定。/③教員養成系4課程を定員増の予定(全体で643人→735人)。前年比で、【前】463人→518人、【後】101人→95人、推薦79人→122人に増加。
●名古屋大
①工を「5→7学科」に再編し、定員減(740人→680人)の予定(募集人員=【前】666人→614人、セ試課す推薦74人→66人)。/②情報文化を「情報学部」に改組、2→3学科に再編し、定員増(75人→145人)の予定(募集人員=【前】59人→113人、セ試課す推薦16人→22人)。
●三重大
①人文で定員減(265人→245人)を予定。【後】で募集人員減(62人→56人)。/②生物資源を「3→4学科」に再編し、定員増(240人→260人)を予定。【前】126人→136人、【後】50人→55人、推薦58人→61人に増加。/③医(看護)で推薦枠拡大(12人→20人)、【前】55人→52人、【後】10人→5人に削減。/④工(建築)【後】で2次を「小論文→実技」に変更。
●富山県立大
工に「医薬品工学科」を増設し、2学科の名称変更と定員増を予定(情報システム工→電子・情報工:50人→80人/環境工→環境・社会基盤工:40人→55人)。学部全体の募集人員は「【前】162人→215人、【後】36人→38人、推薦52人→77人」に増加。
●福井県立大
①経済【後】で募集人員減(80人→70人:推薦40人→50人)。/②看護福祉【後】で27人→17人に募集枠縮小(推薦21人→28人)。/③福祉(看護)【前】で、セ試に国語・数学を追加。
●岐阜県立看護大
看護で後期を募集停止し、セ試を課す全国枠推薦を新規実施。
●岐阜薬科大
薬科学科(4年制)を募集停止し、薬学科(6年制)を定員増(80人→120人)の予定。
●静岡県立大
①食品栄養科学【前】【後】で、2段階選抜を廃止。/②国際関係【前】の2次で、英語の配点を400点→200点に変更(セ試は600点で変更なし)
《関西》
滋賀大で情報系学部を増設
神戸大が文系縮小・理系拡大
●滋賀大
①「データサイエンス学部」を新設予定(定員100人)。募集人員は「【前】60人、【後】20人、AO20人」。/②経済[昼]で定員減(500人→410人)を予定。【前】200人→150人、【後】240人→200人に募集人員減。/③経済[夜]を「夜間主コース→フレックス制(昼・夜のいずれの時間帯も制限なく履修可)」に移行する。/④教育で定員減(240人→230人)を予定。【後】34人→24人に募集人員減。
●京都大
①一般入試・特色入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。/②医(人間健康科学)を「4専攻(看護学・検査技術科学・理学療法学・作業療法学)→3コース(総合医療科学・看護科学・リハビリテーション科学)」に再編・統合し、定員減(143人→100人)の予定。学科一括募集に変更し、【前】127人→84人に募集人員減。/③農で学力型AO(セ試課す)の実施学科を「1→6学科」に増加し、【前】297人→282人に募集人員減。/④2段階選抜の予告倍率を、医(人間健康科学)【前】で「約5.0倍→約3.5倍」に引き締め、法【後】で「約10倍→約15倍」に緩和。
●京都教育大
①教育(学校教育=教育学・幼児教育・発達障害教育・美術‐美術)で、後期を募集停止。/②教育(学校教育=国語・社会・英語・数学・理科)【後】で、2次に面接を追加する。
●京都工芸繊維大
「地域創生Tech Program」で、一般入試(10人)を廃止し、募集をAOに統一(20人→30人)。
●大阪大
