国公立大の入試概要をまとめた『選抜要項』が全て出そろった。
共通テスト導入と「新課程入試」の中間年度のため、変化は少ない。
その中から、志願動向に影響しそうな変更点を紹介する。
この記事は『螢雪時代・2022年10月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・訂正を施した)
全体解説:岡山大の後期募集停止、一橋大の学部新設が影響大!?募集人員が一般選抜から推薦型・総合型選抜へ移行
東京外国語大の前期で、共通テストの数学を負担増
国公立大の2023 年(以下、23年。他年度も)入試「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点などが正式に発表された。
23年入試では、募集人員、日程や科目・方式などの変更規模は「21年→22年」と大差ない。その内、主に一般選抜の変更点を以下で紹介する。共通テスト(以下、共テ)の出願へ向け、『螢雪時代・2022年10月号』付録『2023年
全国 国公立大学 入試科目・配点一覧』と併せ、志望校決定の参考にしてほしい。
ただし、新型コロナウイルス感染拡大の状況次第では、入試で「再変更」の可能性もあるので、大学のホームページで最新の発表をこまめにチェックしよう。
(1)新増設・改組
【国立大】一橋大が情報科学系の「ソーシャル・データサイエンス学部」を新設する。同校で初の文理融合学部であり、文理双方の難関校志望者から注目される一方で、既存4学部の定員減を伴うため、首都圏の社会科学系学部の志願動向に幅広く影響しそうだ。
文部科学省は、地方創生を目的とした政策に基づき、国立大の定員増の制限を緩和する「魅力ある地方大学の実現に資する国立大学の定員増」を選定し、島根大・広島大・徳島大が選ばれた。いずれも理系学部の増設や定員増だ。島根大では「材料エネルギー学部」を開設、広島大-情報科学で80人→150人、徳島大-理工[昼]で550人→580人に定員増の予定。一方、島根大- 総合理工、広島大‒ 教育で定員を削減する。
この他、金沢大‒ スマート創成科学類、静岡大‒ グローバル共創科学、和歌山大‒ 社会インフォマティクス学環が新設予定。一方、東京学芸大で教員養成課程を4→1課程、滋賀大- 経済は5→1学科、大分大-理工も2→1学科に統合。長崎大- 経済で夜間主コースを廃止する。
【公立大】名古屋市立大で「データサイエンス学部」を新設、名桜大で「国際学群→国際学部」に改組する予定。また、旭川大が「私立→公立」に移行し、「旭川市立大」に名称変更する予定だ。
(2)日程変更・募集人員
【日程変更】岡山大が全学で後期募集を停止(23年から文・法[昼・夜]・経済[昼]・理・医〈保健〉・歯・薬・工・農で募集停止)。西日本の難関〜準難関校の貴重な併願先だっただけに影響は大きく、23年国公立大入試で最大規模の変動要因と言える。
この他、岐阜大‒ 医(医)、長崎大‒ 多文化社会の後期募集停止、岩手県立大‒ ソフトウェア情報の「後期→中期」への移行、一方で秋田大‒医(保健)、香川大‒ 農、横浜市立大‒理の後期新規実施、22年から公立化した周南公立大の前期・中期新規実施が注目される。
【募集人員】京都工芸繊維大・兵庫教育大・神戸市外国語大で、募集人員を一般選抜から学校推薦型・総合型選抜へ移行。一方、山梨大‒ 工では総合型選抜から一般選抜へ移行する。
電気通信大‒ 情報理工学域の前期では、入学後に専門を決める一括募集から、Ⅰ〜Ⅲ類の類別募集に変更。近年のトレンド(大括り募集の導入)とは逆のケースとして注目される。
この他、北海道大・東京医科歯科大・九州大・長崎大の医(医)の前期で募集人員を削減する。
(3)2段階選抜
東京大‒ 理科三類の前期で2段階選抜の予告倍率を引き締め、「最難関」のさらなる難化要因となりそうだ。この他、一橋大‒ ソーシャル・データサイエンスと横浜国立大‒ 理工の前・後期や、岩手県立大‒ソフトウェア情報の中期、横浜市立大‒ 理の後期などで新規実施。また、和歌山県立医科大‒ 医の前期では予告倍率に加え、得点基準も設定。さらに岐阜大‒ 医(医)、岡山大‒ 医(医)、広島大‒医(医)の各前期で予告倍率を引き締める。一方、長崎大‒ 水産の前期では廃止。名古屋大‒ 医(医)の前期で得点基準を緩和、三重大‒ 医(医)の後期、前橋工科大‒ 工の中期では予告倍率を緩和する。
