入試動向分析

2022年の国公立大入試はこう変わる!【2021年10月】

2021(令和3)年度

国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』が全て出そろった。「コロナ禍」の下でも、2021年に予定していた実施方法に戻す傾向が見られる。その中から、志願動向に影響しそうな変更点を紹介する。

この記事は『螢雪時代・2021年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)

 

《全体解説》
大阪市立大・府立大が統合、「メガ公立大」が影響大!?
募集人員が一般選抜から推薦型・総合型選抜へ移行


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宮城教育大・富山大・熊本大の教育学部で改組、定員減!

 国公立大の2022年(以下、22年。他年度も)入試「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点などが正式に発表された。
 入試改革初年度の21年入試では、一般選抜も学校推薦型・総合型選抜も変更点が多く、しかも新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)の影響で、選抜要項発表後もたびたび変更され、中には取りやめる方式もあった。22年入試では、募集人員、日程や科目・方式などの変更は前年より少ない。その中から一般選抜の変更点を以下で紹介する。共通テスト(以下、共テ)の出願へ向けて、『螢雪時代』10月号付録『2022年全国/国公立大学入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校決定の参考にしてほしい。

 

(1)「コロナ禍」対応の変更

 21年入試ではコロナ禍に対応するため、個別試験(以下、2次)の実施を取りやめたり、面接をオンライン化したり、集団討論や集団面接を個人面接に切り替えたり、調査書等の点数化を見送ったりする大学が見られた。22年入試は、感染対策しながらの実施方法が定まったこともあり、横浜国立大で2次を復活するなど、本来予定していた入試方式や選抜方法に近い形で、選抜要項を発表した大学が多い。
 一方、調査書・志望理由書の点数化を取りやめたり、集団討論や集団面接を個人面接で代替したりする傾向は、21年と変わらない。
 今後の感染状況次第では、22年入試でも前年と同様、コロナ禍対応の「再変更」の可能性があるので、大学ホームページで最新の発表をこまめにチェックしよう。

 

(2)新増設・改組

【国立大】富山大‒人間発達科学を「教育学部」に改組し、金沢大‒学校教育学類との共同教員養成課程を設置し、定員減。学内の5学部に移行する。金沢大で観光デザイン学類、奈良女子大で工学部を新設。宮城教育大、熊本大‒教育で、複数の教員養成課程を1つに統合し、定員減。名古屋工業大で工2部(夜間学部)を廃止、夜間主コースの基幹工学教育課程を設置する。
【公立大】大阪市立大の8学部と大阪府立大の4学域を統合し、11学部1学域の「大阪公立大」を開設。22年最大の変動要因として注目される。川崎市立看護大も開設予定。前橋工科大‒工では、従来の6学科を2学群(6プログラムで構成)に統合・改組し、夜間主開講を廃止する。

 

(3)日程変更・募集人員

【日程変更】北海道大‒ 医(保健)、富山大‒医(医)、長崎大‒ 医(保健)・薬、島根県立大‒人間文化、名桜大‒人間健康(看護)の後期募集停止、前橋工科大‒工の「後期→中期」への移行、大阪公立大‒工の「後期→中期」への全面移行(21年の大阪市立大‒ 工は前・後期、大阪府立大‒工学域は中期)、一方で大分大‒医(看護)の後期新規実施が注目される。21年開設校のうち、三条市立大は共テを課す前・中期を新規実施するが、叡啓大・芸術文化観光専門職大は共テを課す別日程で実施する。
【募集人員】北海道大‒ 医(保健)、埼玉大‒経済、富山大‒ 薬、岡山大‒ 工、山口大‒教育、九州大‒歯など、募集人員を一般選抜から学校推薦型・総合型選抜へ移行するケースが目立つ。大阪公立大‒現代システム科学域では、学類別募集の他に、前期の一部と後期全てで、入学後に学類を決める「学域募集」を導入。近年のトレンドである大括り募集として注目される。
【医学部定員】21年と同様、医学部医学科で定員減の予告が相次いでいる。医師不足解消のための「臨時定員増」が期限を迎えたためで、最終的には再申請すると見られるが、人数を減らして申請する可能性もあるので要注意だ。

 

