国公立大の一般選抜の地区別の確定志願状況と、私立大一般選抜の志願状況をお伝えする。
受験生数は増加したものの、共通テストの平均点ダウンのため、国公立大の志願者は前年比2%減。一方、私立大一般選抜は10%増(2月22日現在)で、共通テスト利用方式の増加が目立った。
(1)本文中の表記について
◎前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、と略記。
◎変更点は「2025年→2026年」で表記。
◎学部・学科名は略称で「学部〈学科〉」と記載。
(2)国公立大の志願者数について
◎「募集人員」および「志願者数」は、学校推薦型・総合型選抜等の人数を除いた一般選抜のもの。また、専門高校・総合学科卒業生選抜、欠員補充2次選抜、追試験等を除く。
◎今年度に募集しなかった旧学部等・日程について、2025年志願者数は掲載しないが、大学計には含む。
(3)私立大の志願者数について
◎螢雪時代4月号の編集時点で判明した確定志願者数を一覧としたが、数値は2月22日現在で、一部未確定を含む。
国公立大
共通テスト難化で最上位層
以外は志望校変更の動きも
2026年(以下、26年。他年度も同様)の志願者数は、全体で約41万9千人と2%減(別日程の公立4大学を除く)。大学受験生数は増加(約2%増。旺文社推定)したが、共通テスト(以下、共テ)の志願者は前年並みにとどまり、平均点もダウン(=難化)した。さらに、共テを課さない学校推薦型・総合型選抜の志願者・合格者の増加(25年12月末で各2%増:80大学/旺文社集計)もあり、国公立大の一般選抜の志願者減につながったものと見られる。
難関校を目指す学力最上位層は、共テの結果に関わらず初志貫徹の出願姿勢が見られた。しかし、準難関~中堅校を目指す学力層は、共テの難化を受けて志望校を変更し、慎重な出願をする傾向が見られた。
準難関校の志願者が減少する一方、中堅校や公立大では、前年の反動(志願者増減や倍率の変動による)や現役志向を反映した私立大への流出が顕著に見られた。
●北海道・東北地区
地区全体で志願者は前年比2%減。北海道大は1%減(以下、大学名・学部名の後のカッコ内に増減を表示)で堅調。一方、東北大は4%減。前年の反動と見られ、法【前】・経済【後】の減少が目立った。
この他、北見工業大(18%増)・福島大(11%増)・国際教養大(14%増)が大幅増。弘前大(13%減)、後期縮小の山形大(21%減)が大幅減となった。なお、4月から公立大に移行する東北公益文科大は、26年は私立大として別日程で実施したが、志願者数は前年の3倍以上に膨れ上がった。
●関東・甲信越地区
地区全体の志願者は5%減。東京大は1%減、文科一類【前】の増加、理科二類【前】と2段階選抜の予告倍率を厳格化した理科三類【前】の減少が目立った。同じく、理工学系の全学院(理、工、物質理工、情報理工、生命理工、環境・社会理工)の前期で2段階選抜の予告倍率を厳格化した東京科学大(13%減)は大幅減となった。また、一橋大は前年の反動もあり、4%減となった。
準難関校では、前年の反動もあり、東京外国語大(14%減)・横浜国立大(13%減)は大幅減、東京都立大も9%減となった。
この他、電気通信大(22%増)が大幅増、茨城大(17%減)・群馬大(22%減)・都留文科大(24%減)が大幅減となった。
●北陸・東海地区
地区全体の志願者は1%減。名古屋大は5%減、情報【前】・理【前】の減少、経済【前】の増加が目立った。
金沢大(14%増)・福井大(14%増)・岐阜大(11%増)・静岡県立大(14%増)が大幅増。地域政策学部を新設した福井県立大(23%増)も大幅増となった。一方、富山大(14%減)・愛知教育大(15%減)・愛知県立大(15%減)は大幅減、名古屋市立大も7%減となった。富山大・福井大・愛知教育大は前年の反動と見られる。
●関西地区
地区全体の志願者は1%減。難関校では、大阪大が3%増となった一方で、京都大は1%減、神戸大も3%減となった。京都大では総合人間〈文系〉【前】の増加と医〈医・人間健康科学〉【前】の減少、大阪大では外国語【前】・法【前】の増加と歯【前】・薬【前】の減少が目立った。また、準難関校では大阪公立大(8%増)が増加した。