(4)科目等の変更
【選抜方法】鹿児島大‒ 理・歯・共同獣医の前期では、共テ・2次の配点により、a方式(共テ重視)・b方式(2次重視)に複線化する。
【共テ】東京外国語大‒ 言語文化・国際社会・国際日本の前期で数学を1→2科目に増加。兵庫県立大‒ 理の中期で英語のリーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更。
【2次】北海道教育大‒ 教員養成課程の前・後期で「学びの履歴と志望理由書」提出を追加し、前期では加点対象に。徳島大‒ 理工[昼]の後期で志望調書の提出と点数化を追加。また、横浜市立大‒理・データサイエンスの前期で英語を追加。一方、富山大‒ 工は5コース中4コースの後期で面接を廃止。福岡教育大‒ 教育(初等教育)では、前期で「小論文→面接」、後期で「面接→小論文」に変更する。
23年国公立大一般選抜の志望動向はこうなる!?
23年入試は、21年の「入試改革」と、25年の新課程入試(現在の高校1年生が学ぶ新カリキュラムに基づく入試)のちょうど中間にあたり、大規模な変更のない「無風期」。こうした時は、共テの難易や前年の入試結果(志願者増減や倍率アップダウン)の反動が強く作用する。
かつての共通1次試験やセンター試験のように、導入3年目の共テはさらなる難化が予想され、国公立大出願の不安材料となり得る。
特に国立大後期が、22年入試の志願者増・合格者減や、学校推薦型・総合型選抜の拡大による募集人員減もあって敬遠され、難関〜準難関私立大の独自入試への出願が増える可能性がある。このため、23年国公立大一般選抜はやや志願者減が見込まれる。
なお、北海道・東北、九州などでは、前年の入試結果を気にしすぎ、地区内で極端な志願者増減が生じがちなので、「前年の反動」に巻き込まれないように注意したい。
ここポイント!
理工系・情報系の新設や定員増が目立つ
2段階選抜は基準引き締めの傾向
「前年度の反動」には要注意!
主な変更点は何か?
【変更点一覧の見方】
文中、学部・学科名は略称とし「学部(学科)」と記載。新増設・改組・定員増減は予定で、名称は仮称。新増設学部等の科目・配点は『螢雪時代・2022年10月号』付録を参照。前期日程=[前]、後期日程=[後]、公立大中期日程=[中]、昼間主コース=[昼]、夜間主コース=[夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、と略記。
変更点は「22年→23年」で表記し、あくまでも7月末時点で判明した22年との変更点を扱った。そのため、“コロナ禍”対応に伴う、予定していた変更の中止や、23年度限定の変更は、原則として除外した。また、掲載した変更点についても、今後の再変更があり得る。さらに、医学科の募集人員の増減は、今後の定員増の再申請によって変更の可能性がある。
誌面の都合上、募集人員の学科・専攻単位の変更や小規模な増減、推薦型・総合型に関する変更は、原則として割愛。一般選抜の科目等の変更は、共テ・2次とも、原則として科目数の変更に限って掲載した。共テの科目数は、理科が基礎(2科目)・発展いずれも選択可の場合など、例えば「6(7)科目」と表示した。
《北海道・東北》
北海道教育大で提出書類を追加、前期では加点対象に
●北海道大
定員減に伴い、医(医)[前]で92人→85人に募集人員減。
●北海道教育大
教育(教員養成課程=札幌校・旭川校・釧路校)[前][後]、同(国際地域=函館校<地域教育>)[後]の2次で、「学びの履歴と志望理由書」提出を追加。前期では加点対象とし、後期では面接の資料として活用(加点しない)。
●弘前大
①農学生命科学[前]で、学科間の第2志望選抜を導入(生物と分子生命科学、食料資源と国際園芸農)。/②理工(物質創成化学、自然エネルギー)[前]の2次で、配点を「数学300点→150点、理科500 点→ 650点」に変更。
