北海道大が「総合入試」を導入、公立4大学が前・後期に参入。
横浜国立大・岡山大など工学部で改組が目立つ
国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』が全て出そろった。2011年度の国公立大入試がどう変わるのか、募集人員や科目の増減など、志望動向や難易変動に影響しそうなポイントを紹介する。「螢雪時代2010年10月号」付録『国公立大学入試科目・配点一覧』とあわせ、出願校決定の参考にしてほしい。
※この記事は『螢雪時代・2010年10月号』の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)
東京医科歯科大など国立8大学の歯学科で定員減を予定。
センター試験を課す推薦・AOの増加、2次の負担増が目立つ
国公立大の2011年入試では、センター試験(以下、セ試)を課す推薦・AO入試の募集枠拡大、セ試の負担減と個別試験(以下、2次)の負担増が目立つ。北海道大の「総合入試」導入、国立大工学部の学科統合、公立4大学の「分離分割方式」参入、歯学科の定員減なども注目される。
国公立大の2011(以下、11)年入試「選抜要項」から、10年に比べ大きく変更され、志望動向に影響しそうなポイントを、募集人員の多い日程(おもに前期)を中心に紹介する。また、「螢雪時代10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部学科を含む)を、日程別・系統別に分けて一覧表にして掲載した。付録『国公立大入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校の入試についてしっかり把握しておこう。
(1)全学規模の入試改革と統合・改組
北海道大で学部別入試に加え、学部を超えた大くくりの募集枠「総合入試(文系・理系)」を全学部の前期で導入(表1)。特に理・薬・工・農は前期を同入試に一本化する。同入試の入学者は2年進級時に学部・学科を決定するが、文系・理系ごとに全学部・学科への移行が可能だ。
工学系を中心に学部・学科の統合も目立つ。横浜国立大では工を5→4学科に改編し「理工」に名称変更、教育人間科学で教員養成以外の3課程を統合。岡山大‐工で7→4学科、長崎大‐工でも7→1学科に統合しコース制を導入。福岡女子大も2学部5学科→1学部3学科に統合する。
(2)後期廃止は収束、セ試課す推薦・AOが増加
山梨大‐医(医)の前期廃止・後期拡大、筑波大‐芸術専門学群の後期復活など、募集人員の「後期廃止・縮小」傾向は落ち着いた模様。また、セ試を課す推薦・AO入試が増加、「セ試を課さない→課す」に変えるケースもみられる。
なお、4月から「私立→公立」に移行した静岡文化芸術大・名桜大、10年開設の新見公立大、11年新設予定の福山市立大が、11年から分離分割方式(前期・後期)に参入する(ページ下表2を参照)。
(3)医の地域枠推薦拡大と歯の定員減
10年度に医学科の定員増を行った大学のうち、11年度は12大学の医学科で、卒業後の地元定着を目的とした「地域枠」や「地域医療枠」を、一般入試から推薦入試へ移行する(表3を参照)。
一方、国立8大学の歯学科で定員減を行う予定。このうち7大学で、具体的な募集人員の削減数を、予定として公表している(表4を参照)。
(4)一般入試では2次負担増が目立つ
一般入試では学科レベルの科目変更が多いが、大阪市立大‐医(医)で理科3→2科目とするなど、セ試の科目数を軽減する傾向がみられる。一方、2次については「課さない→課す」に転換、科目数を増加、配点比率を高める、小論文を学科試験に切り替える、など負担増が目につき、2次対策の重要性がより高まったといえる。
エリア別/国公立大学・2011年入試情報
