東京学芸大・滋賀大など5大学で教員養成課程を拡大!
国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』がすべて出そろった。新課程で大きく変わった数学・理科のほかに、国公立大入試がどう変わるのか、志望動向や難易変動に影響しそうな注目点を紹介する。
※この記事は『螢雪時代・2014年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)
山口大で国際総合科学部、高知大で地域協働学部を新設予定。埼玉大‐経済など学科の統合も多い
新課程の数学・理科の科目指定や出題範囲指定以外で、志望動向に影響しそうな国公立大入試の変更点を掲載した。一般入試では全体的に負担増が目立つ。また、東京学芸大・滋賀大など教員養成課程の拡大とそれ以外の課程の縮小、山口大・高知大の学部増設、埼玉大‐経済や和歌山大‐システム工などの学科の統合が注目される。
セ試・2次とも、全体的に科目数の増加が目立つ
国公立大の2015年(以下、15年。他の年度も同じ)入試「選抜要項」は、新課程入試のスタートに伴い、数学・理科の科目指定や出題範囲の指定が大きく変わったため、読み解くのに細心の注意が必要だが、実はその他にも、大規模な入試改革や学部改組、募集人員の変更などが数多くある。そうした変更点を、一般入試で募集人員の多い日程(おもに前期)を中心に紹介する。また、「螢雪時代10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部学科を含む)を日程別・系統別に分け、一覧表にして掲載した。
10月のセンター試験(以下、セ試)の出願時には、理科の受験パターン(A~Dのいずれか)を事前申請しなければならない。そのため、併願校も含め、なるべく早めに志望校を決めておく必要がある。「螢雪時代10月号」付録『2015年 全国国公立大学 新課程入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校決定の参考にしてほしい。また“新課程理科”で注意すべきポイントについては、前々月号(8月)を参照してほしい。
(1)学部の改組・定員の変更
15年では、教員養成学部における定員・組織の変更が目立つ(表を参照)。5大学で教員養成課程を拡大、6大学で教員養成以外の課程を縮小または募集停止するなど、全体的に教員養成機能に特化する方向にある。山口大で「国際総合科学部」、高知大で「地域協働学部」を新設する予定。また、埼玉大‐経済(3→1学科)、信州大‐理(6→2学科)・農(3→1学科)、和歌山大‐システム工(5→1学科)、鳥取大‐工(8→4学科)、山口大‐経済(5学科1課程→3学科)などにおける学科の統合・改組や、高知県立大‐文化、高知工科大‐経済・マネジメントの大幅定員増も注目される。
(2)募集人員の変更
広島大‐薬、山口大‐教育の後期廃止をはじめ、茨城大‐理・農、千葉大‐法政経、信州大‐医(医)、三重県立看護大など、後期を削減し、前期を増やす傾向は続いている。一方、兵庫県立大‐工で募集人員の配分を「前期重視→後期重視」に逆転、静岡大‐工、鹿児島大‐水産でも後期の募集枠を拡大したのが注目される。
(3)一般入試の科目数・配点
筑波大‐人文・文化学群、信州大‐経済の前・後期や、静岡大‐人文社会科学・情報、京都大‐総合人間(文系)・文・法の前期などでセ試を科目増、群馬大‐理工、静岡大‐教育、岡山大‐理・農、宮崎大‐工の前期で2次を科目増するなど、全体に負担増が目につく。また、札幌医科大‐医(医)の前期で配点比率を「2次重視→セ試・2次均等」に変更、東京農工大‐工の前期で「2次重視→セ試重視」に逆転。一方、千葉大‐医の前・後期でセ試の比率を大幅に下げた(47%→31%)のが注目される。
(4)2段階選抜の変更
2段階選抜については、鹿児島大‐医(医)が前・後期で、千葉大‐法政経、信州大‐医(医)が前期で新規実施する。一方、筑波大が「前期=5学類・1専門学群、後期=4学類・1専門学群」で廃止し、5学類の前期で予告倍率を緩和する。この他にも、名古屋市立大‐薬で新規実施し、東北大‐医(保健)、山形大‐医(医)、金沢大‐医学類の前期で予告倍率を引き締める一方、名古屋大‐医(医)の前期で予告倍率を緩和する。