(4)2段階選抜

 名古屋大‒医(医)の前・後期で2段階選抜を復活。横浜国立大‒経営の前期、大阪公立大‒獣医の前期、同‒現代システム科学域・農の前・後期、大分大‒医(看護)の後期などで新規実施。また、京都大‒医(医)の前期で予告倍率に得点基準を追加し、東北大‒文・工の前期、同‒経済(文系)の前・後期、大阪大‒基礎工の前期、大阪公立大‒法の後期で予告倍率を引き締める。一方、筑波大‒芸術専門学群の後期、宮崎大‒医(医)の後期では予告倍率を緩和する。

 

(5)一般選抜の科目等の増減

【選抜方法】長崎大‒工の前期では、共テ・2次の配点により、a方式(共テ重視)・b方式(2次重視)に複線化する。
【共テ】富山大‒教育の後期で科目数を軽減。一方、長崎県立大‒経営・地域創造・国際社会の前・後期では科目数を増やした。また、金沢大‒理工学域の前期では、全7学類の共テの英語で、英語外部検定が利用可能になる。
【2次】宮城教育大の前期で小論文、信州大‒教育の前期で面接、名古屋大‒農の前期で国語を追加。富山大‒教育は小論文を、前期で学科試験、後期で面接に変更する。


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22年国公立大一般選抜の志望動向はこうなる!?

 変更点が比較的少ない場合、変動要因としては共テの難易と、前年の志願者増減や倍率アップダウンの反動が強く作用する。
 21年は当初の予想を覆し、共テの平均点はアップしたが、制度変更の翌年は共通一次試験やセンター試験の時も出題が難化したので、22年の共テも平均点ダウン(特に数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B、生物)、つまり難化が予想され、国公立大出願の不安材料となるものと見られる。
 コロナ禍による「大都市圏回避、超地元志向」と経済不安から21年に人気を集めた公立大後期が、その反動でやや志願者減か。一方、同様の理由から「志願者減・合格者増」で易化した難関~準難関私立大へ、狙い目と見て国公立大志望者の一部が流出する可能性がある。
 このため、22年国公立大一般選抜はやや志願者減が見込まれる。注意すべきは「前年の反動」。中国・四国、九州など、地区内で極端な志願者増減が生じがちなので、前年の入試結果を気にしすぎないようにしたい。なお、個別の大学では、横浜国立大・富山大・長崎大・大阪公立大あたりが周囲の志望動向に影響を与えそうだ。

 

主な変更点は何か?


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【変更点一覧の見方】

 文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。新増設・改組・定員増減は予定で、名称は仮称。新増設大学・学部の科目等は『螢雪時代』10月号付録を参照。前期日程=[前]、後期日程=[後]、公立大中期日程=[中]、昼間主コース=[昼]、夜間主コース=[夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、と略記。
 変更点は「21年→22年」で表記し、あくまでも7月末時点で判明した21年との変更点を扱った。そのため、“コロナ禍”対応に伴う、予定していた変更の中止や、22年度限定の変更は、原則として除外した。また、掲載した変更点についても、今後の再変更があり得る。さらに、医学科の定員減や募集人員減は、今後の定員増の再申請によって変更の可能性がある。
 誌面の都合上、募集人員の学科・専攻単位の変更や小規模な増減、推薦型・総合型に関する変更は、原則として割愛。一般選抜の科目等の変更については、共テ・2次とも、原則として科目数の変更に限って掲載した。共テの科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。

 

《北海道・東北》
東北大の3学部で2段階選抜の予告倍率引き締め

 

●北見工業大

 工[後]で学外試験場を札幌に増設。

●北海道大

 ①医(保健)で後期を募集停止、前期142人→136人に募集人員減(総合型11人→35人)。/②総合入試理系[前]で1,017人→984人、医(医)[前]で97人→92人に募集人員減。/③理[後]で66人→50人、工[後]で151人→139人に募集人員減(総合型を拡大)。/④文[後]で2次を総合問題→小論文に変更。

●北海道教育大

 ①岩見沢校の募集人員を、[前]80 人→ 94人に増加、[後]52人→38人に削減。/②旭川校[前](芸術・保健体育教育専攻を除く)が札幌会場、函館校[前]が仙台会場で受験可能に。

