入試動向分析

2010年の国公立大入試はこう変わる!【2009年10月】

2009(平成21)年度

電気通信大・東京学芸大・大阪教育大が全学規模で改組。
センター試験を課す推薦・AO入試が増加!

 

国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』が全て出そろった。前回の特集に続き、2010年度の国公立大入試がどう変わるのか、募集人員や科目の増減など、志望動向や難易変動に影響しそうなポイントを紹介する。「螢雪時代2009年10月号」付録『国公立大学入試科目・配点』とあわせ、出願校決定の参考にしてほしい。

※この記事は『螢雪時代・2009年10月号』の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)

 

 

長崎大・大阪市立大など11大学の医学科で地域枠を導入・拡大。個別試験で小論文の廃止、学科試験・面接への切り替えが目立つ

  国公立大の2010年入試では、センター試験(以下、セ試)を課す推薦・AO入試の導入や募集枠拡大、個別試験における「小論文→学科・面接」の変更が目立つ。また、電気通信大・東京学芸大などの全学規模の改組、医学科の「地域枠」「地域医療枠」の導入・拡大も注目される。

   国公立大の2010(以下、10)年入試「選抜要項」から、09年に比べ大きく変更され、志望動向に影響しそうなポイントを、募集人員の多い日程(おもに前期)を中心に紹介する。また、「螢雪時代・10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部学科を含む)を、日程別・系統別に分けて一覧表にした。付録『国公立大学入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校の入試についてしっかり把握しておこう。10年国公立大入試の変更点には、次の3つの特徴が見られる。

 

   国公立大の2010(以下、10)年入試「選抜要項」から、09年に比べ大きく変更され、志望動向に影響しそうなポイントを、募集人員の多い日程(おもに前期)を中心に紹介する。また、「螢雪時代・10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部学科を含む)を、日程別・系統別に分けて一覧表にした。付録『国公立大学入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校の入試についてしっかり把握しておこう。
   10年国公立大入試の変更点には、次の3つの特徴が見られる。

 

国公立難関大 日程別募集人員と前期比率の推移

 

(1)セ試を課す推薦・AOが増加
   国公立大全体で日程・方式別に募集人員の変動をみると(文部科学省集計。以下同じ)、後期は前年比377人(1.9%)減少し、前期は210人(0.3%)増に留まるのに対し、推薦・AO入試は合計で437人(2.1%)増えた。特にセ試を課す推薦・AOへ、一般入試やセ試を課さない推薦・AOの募集人員を移す傾向がみられる。実施学部数を09年と比べると、セ試を課さない推薦は346→342と減少したが、セ試を課す推薦は140→152、同AOは55→60に増加し、一般前期の併願先として重要性を増している。

 

(2)医学科の「地域枠」拡大
   09年度は医学部の定員増が相次いだが、10年度は11大学の医学科で、出願資格を地元出身者に限定する「地域枠」や卒業後の一定期間の地元勤務を条件に奨学金を支給する「地域医療枠」を新設または拡大する(表1を参照)。
   さらに、文部科学省から7月に、国公私立の医学科の総入学定員を、10年度に最大369人増加する方針が発表された。8月末現在、国公立大では群馬大・長崎大の医学科が、定員増を予定している旨を公表している(人数はいずれも未定)。

 

(3)個別試験は「小論文→学科試験・面接」へ
   一般入試の科目変更は、09年に比べて学科レベルの小規模なものが多いが、セ試よりも個別試験に関する変更が目につく。宮城教育大の後期など「個別試験を課さない→課す」に転換したり、個別試験で小論文を取りやめ学科試験や面接に切り替えたりするケースが多く、個別試験を課さない学部数は前年比で406→397、小論文を課す学部は293→284と減少した。
   セ試に関する変更では、京都府立医科大・岡山大・徳島大の医学科で「理科3→2科目」に軽減する一方で、長崎大の医学科が「理科2→3科目」に増加するのが注目される。

(文責/小林)

 

【変更点の見方】以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼間コース=[昼]、センター試験=セ試、個別学力検査等=個別、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AOと略記。変更点は「09年→10年」で表記。誌面の都合上、学科(専攻など)単位の小規模な変更や、ほぼ前年と変更のない大学は、原則として割愛した。