(5)新課程理科の影響
セ試における理科の選択パターンが複雑化し、各大学の科目指定のパターンが多様なこともあり、科目選択次第では併願先や志望変更先が制限される恐れがある。このため、最も多数派で他と併願しやすい科目指定の大学・学部は志願者を集め、逆に併願しにくい科目指定の大学・学部(例:セ試の理科が「基礎2科目+発展1科目」必須)は志願者減が予想される。また、文系ではセ試で理科を課さないか、選択不要な学部・学科の人気アップが予想される。
エリア別/国公立大学・2015年入試情報
【変更点の見方】
以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、[昼]=昼間コース、[夜]=夜間主コース、セ試=センター試験、2次=個別学力検査等、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、と略記。変更点は「14年→15年」で表記。誌面の都合上、学科(専攻など)単位の小規模な変更、募集人員の小幅な変更は、原則として割愛。一般入試については、セ試・2次とも、おもに科目数の変更を掲載。
また、新課程への移行に伴う変更(数学・理科の科目指定、それに伴う科目数の増減など)についても、原則として割愛した。なお、セ試の科目数については、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。
北海道・東北
札幌医科大‐医(医)【前】でセ試・2次が均等配点に
●小樽商科大
商[昼・夜]【前】【後】で学外試験場(東京)を廃止。
●北海道大
(1)理(化学)でセ試免除AOを廃止し、【後】15人→23人に募集人員増。/(2)医(医)【前】で、セ試の理科の選択制限(2次で受験しない科目を含める)を廃止し、2次の理科で物理を必須にする。
●北海道教育大
札幌校を5→7専攻に改組し、【前】163人→183人に募集人員増、【後】57人→43人、推薦50人→44人に削減。
●室蘭工業大
工[昼](機械航空創造系)【前】で2次から理科を除外。
●弘前大
医(医)で【前】70人→65人に募集人員減、AO42人→47人に増加。
●岩手大
(1)人文社会科学【後】で学外試験場(札幌)を廃止。/(2)工で2学科の募集人員を変更(応用化学・生命工=【後】11人→13人・推薦17人→15人、電気電子・情報システム工=【後】15人→20人・推薦25人→20人)。
●東北大
(1)医(保健)【前】で2段階選抜の予告倍率を引き締める(募集人員の約4倍→約3倍。以下、「募集人員」を略)。/(2)医(医)【前】で、2次の配点を900点→950点にアップ(セ試250点:変更なし)。
●宮城教育大
教育(中等理科)【前】の2次で「理科→数学」に変更。
●山形大
(1)医(医)【前】で2段階選抜の予告倍率を引き締める(約5倍→4.5倍)。/(2)人文(法経政策)で【後】40人→35人に募集人員減、セ試免除推薦30人→35人に増加。/(3)理(数理科学)【前】【後】で、セ試を7→6科目に軽減。/(4)工[昼]【前】の学外試験場で札幌を廃止。
●福島大
(1)行政政策学類【前】で、セ試の配点を500点→600点にアップ(国語・外国語各100点→150点、地歴100点→75点、公民50点→75点)。2次は200点で変更なし。/(2)行政政策学類の募集人員を、【後】50人→45人に削減、セ試免除推薦20人→25人に増加。
●札幌医科大
医(医)【前】で、セ試の配点を450点→700点にアップ(2次700点:変更なし)。
●札幌市立大
デザイン【前】で、セ試を6→7科目に増加。
●岩手県立大
(1)ソフトウェア情報で、セ試免除の前期Aを廃止。前期Bを前期(募集70人)に改称。/(2)ソフトウェア情報【後】の2次で、数学に数Ⅲを追加。
●宮城大
食産業【前】、同(フードビジネス)【後】で、2次から「数学・理科から1」を除外し、同(ファームビジネス、環境システム)【後】で英語・理科必須に。