【変更点の見方】以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼間コース=[昼]、夜間主コース=[夜]、センター試験=セ試、個別学力検査等=2次、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、と略記。変更点は「10年→11年」で表記。学科(専攻など)単位の小規模な変更や、ほぼ前年と変更のない大学は、原則として割愛した。
北海道・東北
弘前大の教員養成課程の前期が一括→専修別募集に移行
●北海道大
(1)全学の前期で、文系と理系(5選抜群)からなる総合入試を導入(前ページ表1を参照)。うち、理・薬・工・農が総合入試のみで実施する(後期は学科別募集)。総合入試の合格者は、2年進級時に所属学部・学科を決定する。(2)理【後】の募集単位を「重点選抜群→学科」に変更する。(3)医(医、保健=看護・作業療法)で後期を廃止。(4)歯で募集人員を【前】35人→30人(総合入試理系に10人移行)、【後】
15人→8人、AO10人→5人に削減。(5)教育【後】でセ試を「第1段階選抜のみに利用→点数化(300点)」に変更。また、2段階選抜から「セ試900点満点中540点以上」の条件を除外。(6)医(医)【前】の2次に面接を追加し、2段階選抜の予告倍率を引き締める(募集人員の5倍→3.5倍。以下、「予告倍率」「募集人員」を略)。(7)工【後】で2段階選抜を廃止。(8)医(保健=看護・作業療法)【前】で、2次の数学の出題範囲から数III・Cを除外。(9)医(保健=放射線技術科学・検査技術科学・理学療法)【後】で、2次から小論文を除外。(10)医(医、保健=看護・作業療法)で、セ試課すAOを導入。教育・経済・理(数学)・薬・農でAOを廃止する。
●北海道教育大
教育(旭川=芸術・保体<美術>)で後期を廃止。
●弘前大
(1)教育(学校教育)【前】が専修別募集に移行し、2次は「国語・数学の2教科」から、専修ごとに異なる科目を課すことになった。また、学校教育課程全体の募集人員は【前】73人→97人、【後】37人→28人、推薦35人→20人に変更される。(2)理工(知能機械工)【後】の2次で「面接→理科」に変更、教育(健康生活)【後】の2次から小論文を除外。(3)医(保健=看護・理学療法・作業療法)【前】で、2次の理科を1→2科目に増加。(4)2次の札幌試験場の実施学部に教育【前】を追加(ただし、芸術・体育系を除く)。
●東北大
(1)歯で【前】45人→43人に削減。(2)医(医)【前】で2段階選抜を約4倍→約3倍に引き締め、2次の面接に小作文を加えて点数化(150点)。(3)医(保健)【前】で、放射線技術科学・検査技術科学の2専攻の2次に面接を追加。
●山形大
(1)医(医)で【前】75人→95人に増員、【後】20人→10人、セ試課す推薦30人→20人に削減。(2)工[昼]の募集人員を、学部全体で【前】378人→393人、【後】82人→64人に変更し、電気電子工でセ試免除推薦(5人)を導入。(3)地域教育文化(スポーツ文化)【前】で、セ試を7→5科目に軽減。(4)工(バイオ化学工)【後】でセ試を5→7科目に増加。また、同(物質化学工・バイオ化学工)【前】の2次で「面接→理科」に変更、工[フレックス]【前】でも選択から面接を除外し「数学・理科の2教科」を必須とした。(5)医(医)【前】の2次に国語・外国語を追加し、2→4教科に増加。(6)農【前】の2次を、小論文→「数学・理科から1」に変更。(7)工[昼・フレックス]【前】で学外試験場を札幌に増設。(6)工[フレックス]で【前】40人→35人に削減し、「居住地訪問AO入試」を導入。書類審査通過者のもとへ面接官が出向き、面接を行う。
●青森県立保健大
一般前期の学外試験場(八戸)を廃止。