この他、京都教育大(18%増)・京都工芸繊維大(23%増)が大幅増。一方、大阪教育大(11%減)・奈良教育大(14%減)・奈良女子大(14%減)・京都府立大(10%減)・兵庫県立大(11%減)は大幅減となった。
●中国・四国地区
地区全体の志願者は4%減。広島大は15%の大幅減。前年の反動に加え、法[昼・夜]と生物生産で後期を募集停止した影響と見られる。一方、法・経済で夜間主コースを募集停止した岡山大は4%増だった。
この他、鳥取大(16%増)・徳島大(19%増)が大幅増。一方、島根県立大(42%減)・県立広島大(25%減)・高知工科大(33%減)などの公立大は、前年の反動で大幅減となった。
●九州地区
地区全体の志願者は3%増と、6地区中で唯一増加した。中国・四国からの流入増も要因と見られる。
九州大は5%減、法【前】【後】・医〈医・保健〉【前】の減少、共創【前】・経済【前】【後】・農【前】【後】の増加が目立った。熊本大は共創学環を新設したが11%減、教育の定員大幅減も影響した。
この他、佐賀大(17%増)・大分大(34%増)・北九州市立大(12%増)・長崎県立大(23%増)が大幅増。一方、宮崎大(15%減)が大幅減となった。
私立大
国公立大志願者層が流入か
併願校を増やす傾向も強く
2月22日現在の、主に2月入試の志願状況(集計数:172大学・約295万4千人)を見ると、志願者数は前年比10%増。チャレンジ志向が強まったことに加えて、国公立大の後期縮小もあり、大都市圏の難関~中堅上位校の人気が高まった。また、共テ難化の影響で、従来からの現役志向がさらに強まり、併願校を増やす動きが見られた。
各大学の独自入試が10%増、共テ利用方式は13%増、共テ併用方式(独自入試と共テの成績を組み合わせた方式)は5%増。やはり共テ難化の影響により、国公立大から私立大への志望変更も見られた。英語外部検定利用方式も引き続き人気で、私立大の志願者増の要因となった。
以下、主な大学の志願状況を紹介する。
●首都圏
難関~準難関校では、国際基督教大(13%増)・上智大(10%増)・東京理科大(13%増)が大幅増。学習院女子大を統合した学習院大(11%増)、環境学部を新設した立教大(12%増)も大幅増となった。青山学院大(7%増)・慶應義塾大(5%増)・法政大(6%増)も志願者増。一方、早稲田大(2%減)は微減、中央大・明治大は前年並みにとどまった。
中堅上位校のうち、いわゆる「日東駒専」は、駒澤大(8%増)・専修大(12%増)・東洋大(4%増)・日本大(16%増)といずれも増加。日本大は2年連続の大幅増となった。また、成蹊大(38%増)・成城大(36%増)・津田塾大(13%増)・日本女子大(33%増)が大幅増。獨協大(6%増)も増加した一方、武蔵大(18%減)は大幅減、東京女子大(2%減)も微減。
その他、亜細亜大(27%増)・工学院大(18%増)・国士舘大(21%増)・芝浦工業大(38%増)・東海大(23%増)・神奈川大(45%増)が大幅増。千葉工業大(5%増)・東京電機大(5%増)・東京都市大(7%増)も増加した。亜細亜大や神奈川大は新たな受験料割引制度の導入も大幅増の要因と見られる。
●京阪神地区
いわゆる「関関同立」は、関西大(10%増)が大幅増、同志社大(5%増)・関西学院大(3%増)・立命館大(2%増)も増加。また、いわゆる「産近甲龍」では、京都産業大(26%増)・龍谷大(12%増)・近畿大(12%増)が大幅増。京都産業大は法・文化の2学部の学科併願制度の導入が要因と見られる。一方、甲南大(2%減)のみ微減となった。
その他、京都女子大(17%増)・京都橘大(35%増)・追手門学院大(39%増)・大阪工業大(15%増)・関西外国語大(62%増)・桃山学院大(41%増)・武庫川女子大(11%増)が大幅増。神戸学院大(9%増)も増加した。特筆されるのは摂南大の激増(138%増)。前年の大幅減の反動に加え、共テ利用入試の受験料割引制度や、一般選抜の他学部併願制度の導入が要因となった。
一方、佛教大(12%減)・大阪経済大(3%減)は減少した。
●その他の地区
北海学園大(30%増)・愛知大(50%増)・名城大(26%増)・岡山理科大(25%増)・九州産業大(20%増)が大幅増。南山大(4%増)・松山大(6%増)・福岡大(8%増)も増加した。一方、東北学院大(2%増)・西南学院大(1%増)は微増にとどまり、熊本学園大(13%減)は大幅減となった。