●秋田県立大
生物資源科学(アグリビジネス)【前】【後】で、セ試を3→4(5)科目に増加。
●山形県立保健医療大
保健医療(看護)で、定員増(53人→63人)とセ試課すAO(10人:地域枠)の新規実施を予定。
関東・甲信越
筑波大が5学類と芸術専門学群で2段階選抜を廃止
●茨城大
(1)理の募集人員を、【前】130人→140人(物理学コース15人→25人)に増加、【後】45人→35人に削減。/(2)農の募集人員を、【前】56人→75人に増加、【後】22人→17人、推薦37人→23人に削減。/ (3)工[昼]【前】で新しい採点方法を導入。A方式(セ試のみ:1,100点)と、BまたはC方式(セ試700点・2次400点の合計。2次はB方式が数学・理科、C方式が数学。学科により異なる)の2パターンを算出し、高得点の方を合否判定に利用(2次未受験者はA方式で合否判定)。/(4)理【後】で、セ試を3→7(8)科目に増加し、数学・情報数理以外の5コースで2次を除外。
●筑波大
(1)4学類(人文・比較文化・生物・地球)と芸術専門学群の前・後期と、日本語・日本文化学類(以下、学類は略)の前期で、2段階選抜を廃止。また、数学【前】・物理【前】・化学【前】・医【前】で「約4倍→約5倍」に、社会【前】で「約5倍→約7倍」に、2段階選抜の予告倍率を緩和する。/(2)国際総合で【前】56人→60人に募集人員増、推薦24人→20人に削減。/(3)医で【前】72人→63人に募集人員減、地域枠推薦13人→22人に増加。/(4)次の学類・日程でセ試の科目数を増やす。人文【前】、生物資源【後】=5→7(8)科目。比較文化【前】【後】、国際総合【前】=6→7(8)科目。日本語・日本文化【前】=5→6(7)科目。社会【前】=4→5(6)科目。人文【後】=3→7(8)科目。
●群馬大
(1)教育(数学、技術)【前】、同(数学、理科、技術)【後】でセ試を7→6科目に軽減。(2)教育(理科)【前】で、2次を「数学・理科→小論文」に変更。/(3)理工【前】で2次に英語を追加する。
●埼玉大
(1)教育で、学校教育教員養成課程の募集単位を「教科・専修別→小・中学校のコース別」に変更(一部コースを除く)し、480人→430人に定員減(募集人員=【前】350人→316人、【後】67人→56人、推薦63人→58人)。小学校コースは文系・理系・実技系で募集、中学校コースは教科別に募集。/(2)経済[昼・夜]を「3→1学科(昼間コースは4つのメジャーで構成。2年進級時に決定)」に統合。また、夜間主コースを定員減(50人→15人)。
●千葉大
(1)法政経で【前】242人→272人に募集人員増、【後】105人→75人に削減。/(2)工の2学科でセ試免除推薦を廃止し、一般入試を増員(画像科学=【後】7人→10人、情報画像=【前】55人→60人・【後】18人→20人)。/(3)医【前】【後】で、セ試の配点を900点→450点に下げる(2次1,000点:変更なし)。/(4)法政経【前】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=4倍)。/(5)理(地球科学)【後】で、2次を「総合テスト→地学」に変更。/(6)園芸(園芸、応用生命化学、緑地環境)【前】で、2次に英語を追加する。
●お茶の水女子大
(1)一般入試でインターネット出願(以下、ネット出願)を導入(紙の願書と併用)。/(2)文教育(言語文化)で後期廃止、【前】56人→64人に増員。/(3)生活科学(人間生活)で後期廃止、【前】43人→53人に増員。/(4)理(物理)【前】の2次に英語を追加、同(生物)【前】で2次の数学に数Ⅲを追加。
●東京外国語大
言語文化【前】、国際社会【前】の2次で「世界史(日本を含む近現代史中心)→世界史・日本史から1」に変更。
●東京海洋大
(1)海洋工に商船教員養成コースを新設。セ試免除推薦で募集(2人)。/(2)海洋工(海洋電子機械工)【後】で、セ試を4→5科目に増加。
●東京学芸大
