各大学の2025年(以下、25年。他年度も同様)新課程入試結果データがほぼ出そろった。
ここでは、国公立大、私立大それぞれの一般選抜の結果を最終チェック。
さらに、新増設や科目変更、新方式導入など、26年入試の最新情報も紹介する。
全体解説:チャレンジ志向と現役志向、「年内入試」人気が相互作用し、国公私立ともに「志願者増・合格者減」
国公立大:
東京都立大や横浜国立大など準難関校が難化
国公立大の25年一般選抜の実施結果を螢雪時代で調査したところ、全体の集計では24年に比べ、国立大が「志願者:前年並み、合格者1%減」で、倍率(実質倍率。受験者÷合格者)は2.4倍→2.4倍(24年→25年。以下同じ)と変動がなかったのに対し、公立大(別日程実施の大学を除く)は「志願者5%増、合格者2%減」で、倍率は2.6倍→2.8倍とアップした。
日程別に見ると(グラフ2)、公立大後期・中期のアップが目立つ。
大学入学共通テスト(以下、共テ)の平均点が3年連続でアップ(グラフ1)。特に国語、「公共,政治経済」、英語リーディングの易化が影響を及ぼし、国公立大への出願を後押しした。
ただし、共テの平均点アップで当初は積極的な出願が予想されたものの、実際には「基本は初志貫徹ながらやや慎重」な出願姿勢が見られた。これは受験生の強い現役志向を反映している。結果として、難関校よりも準難関校に人気が集まり、難化する傾向が各地で見られた。
各大学の実質倍率(全学の合計。受験者数÷合格者数。ただし、合計の倍率算出に際し、2段階選抜を実施した学部等については志願者数で代替)の変動を見てみよう。
難関校では、5科類で2段階選抜の予告倍率を厳格化した東京大(3.1倍→2.8倍)の倍率ダウンが目立つ。また、2大学が統合した東京科学大(4.2倍→4.1倍)や、京都大(3.0倍→2.9倍)・大阪大(2.3倍→2.2倍)・九州大(2.6倍→2.4倍)もややダウン。一方、「国際卓越研究大学」に正式選定された東北大(2.9倍→3.0倍)はややアップ。一橋大(4.6倍→4.8倍)もややアップした。
準難関校では、都民の授業料免除制度を導入した東京都立大(3.7倍→5.1倍)の倍率アップが目立つ。この他、埼玉大(2.4倍→2.7倍)・千葉大(3.5倍→4.0倍)・東京外国語大(1.9倍→2.3倍)・横浜国立大(3.2倍→3.6倍)・横浜市立大(2.7倍→3.0倍)・熊本大(2.1倍→2.4倍)もアップ。一方、東京農工大(3.0倍→2.5倍)はダウンした。
各地区の中堅校では、毎年繰り返されるのだが、前述のような強い現役志向に由来する安全志向から、前年の極端な反動が見られた。倍率の変動が目立った主な大学は以下の通り。
【倍率アップ】国立大=北海道教育大1.4倍→1.7倍、山形大2.0倍→2.3倍、群馬大2.1倍→2.4倍、富山大1.9倍→2.7倍、奈良教育大2.5倍→3.3倍、奈良女子大2.4倍→2.7倍、山口大1.9倍→2.5倍、愛媛大1.9倍→2.2倍、高知大2.0倍→2.3倍、宮崎大2.5倍→2.8倍、鹿児島大2.3倍→2.7倍
公立大=岩手県立大2.1倍→2.4倍、高崎経済大2.6倍→3.0倍、都留文科大2.0倍→3.0倍、富山県立大1.9倍→2.5倍、名古屋市立大3.1倍→3.6倍、京都府立大3.4倍→4.0倍、神戸市外国語大2.3倍→4.2倍、県立広島大2.4倍→3.0倍、山陽小野田市立山口東京理科大2.8倍→5.1倍、高知工科大1.7倍→3.9倍、熊本県立大2.3倍→3.0倍
【倍率ダウン】国立大=宇都宮大2.6倍→2.2倍、山梨大4.0倍→3.7倍、福井大2.8倍→2.4倍、三重大3.2倍→2.5倍、京都工芸繊維大3.5倍→2.7倍、鳥取大2.5倍→1.9倍、島根大3.1倍→2.3倍、香川大2.4倍→2.0倍、長崎大2.5倍→2.1倍、大分大2.4倍→2.0倍
