入試動向分析

大予測!2026年一般選抜の難易変動はこうなる!?【2025年10月】

2025(令和7)年度

いよいよ受験勉強も大詰め。気になるのは志望校や併願校の難易度や志望動向だ。新課程2年目に入り、共通テストの出題レベルの変化、前年の入試結果、新増設、入試方式や日程の変更、負担の増減…。さまざまな要素によって変動する、2026年一般選抜のゆくえを、『螢雪時代』編集部が大胆に予測する。

 

新課程2年目の入試動向の全体像をつかむ!

 

【共通テスト】

共通テストの志願者数は前年並みの49万5千人か

ここでは高校・予備校の進路指導のベテラン先生方へのアンケートを参考に、さまざまな変動要因を総合し、2026年(以下、26年。他年度も同様)一般選抜の動向を予測する。

『螢雪時代』編集部推定によると、25年は4(6)年制大学の受験生数(以下、大学受験生数)が24年より3.2%増加した模様。26年の大学受験生数は、編集部推定で68万2千人と、前年より1.6%増加するものと見られる。

  

  

それでは、大学入学共通テスト(以下、共テ)の出願者数はどうなるか。

共テは23~25年と3年連続で易化。新課程2年目の26年は、過去の事例から出題レベルの調整が行われる見込みで、特に国語、英語リーディング、「公共、政治・経済」、情報Ⅰは難化が予想される。各大学の独自入試と対策の違いが大きい私立大専願者の「共テ離れ」が進みそうだ。また、強い現役志向から、学校推薦型選抜(以下、推薦型)や総合型選抜(以下、総合型)で、早期に合格したい受験生の増加も共テ離れに結びつく。26年からのWeb出願の導入で高校側の関与が弱まることも影響しそうだ。一方、家計不安から、共テ受験が必要な国公立大の人気は根強い。

 

こうした要素を考えあわせ、26年共テの出願者数は、受験生数の増加にもかかわらず、前年とほぼ同じ49万5千人前後と予測する。

 

【国公立大学】
共テ難化、理工系の女子枠拡大、後期縮小・2段階選抜が影響か

26年入試は、現役生の出願傾向は基本的に「初志貫徹」の見込みだが、共テの難化が予想されるため、やや慎重出願になりそう。そして、前年の入試結果(志願者増減や倍率アップダウン)の反動も強く作用する。25年に高まった公立大人気の反動が予想される。

アンケート回答では、国公立大志向について「変わらない」が多数派ながら、「やや強まる」が倍増したのが注目される。新課程共テ対策が進んだこともあるが、女子枠など推薦型・総合型を念頭に置いた回答とも見られる。後期・中期の募集枠縮小で「最後まで粘る」戦略が難しくなり、条件がそろえば第1志望を「推薦型・総合型→前期」で勝ち取る併願に変わりつつあるようだ。

 

新課程科目の見直しは少数

新課程入試も2年目に入るが、共テも2次も25年と同じ科目指定や配点の扱いがほとんど。その中で、次の変更が注目される。

北見工業大の前期で共テの情報Ⅰを「選択→必須」とし、富山県立大は前・後期とも必須で追加。北海道大は前・後期、高知大も人文社会科学(社会科学)・教育の前期と農林海洋科学の前・後期で、共テの情報Ⅰを配点化する。

 

理工系で定員増や女子枠導入

【新増設】

26年の主な新増設・改組を図表2に示した。文理融合の情報科学系の新設が目立つ。特に、学内の既存の学部等が連係する「学環」を新設する佐賀大・熊本大が注目される。また、複数学科を1学科か、より少数の学科に統合する学部も、北見工業大‐工、信州大‐工、山口大‐工、九州工業大‐工・情報工、名古屋市立大‐芸術工、兵庫県立大‐工など、工学系で目立つ。

【定員】

埼玉大‐教養・工、京都大‐工、岡山大‐農など、主に理系で定員増が相次ぐ。一方、山形大‐教育、埼玉大‐教育、熊本大‐教育など教員養成系で定員減が目立つ。

【女子枠】

男子比率が高い理工系学部の推薦型・総合型への「女子枠」設置が続く。26年は岩手大・山形大・埼玉大・京都大・大阪大・広島大・愛媛大・公立小松大で新設、新潟大・金沢大・名古屋大・香川大で募集枠を拡大。

  

  

教員養成・医で後期縮小が顕著

一般選抜の募集枠の変更を見てみよう。

【日程変更】

旭川医科大‐医(医)、山形大‐教育・医(医)、群馬大‐共同教育、広島大‐法[昼・夜]・生物生産、佐賀大‐医(医)、和歌山県立医科大‐保健看護などで後期を募集停止。教員養成と医で後期縮小が目立つ。

【募集人員】

兵庫県立大‐工で募集人員の比率を「後期→前期重視」に転換。一方、愛媛大‐工は「前期大幅減、後期大幅増」、前橋工科大も「前期大幅減、中期大幅増」に変更。

 

2段階選抜の引き締めが目立つ

科目等の変更を見てみよう。25年に比べ、目立った変更は少ない。

【共テ】

信州大‐教育の前・後期で「コースにより4~8科目→全コース8科目」に統一。一方、北見工業大の後期で7→5科目、島根県立大‐看護栄養の前期で5→4科目に軽減。

【2次】

滋賀大‐教育の後期で2次に「入学後の学修計画・志望動機書」を追加。一方、九州大‐文の後期で志望理由書を除外。周南公立大‐情報科学の前期の2次で小論文を除外。

【2段階選抜】

弘前大‐医(医)、東京大‐理科三類、東京科学大‐理工学系の前期、前橋工科大の中期、奈良県立医科大‐医(医)の後期で予告倍率を引き締める。また、岡山大‐医(医)の前期で予告倍率に得点条件を追加。一方、お茶の水女子大が全学の前・後期で、香川大‐医(臨床心理)も前期で廃止。長崎大‐医(医)の前期、横浜市立大‐理の後期などで予告倍率を緩和する。

【学費等の増減】

高知工科大で後期の受験料を「1万5千円→5千円」に減額。一方で、埼玉大・名古屋工業大・山口大が学費を増額(年額53万5,800円→64万2,960円。ただし夜間主コース・課程は各半額)する。

 

以上の点も踏まえると、26年国公立大一般選抜の志願者は「前年並み」と見込まれる。

 

【私立大学】

「学力試験型」年内入試が一般選抜の志願動向に影響か

アンケート回答では、私立大志向は25年に比べ「やや強まる」が減少。25年に難関~中堅上位校で目立った合格者絞り込みのため、「チャレンジ志向」がやや弱まることを物語る。

共テが難化した場合、国公立大受験者層は安全志向から、主に共テ利用で難関私立大の併願を増やす見込み。一方、私立大専願型の成績上位層は「チャレンジ志向」がやや弱まり、中・下位層は中堅校の推薦型・総合型で早く確実に決める傾向が定着。

そこで新たに影響しそうなのが、併願可能な「学力試験型」推薦型・総合型だ。25年度に首都圏で大東文化大・東洋大などが導入した「学力試験型」は、ここで合格を確保し、さらに上位校の一般選抜に挑戦するステップとして定着するか注目される。26年度の新規実施はいずれも中堅校のため、影響は限定的だが、不合格者が一般選抜に再挑戦で流入する可能性がある。

【学力試験型の余波】

25年度は「学力試験型」推薦型・総合型の実施時期が論議の対象となった。その結果、文部科学省の「令和8年度大学入学者選抜実施要項」で、2月1日以前に学力試験を実施する場合、小論文・面接や提出書類など他の評価方法との組み合わせを条件に可能となった。その影響を受けたのが、以前から「学力試験型」を行ってきた関西地区。京都産業大・龍谷大・近畿大など、多くの大学で志望理由書・自己推薦書等の事前提出の導入が相次いだ。

 

出願パターンは再び「十字型」に!?