①文・人間科学・外国語・法・経済・理で、セ試を課す「世界適塾AO入試」を新規実施。また、医(医・保健)・歯・薬・工・基礎工で、セ試を課す「世界適塾推薦入試」を新規実施(表2)。②「世界適塾入試」導入に伴い、文・人間科学・外国語・法・経済・医(医・保健)・歯・薬で後期を募集停止。前期の募集人員を「文125人→135人、人間科学100人→115人、外国語421人→506人、法213人→225人、経済185人→213人、医(医)85人→100人、医(保健)133人→156人」に増加する。/③やはり「世界適塾入試」導入に伴い、理・工・基礎工で一般前期の募集枠を縮小。理239人→222人(挑戦枠を廃止し、AOに移行)、工820人→793人、基礎工395人→390人。/④医(医)【前】で、2段階選抜の予告倍率を「セ試900点中630点以上で募集人員の約3倍」→「セ試900点中720点以上で募集人員の約2.6倍」に引き締める。/⑤外国語【前】で、2段階選抜の予告倍率を「約3倍→約2倍」に引き締める。/⑥医(保健=看護)【後】で専門学科卒業生選抜を廃止。
●大阪教育大
①教育で、教員養成系の4課程(幼稚園、学校教育、小学校教員5年課程、特別支援教育)を、初等教育(幼児教育・小学校教育の2専攻)・学校教育(特別支援教育・小中教育・中等教育の3専攻)の2課程に改組・統合。/②教員養成課程全体(養護教諭課程を含む)の定員増(525人→550人)を行う予定。【前】348人→357人、セ試課す推薦20人→69人に増やす一方、【後】153人→117人に削減。/③教養学科を「教育協働学科」に改組し、定員減(405人→350人)を行う予定。一般入試を削減(【前】266人→197人、【後】116人→77人)し、セ試課す推薦22人を新規実施。/④教育(小中教育=英語、中等教育=英語、グローバル教育=英語コミュニケーション)【前】で、新たに英語外部検定の利用が可能に。指定の級・スコアを点数換算し、満点に達するまでセ試(英語コミュニケーションはセ試・2次)の合計点に加点する。
●神戸大
①国際文化・発達科学の2学部を「国際人間科学部(4学科で構成)」に統合し、定員減(420人→370人)の予定。【前】293人→243人、【後】86人→76人に削減し、AO17人→41人に増員。/②次の学部で定員を変更。定員増=理140人→153人、工540人→565人、農=150人→160人。定員減=文115人→100人。/③文で募集人員減(【前】90人→80人、【後】25人→20人)。/④理【前】で募集人員増(102人→115人)。/⑤工で募集人員を、【前】420人→452人に増加、【後】120人→113人に削減。/⑥農で募集人員増(【前】116人→122人、【後】29人→33人)。/⑦医(医)【前】を77人→92人に増加(AO25人→10人)。/⑧医(保健=看護学)で募集人員を、【前】56人→66人に増加、【後】20人→10人に削減。/⑨海事科学で一般入試の募集枠拡大(【前】120人→140人、【後】40人→47人)、AOを20人→10人、推薦を20人→3人に削減。/⑩医(医)【前】の2次で、面接の点数化(50点)を廃止。/⑪工(電気電子工)【前】で、配点比率を「セ試375点→300点、2次425点→500点」に変更。/⑫理(惑星)【後】の2次を「小論文→数学・英語」に変更。
●滋賀県立大
①環境科学で推薦C(全国枠)を新規実施し、前期を募集人員減(90人→82人)。/②工(機械システム工)【前】の2次から英語を除外。
●福知山公立大
①地域経営を定員増(50人→120人)の予定。/②16年4月から「私立→公立」に移行し、地域経営はセ試を課す前期・後期で新規実施する。一般入試の募集人員は「【前】64人、【後】13人」。/③前期はセ試の教科数により、5教科型(45人)・3教科型(19人)の2方式で実施。/④地域経営【前】で学外試験場を大阪に設置。/⑤セ試免除推薦の募集枠を拡大(8人→43人)、AOを廃止。
●大阪府立大
応用生命科学類【後】の2次から面接を除外。
●兵庫県立大
①経営で募集人員を「前期→後期」へ移行(【前】152人→130人、【後】25人→50人)。/②経営【後】で2次を「課さない→数学・英語」に変更。
●奈良県立大
地域創造で募集人員を「中期→前期」へ移行(【前】50人→65人、【中】65人→50人)。
《中国・四国》
山陽小野田市立山口東京理科大で
中期を新規実施
●鳥取大
