今月の視点

3月

中教審、教員養成の「学部4年+1~2年の修士レベル」検討!

教員免許状は「基礎・一般・専門免許状(仮称)」を構想 !

旺文社 教育情報センター長 大塚/2011年3月2日掲載

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23年3月末、「教員免許更新制」の最初の更新期間が切れる。現職教員でも、更新制の対象者は2年間の更新期間中に更新講習を受講・修了しない場合、免許状は“失効”する。
   この制度は、「教職大学院制度」の創設などとともに、中教審が18年7月に答申した『今後の教員養成・免許制度の在り方について』(以下、『18年答申』)を受けて、21年4月から実施されている。
   他方、『18年答申』から4年経過した22年6月、川端達夫・前文部科学大臣は、教員の教職生活全体における成長、つまり「生涯職能成長」の観点から、教員の養成・採用・研修などの在り方について、中教審に改めて審議要請した。中教審特別部会では23年1月末、諮問された『教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について』(以下、『教員の資質能力の向上方策』)の「審議経過報告」を取りまとめた。
   ここでは、『18年答申』から今回の中教審への諮問に至る経緯や背景を探るとともに、「審議経過報告」の概要、教員養成系の入試や教員採用の状況等をまとめた。

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< 『教員の資質能力の向上方策』 諮問への経緯と、その背景 >
教員免許制度の見直し

中教審の『18年答申』から4年、「教員免許更新制」実施からわずか1年余りの22年6月に、なぜ、中教審に『教員の資質能力の向上方策』が諮問されたのか。
   まず、『18年答申』以降の教員免許制度見直しなど、最近の教員養成に係る改革方策の経緯をたどってみる。(図1参照)


教員免許制度改革、教員養成見直し等の方策&政権交代の流れ



◇「教員免許更新制」の導入◇
   『18年答申』では、教員として必要な資質能力は本来的に、時代の進展に応じて更新が図られるべき性格を持っているとし、恒常的に変化する教員として必要な資質能力を担保する制度として、「教員免許更新制」の導入を提言。この制度の概要は、次のとおりである。


教員免許制度改革、教員養成見直し等の方策&政権交代の流れ


◇ 教員免許の改革法案:21年3月民主党提出/6月に参院可決、衆院審議未了、廃案 ◇
   「教員免許更新制」は自民党政権下の19年6月に成立した改正教育職員免許法に基づいて導入された制度であるが、教員の時間的、経済的負担感、「10年経験者研修」(法定研修:原則、全教員対象)などの教員研修との関わりなど、当初から課題も指摘されていた。
   こうした状況の中、民主党は21年3月(当時は野党)、教員の資質能力の向上のための教員免許制度の改革法案『教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案』を参議院に提出した。当法案は6月、参議院で可決され衆議院に回付されたが、審議未了で廃案となった。
   当法案の概要は、次のとおりである。


教員免許制度改革、教員養成見直し等の方策&政権交代の流れ

民主党は教員免許改革法案が21年6月に廃案となった後も、同年8月末の衆議院議員総選挙に向け、教員免許制度の抜本的見直しや教員の養成課程6年制(修士)など、教員の資質向上の政策を訴えた。


中教審への諮問

21年8月末の衆議院議員総選挙で自民党から民主党へ政権が交代し、教員養成や教職関係の改革論議も新たな展開を迎えることになった。
    同年9月の新政権発足直後から、川端達夫文部科学大臣(当時)ら政務三役は、「教員免許更新制」見直しの意向を示しつつ、教員の資質向上策の一環として養成課程の延長や免許制度の見直しなどを唱えていた。
    他方、「教員免許更新制」は21年4月から既に最初の2年間の更新期間に入っており、現職教員の間では「教員免許更新制」はどうなるのか、その行方が注目されていた。


*「教員免許更新制」実施の周知:
   文科省は「教員免許更新制」の今後の在り方について、21年10月以降これまで度々、その趣旨理解や取組要請などとともに、現職教員の免許状失効、失職のないよう、適時、受講状況などの情報提供を行っている。
   特に「教員免許更新制」の在り方については、中教審の審議(後述)など、教員の資質能力の向上方策の抜本的な見直しを行う中で総合的に検討するとしており、一定の結論が得られ、これに基づく法律改正が行われるまでの間は、“現行制度が有効”であることを明示。現職教員は、現行制度に従って、定められた期間内に免許状更新講習の課程を修了し、免許管理者の認定を受けることが必要であるとしている。
   ところで、学校を取り巻く課題や環境の変化などについて、次のような状況が指摘されている。
◎ 教員が対応すべき課題の多様化(学力の向上、生徒指導上の諸課題、特別支援教育の充実、外国人児童生徒への対応、ICTの活用など)
◎ 地域・保護者とのより緊密な連携の必要性
◎ 今後10年間に教員全体の約3分の1が退職し、経験の浅い教員が大量に誕生
◎ 教員免許状取得者数と教員採用者数が大きく乖離(例:17年度大学等新規卒業者の中学校教員採用者数は、中学校教員免許状取得者数の約25分の1)
◎ 教育実習の期間が諸外国に比べて短い
◎ 新人教員に実践的指導力やコミュニケーション力等が十分身についていないとの指摘(校長の4割以上が新人教員の力不足を指摘)
   こうした学校と教員を巡る様々な課題が指摘されている中、川端達夫・前文部科学大臣は22年6月、中教審に『教員の資質能力の向上方策』を諮問したのである。(図1参照)
   諮問では、前記のような状況も踏まえ、教員の「養成・採用・研修」の各段階についての総合的・一体的な検討が必要であるとし、次のような「審議事項」を提示している。

