国立15大学の教員養成系学部で、教員養成以外の課程を募集停止!
国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』がすべて出そろった。教員養成系学部を中心に、大きく変貌しつつある国公立大の入試で、志望動向や難易変動に影響しそうな注目ポイントを紹介する。
※この記事は『螢雪時代・2015年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)
東京大で推薦入試、京都大で特色入試を導入。宇都宮大・千葉大・徳島大・愛媛大・佐賀大などで学部増設を予定!
国公立大志望動向に影響しそうな2016年入試の変更点を掲載した。国立15大学の教員養成系学部における「教員養成以外の課程」の募集停止、国公立9大学における学部増設、東京大・京都大の推薦・AO入試の導入などが注目される。また、一般入試では全体的に、英語重視の2次負担増が顕著だ。
英語重視の2次科目増と、文系縮小・理系拡大の改組が目立つ
国公立大の2016年(以下、16年。他の年度も同じ)入試「選抜要項」は、新課程科目への全面移行に伴い、国語・英語の科目名や出題範囲の指定が変わったが、その他に、大規模な入試改革や学部改組、募集人員の増減などが数多くある。そうした変更点を、一般入試で募集人員の多い日程(おもに前期)を中心に紹介する。また、「螢雪時代10月号」では、各大学の学部単位の募集人員(一部学科を含む)を日程別・系統別に分け、一覧表にして掲載した。
10月のセンター試験(以下、セ試)の出願時には、理科の受験パターン(A~Dのいずれか)を事前申請しなければならない。そのため、併願校も含め、なるべく早めに志望校を決めておく必要がある。「螢雪時代10月号」付録『2016年 全国国公立大学 入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校決定の参考にしてほしい。
(1)学部改組・定員増減
16年度は、国立大で大規模な学部改組が目につく。全体として、①教員養成系学部を教員養成機能に特化し、教員免許を卒業要件としない課程を廃止(表を参照)、②人文・社会科学系学部を縮小、③理工・農学系学部を拡大、④上記の①②による定員削減分で、地域貢献型や国際系の学部を増設、という方向性が見て取れる。特に教員養成系学部では、15大学で教員養成以外の課程を募集停止する。
学部の増設は、国立8大学(宇都宮大‐地域デザイン科学、千葉大‐国際教養、福井大‐国際地域、徳島大‐生物資源産業、愛媛大‐社会共創、佐賀大‐芸術地域デザイン、大分大‐福祉健康科学、宮崎大‐地域資源創成)で予定されている。公立でも、長崎県立大で「2→4学部」に分割する予定だ。
(2)募集人員
東京大でセ試を課す推薦入試を導入し、後期を募集停止。京都大で「特色入試」を導入し、前期の募集人員を削減。東北大でもAOの募集枠を拡大し、前期の募集人員を削減するなど、難関校で募集人員を一般入試からセ試を課す推薦・AOへ移行するケースがみられる。
東京大の他、埼玉大‐教育、信州大‐医(医)、熊本大‐医(医)、奈良県立医科大‐医(看護)などで後期を募集停止。一方、京都大‐法で後期を特色入試として復活、北海道教育大‐釧路校、電気通信大、東京工業大‐第7類で募集人員を「前期削減、後期増加」したのが注目される。
(3)一般入試科目
理系学部や教員養成系学部で、2次に英語を追加、または「選択→必須」にするケースが目立つ。茨城大‐農、佐賀大‐理工、長崎大‐工、鹿児島大‐工・農・水産の前期で2次に英語を追加。北海道教育大‐教員養成課程、千葉大‐教育、長崎大‐教育の前期でも、英語を追加、または「小論文→英語を含む学科試験」へ変更する専攻・選修が多数ある。この他、電気通信大、東京農工大‐農・工の前期で理科1→2科目に増やすなど、2次は負担増の傾向が強い。
さらに、東京海洋大‐海洋科学では、全入試の出願資格として、新たに学部指定の英語外部検定(英検準2級など)のスコア提出を課す(一般入試はセ試の英語が基準点以上でも出願可)。
(4)2段階選抜
筑波大‐情報学群の前・後期で廃止するほかは、千葉大‐国際教養の前期(特色型)や京都大‐法の後期などで新規実施し、信州大‐医(医)、愛媛大‐医(医)、熊本大‐医(医)の前期などで、予告倍率を引き締める。