25年入試では、難関~中堅上位校で、志願者増の一方で合格者が絞り込まれ、実質倍率(受験者数÷合格者数。以下、倍率)が軒並みアップ(図表3)。26年入試も同じ傾向が続くと見られるが、「志願者増・合格者減」が顕著だった大学は、その反動が見込まれる。

  

  

25年は合格確保校を推薦型・総合型で押さえるケースが増えたため、一般選抜自体は「凸型」の出願パターンとなった模様。26年はチャレンジ校へ目配りしつつ、合格確保校も押さえる「十字型」の出願パターンに戻りそうだが、実力相応校で学内併願を増やすことが想定され、横広の十字型になりそうだ。

 

共テ利用で情報必須化が進む

【実施方式】

東京理科大は共テ利用A方式を4タイプに分割する一方、C方式・グローバル方式を廃止。また、成城大で共テ利用N方式、東海大で共テ利用中期を導入する。

【共テ併用化】

明治大‐経営の学部別入試が、独自入試から、独自入試と共テの成績を組み合わせる「共テ併用方式」に全面移行する。

【情報必須の科目増】

私立大の共テ利用方式では、情報Ⅰは「選択」「課さない」がほとんどだが、必須とする方式も微増。早稲田大‐教育のC方式(独自・共テ併用)で共テを7→8科目、法政大の共テ利用C方式で6→7科目、豊田工業大の共テ利用A方式で7→8科目に増やし、いずれも情報Ⅰを必須で追加する。

 

医学部で日程繰り下げが続出

【実施方法】

愛知大で独自入試を、受験必須のスタンダード方式(3科目)を軸に他の3方式でも判定可とする形式に変更。

【新方式】

北海学園大で全学部統一型入試、神奈川大で全学統一型を新規実施。立命館大の学部個別配点方式で、独自作問の情報が必須の「情報型(文系・理系)」を新規実施する。

【試験日程】

医学部では、獨協医科大・杏林大・北里大・金沢医科大(前期)・関西医科大・川崎医科大が、1次試験を1~2週間程度繰り下げる。杏林大‐医(1/23→2/2)は日本医科大の前期と、北里大‐医(1/31→2/3)は順天堂大‐医(A・B)と、川崎医科大(1/26→2/1)は久留米大‐医(医)の前期と重複。一方、関西医科大‐医(医)の前期は「1/25→1/31」に繰り下げ、近畿大‐医の前期との重複が解消する。

【英語外部検定利用】

独自試験や共テの英語の代わりに(または併用し)、英語外部検定を利用できる大学・学部が増加。日本大‐法・スポーツ科学・生産工・松戸歯のA個別方式、立正大の2月前・後期、3月試験、神奈川大の一般前・後期で利用可能になる。

 

新設大学・学部・学科の特徴

分野別では、理工系、特に情報科学系の学部増設が目立ち、次いで看護・医療系も多い。特に、中央大‐理工の3学部(基幹理工・社会理工・先進理工)への分割が注目される。

 

女子大の共学化が続く

女子大の共学化と名称変更が相次ぐ。女子栄養大(日本栄養大に改称予定)、岡崎女子大(岡崎大に改称予定)、京都光華女子大(京都光華大に改称予定)が全学で共学に移行。東京家政学院大‐現代生活・人間栄養、太成学院大‐看護も共学化し、全学が共学となる。また、学習院女子大は学習院大と統合し、学習院大‐国際文化交流として共学化する。

 

受験生の経済的負担の軽減

【特待生】

共立女子大が全学統一方式でスカラシップ奨学金制度を新設。東海大も全学部統一選抜前期で特待生奨学金を導入する。

【受験料割引】

北海学園大は3種類の併願割引制度を導入。亜細亜大・摂南大では共テ利用入試で併願割引制度を導入。また、日本女子大では独自入試・共テ利用方式ともに、愛知大も独自入試で併願割引制度を拡充する。

 

以上の変動要因から、私立大一般選抜全体の志願者数は3%程度の増加と予測する。

 

【学部系統の人気度】

高めの「文理均衡」、農に注目
医療系は引き続き人気低下か

 

25年に続き、文、国際・外国語、経済など文系学部が人気を維持する一方、教員養成系の伸び悩みは続きそう。理系では、理・工・農の志願者増が見込まれる。特に、米不足など食料関連の報道から、農は注目度大。情報科学系は相次ぐ新設や定員増の規模に志願者増が追いつかず、志願者は分散しそう。また、医・薬や看護・医療は引き続き、歯も高倍率化の反動で人気低下が予想される。

 

以下に全国各地区の主な国公立大・私立大について、26年一般選抜の変動要因を紹介、志望・難易動向を予測している。志望校・併願校選びの参考にしてほしい。

 

文中、変更点は25年→26年で表記。学部・学科等の名称は、略称で「学部(学科)」と記載。国公立大は前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、共テを課さない(課す)=共テ免除(課す)、実質倍率(受験者数÷合格者数)=倍率、と略記。教科・科目数は「6または7教科8または9科目(科目選択による)=6(7)教科8(9)科目」のように略記。私立大も入試方式・日程等を略記した。

 

北海道・東北

北海道大・東北大は堅調な人気。

弘前大・宮城教育大・秋田大、公立化の東北公益文科大が志願者増、

山形大・福島大が志願者減か。

 

国公立大学

 

● 旭川医科大

医(医)で後期を募集停止し、前期で募集人員増(40人→48人)。前年の反動(志願者増減や倍率の変動による。以下同じ)もあり、医(医)【前】で志願者増、医(看護)【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 北見工業大

工を2→1学科に統合・改組する。工【前】は共テ負担増(7→8科目。情報が選択→必須)も、前年の反動から志願者増の見込み。一方、工【後】は負担減(共テ:7→5科目、2次:理科を除外)も、募集人員減(129人→116人)のため、志願者減が見込まれる。

● 北海道大

前期の総合入試(文系・理系の大括りで募集。理・薬・工・農は同入試でのみ実施)は、総合文系【前】が前年の反動(志願者増や倍率の変動による。以下同じ)から、やや志願者減が見込まれる。その他、前年の反動から、文【前】【後】・歯【前】・薬【後】・農【後】・水産【前】で志願者減、教育【後】・法【前】【後】・経済【後】・医(保健)【前】・工【後】が志願者増の見込み。なお、26年は全学の前・後期で共テの情報を配点化する(25年は「配点化せず、同点者の順位決定に活用」)が、志願動向への影響は少ないと見られる。

● 北海道教育大

旭川校【後】は募集人員減(40人→34人)により志願者減の見込み。また、前年の反動から、札幌校【後】・釧路校【前】【後】・函館校【後】・岩見沢校【後】は志願者減、旭川校【前】・函館校【前】は志願者増が見込まれる。なお、前期で仙台会場を廃止したが、影響は限定的と見られる。

● 室蘭工業大

理工[昼・夜]【前】の2次で、数学Cの出題範囲に「平面上の曲線と複素数平面」を追加、やや志願者減につながりそう。また、前年の反動から、理工[夜]【後】が志願者減の見込み。

● 弘前大

前年の反動から、人文社会科学【前】【後】・教育【前】・医(保健)【前】・理工【後】・農学生命科学【前】【後】で志願者増、教育【後】・医(医)【前】・理工【前】で志願者減が見込まれる。医(医)【前】は2段階選抜の予告倍率引き締め(募集人員の8倍→6倍。以下、募集人員を略)も敬遠材料となりそうだ。

● 岩手大

前年の反動から、人文社会科学【前】【後】・教育【前】【後】・農【前】【後】で志願者増、理工【前】【後】・獣医【前】で志願者減が見込まれる。農【前】は2次の変更(大学入学希望理由書→調査書)、理工【後】は学外試験場(札幌)の廃止も要因となりそうだ。

● 東北大

「国際卓越研究大学」に選定された効果が続き、理系学部の総合型(AOⅡ・Ⅲ期)を中心に引き続き人気が高い。ただし、一般選抜は前年の反動もあり、文【前】・法【前】・経済(理系)【前】・理【前】【後】・工【前】・農【前】は志願者減が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、教育【前】・経済(文系)【前】・同(理系)【後】・医(医・保健)【前】・薬【前】は志願者増が見込まれる。