●岩手大
①農(共同獣医)で後期を募集停止。/②理工で[前]267人→264人、[後]79人→74人に募集人員減。/③教育の中学校教育コースで技術・家庭の各サブコースを募集停止。/④教育で[前]96 人→ 98 人、[後]12 人→17人に募集人員増。/⑤教育(学校教育=中学音楽)[前]の2次で面接を追加。一方、同(学校教育=小学校教育、特別支援教育)[後]の2次から面接を除外。/⑥農(共同獣医以外)[後]で、2次を「小論文→面接」に変更する。
●秋田大
①医(保健)で後期を新規実施(募集10人)、[前]64人→44人に募集人員減。/②教育文化(学校教育=英語教育)[前][後]の共テで、英語のリーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更。また、同[前]の2次で英語からリスニングを除外し、小論文(英語)を追加。/③教育文化(学校教育=理数教育)[前]で、2次を2→1科目に軽減し、英語を選択から除外。
●旭川市立大
私立の旭川大(経済・保健福祉の2学部)を公立大学法人へ転換し、名称変更予定。一般選抜は、従来の私立大の形式で別日程実施(一般選抜1・2期、共テ利用前・後期)。
●岩手県立大
①ソフトウェア情報で後期を中期に移行し、「[後]20人→[中]15人」に募集人員減。/②ソフトウェア情報[中]で2段階選抜を新規実施(予告倍率=募集人員の30倍。以下、募集人員を略)。また、2次を1(2)科目→4科目に負担増。
《関東・甲信越》
東京大‒ 理科三類で2 段階選抜の予告倍率を引き締め
●茨城大
工[前][後]で英語外部検定の利用方法を変更。2次の英語の得点と比較する対象(高得点の方を採用)を、「外部検定のみなし得点」から、「(みなし得点+英語の得点)÷2」に変更。
●筑波大
医学類[前]で、一般枠と地域枠全国対象が併願可に(一般枠の場合、茨城県地域医療医師修学資金貸与制度の応募者のみ)。
●宇都宮大
①農で募集人員を[前]141人→138人、[後]15人→14人に削減。/②地域デザイン科学(社会基盤デザイン)[前][後]で、共テの配点を「前期=物理100点→200点、後期=数学200点→300点・物理100点→200点」に変更。また、同[前]で2次から理科を除外。
●埼玉大
①理の募集人員を、[前]87人→91人に増加、[後]114人→108人に削減。/②工の募集人員を、[前]235人→245人に増加、[後]240人→230人に削減。/③教育(学校教育=小学校)[前]を、系別募集(文系、理系、実技系=音楽・図画工作・体育)から専修・分野別募集に変更。
●電気通信大
情報理工学域[前]を大括り募集(Ⅰ~Ⅲ類の一括募集)から類別募集に変更。各類の募集人員は「Ⅰ類121 人、Ⅱ類114 人、Ⅲ類114人」。
●東京大
理科三類[前]で2段階選抜の予告倍率を「約3.5 倍→約3.0 倍」に引き締める。
●東京医科歯科大
①医(医)は地域特別枠推薦の募集枠拡大に伴い、前期で募集人員減(79人→69人)。/②医(保健衛生=検査技術学)で後期を新規実施(募集7人)し、[前]27 人→20 人に削減。
●東京外国語大
言語文化[前]・国際社会[前]・国際日本[前]で、共テを5(6)科目→6(7)科目に負担増(数学1→2科目)。
●東京学芸大
①教育学部で初等教育・中等教育・特別支援教育・養護教育の各教員養成課程を統合し、「学校教育教員養成課程」に改組。初等教育、中等教育、特別支援教育、養護教育の4専攻を設置し、従来の選修・専攻をコース(一部、プログラム)に名称変更する。/②初等教育の情報教育選修→中等教育の情報コースに移行。/③教育(学校教育=初等美術)で後期を募集停止。
●一橋大
①ソーシャル・データサイエンス学部(定員60人)を開設予定。一般選抜の募集人員は「前期30人、後期25人」。/②既存の学部で、次のように募集人員を削減。法[前]155 人→ 144 人、経済[前]195 人→ 180人・[後]60 人→ 58 人、商[前]255人→238人、社会[前]220人→205人。/③ソーシャル・データサイエンスで2段階選抜を新規実施(予告倍率:前期=約3倍、後期=約6倍)。