 


北海道・東北

山形大‐工・農で学部改組。岩手大・秋田大で名古屋会場を新設

●旭川医科大
 (1)医(医)で【前】40人→35人に削減し、AO北海道地域枠を35人→40人に拡大。(2)医(医)【前】で個別を「理科→数学・外国語」に増加する。一方、同【後】で個別を「数学・外国語→総合問題」に軽減。
●北海道大
 薬【前】の個別で、理科を「物理必須、化学・生物から1」→「物理・化学・生物から2」に変更。
●室蘭工業大
 工(機械航空創造)【前】で、個別に理科を追加。
●帯広畜産大
 畜産科学課程で【後】50人→35人に削減、セ試免除推薦を45人→60人に増加。
●北見工業大
 機械・社会環境系で、【前】64人→70人に増加、【後】56人→50人に削減。
●岩手大
 (1)学外試験場を変更。人文社会科学・工・農の前期で大宮会場(さいたま市)を、農【後】で札幌会場を廃止し、工【前】で名古屋に新設。(2)農【前】【後】で、調査書点数化(50点)を廃止。
●東北大
 (1)法のAOを「セ試免除→課す」に変更。(2)経済【後】で2段階選抜の予告倍率を緩和(募集人員の約10倍→約15倍。以下、「予告倍率」「募集人員」を略)。
●宮城教育大
 後期を行う全専攻・コースで個別を「課さない→課す」に変更(初等教育‐芸術・体育系は従来から個別<実技>を実施。他は面接を新規実施)
●秋田大
 (1)医(医)でセ試免除推薦(県内枠)を廃止し、セ試課す推薦の秋田県地域枠を10人→15人に拡大。(2)工学資源で【後】68人→79人に増加し、【前】257人→255人、AO34人→31人、推薦101人→95人に削減。(3)教育文化(地域科学)【前】の個別で、英語リスニングを除外。同(国際言語文化)【前】の個別を「国語・外国語から1→国語・外国語必須」に増加。(4)工学資源【前】で、名古屋に学外試験場を増設。
●山形大
 (1)工で学部改組。昼間コースに「バイオ化学工学科」を増設し(6→7学科)、夜間主コース5学科(定員80人)をフレックスコース(昼夜開講:定員50人)1学科に統合。募集人員は次のように変更される。工[昼]=【前】389人→378人、【後】79人→82人、推薦96人→104人/工[フレックス]=【前】48人→40人、推薦32人→10人。(2)農で学部改組し、3学科を1学科6コースに統合。(3)医(看護)で後期を廃止、【前】35人→38人、推薦15人→22人に増員。
●札幌医科大
 保健医療で後期廃止、セ試課す推薦(18人)を導入。
●山形県立保健医療大
 前期で、個別に総合問題を追加(従来は面接のみ)。
●会津大
 【前】180人→174人に削減、推薦B(全国枠)を12人→18人に増員。

 


関東・甲信越

東京学芸大で教員養成課程の定員を590人→730人に拡大

●茨城大
 (1)農(生物生産科学)【前】の個別に面接を追加。(2)工A(メディア通信工以外)・B【後】の個別を「小論文(または総合問題・面接)→数学」に変更。
●筑波大
 (1)日本語・日本文化学類で後期を廃止し、【前】23人→27人、AO2→3人に増員。(2)心理学類【前】でセ試を5→6科目に増加し、個別の選択に公民・理科を追加。(3)看護学類【後】で個別から小論文を除外。
●宇都宮大
 (1)教育で、教員養成課程を「4系→3系1コース」に改組。(2)農で【前】139人→144人に増員し、推薦を52人→47人に削減。(3)教育【前】の次の課程・コースで、個別の科目を変更。学校教育=文系、総合人間形成=「小論文→国語・数学・外国語から1」/特別支援教育=「小論文→国語・外国語から1」。
●群馬大
 工[昼]でAO入試を導入(応用化学・生物化学科5人)し、【前】269人→264人、【後】69人→64人に削減、一般推薦127人→132人に増加。
●埼玉大
 (1)教育(教科教育=美術)で後期(4人)を新規実施、【前】14人→10人に削減。(2)理(基礎化学)の推薦を「セ試免除→課す(3教科5科目)」に変更。
●千葉大
 募集人員を次の学部・学科で変更。文(行動科学)=【前】46人→51人、【後】21人→16人/理(物理)=【前】28人→23人、【後】7人→12人/看護=【前】49人→41人、セ試免除推薦24人→32人。
●電気通信大
 (1)学部名称を「電気通信→情報理工」に変更し、7学科(昼・夜間主コース)を昼間4学科と夜間主1課程(先端工学基礎課程)に統合する(図を参照)。(2)夜間主コースは定員減(180人→100人)。新規実施のAO入試(100人:うち社会人50人)のみ募集し、一般入試と推薦入試を廃止。(3)情報理工[昼]【前】の個別で、理科2→1科目に軽減。