①地域を「4→1学科(3コース)」に再編・統合し、定員減(190人→170人)の予定。【前】118人→104人、【後】41人→36人に削減。/②農で学科改組(生物資源環境:6コース→生命環境農:4コース)と定員増(235人→255人)を予定。推薦枠を拡大(セ試免除25人→35人、セ試課す35人→45人)。/③農(生物資源環境)【前】【後】で、セ試を7科目→6(7)科目に変更。/④医(保健=検査技術科学)【前】で、2次を「英語必須→数学も選択可」に変更。
●島根大
①「人間科学部」を新設予定(定員80人)。募集人員は「【前】45人、【後】10人、AO25人」。/②法文を定員減(225人→185人)の予定。【前】126人→104人、【後】70人→54人に募集人員減、AOを廃止。/③教育で人間生活環境教育専攻を廃止、定員減(170人→130人)の予定。同(健康・スポーツ教育)でも後期を募集停止し、【前】96人→75人、【後】20人→10人、推薦22人→13人に募集人員減。
●広島大
①一般入試・推薦・AOをネット出願に全面移行し、紙の願書を廃止。/②医(医)【前】で2段階選抜の予告倍率を「10倍→8倍」に引き締める。/③薬【前】で、セ試の化学(発展)、2次の化学(基礎・発展)をそれぞれ「選択→必須」にする。
●山口大
①一般入試・推薦・AOでネット出願を導入(紙の願書と併用)。/②国際総合科学【前】で募集人員を90人→80人に削減(セ試免除AOを新規実施)。/③理(地球圏システム科学)【後】で、セ試3教科(数学・理科・外国語)で受験できる方式を追加(従来は4教科)。/④教育(学校教育=小学校総合)【前】で、2次に面接を追加。/⑤理(地球圏システム科学)【前】で、2次の選択に英語を追加。
●香川大
①医(看護)で後期と推薦を募集停止(AOを導入)。/②教育(学校教育=小学校)の募集人員を変更(【前】55人→60人、【後】23人→18人)。/③教育【前】【後】のセ試で、数学の選択に数Ⅱを追加。/④医(看護)【前】でセ試を7(8)科目→5(6)科目に軽減。
●愛媛大
医(看護)【前】の2次で、面接にグループディスカッションを追加。
●高知大
①理を「理工学部」に改組、2→5学科に再編する予定。/②医(医)【前】で、2次に英語を追加。
●公立鳥取環境大
環境【前】・経営【前】で、学外試験場を首都圏(さいたま市)に増設。
●新見公立大
看護で2次の配点を増加(前期=小論文70点→100点、面接30点→100点/後期=面接100点→200点)。セ試は前・後期とも700点で変更なし。
●県立広島大
①ネット出願を新規実施(一般入試は紙の願書を廃止、推薦は併用)。/②保健福祉(作業療法)【前】のセ試で、理科の選択に基礎科目(2科目)を追加。
●山陽小野田市立山口東京理科大
①16年4月から「私立→公立」に移行し、工はセ試を課す前期・中期で新規実施する。募集人員は「【前】96人、【中】26人、推薦63人、AO15人」。/②工【前】をA・Bの2方式で実施。募集人員は各48人で、違いはセ試が「A方式=7(8)科目、B方式=4(5)科目」。/③工【前】【中】で、北九州に会場を増設。
●高知工科大
環境理工学群【前】でB方式(セ試3科目型)を廃止(セ試課す推薦を導入)。
《九州》
九州工業大・鹿児島大で
英語外部検定利用が可能に
●九州大
①一般入試・AO入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。/②医(医)【前】で、出願書類に志望理由書を追加。/③歯の募集人員を「【前】40人→42人、【後】5人→3人」に変更。
●九州工業大
①一般入試・推薦入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。/②工【前】【後】、情報工【前】【後】のセ試で、新たに英語外部検定の利用が可能に。学部指定の級・スコアを点数換算し、工【前】【後】は英語に加点、情報工【前】【後】は英語リスニングの素点より高ければ換算点に置き換える。
●長崎大
医(保健)【前】で、2次に面接を追加。