●横浜国立大
①経済で[前]140人→145人(DSEP5人→10人)、[後]80人→90人(DSEP5人→10人・LBEEP5人<新規>)に募集人員増(総合型を縮小。DSEP・LBEEPは学問分野複合学習プログラム)。/②理工[前][後]で2段階選抜を新規実施(予告倍率:前期=約6倍、後期=約8倍)。/③教育[前]で、2次に「面接の結果によっては共テ・2次合計が合格最低点に達しても不合格とする」条件を追加。
●山梨大
工で[前]207人→242人、[後]35 人→ 43 人に募集人員増(総合型を縮小)。
●信州大
農で募集人員を、[前]110人→92人に削減、[後]24 人→ 36 人に増加。
●茨城県立医療大
保健医療(看護、理学療法、作業療法)[前][後]で共テを理科2→1科目に軽減。
●群馬県立女子大
①文学部総合教養学科を「文化情報学科」に改組し、定員増(20人→30人)。/②文(文化情報)で後期を新規実施(募集5人)、[前]10人→15人に募集人員増。
●前橋工科大
工[中]で2段階選抜の予告倍率を「約20倍→約25 倍」に緩和。
●東京都立大
健康福祉(放射線)[後]で、共テに国語を追加。
●神奈川県立保健福祉大
①保健福祉[後]で2次に小論文を追加。/②保健福祉(社会福祉)[前][後]で、2次の面接を「個人→集団」に変更。
●横浜市立大
①理で後期を新規実施(募集10人)し、前期B方式を25人→20人に募集人員減。/②医(看護)で[前]65人→55人に募集人員減(推薦型を拡大)。/③理[前]のB方式で、共テを7→5科目に軽減(国語、地歴・公民を除外)、2次の理科を1→2科目に増加。/④理[前]・データサイエンス[前]で2次に英語を追加。/⑤理[前]の判定方法に「A方式の条件を満たす志願者はB方式も自動集計」を追加。/⑥新規実施の理[後]は「共テ7科目、2次:面接」を課し、2段階選抜も実施(予告倍率=約10倍)。
●新潟県立看護大
看護[前]で50人→45人に募集人員減(推薦型を拡大)。
●都留文科大
文[中]・教養[中]で、長野に学外試験場を増設。
《北陸・東海》
岐阜大‒ 医(医)で後期を募集停止、前期を増員
●富山大
①工で募集人員を、[前]286人→277人に削減、[後]50人→56人に増加。/②理(数学)[後]で共テを3→5科目に負担増(数学2科目を追加)。/③工(生命工以外)[後]の2次で面接を除外。
●金沢大
①融合学域で「スマート創成科学類」を増設(定員20人)し、観光デザイン学類を定員増(15人→20人)の予定。/②スマート創成科学類の一般選抜は前期のみ18人を募集。/③観光デザイン学類[前]で13人→18人に募集人員増。/④理工学域[前]で508人→486人に募集人員減。/⑤地域創造学類[前]で63人→ 58 人に募集人員減。/⑥医学類[前]で、2次に「口述試験で適性を欠くと判断された場合、学力検査の成績に関わらず不合格となる場合がある」条件を追加。
●岐阜大
①医(医)で後期を募集停止し、[前]45人→55人に募集人員増。/②医(医)[前]で2段階選抜の予告倍率を「約15倍→約9倍」に引き締める。/③教育(学校教育=美術)[前]で、2次から「国語・数学・英語から1」を除外。/④応用生物科学(応用生命科学、生産環境科学)[前]で、2次の数学の選択問題に数学Ⅲを追加。
●静岡大
①地域創造学環を募集停止し、グローバル共創科学部を開設予定(定員115人。国際地域共生学・生命圏循環共生学・総合人間科学の3コースを設置予定。)。一般選抜の募集人員は、地域創造学環に比べ「[前]25人→47人、[後]5人→20人」に増加。/②教育で[前]184人→154人、[後]41人→34人に募集人員減。
●名古屋大
①医(医)で募集人員を変更。前期は地域枠(5人)を新設、一般枠を90人→85人に削減し、後期を「地域枠→一般枠」に移行。/②医(医)[前]で2段階選抜の基準を「共テ900点満点中700点以上→600点以上」に緩和。/③医(医)[後]で2段階選抜の基準を「共テ900点満点中700点以上→予告倍率(約12倍)」に変更。