公立大=秋田県立大2.3倍→1.6倍、静岡県立大3.0倍→2.5倍、北九州市立大2.8倍→2.5倍
学部系統別に見ると(グラフ3)、法、文・教育・教養、社会・社会福祉など文系の倍率アップが目立つ。教員養成は定員減の影響もあり、やや倍率アップ。他方、医、薬はコロナ禍の終息に伴う人気低下で倍率ダウン。また、工は相次ぐ定員増や新増設にかかわらず志願者が伸びず、倍率は小幅なアップに留まった。全体的に「文高理低」といえる。
私立大:
志願者7%増、合格者3%減
難関校が軒並み倍率アップ
螢雪時代の私立大一般選抜結果調査(523大学集計:志願者326.3万人)によると、24年に比べ全体で「志願者7%増、合格者3%減」、倍率は2.8倍→3.1倍(ここでは志願者÷合格者。以下、特に注記のない場合は同じ)とアッ螢雪時代プした。入試方式別に見ると、各大学の独自入試は「志願者3%増、合格者7%減」で3.1倍→3.4倍とアップ。また、共テ利用方式(独自入試との併用を含む)は「志願者14%増、合格者4%増」で2.3倍→2.6倍とやはりアップした。
全体に、志願者が増える一方で合格者を絞った要因として、次の3点が挙げられる。
①私立大一般選抜の実質倍率(受験者数÷合格者数)は21年以降、「2.8倍→2.7倍→2.6倍」(文部科学省集計)と低下。24年は2.7倍に上がったものの、「私立大は易化した」との意識は浸透し、チャレンジ志向につながった。
②共テの3年連続の易化が共テ利用方式に影響。本試験日の前に締め切る「事前出願」の大学では23・24年の、後に締め切る大学では25年の易化が、共テ利用出願への追い風となった。
③学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型・総合型)の志願者が急増し、入学手続率も良好だった。推薦型・総合型は「志願者17%増、合格者7%増(115大学:小誌集計)」と、近年では突出した人気ぶりで、やや難化した。倍率アップで不合格者も多く発生し、再挑戦組として2月の一般選抜に流入。また、大東文化大・東洋大など、併願可能な「基礎学力テスト型」の方式導入が相次ぎ、年内に合格を確保して一般選抜で本命校を目指す、京阪神で一般的な出願パターンが首都圏でも広がった。一方、推薦型・総合型で入学者を確保した中堅~中堅上位校は、定員超過を抑えるため、2月の一般選抜の合格者を絞り込んだと見られる。また、難関校も含め、やはり定員超過を抑えるため、例年より追加合格を少なめに出す傾向も見られた。
志願者数の上位10大学(表1)の入試結果を見ると、7大学で実質倍率(受験者÷合格者。ただし、*を付した大学は志願者÷合格者)がアップしたのに対し、ダウンしたのは法政大のみ。特に、中央大・東洋大の志願者大幅増と合格者絞り込みによる倍率急上昇が目立つ。
この他、主な大学のうち、実質倍率のアップダウンが比較的大きかった大学は次の通り。倍率ダウンの大学はごく少数に留まる。
【倍率アップ】青山学院大3.8倍→4.2倍、学習院大3.8倍→4.5倍*、工学院大3.3倍→3.8倍、國學院大3.6倍→4.4倍、駒澤大2.9倍→3.2倍、成蹊大3.6倍→3.9倍、専修大3.0倍→3.3倍、武蔵大3.5倍→4.8倍、明治学院大2.6倍→3.8倍、立教大3.5倍→4.0倍*、愛知大2.5倍→2.8倍、中京大2.3倍→2.9倍*、関西学院大2.7倍→3.0倍、甲南大3.5倍→4.6倍、西南学院大3.0倍→3.7倍、福岡大2.5倍→2.8倍
【倍率ダウン】芝浦工業大3.7倍→3.5倍、東京都市大4.5倍→4.0倍、摂南大2.7倍→2.1倍
地区別の集計を見ると(グラフ4)、関東・甲信越や関西の志願者が増加しており、大都市圏志向の強まりが見てとれる。関東・甲信越では、主に共テ利用方式により難関~準難関校が志願者増。また、國學院大・武蔵大・明治学院大といった大学が、準難関校に次ぐ目標校として人気を集めた。関西では、関西大の情報系学部増設と前年の反動による大幅増、甲南大の2年連続の大幅増が影響したと見られる。