エリア別/国公立大学・2016年入試情報
【変更点の見方】
以下の文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。新増設学部・学科等(改組を含む)の名称は仮称。前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、[昼]=昼間主コース、[夜]=夜間主コース、セ試=センター試験、2次=個別学力検査等、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、と略記。変更点は「15年→16年」で表記。掲載面の都合上、学科(専攻など)単位の小規模な変更、募集人員の小幅な変更や、推薦・AOに関する変更、ほぼ前年と変更のない大学は、原則として割愛。一般入試の科目等の変更については、セ試・2次とも、原則として科目数の変更に限って掲載した。なお、セ試の科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。
北海道・東北
弘前大・岩手大で全学的改組、東北大の4学部でAO枠拡大
●北海道大
工(環境社会工)で、【後】53人→49人に募集人員減(セ試課すAOを新規実施)。
●北海道教育大
(1)釧路校で、募集人員を【前】90人→54人、【後】36人→72人に変更(比率を「前期重視→後期重視」に逆転)。/(2)教員養成課程(札幌校・旭川校・釧路校)で、一般推薦・地域指定推薦を「セ試免除→課す」に移行。/(3)「志望する修学校以外のキャンパスでも受験可」から「志望する修学校」指定に変更(他に仙台会場あり)。/(4)教員養成課程【前】では、次の修学校・専攻等で2次を変更。札幌校(学校教育、特別支援教育)=小論文→「英語必須、国語・数学から1」、同(言語・社会教育)【前】=小論文→国語・英語、同(理数教育)【前】=小論文→数学・英語、同(生活創造教育)【前】=小論文→「数学必須、国語・英語から1」、同(図画工作・美術、保健体育)【前】=小論文→実技・面接、同(音楽)【前】=小論文→国語・実技、同(養護教育)【前】=小論文→英語、旭川校(教育発達、国語教育、社会科教育、生活・技術)【前】=小論文→「国語必須、数学・英語から1」、同(英語教育)【前】=小論文→「英語必須、国語・数学から1」、同(数学教育、理科教育)【前】=小論文→「数学必須、国語・英語から1」、釧路校【前】=「英語必須、国語・数学から1」を追加。
●北見工業大
工【後】で学外試験場を増設(東京)。
●弘前大
(1)人文を「人文社会科学部」に改組、3→2課程に再編し、345人→265人に定員減の予定(募集人員=【前】220人→170人、【後】80人→60人、セ試課す推薦45人→セ試免除推薦35人)。/(2)教育で生涯教育課程(定員70人)を廃止予定。/(3)理工で定員増(300人→360人)を予定(募集人員=【前】197人→223人、【後】58人→80人、推薦42人→54人)。/(4)農学生命科学で定員増(185人→215人)を予定(募集人員=【前】117人→131人、【後】42人→53人、推薦26人→31人)。/(5)医(医)で【前】65人→62人に募集人員減(AO47人→50人)。/(6)農学生命科学(生物)【前】で2次から数学を除外。また、同(分子生命科学)【前】の2次で理科2→1科目に軽減。
●岩手大
(1)人文社会科学を4→2課程に再編し、定員減(215人→200人)を予定(募集人員=【前】115人→103人、【後】50人→34人、推薦41人→55人)。/(2)教育で生涯教育・芸術文化の2課程(定員:計90人)を廃止予定。/(3)工を「理工学部」に改組、5→3学科に再編し、定員増(400人→440人)を予定(募集人員=【前】250人→282人、【後】69人→77人)。/(4)農を4課程1学科→6学科に再編し、定員増(210人→230人)を予定(募集人員=【前】148人→161人、【後】31人→35人、セ試免除推薦28人→31人)。/(5)人文社会科学【前】でセ試を7(8)科目→6(7)科目に、同【後】も7(8)科目→3(4)科目に軽減。