● 宮城教育大

山形大‐教育の後期募集停止の影響で、教育【後】に志願者が流入しそう。前年の反動から、教育【前】も志願者増が見込まれる。

● 秋田大

前年の反動から、教育文化【後】・総合環境理工【前】【後】・医(保健)【前】【後】は志願者増の見込み。医(医)【後】は、旭川医科大‐ 医(医)、山形大‐ 医(医)の後期募集停止の影響で志願者が流入しそうだ。一方、やはり前年の反動から、国際資源【前】【後】・情報データ科学【前】【後】・医(医)【前】は志願者減が見込まれる。

● 山形大

地域教育文化を「教育学部」に改組。後期は募集停止、前期も募集人員減(85人→74人)のため、志願者大幅減の見込み。医(医)も後期を募集停止、前期は68人→73人に募集人員増も、前年の反動から志願者減でやや易化しそう。この他、前年の反動から、人文社会科学【後】で志願者増、同【前】・理【前】【後】・工[昼]【前】【後】・農【後】で志願者減が見込まれる。

● 福島大

前年の反動から、行政政策【後】・共生システム理工【後】・食農【後】で志願者増、行政政策【前】・経済経営【前】【後】・食農【前】で志願者減が見込まれる。また、人間発達文化【後】は山形大‐教育の後期募集停止が影響し、志願者が増えそうだ。

● 旭川市立大

地域創造学部を新設。一般選抜の募集人員は前期30人・後期10人。学内の経済【前】【後】と志願者が分散しそうだ。この他、前年の反動から、経済【前】・保健福祉【前】で志願者増、経済【後】で志願者減が見込まれる。

● 岩手県立大

前年の反動から、総合政策【前】で志願者増、看護【前】【後】・ソフトウェア情報【前】【中】・総合政策【後】で志願者減が見込まれる。

● 宮城大

前年の反動から、看護【後】・食産業【後】で志願者増、事業構想【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 秋田県立大

前年の反動から、システム科学技術【前】・生物資源科学【前】で志願者増、生物資源科学【後】は募集人員減(28人→20人)もあり志願者減が見込まれる。一方、システム科学技術【後】は前年の反動を募集人員減(44人→26人)の影響が上回ると見られ、志願者減は必至だ。

● 福島県立医科大

前年の反動から、医【前】・看護【後】で志願者増、看護【前】・保健科学【前】で志願者減が見込まれる。

 

この他、前年の反動から、帯広畜産大【前】、公立はこだて未来大‐システム情報科学【前】、札幌医科大‐医【前】・保健医療【前】、青森公立大‐経営経済【前】、会津大‐コンピュータ理工【前】で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、小樽商科大‐商[昼]【後】・商[夜]【前】、釧路公立大‐経済【前】【中】、国際教養大(B・C日程)で志願者減が見込まれる。

 

私立大学

 

東北公益文科大が公立大学法人へ移行し、国際学部を増設。26年は私立大として別日程で実施するため、志願者大幅増は必至。地区内の志望動向に影響を与えそうだ。

北海学園大は全学部統一型入試制度を導入、同一日で複数併願可となるのに加え、3種類の併願割引制度を導入するため、志願者増は必至。東北学院大は国公立大の併願先として人気安定、ほぼ前年並みか。この他、地区の志望動向に影響しそうな変更は次の通り。

北星学園大で国際学部、酪農学園大で農環境情報学類を増設。日本赤十字北海道看護大は一般選抜で募集人員減(43人→23人)、小論文→国語に変更。宮城学院女子大は全学の一般A日程で試験科目を国語・英語に統一し、全学部型を3→2科目に軽減(生活科学‐食品栄養、学芸‐音楽を除く)する。

 

関東・甲信越

宇都宮大・お茶の水女子大・東京大が志願者増、

群馬大・埼玉大・横浜国立大・東京都立大が志願者減か。

私立大は上智大や明治大に注目

 

国公立大学

 

● 茨城大

教育は学校教育(教育実践科学、教科教育=英語・理科・技術、特別支援)で後期を募集停止、後期全体で60人→39人に募集人員減も、群馬大‐共同教育の後期募集停止が影響し、教育【後】の志願者減は小幅に留まりそう。地域未来共創学環は後期を募集停止、前期は前年の反動から志願者増の見込み。また、理【後】は募集人員減(64人→50人)に加え、数学・情報数理以外の5コースで2次を「学科1科目→課さない」に変更(主体性評価の得点化のみ継続)したことも敬遠材料となり、志願者減が見込まれる。農【前】も募集人員減(102人→89人)に加え、2次から理科を除外したため志願者減の見込み。この他、前年の反動から人文社会科学【前】【後】は志願者減が見込まれる。

一方、理【前】はコースの第2志望制導入、農【後】も学科の第2志望制導入が要因となり、志願者増の見込み。また、工【前】【後】で共テの外国語を配点減(250点→200点)、後期は前年の反動もあり志願者増が見込まれる。

● 筑波大

前期の総合選抜は、前年の反動から文系【前】で志願者増、理系Ⅰ・Ⅲ【前】で志願者減の見込み。理系Ⅰは募集人員減(154人→145人)も要因となりそう。理系Ⅱは募集人員増(41人→49人)のため志願者増が見込まれる。
学類・専門学群選抜では、日本語・日本文化学類(以下、学類を略)で前期を新規実施(募集10人)。この他、前年の反動から、人文【前】・障害科学【前】・生物【後】・物理【後】・応用理工【後】・工学システム【後】・情報科学【前】・医【前】・芸術専門学群【前】【後】で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、人文【後】・比較文化【前】・社会【前】・国際総合【前】・心理【前】【後】・生物【前】・地球【後】・物理【前】・化学【前】【後】・工学システム【前】で志願者減が見込まれる。

● 宇都宮大

全学の志願者は「24年31%増→25年18%減」。隔年現象から、国際【前】・工【前】【後】で志願者増の見込み。また、前年の反動から、データサイエンス経営【後】・農【前】【後】で志願者増、共同教育【前】で志願者減が見込まれる。

● 群馬大

共同教育で後期を募集停止。茨城大‐教育【後】、埼玉大‐教育【後】への志望変更が想定される。医(保健)【前】は、看護学専攻の前・後期で共テを軽減(理科2→1科目)する一方、看護学専攻の前期で2次を「小論文→外国語・面接」に、検査技術科学・理学療法学・作業療法学の3専攻の前期で2次を「小論文→数学・理科・外国語」に負担増。また、医(保健)【後】で2次を「小論文→面接」に変更。いずれも敬遠材料となり、医(保健)【前】【後】とも志願者減の見込み。この他、前年の反動から、理工【後】で志願者増、共同教育【前】・情報【前】【後】・医(医)【前】は志願者減が見込まれる。

● 埼玉大

学費値上げ(53万5,800円→64万2,960円。経済[夜]は各半額)を決定で、志望動向に影響を与えるものと見られる。
教養では「共生構想専修課程」を増設、前期は募集人員増(115人→135人)でやや志願者増が見込まれる。一方、教育で380人→320人に定員減。前期は募集人員減(265人→222人)のため志願者減、後期は後期募集停止の群馬大‐共同教育からの併願増で難化する見込み。この他、前年の反動から経済[昼]【後】で志願者増、教養【後】・理【前】【後】・工【後】で志願者減の見込み。理【後】は募集人員減(108人→100人)、分子生物学科の2次変更(数学・理科→面接)、生体制御学科の2次廃止(総合問題→課さない)も敬遠材料となりそうだ。

● 千葉大

前年の反動から法政経【前】【後】・教育【前】・理【前】・工【前】【後】・園芸【前】・看護【前】で志願者減、国際教養【前】・医【前】・薬【後】で志願者増が見込まれる。

● お茶の水女子大

全学の前・後期で2段階選抜を廃止。前年の反動もあり、文教育【後】・理【前】【後】・生活科学【後】・共創工【後】で志願者増が見込まれる。

● 東京大

理科三類【前】で2段階選抜の予告倍率を「約3倍→約2.8倍」に引き締める。敬遠材料となり志願者減も、少数激戦化が見込まれる。一方、前年の2段階選抜の引き締めによる大幅減の反動から、文科三類【前】・理科一類【前】・理科二類【前】で志願者増が見込まれる。