国公立難関大 日程別募集人員と前期比率の推移

 

●東京学芸大
 (1)初等教育教員養成課程に4選修を増設し、教員養成4課程の募集人員を増加(合計で【前】421人→516人、【後】90人→125人、推薦79人→89人)。一方、国際理解教育課程で2専攻を廃止し、教員養成以外の5課程の募集人員を削減(合計で【前】307人→219人、【後】127人→65人。スーパーアスリート推薦10人を新規実施)。(2)次の選修・専攻で、セ試の科目数を軽減する。7→5科目=初等・中等(音楽・美術・保体)・中等(書道)・生涯スポーツの前期、初等(保体)・生涯スポーツの後期/7→3科目=芸術スポーツ文化(美術・書道)の前期、同(音楽)の後期。
●東京芸術大
 (1)美術が「後期のみ→前期のみ」に日程変更。(2)美術(建築)【前】でセ試を4→6科目に増加。
●東京農工大
 (1)農で【前】201人→200人、【後】83人→65人に削減し、セ試課す推薦を16人→32人に増員。環境資源科学科でセ試を課すAO選抜「ゼミナール入試」を導入(3人)。(2)農【後】で個別を「外国語・小論文から1→外国語必須」に変更。
●新潟大
 (1)人文で3課程を1学科に統合。【前】150人→145人に削減し、推薦25人→30人に増加。また、推薦を「セ試免除→課す(3教科3科目)」に変更。(2)セ試の理科を、理(物理)【後】で「物理必須→選択」に、同(化学)【後】で「化学必須→選択」に変更。
●長岡技術科学大
 (1)前期を40人→50人に増員し、専門・総合推薦を40人→30人に削減。(2)工【前】の個別で、数学の出題範囲に「数A・B・C」を追加。
●山梨大
 医(医)【後】で個別に面接を追加し、2段階選抜を約15倍→約14倍に引き締める。
●信州大
 (1)工(機械システム工、電気電子工、土木工、物質工)で後期を廃止し、セ試課す推薦を導入(計37人)。学部全体で、【前】279人→274人、【後】86人→51人に削減し、セ試免除推薦105人→108人に増加。(2)募集人員を次の学部・学科で変更。医(医)=【後】45人→43人、地域枠推薦10人→12人/理(生物科学)=【前】10人→15人、【後】20人→15人/農=【前】89人→94人、【後】50人→39人、推薦30人→34人、AO6人→8人/繊維(創造工学系)=【前】39人→30人、【後】21人→30人。(3)経済【前】で、セ試を「5教科→4または5教科」に、個別を「国語必須→国語・数学・外国語から1」に変更。(4)理(化学)【後】で、個別を「数学・理科計2科目→小論文」に軽減。
●前橋工科大
 工(建築)【後】でセ試を4→5科目に増加する一方、個別から小論文を除外。
●横浜市立大
 (1)医(看護)で【前】80人→70人に削減し、指定校推薦(10人)を導入。(2)医(医)【前】で、2段階選抜を約3.5倍→約3.3倍に引き締める。
●都留文科大
 文(英文)でAO(20人:セ試免除)を導入し、【中】50人→40人、推薦50人→40人に削減。

 