●東北大
(1)AOの募集枠を拡大、一般入試を削減。経済【後】35人→30人(AOⅢ期40人→45人)、医(保健)【前】119人→112人(AOⅢ期25人→32人)、薬【前】65人→60人(AOⅢ期15人→20人)、工【前】591人→567人(AOⅡ期104人→122人・Ⅲ期115人→121人)。/(2)農【前】で2段階選抜の予告倍率を引き締める(募集人員の約4.1倍→約4倍。以下、募集人員を略)。
●秋田大
教育文化(学校=英語教育)で後期を新規実施。
●山形大
地域教育文化(児童教育)【前】の2次に英語を追加。
●名寄市立大
保健福祉に「社会保育学科」を増設する予定。
●岩手県立大
ソフトウェア情報【前】で、セ試の数学・英語を「選択→必須」として、英語にリスニングを追加し、国語の現代文と古典を「別科目→同一科目」に統合。また、同【後】でも、セ試の英語にリスニングを追加し、国語に古文・漢文を追加する。
関東・甲信越
東京工業大で「学院‐系」、電気通信大で「学域‐類」に組織改編
●茨城大
(1)人文(社会科学)【前】で、2次を「課さない→英語」に変更。/(2)農【前】で、2次に英語を追加。
●筑波大
情報学群【前】【後】で2段階選抜を廃止する。
●宇都宮大
(1)「地域デザイン科学部」を開設予定(定員140人)。3学科構成で、募集人員は【前】93人・【後】31人・AO16人。/(2)教育で教員養成課程を拡大(150人→170人)し、総合人間形成課程(定員60人)を廃止予定。/(3)工で建設学科を廃止し、定員減(385人→315人:募集=【前】265人→211人、【後】62人→54人、推薦58人→50人)。/(4)農で定員減(215人→195人:募集=【前】146人→138人、【後】24人→18人、推薦45人→39人)。/(5)国際で定員減(100人→90人:募集=【前】44人→40人、推薦42人→36人)。/(6)国際【前】で、セ試を7(8)科目→6(7)科目に軽減(数学2→1科目)。
●群馬大
社会情報を「2→1学科」に統合する予定。
●埼玉大
(1)教育で後期を募集停止し、【前】316人→324人、推薦58人→106人に増員。/(2)経済[昼]で、募集人員を【前】(一般枠)200人→220人、【後】60人→40人に変更。/(3)経済[昼](国際プログラム枠)【前】、経済[昼]【後】、教養【後】で、2次を「課さない→小論文」に。
●千葉大
(1)「国際教養学部」を開設予定(定員90人)。前期のみ募集。通常型(80人:2次が3教科)と特色型(10人:2次が小論文・英語面接)で実施予定。/(2)教育で、スポーツ科学・生涯教育の2課程(定員:計35人)と、中学校教員養成課程のうち総合教育・教育心理・情報教育の3分野(定員:計15人)を廃止予定。/(3)文を「4→1学科(4コース)」に再編し、定員減(180人→170人)の予定。/(4)次の3学部でも定員減(理210人→200人、工630人→620人、園芸200人→190人)。/(5)法政経【前】を募集人員増(272人→295人:推薦を廃止)。/(6)看護で、募集人員を【前】41人→49人、推薦32人→24人に変更。/(7)国際教養【前】の「特色型」で2段階選抜を新規実施(予告倍率=4倍)。/(8)法政経でセ試課す推薦を廃止し、経済学特進プログラム選抜(セ試を課す。出願資格に英語外部試験を利用)を新規実施。/(9)教育(小学校)【前】で募集単位を、「12選修ごとに募集」→「音楽・図画工作・体育の3選修、それ以外の9選修をそれぞれまとめて募集。音楽・図画工作・体育は選択実技により、それ以外の9選修は第1~9志望を申請、試験の成績と希望選修を勘案して所属決定」に変更。/(10)教育【前】では、次の課程・選修で2次を変更。小学=国語では、英語を追加し、国語必須→「国語・数学から1」に。小学=算数で、英語を追加し、数学必須→「国語・数学から1」に。小学=理科で、理科→「英語必須、国語・数学から1」に。小学=英語で「国語・数学から1」を追加。小学=ものづくり・技術で、実技→「英語必須、国語・数学から1」に。小学=社会・家庭・総合教育・教育心理、特別支援教育、幼稚園で、小論文→「英語必須、国語・数学から1」に。小学=音楽・図画工作・体育、中学で、英語を追加。養護教諭で、小論文・面接→英語・保健体育に。