●弘前大

 ①医(医)[前]で65人→43人に募集人員減の予定。/②農学生命科学で、[前]109人→114人に募集人員増、[後]41人→34人に削減。/③人文社会科学[前][後]・医(保健)[前]・理工[前][後]・農学生命科学[前][後]の2次で、志望理由書の点数化を中止。/④人文社会科学・理工・農学生命科学・医(保健・心理支援科学)の前期で、学外試験場を仙台に増設、八戸を廃止。

●東北大

 ①文[前]・経済(文系)[前]で、2段階選抜の予告倍率を「募集人員の約4倍→約3.5倍(以下、募集人員を略)」に引き締める。/②工[前]で2段階選抜の予告倍率を「約3.5倍→約3倍」に引き締める。/③経済(文系)[後]で2段階選抜の予告倍率を「約15倍→約14 倍」に引き締める。

●宮城教育大

 ①教育学部で初等教育・中等教育・特別支援教育の各教員養成課程を統合し、「学校教育教員養成課程」に改組。初等教育、中等教育、芸術体育・生活系教育、特別支援教育の4専攻を設置する。/②教育(学校教育=中等教育)で後期を募集停止。学部全体では、[前]225人→203人、[後]56人→41人に募集人員減。/③教育[前]の2次に「教育小論文」を追加。

●秋田大

 教育文化[後]の募集人員を36人→ 31人に削減。

●山形大

 ①地域教育文化(児童教育)[前][後]の2次で「小論文→総合問題」に変更。/②理[前]の2次で、選択に総合問題を追加。

●岩手県立大

 看護の募集人員を、[前]48人→53人に増加、[後]15人→ 10 人に削減。

●宮城大

 食資源開発学類を「生物生産学類」に改組する予定。

●秋田公立美術大

 ①美術[中]で共テが数学選択の場合、「1→2科目選択」に変更。/②美術[中]で学外試験場(東京)を新設。

●福島県立医科大

 ①医[前]で80人→75人に募集人員減(総合型を導入)。/②看護[前]で40人→44人に募集人員増。

 

《関東・甲信越》
宇都宮大・横浜国立大で2次の実施を復活

 

●筑波大

 ①21年に続き、2次の調査書点数化を中止。/②芸術専門学群[後]で、2段階選抜の予告倍率を約6倍→約10倍に緩和。

●宇都宮大

 ①全学の前・後期とも2次の実施を復活。/②共同教育[前]で共テの科目数を変更。教育人間科学系、人文社会系は8科目→6(7)科目に軽減。自然科学系は7(8)科目→7科目に、芸術表現・生活・健康系は6科目→5(6)科目に変更する。

●群馬大

 共同教育[前]で共テの科目数を変更。自然科学系(数学・技術)では6→7科目に増加。自然科学系(理科)は7(8)科目→7科目に変更。芸術表現・生活・健康系(家政・保健体育)は6(7)科目→5(6)科目に軽減する。

●千葉大

 医[後]で地域枠を募集停止、前期も「一般枠82人→80人、地域枠15人→5人」に募集人員減。

●埼玉大

 ①経済[昼][前]で230人→215人に募集人員減(総合型を復活)。/②教育(小学校=体育、中学校=国語・保健体育)[前]で、2次に面接(口頭試問を含む)を追加。

●東京外国語大

 言語文化[前]・国際社会[前]の2次で、英語スピーキングテスト(BCT-S)を新規実施(21年に導入予定だったが中止)。

●東京農工大

 工[前]で279人→272人に募集人員減(総合型を拡大)。

●一橋大

 商[前]・経済[前]・法[前]・社会[前]で、2次の地歴等の選択から「倫理、政治・経済」、ビジネス基礎を除外。

●横浜国立大

 ①全学の前・後期とも2次の実施を復活。/②経済[前][後]・経営[後]で2段階選抜を復活(予告倍率は、経済[前]が約7倍、経済[後]が約15倍、経営[後]が約8倍)。また、経営[前]で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約6倍)。

●上越教育大

 学校教育[前]の2次で、実技・面接を復活。

●山梨大

 生命環境学部生命工学科に「バイオ・メディカルデータサイエンス特別コース」を新設予定。

●信州大

 ①人文[前][後]・経法[前]で、2次の実施を復活。/②人文[前]で学外試験場(東京)を廃止。/③教育[前]で2次に面接(口頭試問を含む)を追加。また、[前]142人→136人に募集人員減。/④理(理=生物学)[前]で2次を面接→生物に変更。