北陸・東海

岐阜大‐工・応用生物科学で後期日程の募集枠を拡大
●富山大
 (1)募集人員を次の学部・学科で変更。医(医)=【前】65人→60人、【後】22人→20人、地域枠推薦8人→15人/医(看護)=【前】40人→30人、推薦10人→20人/薬(創薬科学)=【前】35人→40人、【後】15人→10人。(2)工(生命工)【前】で個別に小論文・面接を追加、同【後】でセ試を4→3教科に軽減。(3)人間発達科学(学校教育・発達福祉)で推薦を「セ試免除→課す(3教科3科目)」に変更し、選考方法から小論文を除外。
●金沢大
 (1)募集人員を次の学類・専攻で変更。人文=【前】107人→104人、セ試免除推薦3人→6人/環境デザイン=【前】60人→63人、セ試免除推薦7人→4人/保健(作業療法)=後期廃止、セ試免除推薦3人→6人。(2)保健学類【後】で個別を小論文→面接に変更。
●福井大
 (1)工(物理工)で【前】15人→20人、【後】28人→31人に増加し、AOを8人→若干名に削減。(2)工(材料開発工)のAOを「セ試免除→課す」に変更。
●岐阜大
 (1)募集人員を次の学部・学科で変更。工=【前】366人→297人、【後】57人→126人/応用生物科学=【前】137人→128人、【後】14人→20人、セ試免除推薦7人→13人、セ試課す推薦27人→24人/医(医)=【後】40人→35人、地域枠推薦15人→20人。(2)工【後】でセ試を7→5科目に軽減し、個別を「課さない→数学・理科」に増加。(3)応用生物科学(食品生命科学・生産環境科学)【後】の個別が「小論文→理科」に変更。
●静岡大
 募集人員を次の学部・学科で変更。人文[昼](法)=【前】60人→55人、セ試課す推薦5人→10人/同(経済)=【前】125人→130人、【後】25人→20人/教育(特別支援教育)=後期(4人)を新規実施、【前】17人→13人/工=【前】279人→266人、【後】123人→115人、AO48人→66人、セ試免除推薦30人→33人。
●名古屋大
 医(医)【後】で2段階選抜を約15倍→「セ試900点中720点以上で約8倍」に引き締める。
●名古屋工業大
 工1部(生命・物質工)で【前】69人→79人に増加し、【後】70人→60人に削減。同(都市社会工)で【後】30人→35人に増加、推薦を15人→10人に削減。
●豊橋技術科学大
 工学部を改組、8課程を5課程に統合する。
●三重大
 (1)人文(法律経済)で公募推薦(20人:セ試免除のA・B、セ試を課すCの3タイプ)を新規実施、【後】35人→37人に増加する一方、【前】122人→100人に削減。(2)医(医)で【前】75人→70人に削減、地域枠推薦を25人→30人に増加。(3)医(医)【前】で面接を点数化(100点)。
●福井県立大
 (1)経済【前】のセ試が「2科目→2または3科目」に変更。(2)生物資源【後】・海洋生物資源【後】・看護福祉【後】の個別で小論文を除外。
●岐阜県立看護大
 【後】15人→10人に削減、推薦15人→20人に増加。
●静岡文化芸術大
 2010年4月から「私立(公設民営)→公立(県立)」に移行する予定。文化政策・デザインの2学部で構成(定員は計300人)。
●愛知県立大
 外国語で【前】281人→297人に増加、【後】38人→22人に削減。また、教育福祉で【前】72人→75人に増加、【後】9人→6人に削減する。
●愛知県立芸術大
 美術で、一般入試を「前期のみ→後期のみ」に移行し、75人→73人に削減。
●名古屋市立大
 (1)募集人員を次の学部・学科で変更。薬(薬)=【中】48人→44人、セ試課す推薦6人→10人/芸術工(建築都市デザイン)=【前】28人→24人、【後】8人→12人/看護=【前】70人→55人、【後】10人→15人、セ試課す推薦(10人)を新規実施。(2)芸術工【前】【後】で2段階選抜を廃止。

 