●青森公立大
(1)公募推薦で県外枠(15人)を新設、県内枠を130人→115人に削減。(2)一般前期で弘前会場を廃止。
●岩手県立大
(1)看護【前】【後】で、セ試の理科の生物Iを「選択→必須」に変更。(2)社会福祉で専門高校・総合学科選抜を、一般入試から推薦入試に移行。
●宮城大
(1)看護【後】でセ試を4→7科目に増加。(2)事業構想【前】【後】でセ試を4→7科目に増加し、同【後】の2次を、総合問題→「事業計画学科=英語・小論文、デザイン情報学科=数学・小論文」に変更。(3)食産業【前】【後】の2次を「理科1科目→数学・理科から1」に変更。
●秋田県立大
前・後期ともに、学外試験場をさいたま市に新設し、東京会場を廃止する。
●国際教養大
一般B日程を40人→50人に増員。
関東・甲信越
山梨大‐医(医)で前期を廃止、同(看護)で後期を復活
●筑波大
(1)社会学類で後期を廃止し、【前】54人→64人に増員。(2)芸術専門学群で後期を新規実施し、【前】60人→45人に削減。(3)医学類で【前】60人→58人に削減し、地域枠推薦を5人→7人に増員。看護学類で【後】10人→5人に削減し、推薦を20人→25人に増員。(4)芸術専門学群【後】で2段階選抜を新規実施(約15倍)、同【前】で予告倍率を緩和(約4倍→約5倍)。また、同【前】の2次で面接を廃止。(5)国際総合学類で2段階選抜を引き締める(約10倍→約5倍)。
●筑波技術大
産業技術(産業情報)に情報科学・システム工学の2専攻を設置し、同【前】でセ試を3→2科目に軽減。
●宇都宮大
工(情報工)で後期を新規実施し、セ試課す推薦を廃止。
●群馬大
(1)工[昼]で【後】64人→48人に削減、一般推薦を132人→149人に増員。(2)教育(学校教育)のうち、数学・理科・技術の3専攻で後期を新規実施。(3)医(医)【前】で、2次の配点を数学100点→150点、小論文200点→150点に変更。(4)医(医)で2段階選抜を引き締める(【前】約6倍→約4倍、【後】約12倍→約8倍)。
●埼玉大
工(情報システム工)でセ試免除AOを導入。この他、工学部全体の募集人員を、【前】171人→186人、【後】231人→219人、公募推薦38人→30人に変更。
●千葉大
(1)理(数学・情報数理)で【前】35人→30人に削減、【後】10人→15人に増員。(2)看護【前】の2次に理科・外国語を追加し、小論文を除外。
●お茶の水女子大
理(生物・情報科学)【後】で2次を「課さない→課す(生物=小論文・面接、情報科学=数学)」に変更し、2段階選抜を新規実施(両学科とも約10倍)。
●東京医科歯科大
(1)歯(歯)で【前】40人→38人に削減。(2)歯(口腔保健)に2専攻(口腔保健衛生学・口腔保健工学)を設置。後期を廃止し、【前】22人→32人に増員。口腔保健工学【前】は2次を面接・実技とし、2段階選抜を新規実施(約4倍)。(3)医(医)で地域医療枠推薦(茨城県・長野県)を導入し、【前】80人→76人に削減。(4)医(医)【後】で、2段階選抜を約10倍→約6倍に引き締める。
●東京農工大
工(物理システム工・情報工)でAO(SAIL入試)を導入し、前期を「物理システム工36人→33人、情報工40人→35人」に削減。
●横浜国立大
(1)工で5学科を「4学科12教育プログラム(EP)」に改編し、「理工学部」に名称変更する予定(右図を参照)。学部全体の募集人員を、【前】220人→303人、【後】374人→388人、推薦25人→33人に増員し、AOを46人→21人に削減。EPが募集単位となり、同一学科内で第2志望EPまで出願可。(2)教育人間科学では、学校教育課程以外の3課程を統合し「人間文化課程」を新設、定員の一部を理工へ移行する。人間文化課程の募集人員は、前年の3課程合計と比べ、【前】150人→100人、【後】80人→50人に減少する。