● 東京科学大

理工学系(旧工業大)は、全6学院の前期で、2段階選抜の予告倍率を「4倍→3.5倍」に引き締める。前年の反動から物質理工【前】・生命理工【前】、環境・社会理工【前】でやや志願者増、理【前】・工【前】は志願者減の見込み。医歯学系(旧医科歯科大)では、前年の反動から医(医)【後】・医(保健衛生)【前】・歯【後】で志願者増、医(保健衛生)【後】・歯【前】で志願者減が見込まれる。

● 一橋大

前年の反動から、経済【前】・社会【前】で志願者増、経済【後】・法【前】、ソーシャル・データサイエンス【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 横浜国立大

前年の反動から、教育【前】・経済前・理工【後】・都市科学【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 新潟大

工【前】は共テ重視型の募集人員減(257人→237人)が影響、志願者減の見込み。一方、教育【前】は、募集人員減(77人→60人)の上越教育大‐学校教育【前】からの志望変更で志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、人文【後】・理【前】・医(医)【前】・農【前】・創生【前】で志願者増、法【後】・経済科学【前】【後】・理【後】・歯【前】・工【後】で志願者減が見込まれる。

● 山梨大

教育【前】は募集人員減(47人→41人)のため、やや志願者減の見込み。この他、前年の反動から、医(医)【後】で志願者増、工【前】【後】・生命環境【後】で志願者減が見込まれる。

● 信州大

教育は募集人員減(前期136人→125人、後期34人→17人)。国語教育コースで後期を新規実施する一方、野外教育・社会科教育・音楽教育・保健体育・特別支援教育の5コースで後期を募集停止。さらに、前・後期とも共テを「コースにより4~8科目→全コース8科目」に統一するため、全体として負担増となり、教育【前】【後】とも志願者減が見込まれる。
工を5→1学科に統合、工【前】は募集人員減(322人→287人)のため、志願者減が見込まれる。

一方、医(保健)【前】は、理学療法学専攻で共テを軽減(理科2→1科目)、看護学専攻で2次を軽減(数学・英語→「数学・英語から1」)、作業療法学専攻の2次で「数学→面接」に変更。志願者増に結びつきそうだ。

この他、前年の反動から、人文【後】・理【前】【後】・医(医)【前】・繊維【前】【後】で志願者増、医(保健)【後】・工【後】・農【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 前橋工科大

工で募集人員を「前期180人→156人、中期24人→48人」と、前期から中期に移行。また、募集単位を「学群一括募集→プログラム別募集」に細分化。【前】はやや志願者減、工【中】は大幅増が見込まれる。

● 東京都立大

生計維持者(保護者)が東京都内在住の学生(在学生・新入生)の授業料を全額免除(所得制限なし)する制度の導入が人気材料となり、25年は全学で志願者22%増。その反動から、人文社会【前】【後】・法【前】【後】・経済経営【前】【後】・理【前】【後】・都市環境【前】【後】・システムデザイン【前】【後】・健康福祉【後】で志願者減が見込まれる。

● 横浜市立大

理【前】は募集人員増(65人→75人)、前年の反動もあり志願者増の見込み。また、理【後】は2段階選抜の予告倍率を緩和(約10倍→約15倍)するが前年の反動が相殺、志願者はほぼ前年並みか。この他、前年の反動から、国際商【前】・データサイエンス【後】で志願者増、国際教養【前】・データサイエンス【前】・医(医・看護)【前】で志願者減が見込まれる。

● 長野大

共創情報科学部を新設。一般選抜の募集人員は「前期44人・中期10人」。一方、企業情報・環境ツーリズムの2学部を地域経営学部に統合、募集人員は合計で「前期74人→60人、中期40人→30人」に縮小。情報科学系へ志願者が移行しそうだ。この他、前年の反動から社会福祉【前】【後】の志願者減が見込まれる。

 

私立大学

 

大都市圏志向は強く、他地区からの流入が続くため、難関~準難関校の多くは、25年に続き人気アップの傾向だが、合格者絞り込みも継続が見込まれ、チャレンジ志向はやや弱まりそう。そのため、志願者増は25年より小幅に留まりそう。難関~準難関校のうち、25年で特に「志願者増・合格者減」が顕著だった学習院大・中央大・立教大はやや志願者減、一方で「志願者減・合格者増」の上智大や、志願者・合格者の増加率がほぼ同じ東京理科大・法政大・明治大は志願者増が予測される。
中堅~中堅上位校では志願者が増え続ける推薦型・総合型の影響が見逃せない。昨年は推薦型・総合型で入学者を確保し、2月の一般選抜の合格者を絞る傾向が見られた。特に「志願者増・合格者減」が顕著だった東洋大・武蔵大・明治学院大は反動減が見込まれる。
昨年度、大東文化大・東洋大などで導入が相次いだ、併願可能な「学力試験型」推薦型・総合型は、合格を確保後、難関校の一般選抜へ挑戦するステップとして定着するか注目されるが、26年度の新規実施校はいずれも中堅クラスのため、影響力は限定的と見られる。ただし、東洋大は「推薦型→総合型」に移行し、全国に16試験会場を設けるため、一般選抜への影響も含め、動向が注目される。
以下、志望動向に影響を与えそうな、各大学の主な変動要因を紹介する。

● 亜細亜大

健康スポーツ科学部を新設。経営の一般学科別3教科型でベスト2方式を新規実施。また、共テ利用前・後期で新たな受験料割引制度(1回分の受験料で2併願まで可)を導入。

● 学習院大

学習院女子大を統合し、国際文化交流学部を新設予定。同学部で一般C方式を廃止し、英語コミュニケーション学科の一般選抜で英語からライティングを除外する。

● 芝浦工業大

共テ利用前期で4教科5科目型を3教科4科目型に軽減。一方、共テ利用前・後期で情報必須の6教科8科目型を新規実施する。

● 成蹊大

国際共創学部を新設。一般G方式(2教科型グローバル教育プログラム統一入試)を廃止し、一般E方式(全学部統一入試)で英語外部検定を新規利用(得点換算)。

● 成城大

全4学部で共テ利用N方式(国公立大併願型)を導入。文芸・社会イノベーションは新規実施、経済はB方式4科目型、法は同4教科型をN方式に移行。また、経済・文芸・社会イノベーションの共テ利用B方式・N方式で英語外部検定を新規利用(得点換算)。

● 中央大

理工学部を基幹理工・社会理工・先進理工の3学部に分割。5学部共通選抜、理工共テ併用の学外試験場で新潟・広島を廃止。国際情報の共テ併用入試で数学型を新規実施する。

● 東京理科大

創域情報学部を開設予定。また、理一部に科学コミュニケーション学科を増設予定。

共テ利用A方式を「4教科型」「3教科型」「2教科+英語資格検定」「理二部」の4タイプに分割。「2教科+英語資格検定」は英語外部検定利用(出願資格)。一方、C方式(独自・共テ併用)、グローバル方式を廃止する。

● 日本女子大

個別選抜型・英語外部試験利用型で、同一学部・学科が複数日受験可能に。併願割引を拡充、3学科目以降の受験料を「個別選抜型=1万5千円→5千円、英語外部試験利用型=1万円→5千円」に減額する。共テ利用前・後期も併願割引を導入。2学科目は1万5千円→1万円、3学科目以降は1万5千円→5千円に減額し、個別選抜型・英語外部試験利用型との併願も対象になる。

● 日本大

法・スポーツ科学・生産工・松戸歯のA個別方式で英語外部検定を新規利用。国際関係のN全学統一方式で2期を導入。生産工の一般A個別方式1・2期が、同一日での複数学科併願可に。松戸歯のA個別方式1・2期で小論文を除外。また、薬の共テ利用C方式で数学2→1科目に軽減する。

● 明治大

経営で学部別入試を「独自入試→独自・共テ併用」に変更。全学部統一入試、商・理工・農の学部別入試で、数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加。また、商の共テ利用前期で5科目方式を廃止し、「学部別入試500人→525人、共テ前期6科目方式30人→50人」に募集人員増。情報コミュニケーションの共テ利用前期で、英語の配点を「リーディング160点・リスニング40点またはリーディング200点のいずれか高得点」→「リーディング・リスニング各100点」に変更する。