(1)教員養成課程を拡大(定員730人→825人)する。一方、教員養成以外の5課程16専攻を「教育支援課程(7コースで構成)」に統合し、定員減(335人→185人)の予定(図1)。/(2)教育(初等教育)で募集人員増(【前】346人→389人、【後】90人→101人、推薦54人→55人)。音楽選修で後期を新規実施、保健体育選修で後期を廃止。また、日本語教育選修を廃止、環境教育選修を新設。/(3)教育(中等教育)で募集人員増(【前】134人→162人、【後】25人→33人、推薦31人→35人)。音楽専攻で後期を新規実施、国語専攻で後期を廃止。
●東京工業大
第7類で【前】133人→113人に募集人員減(セ試課すAOを新規実施)。
●東京農工大
(1)工【前】で、2次の配点を1,000点→500点に縮小(セ試900点:変更なし)。/(2)工(生命工、応用分子化学、有機材料化学、化学システム工)【後】で、2次から数学を除外し、配点を「セ試900点→650点、2次1,000点→500点」に変更。また、同(機械システム工、物理システム工、電気電子工、情報工)【後】では「セ試900点→650点、2次1,000点→650点」に変更。
●新潟大
法で【後】45人→40人に募集人員減、推薦45人→50人に増加する。
●山梨大
(1)医(医)で後期を募集人員増(80人→90人)し、セ試課す推薦のうち、一般枠と地域枠Ⅱ(県外生も含む地域医療枠)を廃止。/(2)医(医)【後】で、2段階選抜の予告倍率を引き締める(約11倍→約10倍)。
●信州大
(1)理を「6→2学科(7コース)」に統合・改組(定員210人→205人)、農を「3→1学科(4コース)」に統合・改組(定員175人→170人)し、いずれもコース別に募集する予定。/(2)医(医)で【前】55人→85人に募集人員増、【後】45人→15人に削減。/(3)医(医)【前】【後】で2次に化学を追加し、2次の配点を【前】400点→500点、【後】500点→600点にアップ(セ試はいずれも450点で変更なし)。/(4)医(医)【前】で2段階選抜を新規実施する(予告倍率=7倍)。/(5)経済【前】【後】で、セ試を6→7(8)科目に増加。/(6)理(生物科学)【前】でセ試を6→7科目に増加。/(7)理(化学)【後】で、2次を「小論文→数学・理科」に変更。
●群馬県立女子大
文(英米文化)でAOを廃止し、【前】23人→28人に募集人員増。
●前橋工科大
工[夜]で後期を新規実施(推薦・社会人の募集枠を28人→21人に縮小)。
●千葉県立保健医療大
健康科学(リハビリテーション=理学療法) 【前】で、セ試を5→6科目に増加。
●首都大学東京
(1)健康福祉(理学療法、作業療法)で後期を新規実施(各5人)。/(2)法学系【前】で168人→176人に募集人員増。
●長岡造形大
(1)14年4月から「私立→公立」に移行し、セ試を課す前期・中期日程に新規参入。/(2)2段階選抜を新規実施。予告倍率は「前期=3倍、中期=8倍」。
●新潟県立大
(1)国際地域でA・B日程を募集人員増(各50人→60人)。/(2)人間生活(子ども)C日程で、セ試を1→2教科に増加(国語を追加)。同(健康栄養)C日程でもセ試を1→2教科に増加(理科を追加)する一方、2次から小論文を除外。
北陸・東海
静岡大‐人文社会科学[昼]・情報・教育で科目増が顕著
●富山大
(1)経済[昼]【前】で学外試験場(名古屋)を新設。/(2)工【前】で学外試験場をさいたま市(大宮)に増設。/(3)工(生命工)【後】で、セ試を5→4科目に軽減。
●金沢大
(1)医学類【前】で、2段階選抜の予告倍率を引き締める(4倍程度→3.5倍程度)。/(2)自然システム学類【後】で、2次を「小論文→口述試験」に変更。
●福井大
工【前】で学外試験場を京都に増設する。
●岐阜大
応用生物科学(共同獣医)【前】で2次を「数学→英語」に変更。
●静岡大