●電気通信大
(1)情報理工を「情報理工学域」に改組、4学科→3類に再編。また、夜間主課程を社会人対象に限定し、定員減(100人→30人)の予定。/(2)情報理工学域[昼]で、募集人員を【前】414人→370人、【後】207人→250人に変更。また、募集単位を前期は「学科別→学域一括募集」に、後期は「類別募集」に変更。/(3)情報理工学域[昼]【前】で、2次をA・B方式に分割(配点が異なる。A方式=数学200点・理科150点、B方式=数学150点・理科200点)し、理科を1→2科目に増加。
●東京大
後期(理Ⅲを除く全科類共通入試)を募集停止。理Ⅲ【前】でも募集人員を削減(100人→97人)し、全10学部でセ試を課す「推薦入試」を新規実施。
●東京海洋大
海洋科学で、全入試の出願資格として、新たに学部指定の英語資格(英検準2級以上など)のスコア提出を課す。ただし、一般入試のみ、セ試の英語が筆記・リスニング合計で250点中175点以上(海洋政策文化学科のみ、英語の得点順位が募集人員の「前期=3倍、後期=12倍」)でも出願可。
●東京藝術大
美術(先端芸術表現)で定員減(30人→24人)。
●東京工業大
(1)全学規模で組織を変更、3学部23学科→6学院17系に再編。ただし、入試時の募集単位は「第1~7類」で変更なし。/(2)第7類で、募集人員を【前】113人→95人、【後】20人→35人に変更。/(3)第7類【後】で、2次の総合問題の内容を変更。英語・物理・生物を除外、「化学を中心とした」設問に。
●東京農工大
(1)工で【前】320人→326人、【後】150人→160人に募集人員増(推薦41人→25人)。/(2)農【前】・工【前】の2次で、理科を1→2科目に増加。/(3)工(生命工・応用分子化学・有機材料化学・化学システム工)【後】で、2次に数学を追加。
●新潟大
(1)教育(教科教育=家庭科)で後期を募集停止。/(2)教育(学校教員養成課程)【前】【後】が、コース(学校教育、教科教育)別の一括募集から、専修別募集に変更。/(3)教育(学校教育、教科教育=社会・英語・数学・理科、生活科学)【後】で、2次を「課さない→面接」、同(教科教育=国語・技術)【後】で「課さない→小論文」に変更。/(4)医(保健=看護)【前】で、2次に国語を追加。
●山梨大
(1)教育人間科学を「教育学部」に改組し、生涯学習課程(定員20人)を廃止する予定。/(2)生命環境(地域社会システム)に、「観光政策科学特別コース」を新設する予定。/(3)教育【後】の2次で、幼少発達・言語・生活社会・科学の4教育コースで小論文→面接に変更、芸術身体教育コースに面接を追加。
●信州大
(1)経済を「経法学部」に改組し、定員減(185人→180人)の予定。/(2)教育で、生涯スポーツ・教育カウンセリングの2課程(定員:計40人)を廃止し、学校教育教員養成課程に特別支援学校課程を統合する予定。/(3)工を7→5学科に再編し、定員増(470人→485人)を予定(募集人員=【前】288人→299人、【後】41人→70人、推薦141人→116人)。/(4)繊維を4学系→4学科に再編する予定。/(5)医(医)で後期を募集停止。同【前】を募集人員増(85人→100人)、2段階選抜の予告倍率を引き締める(7倍→5倍)。/(6)理で推薦を全廃し、【前】94人→102人、【後】89人→99人に募集人員増。/(7)農で募集人員を【前】95人→117人、【後】34人→16人、推薦36人→32人に変更し、後期が「コース別募集→一括募集」に。/(8)農(森林・環境共生)【前】【後】で、セ試を7(8)科目→6(7)科目に軽減(地歴・公民を除外)し、同【前】で2次を小論文→理科に。一方、同(動物資源生命科学、植物資源科学)【後】では、セ試を5(6)科目→6(7)科目に増加(国語を追加)。/(9)教育【前】で、2次の数学Aの出題項目に「場合の数と確率」を追加。/(10)理(物理)【後】で、2次を「課さない→数学・理科」に。/(11)理(化学、地球、生物、物質循環学)【後】で、2次の数学の出題範囲に数Ⅲを追加。/(12)医(医)【前】で、2次の理科1→2科目に増加し、小論文を廃止。