学部系統別に見ると(グラフ5)、就職事情の好転などを背景に、文系学部が軒並み「志願者増・合格者減」で倍率アップ。特に、人気が復活した法、外国語、国際関係や、私立大の主軸といえる経済・経営・商の倍率アップが目立つ。さらに、情報科学系の新増設が相次いだ工や、農・獣医畜産・水産も倍率アップ。全体的に高水準の「文理均衡」となった。一方、医、薬、看護・医療・栄養の倍率はほぼ前年並みに留まり、医療系人気は落ち着いたといえる。
グラフ6で文理別・難易ランク別の志願者・合格者動向(6月20日現在:駿台予備学校の集計)を見てみよう。ここでいう難易ランク(第3回駿台・ベネッセ共通テスト模試での合格可能性60%ラインによるグループ分け)は、同じ大学内でも学部によって異なるが、おおむね、Aランクは難関校や難関医科大、Bランクは準難関校、Cランクは中堅上位校、D~Eランクは中堅クラスを指す。
志願状況を見ると、文系では全ランクで増加、理系もEランク以外は増加しているが、文系のA・Bランクの増加が顕著で、文系でよりチャレンジ志向が認められる。また、C・Dランクは文理ともにほぼ同程度の志願者増で、難関~準難関校からの併願増を物語る。
一方、合格状況を見ると、文系のB~Eランクの合格者減が顕著で、しかも志願状況との差が極端に大きく、倍率アップによる難化を物語る。理系の方が穏やかな合格状況であり、倍率面ではやや「文高理低」傾向といえる。なお、文系・理系ともEランクは極端な合格者減だが、一般選抜の規模縮小に加え、推薦型・総合型で入学者の多数が決まる大学が多く、一般選抜では合格者を出しにくい状況といえる。
また、全国の私立大を、大学単位の競争率(実質倍率)グループ別に分類し、24・25年で比較すると(グラフ7)、4倍台以上の増加と、一方で3倍台と1倍台の減少が目立った。難関~準難関校へのチャレンジ志向と中堅校への併願増に加え、強い現役志向による推薦型・総合型の入学手続率アップが、定員管理の厳格化も相まって、一般選抜の合格者絞り込みに影響し、全体的に倍率を押し上げた模様だ。
合格者成績の実例を見ると?
国公立大:
共テ・2次の配点比率で合格者の成績分布も変わる
「倍率」とともに気になるのが、合格者の最低点や平均点といった「合格者データ」だろう。
合格者最低点は合否の分かれ目になる、いわゆる「ボーダーライン」。合格者平均点は、総じて最低点より得点率(%)にして5~10p(ポイント)程度高い。合格者最低点は「最低目標」として重要なデータなのだが、確実に合格を目指すには、「合格者平均点」のレベルまで学力アップしておくことが望まれる。
25年入試の例として、岡山大の前期日程の合格者データを見てみよう(表2)。
総合点を得点率(%)に換算し、各学部・学科等を分野別にまとめて平均すると、文系・教員養成系で「最低63%・平均68%」、理工農系で「最低59%・平均64%」、医療系で「最低69%・平均73%」となる。合格するには、文系・教員養成系で60%台、理工農系で60%前後、医療系で70%台(医学科は80%前後)の得点が必要だったのだ。
また、合格者平均点を共テ・2次(個別試験)ごとに平均すると「文系・教員養成系=共テ71%・2次63%、理工農系=共テ71%・2次59%、医療系=共テ75%・2次72%」となる。マーク式の共テに比べ、記述式の2次の方が得点しにくかったことがわかる。
このうち、配点が共テ重視の文学部と、2次重視の理学部化学科を比較してみよう。
文学部の配点は「共テ775点、2次400点、総合1,175点」。合格者は、共テでは得点率71%~88%(平均78%)に分布し、最高・最低の差は17p。2次では得点率52~77%(平均65%)に分布し、最高・最低の差は25p。配点の少ない2次の方が最高・最低の差が大きく、共テの得点である程度合否が決まったといえる。