【「審議事項」の概要 】
1.教職生活の各段階で求められる専門性の基盤となる資質能力を着実に身に付けられるような新たな教員養成・教員免許制度の在り方について
   → 教職課程の期間・内容等の充実、教職大学院の在り方の検討、課程認定の厳格化など
2.新たな教員養成の在り方を踏まえ、教職生活の全体を通じて教員の資質能力の向上を保証するしくみの構築について
   → 教員免許制度の見直し、現職研修の充実、免許更新制の検証と在り方の検討など
3.教育委員会や大学をはじめとする関係機関や地域社会との組織的・継続的な連携・協働のしくみづくりについて
   → 関係機関や地域が一体となって教員を育て支援する環境づくり、多様な人材の登用など

諮問文にみる、婉曲な表現

前掲の諮問事項に係る諮問文(諮問理由)で注目されるのは、民主党が唱えていた教員の養成期間“6年制(修士)”や、教員免許改革法案で提示した“「専門免許状」授与要件の8年以上の実務”といった、具体的な表現を避けている点である。
   諮問文では、前者は「現在の教職課程は学部4年を基本としておりますが、より複雑・多様化している学校現場の課題に対応するため、学校現場における実習の抜本的な拡充も含め、“教職課程の期間や内容の充実”を図るべく見直しを行う必要があると考えており、……(以下、略)」、後者は「教員が教職生活を通じてより高い専門性を自発的に身に付けていくことを支援するため、“教員免許状により一定の専門性を公的に証明する制度”の在り方……」といった形で表現している。
    また、「教員免許更新制」についても、“その効果の検証を踏まえ、今後の在り方を審議する”ことを要請している。(注.諮問文の引用部における太字、下線、“ ”は当方で付記)
   いずれも、中教審への諮問文として政治主導(政党色)が前面に出るのを避け、婉曲な表現で審議要請していることがうかがえる。

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< 「審議経過報告」 の概要 >

『教員の資質能力の向上方策』の諮問を受けた中教審では、22年6月末に「教員の資質能力向上特別部会」を設置。以後、22年12月末まで計8回の審議を行い、23年1月末に「審議経過報告」を取りまとめた。同報告の概要は、次のとおりである。
   (注.文中の太字、下線、“ ”は当方で付記)
1.教員養成の在り方
◎ 22年度入学生から導入されている教職実践演習の確実な実施など、大学における教員養成教育の質的な充実をさらに進めるとともに、学士課程修了後も、高度な実践的指導力を身に付けるための学びを継続する教員養成制度が必要である。
◎ 教員養成は、学部4年に加え、“1年から2年程度の修士レベル”の課程等での学修を要すること(修士レベル化)について、今後検討を進める。
   この場合、例えば、当面は、学士課程修了者に“基礎的な資格”を付与し、教員として採用された後に、必要な課程等を修了すれば、“修士レベルの資格”取得を可能とすることも検討する。
◎ 教員養成の“修士レベル化”については、養成規模や大学の組織体制、奨学金の活用等による学生の経済的負担の軽減についても併せて検討する。
◎ 教員養成に係る“課程認定審査”“設置審査”をより“厳格化”するとともに、新たな“事後評価システム”の構築を検討し、“教員養成の質の保証”を図る。

2.教員免許制度の在り方
◎ 教員免許状は、学校種別に区分されており、中学校及び高等学校は、教科別に区分されている。また、各学校種の「普通免許状」は「専修免許状」(大学院修士課程修了レベル)/「一種免許状」(大学学部<学士>卒業レベル)/「二種免許状」(短期大学卒業レベル:高等学校には二種免許状なし)に区分されている。