●群馬県立健康科学大
診療放射線で【前】25人→20人に削減(推薦を10人→15人に増加)。
●前橋工科大
(1)工【前】で学外試験場を「横浜→東京」に変更。/(2)工(建築)【後】でセ試から国語を除外し、2次を面接→小論文に。
●埼玉県立大
保健医療福祉(理学療法)【前】で5(6)科目→7(8)科目に、同(作業療法)【前】で数学1→2科目に、同(作業療法)【後】でも3→6科目に、セ試を負担増。また、同(理学療法)【後】のセ試で、数学が選択→必須(2科目)となり、地歴・公民・理科が選択不可に。
●横浜市立大
医(医)で【前】90人→85人に削減(セ試を課す「地域医療枠推薦」を新規実施)。
●新潟県立大
人間生活(子ども)のB日程で、2次を国語→小論文に変更。
●都留文科大
(1)文【中】で学外試験場を増設(静岡)。/(2)文(初等教育)【中】を2方式に分割し、セ試5教科5科目型を新規実施(従来型は2または3教科3科目)。募集人員は「5科目型30人、3科目型40人」。
北陸・東海
福井大・静岡大で全学的改組、公立2校で名古屋会場を新設
●富山大
(1)経済[昼]で、【前】204人→210人、推薦72人→76人に募集人員増(AOを廃止)。/(2)理(生物)【後】で、セ試を5(6)科目→4(5)科目に軽減。/(3)理【後】で、3学科の2次を変更(化学=小論文→化学、生物=面接→生物、地球科学=課さない→理科1科目)。
●金沢大
(1)国際学類【後】でセ試を8→4科目に軽減(数学・理科を除外)。/(2)電子情報学類【後】で、セ試の理科を1→2科目に増加。
●福井大
(1)「国際地域学部」を開設予定(定員60人)。募集人員は【前】35人・【後】15人・推薦10人。/(2)教育地域科学を「教育学部」に改組し、地域科学課程(定員60人)を廃止予定。/(3)工を8→5学科に再編する予定(募集人員を【前】272人→288人、【後】188人→190人、AO65人→47人に変更)。/(4)工(知能システム工)【後】で、2次を「面接→物理」に。
●静岡大
(1)全学横断型教育プログラムの「地域創造学環」を新設予定(全学一括募集)。募集人員は【前】25人・【後】5人・推薦20人。/(2)人文社会科学[昼]で定員減(410人→390人)の予定(募集人員=【前】271人→231人、【後】63人→53人)。/(3)教育で、生涯教育・総合科学教育・芸術文化の3課程(定員:計100人)を廃止予定。/(4)理に「創造理学(グローバル人材育成)コース」を新設予定。/(5)情報を2→3学科に再編(行動情報学科を増設)し、定員増(200人→245人)の予定(【前】115人→155人に増員)。/(6)農を3→2学科に再編し、定員増(150人→185人)を予定(【後】38人→45人、推薦32人→40人に増員。AOを新規実施)。/(7)工で定員増(535人→550人)を予定(募集人員=【前】279人→274人、【後】163人→174人)。
●名古屋大
情報文化で、【前】55人→59人に募集人員増。
●豊橋技術科学大
一般入試・公募推薦でインターネット出願(以下、ネット出願)を導入し、紙の願書を廃止。
●名古屋工業大
(1)工1部で、従来の7学科を、5学科と創造工学教育課程(学部・大学院の6年一貫教育課程)に再編し、工学創成プログラムを廃止する予定。/(2)創造工学教育課程【前】【後】で、2段階選抜を新規実施(予告倍率=【前】約3倍・【後】約7倍)。/(3)工1部の募集人員を【前】512人→485人、【後】300人→306人、推薦90人→116人、AO8人→3人に変更。
●三重大
教育で学校教育課程を定員増(180人→200人)、人間発達科学課程(定員20人)を廃止する予定。
●富山県立大
工の2学科(機械システム工、知能デザイン工)で定員増(各50人→60人)。募集人員はそれぞれ、【前】32人→39人、推薦10人→13人に増加。
●石川県立大
生物資源環境【前】で学外試験場(名古屋)を新設。
●敦賀市立看護大
看護【前】で学外試験場(名古屋)を新設。
●静岡県立大
経営情報【前】で小論文→「英語・数学から1」に、食品栄養科学【後】で面接→小論文に、2次を変更。
●静岡文化芸術大