一方、理学部化学科の配点は「共テ950点、2次1,400点、総合2,350点」。合格者は、共テでは得点率59~81%(平均71%)に分布、最高・最低の差は22p。2次では得点率49~68%(平均60%)に分布し、最高・最低の差は19p。配点の少ない共テの方が最高・最低の差がやや大きく、2次の得点力が合否に強く影響したことがうかがえる。
なお、岡山大では26年から、法・経済の2学部で夜間主コースを募集停止する。
私立大:
合格ライン周辺から入試の実態を把握しよう
次に、私立大一般選抜の「合格ライン」付近の状況を見てみよう。国公立大と同様、合格への道標となる大切なデータだ。
グラフ8に、龍谷大‐経営〈経営〉(前期日程:文系型スタンダード方式)の25年入試で、合格ライン付近の人数分布を示した。同方式の科目・配点は「英語」「国語」「世界史、日本史、政治・経済、数学から1」の3科目で各100点、計300点。受験者数1,415人に対し合格者数243人で実質倍率は5.8倍。合格最低点は192点(得点率64.0%)だった。その分布状況を見ると、
①合格最低点を含め、上10点幅のゾーンに103人と、全合格者の約42%が集中している。
②不合格者の最高点(191点)を含め、下10点幅のゾーンに126人もいる。
③合格最低点で合格したのは9人、1点差での不合格者が18人いる。
合格ライン付近では、総合的にほぼ同じ学力の受験生がひしめき合い、わずか1点差で合否が決まる。では、“1点差”を争う合格ラインを、どうやって突破するのか?
グラフ8の右側に、合格最低点とその1点下の受験者から、特徴のある得点パターンをピックアップした(科目ごとの得点は、中央値補正法を行った得点調整後の点数で小数第2位まで表示)。ここからわかるのは、「得意科目」の大切さと、「苦手科目」克服の必要性だ。
3科目入試では、1科目で得点が伸びなくても、他の科目でカバーできることが多い。Aさん、Bさんのように得意科目があれば、他が普通のレベルであっても心強い。ただし、Dさんのように苦手科目の失点が大きすぎると、カバーしきれず1点差に泣くことになる。
得意科目の優位を生かすには、苦手科目を「やや苦手~普通」までにレベルアップし、最低でも5割以上の得点はほしい。私立大一般選抜で合格確実なライン(7割台)をクリアするためには、得意科目(7~8割台)を持ち、残り2科目で6~7割台をキープしよう。
26年変更点は何か?
ここからは、国公立大・私立大の26年入試について、6月中旬までに判明した主な変更点の一部を紹介する(以下、新増設大学・学部等についてはすべて予定)。なお、国公立大の新増設・改組や変更点については、「2026年 国公立大入試 変更点速報」に掲載したものを除いた。以下に紹介する変更点は、国公立大の選抜要項、私立大の入試ガイド(印刷物かホームページ)などで必ず確認してほしい。
共通テスト:
Web出願がスタート
受験生自ら手続きが必要に
26年共通テストにおける大きな変更点は、出願手続きをWeb上で行うようになることだ。これまでは郵送での出願が基本だったが、26年からは原則としてWeb出願となり、受験生本人が出願サイトでマイページを作成して手続きをする仕組みになる。従来は冊子で提供されていた「受験案内」も、大学入試センターのWebサイトからのダウンロードのみとなる。25年以前のように学校での取りまとめがなくなるので、受験生が新しい出願手続きをしっかりと把握し、より主体的に行動する必要がある。
推薦型・総合型:
“基礎学力テスト型”が首都圏の私立大に拡大