● 神奈川大

一般選抜で全学統一型を新規実施。全学統一型、共テ利用入試で2併願目無料制度(同一日程併願の場合)を導入。また、一般前・後期で新たに英語外部検定利用可になる。

  

國學院大‐人間開発の共テ利用V方式で、前期は5科目型、後期は4科目型を新規実施。東海大は共テ利用中期を新規実施し、全学部統一選抜前期で特待生奨学金を導入。東京都市大は共テ利用後期で情報必須の6教科型を新規実施。東京農業大の一般A・B日程で数学の出題範囲に数学C(ベクトル)を追加。法政大で共テ利用C方式が6→7科目に増加(情報を追加)。立教大で環境学部を開設予定。早稲田大‐教育の一般C方式(独自・共テ併用)で共テを7→8科目に増加(情報を追加)。北里大‐医で共テ利用後期を新規実施。

 

北陸・東海

  

富山大・愛知教育大・富山県立大・名古屋市立大が志願者減、

福井大・三重大・静岡県立大が志願者増か。

愛知大の多彩な入試改革にも注目。

 

国公立大学

 

● 富山大

25年は全学で志願者26%増。その反動から、人文【後】・教育【前】・理【前】【後】・医(医)【前】・薬【前】・工【前】・芸術文化【前】・都市デザイン【後】で志願者減が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、人文【前】・教育【後】・医(看護)【前】【後】・薬【後】・工【後】・都市デザイン【前】で志願者増の見込み。工は募集人員の増減(前期301人→290人、後期45人→53人)、教育【前】は募集人員減(62人→56人)も影響すると見られる。

● 金沢大

学類別募集では、保健【前】は募集人員減(152人→144人。総合型を新規実施)に加えて前年の反動もあり、志願者減の見込み。この他、前年の反動から、先導【前】・観光デザイン【前】・スマート創成科学【前】・国際【前】・物質化学【前】・地球社会基盤【前】・生命理工【前】・医【前】・薬【前】で志願者増、法【前】・経済【前】・学校教育【前】・地域創造【前】・数物科学【前】は志願者減が見込まれる。
文系・理系一括入試(学類別募集と別枠で実施。前期のみ)も、前年の反動から、文系・理系ともに志願者減が見込まれる。

● 福井大

25年は全学で志願者23%減。その反動から、教育【前】【後】・医(医)【前】【後】・工【前】【後】・国際地域【後】は志願者増が見込まれる。一方、医(看護)【後】で2次を軽減(小論文を除外)するが、やはり前年の反動から志願者減が見込まれる。

● 岐阜大

前年の反動から、教育【前】・医(医)【前】・社会システム経営学環【前】は志願者増、医(看護)【前】【後】・工【前】【後】・応用生物科学【後】は志願者減が見込まれる。工【前】【後】は福井大‐工【前】【後】、三重大‐工【前】への志望変更が想定される。

● 静岡大

人文社会科学[昼]は言語文化・経済の2学科で後期を募集停止し、前期は「言語文化45人→50人、経済95人→105人」に募集人員増。静岡県立大‐経営情報【後】への併願増が想定される。後期は前年の反動もあり志願者大幅減は必至。また、前期も前年の反動から志願者減、易化が見込まれる。
この他、前年の反動から、教育【前】【後】・理【前】【後】・工【前】・グローバル共創科学【後】で志願者増、情報【後】・農【前】【後】・グローバル共創科学【前】で志願者減が見込まれる。

● 浜松医科大

前年の反動から、医(医・看護)【前】は志願者減、医(医)【後】は志願者増が見込まれる。

● 愛知教育大

前年の反動から、教育【前】【後】とも志願者減の見込み。岐阜大‐教育【前】、三重大‐教育【前】【後】への志望変更が想定される。

● 名古屋大

前年の反動から、教育【前】・経済【前】・情報【前】・医(医)【後】で志願者増、文【前】・法【前】・理【前】・農【前】で志願者減が見込まれる。

● 名古屋工業大

学費値上げ(53万5,800円→64万2,960円。夜間主課程は半額)を決定、志望動向に限定的ながら影響を与えそう。創造工学教育課程の前・後期で2次から小論文を除外するものの、前年の反動もあり、工【前】【後】ともにやや志願者減が見込まれる。

● 三重大

25年は全学で志願者18%減。その反動から、人文【前】【後】・教育【前】【後】・医(医・看護)【前】【後】・工【前】・生物資源【後】で志願者増が見込まれる。

● 富山県立大

工・情報工・看護で前・後期とも、共テで情報を追加し、5→6科目に負担増。前年の反動もあり、工【前】【後】・看護【前】【後】・情報工【後】で志願者減の見込み。やはり前年の反動から、情報工【前】は志願者増が見込まれる。

● 公立小松大

前年の反動から、保健医療【前】【中】で志願者増、生産システム科学【前】・国際文化交流【前】【中】で志願者減の見込み。生産システム科学【前】は募集人員減(40人→30人)も要因となりそうだ。

● 福井県立大

地域政策学部を新設、一般選抜の募集人員は前期30人・後期5人。文理融合の情報科学系だが、25年開設の恐竜学部ほどインパクトはなく、初年度は低倍率が見込まれる。この学部増設に伴い、経済は募集人員減(前期80人→70人、後期70人→40人)のため、前・後期とも志願者減は必至だ。
この他、前年の反動から、海洋生物資源【前】【後】で志願者増、生物資源【前】【後】・看護福祉【前】【後】で志願者減が見込まれる。恐竜【前】【後】も、前年の高倍率が敬遠され、やや志願者減となりそうだ。

● 静岡県立大

看護【前】【後】は2次の面接から口頭試問を除外するが、前期は募集人員減(85人→70人)のため志願者減、後期は前年の反動もあり志願者増の見込み。この他、前年の反動から食品栄養科学【前】【後】・経営情報【前】【後】で志願者増、薬【中】・国際関係【前】で志願者減が見込まれる。薬【中】から岐阜薬科大【中】への志望変更が想定される。また、経営情報【後】は静岡大‐人文社会科学[昼]からの併願増が見込まれる。

● 愛知県立大

前年の反動から、外国語【前】・看護【後】・情報科学【後】で志願者増、外国語【後】・日本文化【前】・看護【前】で志願者減が見込まれる。

● 名古屋市立大

前年の反動から、医(医・保健医療)【前】・薬【中】・経済【後】・人文社会【前】【後】・総合生命理【後】・データサイエンス【前】で志願者減、経済【前】・芸術工【前】【後】で志願者増が見込まれる。

 

私立大学

 

愛知医科大・中京大・南山大は前年の合格者絞り込みが敬遠され、また前年に2学部を増設した愛知淑徳大はその反動から、やや志願者減か。愛知大は一般入試(独自入試)を「前期・共テプラス・数学重視型・M方式→スタンダード方式・共テ併用方式・最高得点重視方式・2科目方式に改変し後期を廃止、英語で記述式を廃止し全マークシートに変更、併願割引制度で2出願目以降の受験料を1万5千円に統一(25年はM方式以外が2万円)」、共テ利用前期で2科目・4科目方式を追加と、多彩な入試改革を行うため、志願者増の見込み。また、前年に合格者増の名城大は、地区の国公立大理系からの併願増が見込まれる。
この他、金沢工業大の一般試験Aで共テ併用の「共テプラス(科目高得点型、大学院進学)」を新規実施。愛知学院大‐歯で前期A、共テ利用Ⅰ期を対象に特待生制度を新設。金城学院大で経営・デザイン工の2学部を増設、国際情報学部を募集停止。豊田工業大の共テ利用A方式で情報を必須で追加。名城大は経営(経営)・薬で一般K方式(A方式利用の傾斜配点方式)を導入する一方、農の独自入試で数学の出題範囲に数学B Cを追加する。

 

関西

 

神戸大・奈良女子大・京都府立大が志願者減、大阪公立大は増加か。

関関同立・産近甲龍は関西学院大・甲南大が減少、他はやや増加か。

 