●三重大
①教育(学校教育=数学初等・中等)で後期を募集停止。/②人文[後]で、2次のペーパーインタビュー(面接に代わる志望理由についての記述試験)を「教科→出願書類」に変更(配点化→総合評価)。/③医(医)[後]で2段階選抜の予告倍率を「約10倍→約15 倍」に緩和。
●富山県立大
工[前]で、学外試験場のうち長野を廃止。
●金沢美術工芸大
①美術工芸[中]を137人→144人に募集人員増。/②同(デザイン、工芸)[中]で2次から面接を除外。/③同(美術=芸術学)[中]で2次の小論文を「選択→必須」とし、ポートフォリオ提出を追加。
●公立小松大
保健医療(看護)[中]で、2次の面接を「個人→集団」に変更。
●静岡文化芸術大
デザイン[前][後]で、共テの国語を「必須→選択」とし、判定方法を「まず国語・数学から高得点1科目、次に地歴・公民・理科も含め高得点1科目」に変更。
●愛知県立大
①外国語学部でスペイン語圏専攻を「スペイン語・ポルトガル語圏専攻」に改組し、定員を「英米学科100人→90人、スペイン語・ポルトガル語圏専攻45人→55人」に変更。/②看護[前]で、共テの国語を配点アップ(100点→200 点)する一方、2次から国語を除外。
●名古屋市立大
①データサイエンス学部(定員80人)を開設予定。一般選抜は「前期のみ50人」を募集。/②経済[前]で120人→140人、看護[前]で45人→60人に募集人員増。/③医[前]で2段階選抜の基準を「共テ550点満点中、概ね73%以上→71%以上」に緩和する一方、予告倍率(募集人員の約3倍)を追加。
《関西》
京都工芸繊維大で後期を縮小、推薦・総合型拡大
●滋賀大
①経済[昼・夜]で、5学科を「総合経済学科」に統合する予定。入学者は3年進級時に専攻(経済、経営、社会システム)を選択する。/②この改組により、経済[昼][前][後]は「学科別募集→一括募集」に変更。
●京都工芸繊維大
①工芸科学(デザイン・建築)で後期を募集停止。/②工芸科学(一般プログラム)で、募集人員を[後]159人→74人に削減(総合型を拡大、推薦型を新規実施)。/③工芸科学(応用生物学域)[後]で、2次を「課す(総合問題)→課さない」に変更。/④工芸科学(物質・材料科学域、設計工学域)[後]で、2次から理科を除外。
●大阪教育大
教育[夜][前]で20人→25人に募集人員増(推薦型を廃止)。
●神戸大
工で募集人員を[前]460人→452人に削減、[後]92 人→100 人に増加。
●兵庫教育大
学校教育で募集人員を[前]80 人→ 70 人、[後]30 人→10 人に削減(推薦型を拡大)。
●和歌山大
①社会インフォマティクス学環を開設予定(定員30人)。一般選抜は「前期のみ20人」を募集。/②既存の学部で、次のように募集人員を削減。経済[前]180人→170人、観光[前]65人→60人、システム工[前]170人→160人、教育[前]95人→ 90 人・[後]30 人→ 25 人。
●神戸市外国語大
外国語で[前]245人→225人・[後]70人→63人に募集人員減(総合型を拡大)。
●神戸市看護大
入学金を減額。神戸市在住者・親族(2親等以内)が「282,000円→141,000円」、それ以外が「423,000 円→ 282,000 円」。
●兵庫県立大
理[中]の共テで、英語のリーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更。リスニングの比重を高めた。
●和歌山県立医科大
①医[前]で県民医療枠C(不足診療科枠)を新設。産科・小児科・精神科に従事する医師の育成が目的で、全国対象に2人程度を募集。一方、県民医療枠A(診療科指定なし)は15人→10人に削減。/②医[前]で2段階選抜の予告倍率を「約3.3倍→約3.4倍」に緩和する一方、得点基準(共テ900点満点中630 点以上)を追加。
《中国・四国》
島根大・広島大・徳島大で理系学部の定員増を実施!