●新潟大
医(医)で地域医療枠推薦(地域枠B)を5人→10人に増員し、【前】90人→85人に削減。
●山梨大
(1)医(医)で前期を廃止、後期のみ実施になる(【後】70人→80人)。(2)医(看護)で後期(5人)を新規実施。推薦を15人→20人に増員し、【前】45人→35人に削減。(3)医(看護)【前】で、セ試を7→6科目に軽減。(4)医(医)【後】で2段階選抜を引き締める(約14倍→約11倍)。
●信州大
(1)工(情報工)で【後】30人→20人に削減し、セ試免除推薦を30人→40人に増員。(2)繊維で、創造工学系が「一括募集→課程別募集(先進繊維工学・機能機械学・感性工学)」に移行。同(応用生物学系)で【前】37人→30人に削減し、セ試免除推薦を8人→15人に増員。(3)教育(教育実践)【前】で2次の選択から小論文・面接を除外、同【後】で2次から小論文を除外。
●前橋工科大
工【前】【後】で、セ試の英語にリスニングを追加。
●首都大学東京
(1)都市教養(経営学系)【前】の2次で、3教科型(A区分151人)に加え、2教科型(数学・外国語)のB区分(20人)を新設。(2)健康福祉(放射線)【前】の2次から小論文を除外。
●横浜市立大
国際総合科学【前】、医(看護)【前】で2段階選抜を廃止。
●新潟県立看護大
看護【前】の2次から小論文を除外。
●都留文科大
文(初等教育・比較文化)で、セ試を課す推薦を新規実施し、一般入試の中期を「初等教育85人→70人、比較文化50人→40人」に削減。
北陸・東海
岐阜大‐教育で生涯教育課程を廃止、教員養成課程を拡大
●富山大
(1)医(医)で地域医療枠推薦(特別枠)を5人→10人に増員、【前】65人→60人に削減。(2)医(医)【後】の2次で総合問題→小論文に変更、配点をセ試900点→1,200点、2次650点→350点とよりセ試重視に変更。
●金沢大
(1)保健学類(理学療法)で後期を廃止し、セ試免除推薦(5人)を新規実施。(2)法学類で推薦(15人)を「セ試免除→セ試課す」に変更。
●福井大
(1)医(医)で地域医療枠推薦を5人→10人に増員し、【前】60人→55人に削減。(2)医(医)【前】【後】で、2段階選抜から「セ試900点満点中70%以上」の条件を除外。
●岐阜大
(1)教育で生涯教育課程を廃止し、教員養成課程の募集人員を【前】137人→157人、【後】49人→61人に増加。(2)地域科学【前】で、2次の英語からリスニングを除外。(3)教育【前】【後】の2次で調査書点数化を廃止。
●静岡大
教育(芸術文化=音楽文化)で後期を廃止。また、同(消費生活科学)でセ試課す推薦を廃止。
●浜松医科大
医(医)【前】で、セ試・2次の配点を「750:750→950:750」と、ややセ試重視に変更。
●愛知教育大
(1)教育(初等美術)【前】【後】と同(中等美術)【前】で、セ試を6→5科目に軽減。(2)教育(初等・中等=理科)でセ試免除推薦を廃止。
●三重大
(1)生物資源【後】で2次を「課さない→課す(数学・理科から1)に変更。(2)教育(学校=理科)でセ試課す推薦を導入。(3)医(医)で2段階選抜を新規実施(予告倍率は【前】5倍、【後】10倍)。
●岐阜薬科大
推薦枠を拡大し、一般中期を削減。薬(6年制)=セ試免除8人→16人、セ試課す8人→12人、【中】64人→52人/薬科学(4年制)=セ試免除4人→8人、セ試課す4人→6人、【中】32人→26人。
●静岡県立大
経営情報【前】で、セ試を7→5科目に軽減。
●静岡文化芸術大
10年4月から「私立→公立」に移行。11年から一般入試を全て、セ試利用の分離分割方式(前期・後期)で実施する(募集人員は表2を参照)。
●愛知県立大
外国語【前】で、2次の英語からリスニングを除外。