国公立大学

 

● 滋賀大

教育【後】は2次に「入学後の学修計画・志望動機書」を追加するが、前年の反動から志願者増、京都教育大【後】・奈良教育大【後】からの流入が見込まれる。また、やはり前年の反動から、経済【後】で志願者増、教育【前】・経済【前】・データサイエンス【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 京都大

東京大で前年の反動増が予想され、首都圏の難関大志望者に「京都大→東京大」の揺れ戻しがありそう。前年の反動から、総合人間(文系・理系)【前】・教育(文系)【前】・経済(文系・理系)【前】が志願者増、文【前】・教育(理系)【前】・法【前】・理【前】・医(人間健康科学)【前】・薬【前】で志願者減が見込まれる。理【前】は募集人員減(301人→274人)も要因となりそうだ。

● 大阪大

基礎工【前】で417人→397人に募集人員減、やや志願者減の見込み。理【前】は京都大‐理【前】からの流入で、やや志願者増が予想される。この他、前年の反動から、外国語【前】・法【前】・医(保健)【前】・工【前】で志願者増、人間科学【前】・経済【前】・歯【前】・薬【前】の志願者減が見込まれる。

● 神戸大

前年の反動から、文【前】・経済【前】・経営【前】・工【前】【後】・農【前】【後】で志願者増、文【後】・国際人間科学【前】【後】・法【前】【後】・理【前】・医(医・保健)【前】・海洋政策科学【後】で志願者減が見込まれる。また、開設2年目のシステム情報【前】【後】・医(医療創成工)【前】でも志願者減が見込まれる。

● 奈良教育大

2年連続の志願者大幅増(24年16%増→25年23%増)の反動で、教育【前】【後】とも志願者減が見込まれる。前年に大幅減の滋賀大‐教育【後】、大阪教育大‐教育【後】、和歌山大‐教育【前】【後】への志望変更が想定される。

● 奈良女子大

25年は全学で志願者17%増。その反動から、文【前】【後】・理【前】【後】・生活環境【前】【後】・工【後】は志願者減が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、工【前】は志願者増が見込まれる。

● 和歌山大

前年の反動から、教育【前】【後】・経済【後】・システム工【前】・社会インフォマティクス学環【前】で志願者増、観光【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 滋賀県立大

前年の反動から、人間看護【前】【後】で志願者増、環境科学【前】【後】・工【後】・人間文化【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 京都府立大

25年は全学の志願者が21%増。その反動から、文【前】【後】・社会科学(公共政策から名称変更)【前】【後】・農学食科学【前】・生命理工情報【前】・環境科学【前】で志願者減が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、農学食科学【後】・生命理工情報【後】で志願者増が見込まれる。

● 京都府立医科大

医(医)【前】で99人→93人に募集人員減、やや志願者減の見込み。また、医(看護)【前】も前年の反動から志願者減が見込まれる。

● 福知山公立大

地域経営で医療福祉経営学科を募集停止。地域経営学科を定員増するが、地域経営【前】は募集人員減(55人→49人)のため、やや志願者減か。情報【前】は募集人員増(55人→65人)に加え、前年の反動もあり志願者増の見込み。やはり前年の反動から、情報【後】は志願者増、地域経営【後】は志願者減が見込まれる。

● 大阪公立大

26年までに府内出身者の学費無償化が達成される予定。前年の反動から、現代システム科学域【前】【後】・経済【後】・商【前】・工【中】・農【前】・医(医)【前】・医(リハビリテーション)【前】【後】・看護【後】で志願者増、文【前】【後】・法【前】・商【後】・理【後】・工【前】で志願者減が見込まれる。
生活科学【前】で109人→99人に募集人員減(推薦型を拡大)、食栄養学科で募集単位を「2次の配点により均等型・理数重点型に分けて募集→一括募集」に変更することもあり、志願者減の見込み。理【前】は募集人員減の京都大‐理【前】からの志望変更がありそうだ。

● 兵庫県立大

工は3→1学科に統合し、募集人員を「前期120人→157人、後期140人→58人」に変更、「後期重視→前期重視」へ転換する。後期は志願者大幅減が見込まれるが、工【前】は前年の反動、2次負担減(英語を除外、理科2→1科目)もあり、大幅増が見込まれる。この他、前年の反動から、社会情報科学【前】・理【中】で志願者増、国際商経【前】【後】・社会情報科学【中】・環境人間【後】・看護【前】【後】で志願者減の見込み。看護【前】【後】から、やはり前年の反動が予想される神戸市看護大【前】【後】へ志願者が流出しそうだ。

● 奈良県立医科大

医(医)【後】で、2段階選抜の予告倍率を募集人員の「14倍→12倍」に引き締める。前年の反動もあり、医(医・看護)【前】で志願者増、医(医)【後】でやや志願者減が見込まれる。

● 和歌山県立医科大

保健看護で後期を募集停止する。前年の反動から、保健看護【前】・薬【前】で志願者増の見込み。医は、前年に志願者大幅増の滋賀医科大‐医(医)【前】からの志望変更がありそうだ。

 

この他、前年の反動から、京都工芸繊維大‐工芸科学【前】で志願者増、兵庫教育大‐学校教育【前】【後】、神戸市外国語大‐外国語1部【前】【後】、奈良県立大‐地域創造【前】【中】で志願者減が見込まれる。

 

私立大学

 

「関関同立」は、25年に「志願者増・合格者減」の関西学院大はやや志願者減、一方で合格者を絞り込まなかった同志社大・立命館大・関西大は安定した志願状況が予想される。同志社大は難関国公立大の併願先として人気堅調、立命館大では25年の共テ併用方式で導入、26年から独自入試で導入する情報必須の方式が注目を集めそうだ。
「産近甲龍」は、合格者増の京都産業大・近畿大、ほぼ前年並みだった龍谷大もやや志願者増が見込まれるが、25年に志願者37%増も合格者を絞り込んだ甲南大が、反動で志願者大幅減が見込まれる。
中堅校は近年、選抜の主軸が推薦型・総合型にシフトし、一般選抜の受験者層が厚みを失っていた。しかし、難関~中堅上位校は合格者絞り込みの可能性もあるため、受験者層が警戒感から中堅校の併願を増やすものと見られ、一般選抜の志願者はやや増加しそう。ただし、25年に「志願者大幅増・合格者大幅減」の大阪経済大・神戸学院大は反動減が見込まれる。

 

以下、志望動向に影響を与えそうな、各大学の主な変動要因を紹介する。

 

● 京都橘大

デジタルメディア学部を開設予定。工に「ロボティクス学科」、健康科学に「臨床工学科」を増設予定。また、国際英語に「グローバルスタディーズ、国際共生」、経済に「経済学、現代社会」の各2専攻を設置する予定。

● 同志社大

独自入試の数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加。政策の共テ利用入試で4→5科目方式に変更(数学1→2科目)。社会(産業関係)の共テ利用入試で個別試験(小論文)を廃止。

● 立命館大

デザイン・アート学部を開設予定。一般選抜の学部個別配点方式で、独自作問の情報が必須の「情報型」を新規実施。経営・総合心理・スポーツ健康科学・食マネジメントで情報型文系、映像・情報理工で情報型理系を実施する。一方、経営(国際経営)で共テ併用方式(情報活用型)、スポーツ健康科学の共テ方式後期型で5教科型・3教科型を廃止する。

● 龍谷大

国際以外の9学部の一般中期で高得点2科目方式(文系型・理系型)を、心理・経済の共テ利用前期で数学1教科方式を新規実施する。

● 大阪歯科大

歯の一般前・後期で小論文・面接、共テ利用前・後期で面接を廃止し、志望理由書の段階評価を導入。また、看護の一般全学部日程を3→2教科に軽減する。

● 関西大

システム理工に「グリーンエレクトロニクス工学科」を増設予定。商は全学日程2で3教科型(同一配点方式)を新規実施し、共テ併用方式で個別試験を2→1科目(英語)に軽減。外国語の共テ利用前期で3科目型を追加。