●鳥取大
工に「医工学プログラム」を新設。医と連携した教育プログラムで、既存の3学科(機械物理系、電気情報系、化学バイオ系)に所属しながら、2年次に選択可。
●島根大
①材料エネルギー学部を開設予定(定員80人)。一般選抜の募集人員は「前期40人、後期8人」。/②総合理工で募集人員を、[前]214人→ 181 人・[後]71 人→ 61 人に削減。
●岡山大
①文・法[昼・夜]・経済[昼]・理・医(保健)・歯・薬・工・農で後期を募集停止。全学で前期のみの募集となる(推薦型・総合型を拡大)。/②前期の募集人員を次のように変更。法[昼][前]140 人→152人、経済[昼][前]131 人→143 人、医(保健)[前]97人→108人、工[前]400人→415人、歯[前]30人→34人に増加し、農[前]で86人→82人に削減。/③医(医)[前]で2段階選抜の予告倍率を「約4倍→約3倍」に引き締める。
●広島大
①情報科学で定員増(80人→150人)、募集人員を[前]72 人→ 90人、[後]6人→10人、総合型2人→5人に増加し、推薦型(45人)を新規実施。/②教育で定員減(445人→425人)、募集人員を[前]315人→319人に増加、[後]55人→31人に削減(第一類=初等教育教員養成・特別支援教育教員養成、第四類=音楽文化系で後期を募集停止)。/③工(第三類)で、募集人員を[前]90人→80人に削減、[後]7人→10人に増加。/④医(医)[前]で、2段階選抜の予告倍率を「募集人員の7倍→約5倍」に引き締め、2次の配点パターンに英数重視型のA(em)配点を追加。/⑤理(化学)[後]で2次を理科→面接に変更。/⑥法[昼]が広島市中心部にキャンパス移転(東広島市→広島市中区)。
●徳島大
①理工[昼]で定員増(550人→580人)、「医光/医工融合プログラム」を増設予定。/②理工[昼]の募集人員を[前]304人→315人に増加、[後]93人→92人に削減。/③医(医科栄養)[前]で、2次に面接を追加。/④医(保健=検査技術科学)[前]で、2次に志望理由書(点数化しない)を追加。/⑤理工[昼][後]で、2次に志望調書(25点)を追加する。
●香川大
①農で後期を新規実施(募集10人)し、同[前]を105人→90人に募集人員減。/②農[後]は共テ4科目を課し、2次は課さない。
●高知大
農林海洋科学で募集人員を[前]126人→121人に削減、[後]24 人→ 27 人に増加。
●岡山県立大
保健福祉(看護)で募集人員を、[前]20 人→24 人に増加、[後]8人→4人に削減。
●山陽小野田市立山口東京理科大
①工学部に「数理情報科学科」を増設予定(定員60人。一般選抜は[前]28人・[中]8人)。/②薬[中]を70人→64人に募集人員減(総合型を新規実施)。/③工(機械工、電気工)[前]のB方式で共テを4(5)科目→5(6)科目に増加。/④薬[中]で、2次の数学の出題範囲に数学Ⅲを追加。
●周南公立大
分離分割方式の前期・中期で新規実施(22 年は私立大として別日程実施)。募集人員は、各学部で「経済=[前]50 人・[中]47人、福祉情報=[前]10人・[中]10人」。経済[前]は「共テ=3(4)科目、2次=英語・数学から1」、同[中]は「共テ=前期と同じ、2次=小論文」。福祉情報[前][中]は「共テ=3(4)科目、2次=小論文」を課す。
●高知県立大
看護[前]で52人→45人に募集人員減(推薦型を拡大)。
●高知工科大
①理工学群(環境理工学群を名称変更予定)・情報学群を、それぞれ「4→3専攻」に改編予定。/②理工学群[前]でC方式(募集10人)を新規実施。共テで理科の配点重視(750点満点中400点)、2次が理科1科目。一方、A方式を50人→40人に募集人員減。③理工学群[後]を15人→10 人に募集人員減。