関西

大阪市立大で夜間部を廃止、昼間部の募集人員を大幅増
●京都大
 医(医)【前】の2段階選抜で、予告倍率(約3倍)の他に「セ試1,000点満点中700点以上」との条件を追加。
●京都工芸繊維大
 工芸科学[昼](応用化学系)で、【前】103人→115人に増加、【後】50人→38人に削減。
●大阪大
 (1)人間科学で【前】105人→100人に削減、【後】25人→30人に増加。(2)外国語で前・後期ともに2段階選抜を復活(前期=約3倍、後期=約8倍)。
●大阪教育大
 (1)小学校・中学校の両教員養成課程を「学校教育教員養成課程」に統合、11専攻中9専攻に小学校・中学校の2コースを設置する。(2)教育1部で【後】202人→233人に増員し、【前】614人→606人、推薦74人→51人に削減。(3)全課程・専攻・コースで、前・後期ともにセ試の英語(リスニング含む)を200点→250点(欧米言語文化は300点)に配点アップ。
●兵庫教育大
 学校教育【後】で、個別を「国語・地歴・公民・数学・理科・外国語・実技から1(実技以外はセ試利用)、面接→面接(口頭試問・実技を含む) 」に軽減。
●奈良教育大
 教員養成課程で地域推薦(セ試課す)を10人→14人に増員、【前】124人→123人、【後】18人→15人に削減。
●奈良女子大
 理(化学・情報科学)・生活環境(住環境以外)【後】の個別に面接を追加。
●滋賀県立大
 (1)人間看護で【後】15人→10人に削減、セ試免除推薦を15人→20人に増加。(2)環境科学(生物資源管理)【後】のセ試を7→5科目に軽減。
●京都府立大
 (1)生命環境(食保健)【前】で、セ試を6→7科目(理科1→2科目)に増加し、英語リスニングを追加。(2)公共政策【前】で、個別の国語に古典を追加。
●京都府立医科大
 (1)医(看護)でセ試免除推薦を25人→35人に増員(3年次編入15人を廃止)。(2)医(医)【前】で、セ試を8→7科目(理科3→2科目)に軽減。(3)医(看護)【後】で面接の点数化を廃止。
●大阪市立大
 (1)商・経済・法・文で2部(夜間部)を廃止し、昼間部の募集人員を増やす。商=【前】158人→175人、【後】30人→33人/経済=【前】160人→170人、【後】40人→45人、社会人5人(新規)/法=【前】135人→145人、【後】15人→20人/文=【前】115人→125人、【後】25人→30人。(2)医(医)で前期90人の中に地域医療枠10人を新設。(3)2段階選抜を、医(医)【前】6倍→5倍、法【後】17倍→14倍に引き締める。
●大阪府立大
 (1)全入試(一般・推薦・AO)の受験料を1万7千円→3万円に増額する。(2)募集人員を次の学部・学科で変更。人間社会(社会福祉)=【前】47人→37人、セ試免除推薦(10人)を新規実施/看護=【前】45人→50人、【後】10人→12人/総合リハビリテーション=【前】44人→54人。(3)総合リハビリテーション【前】で、個別に外国語を追加。
●奈良県立大
 セ試課す推薦(15人)を廃止し、【前】45人→50人、セ試免除推薦20人→30人に増加。
●奈良県立医科大
 医(医)で地域枠推薦(10人:セ試課す)を新規実施し、【後】35人→25人(一般枠20人→15人、地域枠15人→10人)に削減。
●和歌山県立医科大
 医で後期を廃止、【前】の一般枠を54人→64人に増加(県民医療枠15人は継続)。また、医【前】の2段階選抜を4倍→3.3倍に引き締める。

 