(1)文化政策(文化政策)【後】で、セ試を3→2科目に軽減。/(2)同(国際文化)【前】の2次で、国語・英語が各選択→必須に。同(芸術文化)【前】で2次に英語を追加。/(3)デザイン【後】で、2次から面接を除外。
●愛知県立大
看護でセ試を課す「全国枠推薦」を新規実施。その他の入試は、【前】55人→50人、【後】10人→5人、セ試免除推薦(県内枠)20人→15人に削減。
関西
京都大‐法で後期を復活、和歌山大が全学的に改組
●京都大
(1)全10学部で「特色入試」を新規実施。総合人間・文・教育・経済・理・医(人間健康科学)・薬・農が学力型AO(セ試課す)、医(医)がセ試免除推薦、工がセ試課す推薦、法が後期日程を実施。/(2)法で後期(特色入試)を復活し、2段階選抜を実施(予告倍率=約10倍)。/(3)前期の募集人員を「総合人間120人→115人、文220人→210人、教育60人→54人、法320人→300人、経済240人→215人(論文型を特色入試に移行)、理311人→306人、医(医)107人→102人、医(人間健康科学)143人→127人、薬80人→77人、工955人→945人、農300人→297人」に削減。/(4)医(医)【前】の2次で、面接の配点を「50点→段階評価」に変更する。
●京都工芸繊維大
夜間主コース(先端科学技術課程:定員40人)を募集停止し、昼間コースに学部共通プログラム「地域創生Tech Program」(3年次後半から、新設予定の福知山キャンパスで履修)を増設する予定。
●大阪大
(1)薬(薬科学)で、募集人員を【前】50人→45人、【後】5人→10人に変更。/(2)薬【後】の2次で、個人面接を1→2回に増加し、配点アップ(50点→150点)。
●神戸大
国際文化でセ試課す推薦を新規実施し、【前】100人→95人、【後】40人→35人に募集人員減。
●奈良教育大
(1)一般入試でネット出願を導入し、紙の願書を廃止。/(2)セ試課す推薦で地域枠を15人→23人に拡大、一般枠を27人→14人に縮小。/(3)教育(中等音楽・中等美術・家庭科・技術教育)で後期を新規実施。/(4)教育(社会科教育)【後】のセ試を5(6)科目→6(7)科目(地歴・公民1→2科目)に増加。/(5)教育(心理学、特別支援教育、社会科教育)【後】で、2次を面接→小論文に変更。
●奈良女子大
理(数物科学)【後】の2次で、数学・理科が「各必須→選択」に。
●和歌山大
(1)教育で学校教育課程を定員増(145人→165人)、総合教育課程(定員20人)を廃止予定。また、セ試免除の「地域(紀南)推薦枠」を新設。/(2)経済を3→1学科に統合し、定員減(330人→300人)の予定(募集人員減=【前】200人→180人、推薦40人→30人)。/(3)観光を2→1学科に統合し、定員増(110人→120人)の予定(募集人員増=【前】50人→55人、推薦20人→25人)。
●大阪府立大
総合リハビリテーション学類栄養療法学専攻で、定員増(25人→30人)を予定。
●兵庫県立大
(1)工で女子学生特別推薦(募集15人)を新規実施し、公募推薦を「セ試免除→課す」に変更。/(2)工【後】で学外試験場を廃止(神戸:自校キャンパス)。
●奈良県立大
地域創造【中】で学外試験場(名古屋)を廃止。
●奈良県立医科大
医(看護)で後期(地域枠のみ実施)を募集停止。地域枠(10人)を前期に移行し、2段階選抜を実施(予告倍率=10倍)。前期一般枠は40人→35人に削減、地域枠推薦を30人→35人に増加。
中国・四国
徳島大・愛媛大・高知大で全学的に改組
●島根大
「地域貢献人材育成入試」として、法文(社会文化)・教育でセ試課すAOを、生物資源科学でセ試免除AOを、総合理工で地域枠推薦(セ試免除)を新規実施。
●岡山大
(1)医(保健=放射線技術科学、検査技術科学)【前】で、2次に英語を追加。/(2)環境理工(環境管理工)【前】の2次で、数学・英語が「選択→各必須」に。
●広島大
(1)教育で、第1類(学校教育系)を定員減(180人→160人:【前】132人→122人、【後】31人→21人)。/(2)理【前】で、数学科1,000点→1,400点、他4学科は900点→1,400点に、2次の配点をアップ(セ試は900点のまま)。
●山口大