●名古屋市立大
(1)医【後】で2次の小論文を廃止、面接を400点→100点に軽減し、配点比率を2次重視からセ試重視に逆転(セ試400点→900点、2次800点→100点)。
(2)人文社会【前】【後】で2段階選抜を廃止。
●三重県立看護大
看護【前】【後】でセ試を7→5科目に軽減し、同【後】の2次に学科試験(国語・数学・外国語から1)を追加。
関西
大阪市立大‐医(医)でセ試の理科を3→2科目に軽減
●京都大
工(地球工)で、前期を185人→155人に削減、留学生対象の「次世代地球社会リーダー育成プログラム国際コース」(募集人員30人)を新設。
●京都教育大
教育(体育領域)【前】【後】の2次に小論文を追加。
●京都工芸繊維大
(1)工芸科学(応用化学系)【後】の2次で「小論文→数学・理科」に変更。配点も「セ試700点→400点、2次200点→400点」とセ試・2次均等に変更。(2)工芸科学[夜]で【前】10人→15人に増員し、【後】7人→5人、AO15人→10人に削減。
●大阪大
歯で【前】54人→48人、【後】6人→5人に削減する。
●神戸大
(1)発達科学(人間表現)【前】で学科受験方式(8人)を導入、美術受験方式を12人→8人に、同【後】を10人→6人に削減。(2)理(生物)【後】の2次に数学を追加。
●奈良教育大
学校教育(身体・表現)で【前】32人→27人に削減、【後】6人→11人に増員する。
●和歌山大
観光でセ試免除のAO(3人)を導入、【後】38人→35人に削減する。
●京都府立大
文(欧米言語文化)で、セ試を課さないAOを廃止。
●大阪市立大
(1)医(医)【前】で、セ試を8→7科目(理科3→2科目)に軽減する。(2)商でセ試課す推薦を廃止し、専門高校・総合学科卒業生入試(6人)を新規実施。(3)工(建築)で指定校推薦(6人)を導入し、【前】26人→21人・【後】7人→6人に削減。
●大阪府立大
(1)総合リハビリテーション(作業療法)【前】で、セ試を7→6科目に軽減。(2)工で【中】412人→420人に増員、電子物理工・知能情報工の2学科でAOを廃止。
●神戸市外国語大
外国語で、セ試免除推薦に全国枠を新設(従来は神戸市内枠のみ)し、【後】87人→70人に削減。
●兵庫県立大
経済【前】で採点方式を変更。(1)セ試・2次とも外国語の英語選択者を対象に、セ試800点と2次の外国語300点の配点(計1,100点)で上位45人が合格、次に、(2)セ試800点と2次(外国語・数学各300点)の計1,400点で残りを合否判定する(2次は数学・外国語の両方受験が必要)。
●奈良県立医科大
医(医)で、後期一般枠を15人→10人に削減し、地域枠推薦を10人→15人に増員。
●和歌山県立医科大
保健看護【後】で、2段階選抜を15倍→10倍に引き締める。
中国・四国
岡山大‐工で7→4学科に統合。愛媛大でAO枠拡大
●鳥取大
(1)工(物質工)【前】の2次が「外国語必須→理科・外国語から1教科選択」に変更。また、同(土木工)【後】の2次に数学を追加。(2)工(生物応用工・応用数理工)で推薦を「セ試免除→課す」に変更し、同(生物応用工・応用数理工・土木工)でセ試免除AOを廃止する。また、同(社会開発システム工)で【前】41人→35人に削減し、【後】9人→15人に増員する。
●島根大
(1)総合理工(数理・情報システム)【前】【後】で、募集単位を数理系・情報系の2コースに分割。(2)医(看護)で地域枠推薦(セ試課す)を導入。(3)生物資源科学(生態環境科学)【前】の2次で小論文→理科に変更。
●岡山大
(1)工で7学科(機械工・システム工・電気電子工・通信ネットワーク工・情報工・物質応用化学・生物機能工)を、4学科(機械システム系・電気通信系・情報系・化学生命系)9コースに統合・改組。(2)理で専門高校・総合学科卒業生選抜を廃止、【前】107人→112人に増加。(3)歯で【後】10人→8人、推薦15人→10人に削減。(4)理(化学)【前】の2次から外国語を除外。