東洋大が25年に導入した、学科試験中心・併願可の推薦型「基礎学力テスト型」が多くの志願者を集めたことで、首都圏の私立大で“基礎学力テスト型”の推薦型・総合型が広がりを見せている。文部科学省が25年6月に公開した「入学者選抜実施要項」の中で、推薦型・総合型で2月1日より前に学力テストを課すことが、条件付き(小論文・面接・書類審査等を課すなど)で可能になった。関西地区の私立大では以前から基礎学力テスト型が行われていたが、首都圏でも急速に普及しそうだ。
なお、東洋大は26年から、基礎学力テスト型を推薦型から総合型に移行し、選考方法に事前課題型の小論文や調査書等の点数化を追加、学外試験場を「3→17」に増加。大東文化大も基礎学力テスト型を推薦型から総合型へ移行する。
【新規実施】さらに、次の大学で導入する予定だ。大妻女子大で総合型の「基礎能力型」を新規実施/昭和女子大の公募制推薦で基礎学力テスト型を新規実施/拓殖大の総合型Ⅰ期で基礎力評価方式を新規実施/玉川大で公募制推薦(適性検査方式)を新規実施/立正大の公募制推薦で基礎学力テスト型を新規実施。2教科(英語外部検定利用可)と書類審査で選考/神奈川大は総合型でAO入試を廃止し、総合評価型と適性検査型を導入。このうち、適性検査型は「適性検査(学科2科目。英語外部検定利用可)、評定平均値」で選考する。
国公立大:
山口大で情報学部を新設
工学部は6→2学科に改組
●新増設・改組等
山口大では、工(知能情報工)を改組して情報学部(定員120人)を開設予定。また、工の残り6学科を「創生工、建築」の2学科に改組する予定。この他、愛媛大‐工で「海事産業特別コース」を開設する予定だ。
●募集人員の変更等
定員増により、岡山大‐農で募集人員を「前期82人→100人、推薦型B19人→23人」に増加、横浜市立大‐理も「前期65人→75人、後期10人→7人、推薦型45人→53人、総合型:若干人→5人」に変更。一方、定員減のため、佐賀大‐経済は「前期135人→120人、後期65人→50人」、熊本大‐教育は「前期161人→130人、推薦型59人→40人」に削減。
この他、和歌山県立医科大‐保健看護で後期を募集停止。前橋工科大‐工は「前期180人→156人、中期24人→48人」と、中期へ募集人員を移行する。
●推薦型・総合型
【女子枠】山形大‐工[フレックス]の共テ免除総合型、公立小松大‐生産システム科学の共テ免除推薦型(地域推薦)で、女子枠を新設する。
【その他】東北大‐薬で共テ免除総合型のAOⅡ期を新規実施/富山大‐医の共テ課す推薦型で「地域枠(隣接県出身者対象)」を新設/金沢大‐保健学類(看護学、診療放射線技術学、検査技術科学)で共テ課す総合型の「KUGS特別入試(防災・復興人材選抜Ⅱ)」を新規実施/香川大‐創造工の共テ免除総合型で専門高校枠を新設/神奈川県立保健福祉大で共テ免除総合型を新規実施/新設予定の福井県立大‐地域政策で、共テ免除推薦型・総合型を実施予定/奈良県立大‐地域創造で、共テ課す総合型をA(文系向け)とB(理系向け:新規)に複線化する。
●一般選抜の科目等の変更
名古屋工業大‐工(創造工学教育課程)の前・後期で2次から小論文を除外/香川大‐医(臨床心理)の前期で2段階選抜を廃止/熊本大‐法の後期で小論文を400点→200点に配点減。
私立大:
中央大‐理工が3学部に分割。3女子大が共学化
●新増設・改組等
公私立大の増設予定、学部・学科の増設予定が文部科学省から発表された(表3)。私立7大学の設置(うち1大学は通信制)、公立1大学、私立22大学で学部・学科の増設を認可申請中。このうち、東北公益文科大は「私立大→公立大学法人」へ移行する予定、学習院大‐国際文化交流は学習院女子大を統合して開設される予定だ。
その他に設置届出として、中央大‐理工が基幹理工・社会理工・先進理工の3学部に分割・改組されるのをはじめ、成蹊大‐国際共創、東京理科大‐創域情報、立教大‐環境、立命館大‐デザイン・アートなどの学部・学科等が増設・改組予定。情報科学系の増設予定が目立つ。
●女子大の募集停止・共学化
一方で、ここ数年と同様、女子大の募集停止や男女共学への移行が目立つ。