(1)人文を2→1学科に統合予定。また、【前】113人→115人、【後】22人→33人に募集人員増(AO10人→7人、セ試課す推薦40人→30人に削減)。/(2)人文【後】の2次で「小論文→面接」に変更。
●徳島大
(1)「生物資源産業学部」を開設予定(定員100人)。募集人員は【前】50人・【後】20人・推薦30人。/(2)総合科学を3→1学科に統合し、定員減(265人→170人)の予定(【前】145人→85人、【後】50人→20人に募集人員減)。/(3)工を「理工学部」に改組、昼間7学科・夜間主6学科を各1学科(6コース)に統合する予定。/(4)医(医)【前】で、2段階選抜の予告倍率(約5倍)に、得点基準(900点中600点以上)を追加。/(5)一般入試でネット出願を導入(紙の願書と併用)。
●鳴門教育大
一般入試でネット出願を導入(紙の願書と併用)。
●香川大
(1)一般入試でネット出願を導入(紙の願書と併用)。/(2)経済[昼]で【後】55人→45人に減員、セ試課す推薦(普通科等対象)を32人→42人に拡大。
●愛媛大
(1)「社会共創学部」を開設予定(定員180人)。4学科構成で、募集人員は【前】111人・推薦69人。/(2)法文[昼・夜]で2→1学科に統合し、定員減(昼395人→275人、夜110人→90人)の予定。法文[昼]の募集人員は、【前】230人→180人、【後】70人→50人、AO45人→35人、推薦50人→10人と大幅減。/(3)教育で学校教育課程を定員増(100人→140人)、総合人間形成・スポーツ健康科学・芸術文化の3課程(定員:計100人)を廃止する予定。/(4)農を1→3学科に再編する予定。/(5)医(医)【前】で2段階選抜の予告倍率を引き締める(募集人員の8倍→6倍)。/(6)ネット出願の対象を一般入試に拡大(15年はAO入試のみ。紙の願書と併用)。
●高知大
(1)人文を「人文社会科学部」に改組、3→1学科(3コース)に統合する予定。/(2)理で定員減(270人→240人)の予定(【前】163人→145人、【後】30人→26人、推薦75人→67人)。/(3)農を「農林海洋科学部」に改組、1→3学科に再編し、定員増(170人→200人)する予定。【前】98人→126人、【後】20人→24人に募集人員増、AO入試を新規実施。/(4)医(看護)で【前】30人→25人に削減(推薦20人→25人)。/(5)ネット出願を導入(紙の願書と併用)。
●島根県立大
総合政策【前】で募集枠の配分を変更(3教科型80人→60人、5教科型40人→60人)。
●県立広島大
(1)経営情報で【後】15人→20人に増加(推薦35人→30人)。/(2)生命環境で【前】75人→86人、【後】24人→34人に増加(推薦66人→45人)。/(3)保健福祉(人間福祉)【前】【後】で、セ試を4(5)科目→3(4)科目に軽減。/(4)生命環境【前】で、2次から英語を除外。
●下関市立大
経済【中】で学外試験場を増設(名古屋)。
●山口県立大
(1)看護栄養(看護)【後】で、セ試を5(6)科目→4(5)科目に軽減(地歴・公民を除外)。一方、同(栄養)【前】でセ試を5(6)科目→6(7)科目に増加。また、同(栄養)【後】はセ試の理科が発展1→2科目となり、基礎2科目が選択不可に。/(2)国際文化(国際文化)【前】で、2次に集団面接を追加。また、同(文化創造)【前】で、2次を総合問題→小論文・個人面接に変更。/(3)看護栄養(看護)【後】で、2次に小論文を追加。
●高知工科大
環境理工学群【後】に「センターのみ」方式を追加。募集5人、セ試7(8)科目のみで合否判定する。
九州
佐賀大・大分大・宮崎大・長崎県立大で学部を増設
●福岡教育大
(1)共生社会教育・環境教育・芸術の3課程(定員:計102人)を廃止し、教員養成課程(初等教育・中等教育・特別支援教育)を定員増(計528人→615人)する予定。(2)推薦入試(15年はセ試免除)を、セ試課す推薦とセ試免除の地域創生推薦に分割し、募集枠を増加(合計で59人→179人)。このため、教員養成3課程の合計で、一般入試を【前】373人→350人、【後】96人→86人に削減。/(3)初等教育課程を、選修別募集から一括募集(幼児教育選修を除く)に変更。また、特別支援教育課程を、初等教育部・中等教育部に区分して募集。/(4)中等教育課程【前】【後】で、2次に小論文を追加。