● 関西外国語大

一般前期はB方式(地歴・外国語の2科目)を新規実施し、A方式で英語からリスニングを除外。また、一般前期(A・B・共テプラス方式)・後期で英語外部検定を新規利用。さらに、共テ利用後期を3→2科目に軽減する。

● 近畿大

看護学部を開設予定。薬で共テ併用A・B日程、法・経営・総合社会・産業理工の共テ利用中期で5教科5科目型、法・経営の共テ利用後期で4教科4科目型をそれぞれ新規実施。さらに、薬の共テ利用中期で3教科5科目型、同後期で4教科5科目型を新規実施する。

● 摂南大

一般前期でB日程(1/27)を新規実施(3科目型・2科目型。1/20・21はA日程に)。また、共テ併用前期Bも新規実施。薬の一般後期を3→2科目に軽減(化学を除外)。一般前期B日程、一般後期で他学部併願制度を導入。さらに、共テ利用入試で受験料割引制度を導入(5千円で2出願まで可。3出願以上は、さらに5千円で併願数にかかわらず可)。

● 武庫川女子大

一般後期で学外試験場を、遠隔地を中心に12→6に削減。また、共テ利用後期で2→3科目(建築は3→4科目)に増加する。

 

京都産業大は法・文化の一般選抜で学科併願制度を導入(1日2学科の出願可)。佛教大で看護学部を増設予定。大阪医科薬科大‐看護は、一般2科目・3科目入試で面接を追加し、外部試験利用2科目・3科目入試を新規実施。神戸学院大は共テ利用前・後期の3科目型・4科目型で、得点率70%以上の全員を特待生制度の対象に追加。神戸薬科大は一般後期を廃止し、一般B日程(旧:中期)で共テ併用方式を新規実施する。

 

中国・四国

 

広島大‐法・生物生産の後期募集停止が影響大。

鳥取大・島根大・香川大で志願者増、

岡山大・山口大・高知大で志願者減か。

 

国公立大学

 

● 鳥取大

全学の志願者は「24年43%増→25年26%減」。隔年現象から、地域【後】・医(保健)【前】・工【前】【後】・農【後】で志願者増が見込まれる。工【前】は募集人員減(270人→245人)の影響を前年の志願者6割減の反動が上回ると見られ、難化は必至。医(保健)【後】も2次の負担軽減(小論文を除外)のため志願者増か。一方、前年の反動から、地域【前】・医(医)【前】・農【前】で志願者減が見込まれる。

● 島根大

全学の志願者は「24年39%増→25年25%減」。隔年現象から、人間科学【前】【後】・医(看護)【前】【後】・総合理工【前】【後】・材料エネルギー【前】【後】・生物資源科学【前】【後】で志願者増の見込み。一方、前年の反動から、法文【前】・教育【前】で志願者減が見込まれる。

● 岡山大

法・経済で夜間主コースを募集停止。広島大‐法[夜]【前】・経済[夜]【前】への流出が想定される。農【前】は募集人員増(82人→100人)で志願者増の見込み。一方、教育【前】は141人→127人に募集人員減、前年の反動もあり志願者減は必至。この他、前年の反動から、文【前】・経済【前】で志願者増、法【前】・医(医・保健)【前】・薬【前】・歯【前】・工【前】で志願者減が見込まれる。

● 広島大

法[昼・夜]で後期を募集停止、香川大‐法[昼]【後】、愛媛大‐法文[昼]【後】への併願が増加しそう。法[昼]【前】は110人→130人、法[夜]【前】も10人→15人に募集人員増、後者は岡山大からの流入もあり、いずれも志願者増が見込まれる。一方、生物生産も後期を募集停止、山口大‐農【後】、愛媛大‐農【後】への併願が増加しそう。工【前】は399人→384人に募集人員減、前年の反動もあり志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動から、教育【前】【後】・経済[昼]【後】・薬【前】【後】・情報科学【後】で志願者増、総合科学【後】・文【前】【後】・経済[昼]【前】・理【前】【後】・医(医・保健)【前】・歯【前】【後】・生物生産【前】・情報科学【前】で志願者減が見込まれる。

● 山口大

工(知能情報工)を母体に情報学部を新設(【前】60人・【後】30人)するが、近年、県内や地区内に開設が相次ぐ他大学の情報科学系と志願者分散、意外に低倍率か。また、工で6→2学科に統合、前期323人→249人、後期106人→85人に募集人員減。前年の反動もあり、前・後期とも志願者減が見込まれる。
全学の志願者は「24年24%減→25年19%増」。隔年現象に加え、人文・医(保健)以外の前期で、2次の数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加することもあり、国際総合科学【前】【後】・人文【前】【後】・教育【前】・理【後】・医(医)【後】・農【前】・共同獣医【前】【後】・ひと・まち未来共創学環【前】【後】で志願者減が見込まれる。一方、前年の反動から、経済【後】・医(医)【前】・医(保健)【前】【後】・農【後】では志願者増が見込まれる。

● 徳島大

前年の反動から、医(医科栄養・保健)【前】・歯【前】・理工[昼]【後】・理工[夜]【前】・生物資源産業【後】で志願者増、総合科学【前】【後】・医(医)【前】・医(保健)【後】・歯【後】・薬【後】・生物資源産業【前】で志願者減が見込まれる。

● 香川大

法[昼]【後】は、後期募集停止の広島大‐法[昼]【前】からの併願増が予想される。前年の反動から、経済[昼]【前】【後】・医(医・看護)【前】・創造工【前】【後】・農【前】【後】で志願者増、教育【後】・法[昼]【前】で志願者減、2段階選抜を廃止する医(臨床心理)【前】も志願者減が見込まれる。

● 愛媛大

工で募集人員を「前期337人→289人、後期99人→120人」に変更。前期は前年の反動もあり志願者減、後期は志願者増が見込まれるが、工【前】は2次で「理型入試」をA(数学重視型)・B(理科重視型)の2タイプに複線化するため、志願者減は小幅に留まりそう。
この他、前年の反動から、法文[昼]【後】・医(医・看護)【前】で志願者増、法文[夜]【前】【後】・教育【前】【後】・理【前】【後】で志願者減が見込まれる。医(看護)【前】は共テの軽減(8→6科目)も要因となりそう。また、農【後】は広島大‐生物生産【前】からの併願増が想定される。

● 高知大

人文社会科学(社会科学)【前】・教育【前】・農林海洋科学【前】【後】の共テで、情報の利用法を「合否境界上の判定→配点化」に変更するが、影響は限定的か。前年の反動から人文社会科学【後】・教育【前】・医(医)【前】・地域協働【前】で志願者増、人文社会科学【前】・理工【前】【後】・医(看護)【後】・農林海洋科学【前】【後】で志願者減が見込まれる。

● 島根県立大

前年の反動から、看護栄養【前】・人間文化【前】で志願者増、国際関係【前】【後】・地域政策【前】【後】で志願者減の見込み。看護栄養【前】は共テの軽減(5→4科目)も要因となり、看護学科の募集人員減(45人→34人)のため難化は必至だ。

● 尾道市立大

経済情報【前】【後】の2次で、資格・検定等への加点を「いずれか1つ取得で5点→取得資格の分野1つにつき5点(最大20点)、『高難度資格』ならさらに5点加点」に変更。志願者増の要因となりそうだ。

● 県立広島大

地域創生で学科増設(情報)。地域創生【後】・生物資源科学(生命環境)【後】で募集形態を「一括(入学後にコース選択)→コース別」に変更するが、前年の反動から地域創生【前】【後】・生物資源科学【後】・保健福祉【前】【後】で志願者減が見込まれる。情報学科は山口大‐情報と志願者が分散しそう。一方、やはり前年の反動から生物資源科学【前】が志願者増の見込み。生命環境学科の共テ負担減も要因となりそうだ。

● 高知工科大

後期の受験料を1万5千円→5千円に減額。情報学群(以下、学群を略)【後】、経済・マネジメント【後】で志願者増の見込み。また、経済・マネジメント【前】のA・C方式で共テの地歴・公民を2→1科目に軽減、志願者増が見込まれる。一方、前年の大幅増の反動から、システム工【前】【後】、理工【前】【後】、情報【前】、データ&イノベーション【前】で志願者減が見込まれる。