●前橋工科大

 ①工学部を「6学科→2学群(建築・都市・環境工学群、情報・生命工学群)6プログラム」に改組。夜間主開講を廃止し、昼間開講に統一。/②工で後期を募集停止し、中期を新規実施する。募集人員は、前期が「昼128人・夜20人→180人」に増加、「後期→中期」が「昼48人・夜12人→ 24 人」に減少。

●神奈川県立保健福祉大

 ①保健福祉[後]の2次で小論文を中止(22年限定)。/②保健福祉(社会福祉)[後]の2次で、集団面接→個人面接に変更。

●川崎市立看護大

 ①看護学部の1学部1学科で開学予定(神奈川県川崎市)。/②看護の一般選抜は、共テを課す前期・後期で実施予定。募集人員は前期70人・後期5人。

●三条市立大

 ①理工の一般選抜を、共テを課す前期・中期で新規実施。募集人員は前期56人(A20人・B36人)、中期16人。共テは4教科6科目(数学・理科各2科目)、2次は数学・物理を課す。/②理工[前][中]の学外試験場のうち、仙台・さいたまを廃止(大阪は継続)。

●長野県立大

 グローバルマネジメントの募集人員を、[前]80人→85人に増加、[中]40人→25人に削減(推薦型を拡大)。

 

《北陸・東海》
富山大・金沢大で共同教員養成課程を設置

 

●富山大

 ①人間発達科学部を教育学部に改組し、金沢大との「共同教員養成課程」を設置予定。人間環境システム学科を廃止、定員を170人→85人に削減(共同教員養成課程は80人→85人に増加)。また、一般選抜の募集人員を[前]102人→62人、[後]45人→10人に削減。/②理で学科名称を「生物圏環境科学→自然環境科学」に変更。/③薬で各学科の定員を変更。薬(6年制)を55人→70人に増加、創薬科学(4年制)を50人→35人に削減。/④教育の改組・定員減に伴い、各学部の募集人員が次のように変更される。経済[昼][前]199人→229人、人文[前]110人→125人・[後]35人→38人、都市デザイン[前]81人→95人・[後]33人→38人に増加。理で[前]121人→124人に増加、[後]46人→45人に削減。工で[前]264人→286に増加、[後]57人→50人に削減。/⑤医(医)で後期を募集停止し、[前]60人→70人に募集人員増、総合型を新規実施。/⑥薬で[前]75人→69人・[後]10人→8人に募集人員減(総合型を新規実施)。/⑦教育[前]の2次で、小論文→「国語・数学・英語から1」に変更。また、同[後]で共テを6(7)科目→4科目に軽減し、2次を小論文→面接に変更。

●金沢大

 ①融合学域に「観光デザイン学類」を増設予定(定員55人)。一般選抜の募集人員は前期のみ40人。文系傾斜25人・理系傾斜15人の2方式で募集。/②学校教育学類を改組し、富山大-教育(人間発達科学を改組予定)との「共同教員養成課程」を設置する予定。/③観光デザイン学類の増設に伴い、3学類で募集人員減(法[前]135人→125人、人文[前]123人→120人、国際[前]53人→51人)。/④理工学域[前]では全7学類の共テの英語で英語外部検定が利用可能に。

●福井大

 教育[後]で20人→13人に募集人員減(推薦型で「嶺南地域枠」を新設)。

●岐阜大

 医(医)の募集人員を、[前]37 人→45人に増加、[後]25 人→10 人に削減。

●静岡大

 工[前][後]で、共テの理科の選択から生物・地学を除外。

●浜松医科大

 医(医)[前]の募集人員を「一般枠64人→68人、地域枠11人→7人」に変更、同[後]に地域枠(1人)を新設する。

●名古屋大

 ①農[前]の2次に国語を追加。/②医(医)[前][後]で2段階選抜を復活(基準=共テ900点満点中700点以上)。

●名古屋工業大

 ①工二部(夜間学部:4学科)を募集停止し、夜間主コースの「基幹工学教育課程」を設置予定(電気・機械工学、環境都市工学の2コース編成)。/②工[夜]で一般選抜(前期)を募集停止(推薦型・総合型を新規実施)。