中国・四国

岡山大・徳島大の医学科がセ試8→7科目に軽減
●島根大
 (1)教育でAO入試(学校教育I類。文系型20人・理系型12人:セ試課す)とセ試免除推薦(26人)を新規実施。一方、セ試課す推薦を廃止し、【前】100人→92人、【後】22人→20人に削減。(2)医(医)で【前】60人→55人に削減、セ試課す推薦の一般枠を20人→25人に拡大。同(看護)も【前】37人→32人に削減、セ試課す推薦を10人→15人に増員。(3)生物資源科学(生命工以外)【前】【後】のセ試に英語リスニングを追加。(4)教育(学校教育I類)【後】の個別を小論文→面接に変更。(5)生物資源科学(生態環境科学・地域開発科学)【後】の個別に面接を追加。
●岡山大
 (1)理で【前】102人→107人に増員、AOを35人→30人に削減。(2)医(医)【前】【後】で、セ試を8→7科目(理科3→2科目)に軽減。(3)工【前】の個別で、理科を「物理・化学必須」から「物理必須、化学・生物から1」または「物理・化学・生物から2」に変更(学科により異なる)。(4)環境理工(環境管理工)【前】で個別に外国語を追加。(5)薬(創薬科学)【後】で個別から面接を除外。
●広島大
 (1)募集人員を次の学部・学科等で変更。文=【前】90人→95人、【後】25人→20人/教育(三類)=後期廃止、【前】56人→58人、AO21人→26人/理(生物科学)=後期廃止、AO3人→7人/医(医)=【前】75人→70人、地域枠推薦5人→10人/医(保健)=後期廃止、【前】94人→105人、AO10人→15人/歯(口腔健康科学)=後期廃止、AO(10人:セ試課す)を新規実施。(2)教育(技術・情報系、社会系、教育学系)の推薦を「セ試免除→課す」に変更。(3)医(医)【前】で個別の配点を変更。理科重視型A配点(数学・英語各300点、理科1200点)、一般型B配点(数学・理科・英語各600点)の2パターンを設定。まずA配点で募集人員の2分の1を合格させ、残りをB配点で合否判定する。(4)歯(口腔健康科学)【前】で個別に面接を追加。(5)理(地球惑星システム)【後】で個別を「小論文→面接」に変更。
●山口大
 (1)教育(人間教育学)で後期廃止、【前】7人→10人に増員。(2)医(医)で【前】60人→50人に削減、セ試課す推薦を「全国枠5人→10人、地域枠10人→15人」に増員。同【後】で2段階選抜を新規実施(10倍)。
●徳島大
 (1)医(医)【前】でセ試を8→7科目(理科3→2科目)に軽減。(2)総合科学(理系)【前】【後】の個別で、選択の数学の出題範囲に数III(後期は数Cも)を追加。
●香川大
 (1)工でセ試課す推薦(26人)を導入、【前】169人→156人、セ試免除推薦39人→26人に削減。(2)工【前】で個別を「数学必須、理科・外国語から1→数学・理科から1」に軽減。工【後】の個別を総合問題→小論文に変更。
●愛媛大
 (1)教育(特別支援教育)で後期とセ試免除推薦を廃止し、AO(8人:セ試課す)を導入。(2)医(医)で【後】30人→25人に削減、セ試課す推薦30人→35人に増員。(3)医(医)【前】で個別に外国語を追加し、2段階選抜を約10倍→約8倍に引き締める。
●高知大
 医(医)【前】で2段階選抜を約8倍→約7倍に引き締める。
●岡山県立大
 保健福祉(栄養)【前】で個別を「小論文・面接→理科」に軽減。同【後】も個別から小論文・面接を除外。
●新見公立大
 10年4月開設予定。看護学部看護学科のみで構成。一般入試(4教科)はセ試を課さず、別日程(2/14)で実施。募集人員は一般40人・推薦20人。
●尾道大
 芸術文化(美術)で、【前】25人→20人に削減、【後】10人→15人に増加。
●県立広島大
 (1)人間文化(健康科学)で推薦を「セ試免除→課す」に変更。(2)経営情報で推薦に全国枠(8人)を新設、【後】19人→15人、県内枠推薦31人→27人に削減。また、生命環境の推薦も全国枠を16人→29人に拡大、県内枠を50人→37人に縮小。(3)人間文化(健康科学)【前】の個別で、論文に含まれていた理科(生物I・化学I)が教科として独立。(4)生命環境【前】【後】の個別で、数学から数III・Cを除外、理科2→1科目に軽減。
●下関市立大
 公共マネジメント学科を新設予定。募集人員は【前】16人、【中】27人、推薦15人。一方、既設2学科(経済・国際商)は、それぞれ【前】60人→52人、【中】96人→83人、推薦64人→56人に削減される。
●高知工科大
 (1)4月から「私立→公立」へ移行し、選抜方法を全面的に変更。一般入試は全てセ試利用の分離分割方式(前期・後期)で、推薦入試は全国枠と県内枠に分けて実施する(表2を参照)。(2)広島・徳島・高松・松山の試験場を廃止。

国公立難関大 日程別募集人員と前期比率の推移

 