 

私立大学

 

川崎医科大は試験日を「1次=1/26→2/1、2次=2/3・4→2/7・8」に繰り下げ、1次は久留米大- 医(医)の前期、2次は兵庫医科大‐医の一般Aと重複。志願者大幅減が見込まれる。広島工業大・広島修道大は前年に志願者大幅減も合格者を絞り込み、岡山理科大は前年に志願者も合格者も大幅増のため、いずれも反動はなさそう。ただし、広島工業大は一般A・B日程の英語外部検定の新規利用、岡山理科大は前期C日程(2月下旬)追加が人気材料となりそう。また、松山大‐経済・経営・法・人文(社会)の一般Ⅰ期(1月実施。従来はⅡ期のみ)導入も要注意だ。

 

九州

 

佐賀大・熊本大が「学環」を新設。

九州大・長崎大・大分大・琉球大・北九州市立大が志願者増、

熊本大・宮崎大が志願者減か。

 

国公立大学

 

● 九州大

文【前】で募集人員減(119人→109人)、やや志願者減が見込まれる。一方、薬【後】は長崎大‐薬(薬科学)の後期募集停止の影響で、薬【前】からの学内併願が増えそう。この他、前年の反動から、共創【前】・文【後】・教育【前】・経済【後】・医(生命科学・保健)【前】・歯【前】・芸術工【前】・農【後】で志願者増、法【前】【後】・経済【前】・理【前】【後】で志願者減が見込まれる。文【後】は2次から志望理由書を除外することも人気材料となりそうだ。

● 九州工業大

工を6→1学科、情報工を5→1学科に統合する。工【前】は募集人員増(225人→241人)のため志願者増、情報工【前】は前年の反動から志願者減が見込まれる。

● 佐賀大

コスメティックサイエンス学環を開設。一般選抜の募集人員は【前】18人・【後】5人。特色ある教育・研究内容のため人気を集めそうだ。
医(医)で後期を募集停止。宮崎大‐医(医)【後】、琉球大‐医(医)【後】への志望変更が想定される。教育で学校教育課程を、熊本大との「共同教員養成課程」に改組するが、募集人員の減少は小幅で、前年の反動から前・後期とも志願者増が見込まれる。経済【前】【後】は募集人員減(前期135人→120人、後期65人→50人)のため志願者減の見込み。大分大‐経済【前】、長崎県立大‐地域創造【後】などへの志望変更がありそうだ。一方、農では募集人員増(前期77人→82人、後期32人→36人)、前年の反動もあり農【前】は志願者増の見込み。理工【前】【後】は「学部一括募集→分野別募集」の変更(学部一括枠も設置)が好材料となり、やや志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、医(看護)【前】で志願者増、医(医)【前】・芸術地域デザイン【前】【後】は志願者減が見込まれる。

● 長崎大

薬(薬科学)で後期を募集停止し、前期で26人→36人に募集人員増。前期の志願者大幅増と難化が見込まれる。医(医)【前】は76人→66人に募集人員減(推薦型の長崎医療枠を拡大)、2段階選抜の予告倍率を「約5倍→約5.5倍」に緩和するが、2次の「面接またはペーパー・インタビュー」の配点増(60点→150点)が敬遠材料となり、やや志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動から経済【前】・医(保健)【前】・歯【前】・薬(薬)【前】・情報データ科学【前】【後】・環境科学【前】・水産【前】【後】で志願者増、多文化社会【前】・経済【後】・工【後】は志願者減が見込まれる。水産【前】は鹿児島大‐水産【前】から流入しそうだ。

● 熊本大

共創学環を開設。一般選抜は前期のみ40人を募集。2年連続の文理融合の情報科学系増設で、前年の情報融合学環と同程度の人気を集めそう。その分、情報融合学環【前】はやや志願者減か。一方、文は4→1学科に統合、定員減(170人→160人)も、文【前】は2次負担減(小論文を除外)のため志願者増、やや難化の見込み。教育は学校教育教員養成課程を、佐賀大との「共同教員養成課程」に改組し、「養護教諭養成課程」を増設、学部全体で220人→170人に定員減。教育【前】は募集人員減(161人→130人)に加え、養護教諭養成課程の2次で「国語・英語から1→英語必須」に変更するため、前年の反動もあり志願者大幅減は必至。福岡教育大【前】などへの志望変更が想定される。理【前】も募集人員減(140人→125人)が志願者減につながりそうだが、理【後】は2次の配点変更(数学・理科を各150点→各300点に増加)が好材料となり、前年の反動もあって志願者増が見込まれる。法【前】も募集人員減(145人→130人)、法【後】は2次の配点変更(小論文を400点→200点に削減)が敬遠材料となり、前年の反動もあり、いずれも志願者減となりそうだ。この他、前年の反動から、薬【前】は志願者増、文【後】・工【前】【後】・医(医・保健)【前】で志願者減が見込まれる。

● 大分大

前年の反動から、教育【前】【後】・経済【前】・医(医)【前】・医(先進医療科学)【後】・理工【前】で志願者増、医(先進医療科学)【前】・福祉健康科学【前】【後】で志願者減の見込み。医(看護)【後】は後期募集停止の宮崎大‐医(看護)から流入しそうだ。

● 宮崎大

医(看護)で後期を募集停止。大分大-医(看護)【後】や宮崎県立看護大【後】への志望変更が想定される。工【前】は2次で「数学・理科各250点→数学・理科計400点と数学のみ400点のいずれか高得点を採用」に変更、工【後】は共テを8→7科目(地歴・公民を除外)に軽減。いずれも志願者増の要因となりそう。前年の反動から、教育【前】【後】・医(医・看護)【前】・地域資源創成【前】【後】・農【後】で志願者減、医(医)【後】・農【前】で志願者増が見込まれる。医(医)【後】は佐賀大‐医(医)の後期募集停止も影響しそうだ。

● 鹿児島大

工は前期で297人→280人に募集人員減、後期の2次で小論文→面接に変更。いずれも志願者減が見込まれる。また、前年の反動から、歯【後】で志願者増、法文【後】・教育【前】【後】・理【後】・医(医・保健)【前】【後】・歯【前】・農【前】・水産【前】で志願者減が見込まれる。医(保健)【前】は看護学専攻の実施方式変更(一括募集→「配点パターンa・bに分割(a=共テ重視、b=2次重視)」、2次に面接を追加)、水産【前】は2次で学科試験を3→2科目に軽減するものの、調査書点数化の追加が敬遠材料になりそうだ。

● 琉球大

教育【前】は、募集人員増(101人→110人)に加え、小学校教育コースの教科教育専攻で募集形態が中学校教育コースと合同での専修(教科)別募集になったこと、理科教育専修の2次負担減(数学を除外)もあり、志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、人文社会【前】・国際地域創造[夜]【後】・理【後】・医(医)【前】・医(保健)【後】・工【後】で志願者増、国際地域創造[昼・夜]【前】・医(保健)【前】・工【前】・農【前】【後】で志願者減の見込み。また、医(医)【後】は後期募集停止の佐賀大‐医(医)からの志望変更が想定され、志願者が流入しそうだ。

● 北九州市立大

全学の志願者は「24年25%増→25年16%減」。隔年現象から、外国語【前】【後】・経済【前】・文【前】【後】・法【前】【後】・地域創生【前】・国際環境工【後】で志願者増が見込まれる。

● 熊本県立大

前年の反動から、文【前】【後】・総合管理【前】【後】で志願者減が見込まれる。

 

私立大学

 

前年に「志願者大幅増・合格者減」の九州産業大・西南学院大・福岡大は、反動から志願者減が見込まれる。特に合格者絞り込みが目立った西南学院大は、商・経済・法・人間科学の一般A日程の負担減(国語から古文を除外)も、人気材料とはならず、やや易化か。また、久留米大‐医(医)の前期で、1次が川崎医科大の日程繰り下げのため重複、やや志願者減が見込まれる。この他、福岡歯科大で一般C日程(英語外部検定利用可)を新規実施する。

記事一覧に戻る