●熊本大
①教育で、地域共生社会・生涯スポーツ福祉の2課程を募集停止する予定。/②文・法・理・工の各学部に「グローバルリーダーコース」を新設(募集人員は合計で50人)し、AO入試を新規実施。そのため、一般入試の募集人員を「前期=文117人→115人、法165人→155人、理150人→140人、工344人→333人/後期=文30人→23人」に削減。/③教育(小学校・中学校・特別支援)【前】で、2次に面接を追加。/④教育【前】(中学音楽・美術・保健体育を除く)では、2次の学科試験は2教科受験だが、新たに3教科の解答も可とする(高得点の教科を採用)。
●大分大
①経済に「社会イノベーション学科」を増設予定。ただし、学部全体で定員減(305人→290人)。募集人員を【後】90人→80人、推薦75人→65人、AO20人→25人に変更。/②工を「理工学部」に改組し、5→2学科(創生工、共創理工)に統合、定員増(370人→385人)の予定。募集人員を【前】238人→248人、【後】66人→67人、推薦66人→51人に変更し、AO入試を導入。/③理工(共創理工)【前】【後】のセ試と、同【前】の2次では、理科で生物が選択可に。
●宮崎大
①医(看護)【前】で、セ試の数学を2→1科目に軽減。/②工【前】で、2次に英語を追加(英語外部検定利用も可)/③医(医)【後】の2次で、「総合問題→化学」に変更。/④地域資源創成【前】の2次で、新たに英語外部検定が利用可能に。指定の級・スコアにより、満点を上限として英語に加点する。
●鹿児島大
①法文を「3→2学科」に改組し、定員増(395人→410人)の予定。募集人員は、【前】253人→280人に増加、【後】60人→48人に削減。/②教育で生涯教育総合課程を募集停止し、学校教育教員養成課程を定員減(225人→200人)する予定(募集人員=【前】159人→151人、【後】24人→29人、セ試課す推薦37人→16人)。/③全学部の前・後期のセ試で、新たに英語外部検定の利用が可能に。指定の級・スコアを満たせば、セ試の英語を満点と見なす(ただし、外国語の受験は必要)。
●琉球大
①工を「4→1学科(7コース)」に統合し、夜間主コースを廃止する予定。募集は学部一括で実施、入学時に各コースに仮配属し、2年進級時に最終的に配属を決定。/②教育で生涯教育課程を募集停止し、学校教育教員養成課程を定員増(100人→140人)の予定。教員養成課程の募集人員は「【前】70人→90人、【後】4人→13人、推薦22人→37人」に増加。/③学部改組に伴い、工の入試科目を統一。前期は「セ試=5教科7(8)科目、2次=数学・物理」、後期は「セ試=3教科5(6)科目、2次=課さない」となる。/④工で推薦・AOの募集枠拡大(セ試免除AO8人→36人、セ試課す推薦35人→68人)、一般入試を募集人員減(【前】258人→206人、【後】46人→40人)。/⑤農(亜熱帯生物資源科学)に「健康栄養科学コース」を増設予定。定員10人で、募集は「【前】5人、セ試課す推薦5人」。/⑥教育(中学=社会科・数学・技術)【前】で、2次に面接を追加。また、同(中学=生活科学)【前】の2次で「家庭総合→面接」に変更。
●北九州市立大
①地域創生学群で定員増(90人→120人)。セ試免除推薦を新規実施し、セ試免除AOの募集枠を拡大(15人→30人)。/②経済【前】【後】のセ試で理科が選択可に。/③文(人間関係)【後】の2次で「個人面接→集団討論」に変更。
●宮崎公立大
①人文でセ試課す推薦を新規実施(地域枠の他に、全国枠も新設)し、一般入試の募集人員を「【前】100人→90人、【後】50人→40人」に削減。/②一般入試でネット出願を導入(紙の願書と併用)。
●沖縄県立芸術大
音楽(音楽表現、琉球芸能)【前】のセ試で、地歴・数学・理科を選択から除外、国語・外国語必須に。
(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2016年10月号)」より転載いたしました。