●三重大

 教育[前][後]の2次で、教員志望確認書を新たに総合評価する。

●富山県立大

 工の定員増(340人→375人)に伴い、一般選抜の募集人員を工[前]221人→245人・[後]34人→36人に増加する。

●公立小松大

 国際文化交流で募集人員を[前]30人→35人に増加、[中]30人→25人に削減。

●福井県立大

 海洋生物資源学部に「先端増養殖科学科」を増設予定(定員30人)。一般選抜の募集人員は[前]10人・[後]6人。

●愛知県立芸術大

 美術(デザイン・工芸)に「メディア映像専攻」を増設予定。

●名古屋市立大

 医[前]で2段階選抜の基準を緩和(共テ550点満点中、概ね75%以上→73%以上)。

 

《関西》
奈良女子大で工学部を新設
生活環境・理は定員減

 

●京都大

 医(医)[前]で、2段階選抜の予告倍率(約3倍)に得点基準(共テ900点中630点以上)を追加。

●京都教育大

 ①教育(学校教育=書道)[前]で2次に面接を追加。/②教育(学校教育=美術)[後]で共テを5(6)科目→4(5)科目に軽減。

●京都工芸繊維大

 工芸科学の地域創生Tech Program【一般】が、一般選抜(前期のみ)を新規実施。

●大阪大

 ①医(医)[前]で95人→90人に募集人員減。/②基礎工[前]で、2段階選抜の予告倍率を「約3.0倍→約2.9倍」に引き締める。

●大阪教育大

 ①教育で[前]523人→527人に募集人員増、[後]182人→171人に削減。/②教育(学校教育=特別支援教育)[後]で、2次に面接を追加。

●奈良女子大

 ①工学部を開設予定。募集人員は[前]30人・[後]10人。/②工学部の開設に伴い、生活環境を改組し、定員減(175人→145人)。募集人員は[前]105人→92人、[後]37人→27人に削減。また、理を定員減(150人→135人)。募集人員は[前]98人→91人、[後]33人→29人に削減(以上、募集人員には総合型と高大接続特別入試を含む)。

●滋賀県立大

 環境科学(生物資源管理)[後]で共テを5→4科目に軽減。また、同[前][後]の2次から数学を除外、理科1→2科目に増加。

●京都市立芸術大

 音楽(音楽学)[後]で2次から実技を除外。

●京都府立大

 文(和食文化)[後]で、共テを5教科→5(6)科目に変更(理科基礎科目を選択可に)。

●大阪公立大

 ①大阪市立大(8学部)と大阪府立大(4学域)を統合し、「大阪公立大学」を開学予定。文・法・経済・商・理・工・農・獣医・医・看護・生活科学の11学部と現代システム科学域を設置する。農・獣医・看護の3学部は新設。/②農・獣医・看護・医(リハビリテーション)の募集人員は新旧で次のように対応。「応用生命科学類[前]60人・[後]20人、緑地環境科学類[前]30人・[後]10人」→農[前]90人・[後]30人、獣医学類[前]35人・[後]5人→獣医[前]35人、「医(看護)[前]40人、看護学類[前]50人・[後]15人」→看護[前]85人・[後]20人、「総合リハビリテーション学類[前]53人・[後]6人」→「医(リハビリテーション)[前]30人・[後]4人」。/③上記の統合に伴い、既設の学部・学域単位の募集人員も次のように増減。現代システム科学域=[前]203人→170人・[後]30人→35人(心理学類を新設)、法=[前]145人→155人・[後]20人→25人、経済=[前]170人→185人・[後]45人→50人、商=[後]25人→18人、理=[前]111人→204人・[後]32人→58人、工=[前]225人→269人・[後]49人→0人(募集停止)・[中]451人→442人、生活科学[前]95人→109人。/④医(医)[前]で80人→75人に募集人員減。/⑤現代システム科学域[前]・農[前]・獣医[前]・医(リハビリテーション)[前]で2段階選抜を新規実施(予告倍率=6倍)。/⑥医(医)[前]で、2段階選抜の基準を「募集人員の約3倍→共テ900点満点中650点以上」に変更。/⑦現代システム科学域[後]・農(緑地環境科学除く)[後]・医(リハビリテーション)[後]で2段階選抜を新規実施(予告倍率=17倍)。/⑧法[後]で、2段階選抜の予告倍率を「約14倍→約11倍」に引き締める。/⑨現代システム科学域で、学類別募集の他に学域募集(入学後、2年進級時までに学類を決定)を新規実施。前期は2次の選抜方法により、英・数型、英・国型、英・小論型、理・数型の4受験区分に分かれ、募集人員は各5人。後期は学類別募集がなく、全て学域募集(35人)。