教員免許制度改革、教員養成見直し等の方策&政権交代の流れ



◎ 教員免許制度は、教職生活全体を通じて、教員の資質能力向上を図ることを支援する制度に改革すべきである。
   教員養成の“修士レベル化”について今後検討する際、例えば、当面は、学士課程修了者に“基礎的な資格(「基礎免許状(仮称)」)”を付与し、教員として採用された後に、必要な課程等を修了すれば“修士レベルの資格(「一般免許状(仮称)」)”を付与することも検討する。
   この場合、“一定期間のうちに「一般免許状(仮称)」の取得を義務付ける”ことや、“「基礎免許状(仮称)」に有効期間を設ける”ことなどについても検討する必要があろう。
◎ 教職生活を通じて、より高い専門性と社会性を身に付けていくことを支援するため、“一定の専門性を公的に証明する「専門免許状(仮称)」”を創設することについて検討する。なお、当免許状の今後の検討に当たり、次のような論点を例示している。
   ・「専門免許状(仮称)」の区分:例えば、学校経営、生徒指導、進路指導、教科指導、特別支援教育、外国人児童生徒に対する教育、情報教育など。
   ・取得対象者:一定の教職経験(例えば教員経験10年以上)を求めるか。
   ・取得の効果:例えば、学校経営について、管理職登用条件の一つとするか、など。
◎ “教員免許更新制”については、これまでの検証も踏まえ、教員が教職生活の全体を通じて自発的かつ不断に専門性を高めることを支援する新たな制度への移行も視野に入れて検討する。その際、「専門免許状(仮称)」と関連づけて検討するとともに、公立学校の教員については、“10年経験者研修”との関係についても、整理していく必要がある。
◎ 教員免許状の区分については、例えば、小学校教諭免許状と中学校教諭免許状を併せて「義務教育免許状」とすることや、中学校教諭免許状と高等学校教諭免許状を併せて「中等教育免許状」とすることなど、複数の学校種をまとめた免許状の創設を今後検討する。

3.採用等の在り方
◎ 現在、教員免許状を持たなくても、特別免許状や特別非常勤講師制度によって、優れた社会経験のある者が学校現場に迎え入れられている。こうした取組に加え、様々な段階で社会人等が、その専門性を生かしつつ、教職を志せるようにするため、新たな教員養成制度及び教員免許制度の中でどのように位置付けるべきかについても検討する。
◎ 全国的に30代・40代の教員が少ない現状を改善するため、この年代で教職以外の職にある者の中途採用を進めることも必要である。
◎ 新たな教員免許状体系の下における臨時的任用教員や非常勤講師の採用・配置の在り方について検討する。

4.現職研修の在り方
◎ 現職教員の研修制度は、教職生活全体を通じて教員の資質能力向上を図っていくことを支援するような方向で改革すべきである。また、実施内容・方法については、個別的・協働的な学習をより重視する方向で見直しが必要である。
◎ “初任者研修”(法定研修:原則、全教員対象)については、養成期間と初任者の時期について複合的に考え、“初任者研修の発展的解消”も視野に今後検討を進める。
◎ 任命権者と大学が連携した研修の在り方や、研修の受講成果を「専門免許状(仮称)」の取得単位の一部とすることなどについて、検討する必要がある。

5.教育委員会・大学等の関係機関の連携・協働
◎ 新たな教員の資質能力向上方策を実効あるものとするためには、教育委員会・大学などの関係機関や地域社会が一体となって教員を養成し、支援していくことが重要である。
   そのため、新たな教員養成・採用・研修の仕組みの中で、大学の教職課程の認定や評価、「専門免許状(仮称)」授与の際の履修履歴の評価、大学と教育委員会とが連携した研修の実施等において、これら関係者の連携・協働がより広範かつ確実に行われるような仕組みを構築する必要がある。

6.当面取り組むべき課題
◎ 管理職の資質能力の向上は、学校を改革する上で極めて重要である。今後はマネジメント力を身に付けた管理職を育成するため、教職大学院等での学校経営を中心とした専攻・コースの充実を図るとともに、国や都道府県等の教員研修のためのセンター等において“「マネジメント型」管理職養成の実施”が期待される。
   修了者には学校経営の「専門免許状(仮称)」を授与することなどについて検討する。

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< “政権政党路線”滲みつつも、“今後の検討” “各論併記”目立つ「経過報告」 >