【募集停止】名古屋柳城女子大・京都ノートルダム女子大の2大学が募集停止する予定。
【共学化】26年から女子栄養大(日本栄養大に改称予定)、岡崎女子大(岡崎大に改称予定)、京都光華女子大(京都光華大に改称予定)が全学で男女共学に移行。さらに、東京家政学院大‐現代生活・人間栄養、太成学院大‐看護が共学化し、2大学とも全学が男女共学となる予定だ。
●推薦型・総合型(基礎学力テスト型以外)
【首都圏】青山学院大は理工の7学科中4学科で総合型「理工系女子特別入学者選抜」を新規実施/亜細亜大は総合型の「総合型選抜入試」を、学科課題型(併願可)・自己推薦型(専願)・女性人材育成型(併願可、新設予定の健康スポーツ科学で実施)の3タイプに分割/専修大‐経営で総合型を新規実施/日本大は国際関係の総合型1期に「高大接続方式」を導入し、4期を新規実施。また、危機管理の総合型で「キャリア型」、薬で総合型を新規実施(いずれも他大学と併願可)/法政大‐理工(電気電子工、応用情報工、経営システム工、創生科学)で総合型の公募推薦を新規実施する。
【京阪神】京都産業大は理・情報理工の公募推薦で「情報プラス型」を新規実施(従来型の英語・数学に、情報を加え合否判定)、法・文化の公募推薦で学科併願制度を導入(1日2学科の出願可)/同志社大‐文化情報で自己推薦(横断的思考力評価型)を導入し、AO入試を廃止/大阪工業大はAO入試(課外活動評価型)を新規実施、情報科学の公募制推薦で情報必須の「情報型」を追加/大阪歯科大‐歯の推薦型で指定校制を休止、公募専願制を新規実施/近畿大‐経営で総合型を新規実施/摂南大‐理工・農の総合型で「女子特別入試」を新規実施。
【その他の地区】北海学園大では経済1・2部、人文1・2部、工で総合型を新規実施。一方、人文1・2部で推薦型(公募制)を廃止/自治医科大‐医で推薦型・総合型を導入(特定県対象)。
●一般選抜(独自入試)の変更
文中、「共テ併用」とは大学の独自入試と共テ利用入試の成績を組み合わせて合否判定する「独自・共テ併用型」を示す。
【首都圏】共立女子大の一般全学統一方式でスカラシップ奨学金制度を新設(成績上位50人を対象に最大4年間、年間授業料を免除)/日本女子大の個別選抜型・英語外部試験利用型で、同一学部・学科が複数日受験可能に/神奈川大の一般選抜で全学統一型を新規実施。全学統一型、共テ利用入試で2併願目無料制度(同一日程併願の場合)を導入する。
【京阪神】立命館大の一般選抜の学部個別配点方式で、独自作問の情報が必須の「情報型」を新規実施。経営・総合心理・スポーツ健康科学・食マネジメントで情報型文系、映像・情報理工で情報型理系を実施/龍谷大は国際以外の一般中期で高得点2科目方式を新規実施する。
【その他の地区】北海学園大で全学部統一型入試を新規実施、同一日で複数併願可に。
●一般選抜(共テ利用)の変更
【首都圏】千葉工業大で共テ利用の5教科基準点型入試を新規実施/亜細亜大の共テ利用前・後期で新たな受験料割引制度(1回分の受験料で2併願まで可)を導入/芝浦工業大の共テ利用前期で4教科5科目型を3教科4科目型に軽減。また、共テ利用前・後期で6教科8科目型を新設/中央大‐国際情報の共テ併用方式で数学型を新規実施/東京理科大は共テ利用A方式を「4教科型」「3教科型」「2教科+英語資格検定」「理二部」の4タイプに分割。「理二部」以外は昼間学部が対象で、「2教科+英語資格検定」は出願資格に英語外部検定を利用する。
【京阪神】関西大では、商の共テ併用で個別試験を2→1科目(英語)に軽減、外国語の共テ利用前期で3科目型を追加/近畿大では、薬で共テ併用A・B日程を新規実施。また、法・経営・総合社会・産業理工の共テ利用中期で5教科5科目型を、法・経営の共テ利用後期で4教科4科目型を、薬の共テ利用中期で3教科5科目型、同後期で4教科5科目型を新規実施する。