●芸術文化観光専門職大

 芸術文化・観光の一般選抜は、共テを課すA・B日程(別日程)で新規実施。募集人員はA日程35人・B日程5人。


大阪市立大学と大阪府立大学の統合・名称変更

 

《中国・四国》
山陽小野田市立山口東京理科大で一般募集枠縮小

 

●鳥取大

 農(生命環境工)[後]で25人→20人に募集人員減、2次の面接の配点アップ(100点→300点)。

●岡山大

 ①工で[前]429人→400人、[後]40人→35人に募集人員減(推薦型を拡大)。/②教育(養護教諭)[前]で、2次にペーパーインタビュー(面接に代わる筆記試験)を追加。/③医(保健)[前]で、2次に面接を追加。

●広島大

 ①歯(口腔健康科学=口腔工学)[前][後]で、共テを6→7科目(数学・理科から3科目→数学・理科各2科目)に負担増。/②情報科学[後]で、共テの数学・外国語の配点を「数学600点→800点、外国語600点→400点」に変更。/③教育(人間形成基礎系=教育学系・心理学系)[前]で、2次を国語・外国語必須→「国語・数学・外国語から2」に変更。/④情報科学[前]で、2次のA型の配点を「数学600点→800点、外国語600点→400点」に変更。/⑤医(保健=看護学)[前]で合否判定の方法を「文科系・理科系受験者を募集人員の半数ずつ合格」→「各20人合格、残りを各成績上位から合格」に変更。/⑥医(保健=作業療法学)[前]で「文科系・理科系受験者を募集人員の半数ずつ合格」の基準を廃止。

●山口大

 教育[前]で141人→126人に募集人員減(推薦型を拡大)。

●徳島大

 生物資源産業[前]の2次で「総合問題→化学」に変更。

●香川大

 ①創造工[後]を49人→55人に募集人員増(総合型を縮小)。/②医(臨床心理)[前]で、2段階選抜の予告倍率を約6倍→約5倍に引き締める。

●高知大

 ①農林海洋科学(海洋資源科学=海底資源環境学)[前]で、2次を「理科・調査書→面接」に変更。/②理工(生物科学)[後]で、2次を「小論文・活動報告書→面接」に変更。

●島根県立大

 ①人間文化(地域文化)で後期を募集停止、[前]30人→42人に募集人員増。/②看護栄養(看護)[前]で「島根県地域枠」を新設、一般枠は40人→20人に削減。/③看護栄養(健康栄養)[前]で17人→14人に募集人員減。/④人間文化(保育教育)[前]で20人→25人に募集人員増。

●叡啓大

 ソーシャルシステムデザインの一般選抜で、共テを新規利用(5科目)し、2次で学科試験(CBT)を廃止。別日程実施は変更なし。

●山陽小野田市立山口東京理科大

 ①工[前][中]・薬[中]で2次の実施を復活。/②工[前][中]・薬[中]で学外試験場も復活(神戸・広島・愛媛・北九州・福岡・大分。工[中]・薬[中]は松江も)。/③工で募集人員を「[前]A 48人→40人・B 48人→40人、[中]26人→20人」に、薬[中]も90人→70人に削減(いずれも推薦型を拡大)。

 

《九州》
熊本大– 教育で教員養成課程を統合し、定員減

 