●九州大
歯で募集枠を【前】37人→40人、【後】8人→5人に変更。
●佐賀大
(1)「芸術地域デザイン学部」を開設予定(定員110人。県立有田窯業大学校を移管)。2コース構成で、募集人員は【前】58人・【後】27人・推薦4人・AO21人。/(2)文化教育を「教育学部」に改組し、学校教育課程を定員増(90人→120人)、人間環境、国際文化、美術・工芸の3課程(定員:計150人)を廃止する予定。/(3)理工【前】で2次に英語を追加。
●長崎大
(1)多文化社会で【前】70人→75人に募集人員増(AO20人→15人)。/(2)教育【前】で学外試験場(東京)を廃止。/(3)教育【前】では、次のコース・専攻で2次を変更。小学校、中学=社会、幼稚園、特別支援教育で、小論文→「英語必須、国語・数学から1」に。中学=技術で「英語必須、数学・理科から1」を、中学=数学・理科・音楽・美術・保体で英語を追加。/(4)工【前】で2次に英語を追加。/(5)環境科学(A文系)【前】で、2次から総合問題を除外。
●熊本大
(1)医(医)で後期を募集停止。同【前】を80人→95人に増員、2段階選抜の予告倍率を引き締める(約5倍→約4倍)。/(2)教育でセ試課す推薦の募集枠を拡大(合計で20人→48人)。このため、一般入試は【前】221人→208人、【後】34人→19人に削減。
●大分大
(1)「福祉健康科学部」を開設予定(定員100人)。募集人員は【前】78人・【後】16人・推薦6人。/(2)教育福祉科学を「教育学部」に改組し、学校教育課程(3コース)を学校教育教員養成課程(2コース)に再編、情報社会文化・人間福祉科学の2課程(定員:計145人)を廃止する予定。/(3)医(看護)で【後】15人→10人に募集人員減(推薦10人→15人)。
●宮崎大
(1)「地域資源創成学部」を開設予定(定員90人)。募集人員は【前】55人・【後】20人・推薦15人。/(2)教育文化を「教育学部」に改組し、学校教育課程を定員減(150人→120人)、人間社会課程(定員80人)を廃止する予定。/(3)農で定員増(265人→285人)を予定(募集人員増=【前】152人→167人、【後】64人→73人)。/(4)教育でAO入試を新規実施。
●鹿児島大
(1)教育(学校=英語)で後期を募集停止。/(2)理(数理情報科学、物理科学、生命化学)【前】、工【前】、農【前】、水産【前】で、2次に英語を追加。/(3)医(保健=理学療法)【前】で2次を「数学→英語」に。
●琉球大
(1)教育(学校教育=社会科、特別支援教育)で、後期を募集停止。/(2)農【前】【後】で、セ試の理科の選択パターンに「発展2科目」を追加(15年は「基礎2科目+発展1科目:同一名称不可」が必須)/(3)教育(小学教育実践学)【前】【後】で7(8)科目→6(7)科目に、同(小・中学生活科学)【前】で地歴・公民2→1科目に、セ試の科目数を軽減。/(4)工(情報工)【後】で、セ試を7(8)科目→5(6)科目に軽減(国語、地歴・公民を除外)。/(5)理(物質地球科学=物理系)のセ試で、前期は理科基礎2科目の受験型を、後期は物理基礎必須の受験型を廃止。/(6)教育(特別支援)【前】で、2次を「国語・数学→面接」に変更。
●福岡女子大
(1)国際文理で、募集人員を【前】113人→129人、【後】60人→43人、セ試課す推薦29人→48人に変更(セ試免除推薦を廃止)。/(2)国際文理(国際教養)【後】で、セ試を3(4)科目→5(6)科目に増加。
●長崎県立大
(1)経済を「経営、地域創造」の2学部に、国際情報を「国際社会、情報システム」の2学部に、それぞれ分割・改組する予定。(2)情報システムでAO入試を廃止する。
●熊本県立大
環境共生(環境資源)【後】で2次を小論文→理科に。
●宮崎県立看護大
看護で「地域推薦入試」を新規実施し、後期を15人→10人に募集人員減。
●沖縄県立芸術大
音楽で「4専攻7コース→3専攻9コース」に改組。
(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2015年10月号)」より転載いたしました。