●広島大
(1)医(医)で【前】77人→70人、セ試課すAOを10人→3人に削減し、【後】20人→27人、ふるさと枠推薦(セ試課す)を10人→17人に増員。(2)歯(歯)で定員減、【前】35人→33人に削減する。(3)教育(第1類)【前】の2次を「国語・数学必須→国語・数学・外国語から2」に変更。また、同(第2類)【前】の2次で、理科1→2科目に増加。(4)歯(口腔健康科学)【前】で2次に面接を追加。(5)教育【前】(第4類<健康・音楽・造形>を除く)で、2次を400点→800点と高め、セ試:2次の配点比率を「900:400→900:800」とほぼ均等に変更。
●山口大
(1)医(医)で、地域医療枠(山口県7人、鳥取県1人)を一般前期から推薦入試に移行。【前】59人→51人に削減、地域医療枠推薦を5人→13人に増加。(2)教育(教育心理学)で後期を廃止。
●鳴門教育大
学校教育(小学・中学=技術)【前】の2次から小論文を除外。
●香川大
医(看護)で【前】40人→35人に削減、推薦枠を10人→15人に拡大。
●愛媛大
(1)医(医)で【前】47人→40人に削減、地域枠推薦を10人→17人に増員。(2)教育(人間社会デザイン)で後期を廃止。(3)工(環境建設工=社会デザイン)【前】の2次を理科→外国語、同【後】の2次を数学→小論文に変更。(4)理(数学・物理)【後】の2次を面接→数学に変更。(5)教育(国際理解教育)・工(情報工)でセ試課す推薦を導入し、法文(総合政策)[昼]でセ試免除推薦10人→15人、セ試課す推薦25人→35人に増員。一方、法文(人文)[昼・夜]でセ試免除推薦を、理・農でセ試課す推薦を廃止。(6)法文(人文)[昼・夜]・教育(学校教育)・理・農でセ試課すAOを、法文(人文)[夜]でセ試免除AOを導入し、同[昼]でセ試免除AOを5人→25人に増員する。(7)推薦・AOの募集枠変更に伴う、おもな一般入試枠の縮小は次の通り。法文(総合政策)[昼]【前】165人→160人・【後】60人→50人/法文(人文)[昼]【前】75人→70人・【後】25人→20人/教育(学校教育)【後】28人→18人/理【前】150人→138人/工【前】350人→336人。
●高知大
(1)理【前】の2次に「情報受験コース(10人)」を追加。(2)医(医)【前】で2段階選抜を引き締める(7倍→6倍)。
●岡山県立大
デザイン(造形デザイン)【前】でセ試を3→4科目に増加。
●新見公立大
(1)10年開設の同校で、11年からセ試を新たに利用し、一般入試を前期・後期日程で実施する(10年はセ試を課さない別日程で実施。募集人員は表2を参照)。(2)推薦を「セ試免除→セ試課す」に変更。
●尾道大
商業・総合学科等推薦(28人)を導入し、「一般推薦55人→35人、地域指定推薦15人→市内推薦7人」に削減。
●県立広島大
保健福祉(看護)【前】で2次を小論文→面接に変更。
●広島市立大
芸術(美術=日本画・彫刻)が「前期のみ→後期のみ」に移行。
●福山市立大
福山市立女子短大を母体に、4年制大学を新設予定。教育・都市経営の2学部で構成。開学初年度から、一般入試をセ試利用の分離分割方式(前期・後期)で実施する予定(募集人員は表2を参照)。
●下関市立大
経済に「公共マネジメント学科」を増設。
●高知県立大
(1)11年4月から男女共学に移行し、高知女子大から名称を変更する。(2)文化・社会福祉の推薦で全国枠を新設、一般入試の募集人員を文化【後】10人→5人、社会福祉【前】45人→35人に削減。
九州
長崎大‐工で7→1学科に、福岡女子大で2→1学部に統合