●九州大

 ①歯[前]で45人→37人に募集人員減(推薦型を導入)。/②芸術工(未来構想デザイン)[前]の2次で理科2科目のうち物理が「必須→選択」に。

●長崎大

 ①医(保健)で後期を募集停止し、[前]68人→83人に募集人員増。/②歯で後期を募集停止。/③医(医)[前]で76人→71人に募集人員減の予定。/④工で[前]224人→210人に募集人員減、[後]50人→53人に増加。/⑤環境科学[後]で「文系13人→10人・理系13人→10人」に募集人員減。/⑥工[前]の選抜方法を、共テ・2次の配点により、a方式(共テ重視)・b方式(2次重視)に複線化(募集人員=a方式160人・b方式50人)。配点は「a方式=共テ600点・2次420点、b方式=共テ300点・2次720点」。/⑦工[前][後]・情報データ科学[前][後]で、共テの理科の選択から理科基礎を除外。/⑧教育(中学校=数学・理科)[前]で、2次に英語を追加。

●熊本大

 ①教育学部で小学校・中学校・特別支援・養護教諭の各教員養成課程を統合し、「学校教育教員養成課程」に改組(初等・中等教育、特別支援教育、養護教育の3コースを設置)し、230人→220人に定員減の予定。/②教育[前]で177人→161人に募集人員減。/③文(コミュニケーション情報)で後期を募集停止。/④医(医)[前]で90人→87人に募集人員減。/⑤薬[前]で70人→65人に募集人員減。

●大分大

 ①医(看護)で後期を新規実施し、[前]40人→35人に募集人員減。/②医(看護)[後]で2段階選抜も新規実施(予告倍率=約7倍)。/③教育(初等中等教育)[前]で募集人員を75人→65人に削減(総合型を新規実施)。/④医(看護)[前]で共テを7→6科目に軽減(理科2→1科目)。

●宮崎大

 ①教育(小中一貫教育=中学校主免)で後期を募集停止。/②医(医)で[前]50人→45人、[後]20人→15人に募集人員減。/③教育(小中一貫教育=理系型)[前]で、共テを7(8)科目→7科目に、2次を理科→「国語・英語から1」に変更。/④農(森林緑地環境科学)[前][後]、同(海洋生物環境)[後]で、共テを6科目→7(8)科目に負担増。/⑤医(医)[前]で、2次に理科2科目を追加。一方、医(医)[後]では2次から理科を除外。/⑥医(医)[後]で、2段階選抜の予告倍率を約10倍→約14倍に緩和。

●鹿児島大

 ①農[前]で163人→154人に募集人員減(総合型を拡大)。/②共同獣医[後]で4人→2人に募集人員減。/③教育(中等教育=美術)[前]で、2次から美術(筆記)を除外。

●長崎県立大

 ①経営[前][後]で共テを4科目→6(7)科目に負担増。/②地域創造[前][後]で共テを5科目→6(7)科目に負担増。/③国際社会[前][後]で共テを5(6)科目→7(8)科目に負担増。/④経営(国際経営)[後]・看護栄養(看護)[前][後]・地域創造(公共政策)[後]の2次で小論文→英語に変更。/⑤看護栄養(栄養健康)[後]の2次で化学を追加。

●名桜大

 ①人間健康(看護)で後期を募集停止。/②国際学群で、[前]120人→125人に募集人員増、[後]20人→15人に削減。/③国際学群[前]で、2次に英語を追加。また、学外試験場を復活(前期=東京・大阪・福岡・那覇、後期=那覇。所在地は沖縄県名護市)。/④人間健康(看護)[前]で2次に総合問題を追加。また、同(スポーツ健康)[前]で2次の面接にプレゼンテーションを追加。/⑤人間健康(スポーツ健康)[前]で2段階選抜を廃止する。

 

ここポイント!
●21年に中止した方式等の復活が目立つ
●総合型選抜拡大で一般選抜は募集枠縮小
●コロナ禍による今後の急な変更に注意!

 

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2021年10月号)」より転載いたしました。

 

【お詫びと訂正】『螢雪時代9月臨時増刊 全国大学推薦&総合型受験年鑑』(8月30日発売)の296ページ神戸市外国語大学の学校推薦型選抜「選抜方法」の項において「共通テストを免除」との記載がありますが、合格者は共通テストの受験が必要となります。「学校推薦型選抜早見表」886ページにはその旨の記載がありますが、誤解を招く記述となり読者の皆様ならびに大学関係者各位にご迷惑をおかけしたことをお詫びし、訂正させていただきます。


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