(1)情報(情報科学)で、【後】20人→25人に募集人員増、セ試免除推薦を13人→8人に削減。/(2)工で【後】149人→164人に募集人員増、【前】283人→279人に削減。/(3)人文社会科学[昼]では、次の学科・日程でセ試の科目数を増やす。言語文化【前】=5→7(8)科目、法【前】=3→7(8)科目、経済【前】=6→7(8)科目。一方、法【後】は7→3(4)科目に軽減する。/(4)情報では、次の学科・日程でセ試の科目数を増やす。情報科学【前】=5→7科目、情報社会【前】=5→7(8)科目、情報社会【後】=6→7(8)科目。/(5)人文社会科学[昼]では、次の学科・日程で2次を変更する。言語文化【前】=総合問題→国語、経済【前】=国語を追加、言語文化【後】=面接→小論文。/(6)教育【前】では、学校教育(音楽・美術・保健体育以外)、生涯教育(国際理解教育)、総合科学教育の各課程(専修・専攻)で、2次を「国語・数学・外国語から1→2科目選択」に増やす。
●名古屋大
医(医)【前】で、2段階選抜の予告倍率を緩和する(約3倍→約3.5倍)。
●愛知教育大
初等教育(音楽)で、【前】15人→20人に募集人員増、【後】8人→3人に削減。
●三重大
工(情報工)で、【後】20人→25人に募集人員増、セ試課すAOを10人→5人に削減。
●石川県立大
(1)生物資源環境で【前】66人→60人に募集人員減、【後】30人→36人に増加。/(2)生物資源環境【前】で、セ試を4→7科目に増加。/(3)同【前】の2次で「外国語→理科」、同【後】の2次で「小論文→理科」に変更。
●敦賀市立看護大
14年4月開設の同大学が、セ試を課す前期・後期に新規参入(14年は別日程で実施)。
●福井県立大
看護福祉(看護)でセ試免除推薦を10人→15人に募集人員増、【後】20人→15人に削減し、一般入試に地域枠(【前】20人中7人、【後】15人中3人)を新設。
●静岡文化芸術大
デザインで、従来の3学科を「デザイン学科」(5領域で構成)に統合。
●名古屋市立大
(1)看護で募集人員を一般→推薦に移行(【前】55人→40人、【後】10人→5人、推薦15人→35人)。/(2)薬【中】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約23倍)。
●三重県立看護大
看護で【前】40人→50人に募集人員増、【後】25人→15人に削減し、セ試課す推薦(地域推薦C)を導入。
関西
京都大‐文・法などでセ試科目増、兵庫県立大‐工が後期を拡大
●滋賀大
(1)教育で教員養成課程を拡大(定員220人→240人)、初等教育コースに環境教育・初等英語・初等理科の3専攻を新設し、環境教育課程(定員20人)を廃止予定。
●京都大
(1)総合人間(文系)【前】・文【前】・法【前】で、セ試を6→8科目(地歴・公民1→2科目、理科1→基礎2科目)に増加。/(2)総合人間【前】・文【前】・法【前】のセ試で「倫理、政治・経済」が選択可に。/(3)経済(一般、論文)【前】で、セ試を7→8科目(理科1→基礎2科目)に増加し、選択から現代社会、倫理、政治・経済を除外。/(4)医(医)【前】の2次で、理科の選択制限(セ試で受験しなかった科目を含める)を廃止。/(5)医(人間健康科学=看護)【前】で、2次の生物が「必須→選択」に。
●京都教育大
教育で【後】53人→48人に削減し、地域指定推薦を10人→15人に増員。
●京都工芸繊維大
工芸科学[夜]で【前】15人→6人、AO10人→8人に募集人員減(【後】5人→6人に増員)。
●奈良女子大
(1)理(数物科学)【前】【後】で、A型(数学型)・B型(物理型)の募集区分を廃止・統合。/(2)生活環境(心身健康)【後】で、A型(文学型)・B型(生活環境型)の募集区分を廃止・統合。/(3)理【後】の2次に、数物科学科は物理を、化学生命環境学科は英語を追加。
●和歌山大
(1)システム工を、5→1学科(システム工学科)に統合し、定員増(285人→305人)の予定。同学科は、10のメジャー(教育・研究領域)で構成される(図2)。学部一括募集に移行し、【前】150人→170人に募集人員増。/(2)教育(総合教育課程)で後期を廃止し、【前】22人→15人、推薦8人→5人に募集人員減。
●滋賀県立大
工(材料科学)で、【後】15人→20人に募集人員増、【前】25人→20人に削減。