《九州》
大分大‒ 医で学科増設。経済・理工では定員減
●九州大
定員減に伴い、医(医)[前]で110人→105人に募集人員減。
●福岡教育大
①教育学部で、初等教育教員養成課程の中に5プログラム(幼児教育、小学校教育専攻、人文・社会教育、理数教育、芸術・実技教育)を新設。/②教育の募集人員を[前]381人→386人、[後]82人→102人に増加。/③教育(初等=幼児教育)[前]の2次で「小論文→面接」に変更、調査書点数化を追加。/④同(初等=小学校教育、人文・社会教育)[前]の2次で「小論文→面接」に変更。/⑤同(初等=理数教育)[前]の2次で「数学または理科」を追加、「小論文→面接」に変更。/⑥同(初等=芸術・実技教育)[前]の2次で、実技等を追加、「小論文→面接」に変更。/⑦同(中等=家庭)[前]の2次で家庭を除外。/⑧同(初等=小学校教育、人文・社会教育、理数教育)[後]の2次で「面接→小論文」に変更。
●長崎大
①経済で夜間主コースを募集停止。/②多文化社会で後期を募集停止。/③情報データ科学で募集人員を[前]70人→75人に増加。/④水産で募集人員を、[前]45人→60人に増加し、[後]45人→30人に削減。/⑤定員減に伴い、医(医)[前]で76人→71人に募集人員減。/⑥医(保健=理学療法学)で募集人員を[前]15人→24人に増加。/⑦水産[前]で2段階選抜(基準:共テ900点中450点以上)を廃止し、実施方式を「共テ900点を2段階選抜のみに利用、2次280点で合否判定」→「共テ900点、2次900点で合否判定」に変更。/⑧経済[昼][前]で、配点A(2次の数学・外国語が均等配点)、配点B(2次の数学・外国語で高得点の方を2倍)のうち、配点Bを廃止。
●大分大
①医学部に「先進医療科学科」を増設予定(生命健康科学・臨床医工学の2コース構成)。一般選抜は「前期26人、後期9人」を募集し、2段階選抜も新規実施(予告倍率:前期=約3倍、後期=約7倍)。/②理工で2→1学科に統合(創生工・共創理工→理工)し、定員減(385人→355人)。一般選抜は[前]257人→244人・[後]63人→49人に募集人員減。/③経済で定員減(290人→270人)、一般選抜は[後]80人→65人に募集人員減。/④教育で定員増(135人→150 人)、一般選抜は[前]68 人→ 75 人・[後]22 人→ 25 人に募集人員増。
●鹿児島大
①医(医)[後]で23人→21人に募集人員減。/②医(保健=理学療法学)[前][後]で、共テを理科2→1科目に軽減。/③共同獣医[後]で、2次を「課す→課さない」に変更(面接を除外)。/④理[前]・歯[前]・共同獣医[前]で、配点パターンをa(共テ重視)・b(2次重視)に複線化。理[前]・歯[前]は高得点の方を利用し、共同獣医[前]は募集人員を分割(a・b各10人)。
●琉球大
理(物質地球科学<地学系>)[前]で、配点パターンをA(共テ重視)・B(2次重視)に複線化(高得点の方を利用)。
●名桜大
①国際学群を「国際学部」に改組予定。6専攻のうち4専攻を「国際文化・国際観光産業」の2学科に統合、280人→340人に定員増。一般選抜は[前]125人→155人・[後]15 人→ 20人に募集人員増。/②人間健康学部に「健康情報学科」を増設予定(国際学群から情報システムズ・診療情報管理の2専攻を移行)。一般選抜は「前期35 人、後期10 人」を募集。
付記:文部科学省所管外の大学校
●国立看護大学校
看護で一般選抜の1次(学力検査)を3→4科目に増加(英語を追加)。
(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2022年10月号)」より転載いたしました。