●高知女子大
 生活科学部を廃止(生活デザイン・環境理学の2学科を廃止)し、健康栄養学部(【前】25人・推薦15人)を新設。既設2学部の募集人員も増やす(看護=【前】30人→52人、【後】4人→6人、推薦11人→22人/社会福祉=【前】17人→45人、【後】3人→5人、推薦10人→20人)。

 


九州

佐賀大・長崎大の医学科で地域枠拡大。九州歯科大で学科増設
●九州大
 (1)法でAOを廃止し、【前】144人→159人、【後】25人→40人に増員。(2)歯でAO10人→8人に削減、【前】35人→37人に増加。(3)薬(創薬科学)でAO10人→6人に削減、【前】39人→43人に増加。(4)工(建築)【後】の個別で「造形実技→数学」に変更。
●福岡教育大
 (1)教育(環境教育)で、セ試免除推薦を廃止し、【前】12人→15人に増加。(2)教育(中等教育=理科)【前】の個別で数学を除外、2→1教科に軽減。
●佐賀大
 医(医)で【前】53人→50人に削減、地域枠推薦を8人→11人に増員。
●長崎大
 (1)医(医)でセ試課す推薦(地域枠:20人)を新規実施。一方、AO入試で地域医療枠5人を廃止、【前】85人→70人に削減。(2)歯でAOを15人→10人に削減し、【前】30人→33人、【後】5人→7人に増員。(3)工(機械システム工)で【前】45人→50人、【後】10人→12人に増員し、AO10人→5人、セ試免除推薦15人→13人に削減。(4)医(医)【前】でセ試を7→8科目(理科2→3科目)に、個別を理科1→2科目に増加。
●熊本大
 (1)教育の小学校教員養成課程で、【前】80人→90人に増員、【後】30人→20人に削減。(2)教育(中学音楽・美術・保体以外)【前】で、個別を3→2教科に軽減。(3)医(医)【前】の個別で理科1→2科目に増加。
●大分大
 (1)医(医)で後期とセ試課す推薦を廃止し、【前】40人→65人に増員、AO(30人:セ試課す。うち地域枠5人)を新規実施。(2)経済で、AOを5人→15人に拡大し、商業科・総合学科推薦40人を商業推薦30人に変更・縮小。(3)医(医)【前】の個別で面接を追加し、2段階選抜を約7倍→約3倍に引き締める。
●宮崎大
 (1)農学部を改組、5→6学科に増設(定員は変更なし)。(2)教育(中学英語)で後期廃止、【前】3人→6人に増員。(3)医(看護)でセ試免除推薦(15人)を新規実施、【前】45人→35人、【後】15人→10人に削減。
●鹿児島大
 (1)教育(学校=社会)で後期廃止、セ試課す推薦6人を新規実施。(2)歯で【前】35人→40人に増加、【後】15人→10人に削減し、【前】の個別に理科を追加。(3)水産でAO(5人)を導入、【前】96人→92人に削減。
●琉球大
 (1)観光産業科学(観光科学)で【前】40人→35人に削減、推薦14人→19人に増員。(2)教育(小学教育実践)【前】の個別で、外国語・面接による方式(B群)を廃止。(3)医(医)【前】【後】で調査書点数化(50点)を廃止し、面接の配点をアップ(【前】50点→100点、【後】150点→200点)
●北九州市立大
 地域創生学群【前】がセ試を新規利用(2科目)。
●九州歯科大
 (1)口腔保健学科を新設予定。募集は前期のみ25人で、セ試5教科7科目、個別は英語・面接で選抜。(2)歯【前】で個別に外国語・面接を追加し、セ試・個別の配点を「700:400→600:700」に変更。
●福岡県立大
 (1)人間社会【前】【後】でセ試を3→4科目に増加。(2)看護【後】の個別で「面接→小論文」に変更。
●大分県立看護科学大
 看護【前】でセ試を5→6科目に増加。
●沖縄県立芸術大
 美術工芸の絵画専攻で【前】7人→5人に削減、【後】3人→5人に増員。また、音楽の声楽専攻で後期(3人)を新規実施し、【前】8人→5人に削減。

 

この記事は「螢雪時代(2009年10月号)」より転載いたしました。


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