●京都府立大
生命環境(森林科学)【前】で、2次に数学を追加。
●大阪府立大
(1)総合リハビリテーション学類(作業療法学)【後】で、セ試を6→3(4)科目に軽減。/(2)同(栄養療法学)【前】で、2次を「小論文・面接→数学・理科」に変更。
●神戸市外国語大
外国語【後】・同2部【後】で、セ試を3→4(5)科目に増加。
●兵庫県立大
(1)工で募集人員を【前】216人→120人、【後】44人→140人と変更(比率を「前期重視→後期重視」に逆転)し、セ試課すAOを廃止。/(2)工(所在地は姫路市)では、前期で学外試験場(大阪)を廃止し、後期で神戸会場(経済・経営のキャンパス)を新設。/(3)看護【後】でセ試を4→5(6)科目に増加する。
中国・四国
広島大‐薬で後期日程を廃止、高知県立大‐文化で定員倍増
●鳥取大
(1)工を「8→4学科」に改組・統合する予定。また、募集人員を【後】115人→125人に増加、【前】291人→285人、推薦42人→38人に削減。/(2)農(共同獣医)で後期を廃止、【前】27人→30人に増加。/(3)医(保健=看護学)【前】【後】で、セ試の数学を2→1科目に軽減。
●岡山大
(1)法[夜]の募集を、推薦→一般入試(【前】12人・【後】5人)に移行。/(2)医(医)で【前】103人→100人に削減(国際バカロレアAOを導入)。/(3)理【前】の2次に英語を追加し、数学科を理科1→2科目に増加。/(4)医(保健=看護学)【前】で、2次に理科1科目を追加。/(5)環境理工(環境数理)【前】で2次に理科2科目を追加し、同(環境デザイン工)【前】の2次で理科1→2科目(物理・化学必須)に増加。/(6)農【前】で2次に外国語を追加する。
●広島大
(1)一般入試・AO入試でネット出願を導入(紙の願書と併用)。/(2)薬で後期の実施を取りやめ、【前】45人→48人に募集人員増。薬(薬)でセ試課すAOを新規実施。
●山口大
(1)「国際総合科学部」を開設予定(定員100人)。/(2)経済を「5学科1課程→3学科」に改組し、定員減の予定(385人→345人:商業教員養成課程を廃止)。【前】221人→181人に募集人員減。/(3)教育で教員養成課程を拡大(定員130人→180人)し、その他の4課程(計110人)を廃止。学部全体で【前】189人→151人、AO28人→20人に募集人員減、後期を廃止する。/(4)医(医)で、【前】52人→60人に募集人員増、【後】15人→10人、推薦40人→37人に削減。/(5)医(医)【後】で2段階選抜の予告倍率を緩和(10倍→15倍)。/(6)教育(数学教育、情報教育)【前】でセ試の理科2→1科目に、同(小学校教育)【前】でセ試の数学2→1科目に軽減。/(7)人文【後】でセ試を3→4科目に増加(数学を追加)。
●香川大
(1)教育で教員養成課程を拡大(定員130人→160人。【前】68人→86人、【後】28人→32人、推薦34人→42人)、4→3コース(幼児教育・小学校教育・中学校教育)に統合する一方、人間発達環境課程を縮小(定員70人→40人。【前】35人→20人、【後】19人→11人、推薦16人→9人)する予定。/(2)教育(学校教育)【前】の募集単位を、2次科目によるA~C系からコース別募集に移行。
●高知大
(1)「地域協働学部」(定員60人)を開設予定(図3)。/(2)教育で生涯教育課程(定員70人)を廃止し、教員養成課程(100人→130人に定員増)に「幼児教育コース」を新設予定。/(3)人文(社会経済)を定員減(118人→98人)の予定。/(4)人文(人間文化)【後】、教育【後】で、2次を「課さない→面接」に。
●島根県立大
(1)総合政策で一般入試の募集枠を【前】80人→120人(3教科型80人・5教科型40人)、【後】20人→25人に拡大し、セ試免除公募推薦100人→セ試課す自己推薦75人(県内枠70人→45人)に移行・削減、セ試免除AOを廃止する。/(2)総合政策【前】で、セ試5教科型を新規実施。
●岡山県立大
デザイン(造形デザイン)【前】で、セ試を4→3科目に軽減。一方、同(デザイン工)【前】で、セ試の英語にリスニングを追加する。