●福岡教育大
教育(中等教育=英語)で後期を廃止。
●九州大
歯で【前】37人→35人に削減。
●九州工業大
情報工【前】で、セ試・2次の配点を「950:600→600:600」とセ試重視から均等配点に変更。
●佐賀大
医(医)で【前】55人→51人、【後】21人→20人に削減、地域枠推薦を11人→16人に増やす。
●長崎大
(1)工で7学科を1学科6コース(機械工学、電気電子工学、情報工学、構造工学、社会環境デザイン工学、化学・物質工学)に統合・改組する。推薦・AO
はコース別募集、一般入試は一括募集し出願時の希望により合格発表時にコース決定する。学部全体の募集人員を次のように変更。【前】290人→260人、
セ試免除AO30人→27人、セ試免除推薦29人→24人に削減、セ試課す推薦を廃止。【後】45人→50人に増員、セ試課すAO(19人)を新規実
施。(2)医(医)で【前】85人→76人に削減、セ試課す推薦20人→29人に増員。ただし、定員増を計画中。(3)経済[昼]で【前】245人
→230人に削減、【後】55人→70人に増員。(4)薬(薬科学)で【前】26人→21人に削減、【後】10人→15人に増員。(5)教育(中学社会・
幼稚園)【前】で2次から面接を除外。(6)経済【前】で配点パターンを「3→2」に減らし、新たに「配点A(2次が数学・英語各150点)で130位以
内がまず合格、次に配点B(2次が数学・英語各100点で高得点の方を2倍)で高得点順に合格者を決定」とする。(7)工【前】で配点をセ試600点
→700点、2次250点→400点に変更。(8)薬(薬科学)【前】で、配点をセ試800点→400点、2次300点→400点と、セ試重視から均等配
点に変更。
●熊本大
工の全7学科で「理数大好き入試」を新規実施(若干名)。セ試を課さず、機械システム工は「数学I・II・III、物理I・II、面接」で、他6学科は面接で合否判定する。さらに、機械システム工では、女子のみ対象の推薦(セ試免除)も導入。
●大分大
(1)医(医)で【前】70人→65人に削減、AO地域枠を5人→10人に拡大。(2)工(応用化学)で【前】33人→38人に増員、推薦15人→10人に削減。
●宮崎大
(1)医(医)で【前】55人→50人に削減、地域特別枠推薦を5人→10人に増員。(2)医(医)【前】【後】の2段階選抜から「セ試満点の75%以上の得点」の条件を除外。
●鹿児島大
(1)教育(学校教育=美術)で後期を廃止し、セ試課す推薦(5人)を導入。(2)歯の定員減を予定。
●琉球大
(1)21世紀グローバルプログラム(セ試課す推薦:全7学部で計20人)を廃止。(2)医(医)【前】で、2次の英語からリスニングを除外。(3)工(環境建設工)【後】の2次から小論文を除外。(4)工(電気電子工)でセ試課す推薦を廃止。
●北九州市立大
経済【前】で、募集人員を「4教科型74人→100人、3教科型50人→24人」に変更する。
●九州歯科大
歯(口腔保健)でAO導入、【前】25人→22人に削減。
●福岡女子大
(1)文・人間環境の2学部(5学科)を「国際文理(仮称)」の1学部(3学科)に統合・改編し、定員を180人→240人に増やす。1年次は全寮制となる予定。(2)セ試免除推薦(18人)・セ試課す推薦(29人)を新規実施する。
●沖縄県立芸術大
美術工芸(絵画)【前】の2次に小論文を追加。また、同(芸術学)【前】の2次を「実技・小論文・面接」各必須から「実技・小論文から1」に軽減。
●名桜大
(1)10年4月から「私立→公立」に移行し、11年から一般入試を全てセ試利用の分離分割方式(前期・後期)で実施する(募集人員は表2を参照)。(2)学外試験場のうち、札幌・仙台・本島中部を廃止。
この記事は「螢雪時代(2010年10月号)」より転載いたしました。