●県立広島大
保健福祉(看護)【前】【後】でセ試の数学2→1科目に軽減。
●広島市立大
(1)芸術(デザイン工芸)で後期を新規実施、【前】40人→30人に削減。/(2)芸術【前】【後】で、セ試の国語を「選択→必須」に。
●香川県立保健医療大
保健医療【前】【後】で、セ試の英語にリスニングを追加。
●高知県立大
(1)文化を定員増(80人→150人)し、夜間主コースを新設(県内推薦と社会人入試で選抜)。/(2)文化[昼]で【前】45人→72人、【後】5人→10人、推薦25人→38人に募集人員増(セ試免除AOを廃止)。/(3)文化[昼]【後】で、2次に面接を追加。
●高知工科大
(1)マネジメント学部を「経済・マネジメント学群」に改組し、定員増(100人→160人)を予定。前期A方式30人→40人、セ試免除推薦40人→50人に募集人員増。また、前期C方式(募集15人。セ試=5(6)教科、2次=英語・数学から1)を導入。/(2)経済・マネジメント【前】で、A・B方式とも2次が英語必須に。
九州
鹿児島大‐医(医)【前】【後】で2段階選抜を新規実施
●九州大
(1)法でセ試課すAOを新規実施(募集10人。英検準1級以上など、英語有資格者が対象)し、【前】159人→154人、【後】40人→35人に募集人員減。/(2)歯で募集人員を【前】35人→37人、【後】10人→8人に変更。/(3)理(地球惑星科学、生物)【後】で、セ試を理科1→2科目に増加。/(4)文【前】で、2次に地歴1科目を追加。
●佐賀大
(1)理工で【前】364人→342人、セ試免除推薦37人→27人に募集人員減、【後】89人→94人に増加(セ試課す推薦を新規実施)。/(2)文化教育(国際文化、人間環境)【後】で、セ試を7→5(6)科目に軽減。/(3)医(看護)【後】で2段階選抜を廃止する。
●長崎大
多文化社会でセ試免除AO(募集20人。英検準1級以上など、英語有資格者が対象)を新規実施し、【前】85人→70人、【後】15人→10人に募集人員減。
●熊本大
(1)医(医)【前】で、2次の面接を得点化(200点)し、配点を600点→800点にアップ(セ試400点:変更なし)。/(2)理【前】、工(社会環境工、物質生命化学)【前】の2次に英語を追加。/(3)医(保健=放射線技術科学、検査技術科学)【後】の2次で「小論文→面接」に変更。
●大分大
医(看護)【前】【後】で、セ試の理科2→1科目に軽減。
●宮崎大
(1)教育文化【前】で学外試験場(横浜)を廃止。/(2)農(獣医)【後】で、セ試を6→5科目に軽減。/(3)工【前】で、2次を「数学・理科から1→数学・理科必須」に増加。
●鹿児島大
(1)農・水産で「国際食料資源学特別コース」を新設予定。農の「農学系サブコース」は前期のみ12人、水産の「水産学系サブコース」は前期のみ10人を募集。/(2)水産で水産教員養成課程(10人)を募集停止する予定。また、水産学科の募集人員を前・後期均等に変更(【前】84人→60人、【後】36人→60人)し、募集単位を3領域(水圏科学・水産資源科学・水産食品科学)に分割。/(3)医(医)【前】【後】で、2段階選抜を新規実施(予告倍率=【前】約5倍、【後】約8倍)。/(4)農で学外試験場(東京)を復活(国際食料資源学特別コースのみ)。
●北九州市立大
国際環境工【前】で、2次から英語を除外。
●九州歯科大
(1)歯(歯)【前】の2次で「理科→総合問題」に変更。/(2)歯(口腔保健)【前】で、2次に総合問題を追加し、2段階選抜を新規実施(予告倍率=約5倍)。
●長崎県立大
(1)経済でAOを廃止し、【後】72人→87人に増員。/(2)国際情報(情報メディア)【前】【後】で、2次を総合問題から「英語必須、国語・数学から1」に変更。
●熊本県立大
総合管理【前】で、2次に小論文を追加。
●名桜大
人間健康(看護)【前】【後】でセ試を5→6(7)科目に増加。
(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2014年10月号)」より転載いたしました。