今回提示された「審議経過報告」は、教員養成と教員免許制度の見直し方策がポイントといえるが、これまでみてきた政権政党の見直し路線を滲ませている。
   とはいえ、具体的な制度改革の提言は少なく、“今後の検討”や“各論併記”が目立つ。
   例えば、教員養成における“修士レベル化”に関して、次のような懸念する意見も併記している。
   「養成、研修、教員本人、社会のどこに問題があるのか明らかにすべき」/「教育と教師像という目的を明確にしてから教員養成の在り方を検討すべき」/「先に専門職大学院、あるいは修士課程までの教員養成ありきの議論になっている」/「大学院に進めば、どのような教育が受けられ、どんな成果が期待されるのか、その結果、どのような教員が増加して、学校現場はどう変わるのか」/「教員養成の年数を増やすだけの問題ではなく、内容を変える必要がある」/「現在の大学の教職課程は、専門職業人を育てようとする教育内容になっていない。養成期間を長引かせるべきではない」/「大学院を卒業した教員が最近増えているが、質が担保されているかは大いに疑問である」/「教員志望者が減少するおそれがある」など。
   また、“免許制度の在り方”に関しては、「「専門免許状(仮称)」の創設については、本質に立ち戻った議論から出発しなければならない」などの意見のほか、教員免許制度全般について、「変えることを前提とするのではなく、本質的議論の過程の中で、十分時間をかけて考察していくことが妥当である」/「教員の資格に関わる国家試験を課してはどうか」などの意見も併記している。
   さらに、“教員免許更新制”については、「免許状更新講習の意義としては、現職教員が10年に一度、定期的に最新の知識・技能について学ぶ、「学びの継続性」の観点は有益である」/「現職教員の資質能力の維持・向上を大学が担うという新しい側面を生み出した」といった肯定的な意見の一方、「免許状失効という仕組みの面では問題がある」など批判的な意見も審議の過程において出されたことを記している。
    半年間で8回の審議というタイトな日程で取りまとめられた「審議経過報告」では、“今後の検討”事項が多くなるのもやむを得なかったといえよう。
    他方、“各論併記”が目立つのは、諮問の内容が教育制度の極めて根本的、基盤的な課題であることを物語っている。

< 今後の審議の展開 >

中教審特別部会では今後、教職に係る全体についての将来を見据えつつ、これまでの審議で出された様々な意見を踏まえ、個々の課題について丁寧に検証し、具体的な制度設計に向けて審議を進めていくことになろう。
   特別部会では、新たな制度の現職教員への適用や新制度への移行などで学校現場や大学が混乱しないよう、混乱を最小限にするよう留意する必要があるとしている。

< 受験生の教員養成系志願と教員採用の状況 >
国立大教員養成系の「一般入試」志願状況

受験生にとって、教員養成系は手堅い資格取得の一つとして従来から位置づけられてきた。ただ、11年度以降の国立大一般入試の教員養成系(教育、学校教育、教育地域科学、教育文化など。一部、教員以外の人材養成課程<新課程>含む)志願者数の動きをみると、16年度まで6万人程度だった志願者数は17年度以降、19年度の約4万6,800人を除き、5万人台前半から半ばで推移している。志願倍率も17年度の4.9倍以降、4倍台の横ばい状態にある。
   これは、教員採用状況の厳しさ(後述)、学校現場・教職を巡る厳しい実態などの影響とみられる。(図2参照)
   他方、私立大では17年の所謂、教育分野に係る大学の設置等の“抑制撤廃”を受けて教職課程を設置する「課程認定大学」が急増し、学生獲得策の一環として教員免許状の取得を謳う大学もある。ここ数年、私立大の教員養成系への入学者数は増加傾向を示している。



共通一次からセンター試験へ

教員採用の実態

教員の採用状況について、各都道府県・指定都市教育委員会(以下、県市)が実施している「公立学校教員採用選考試験」(小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、及び養護教諭、栄養教諭)の11年度~22年度までの概要をみてみよう。(図3参照)
・受験者数:17年度の約16万4,400人まで増加した後、増減を繰り返し、横ばい傾向である。22年度は前年度より約7,900人(5.0%)増の約16万6,700人で、小学校約5万4,400人、中学校約5万9,100人、高等学校約3万4,700人などとなっている。
・採用者数:12年度にやや減少した後、13年度に増加に転じて以降、22年度まで増加が続いている。22年度の採用者数は約2万6,900人で、前年度より約1,000人(3.8%)の増加。小学校の採用者数は約1万2,300人で前年度より1.2%減少したが、中学校約6,800人(前年度比1.3%増)、高等学校約4,300人(同20.2%増)などとなっている。
・倍率(競争率):倍率(受験者数÷採用者数)は、12年度に13.3倍にアップした後、14年度の9.0倍まで急落、その後も7倍台~6倍台と低下傾向が続いていたが、22年度は前年度より0.1ポイント上昇の6.2倍となっている。校種別では、小学校4.4倍、中学校8.7倍、高等学校8.1倍などである。
・地域格差:倍率は地方で高く、都市部で低い傾向がみられる。22年度の場合、倍率が高い県市は、沖縄県17.4倍、長崎県14.6倍、秋田県13.8倍、鳥取県・福岡県13.7倍など。
   一方、倍率が低い県市は、川崎市3.6倍、大阪市4.0倍、千葉県・千葉市4.1倍、浜松市4.2倍、広島県・広島市4.6倍など。
・厳しい実態:22年度の受験者総数、及び採用者総数に占める新規学卒者の割合は、それぞれ前年度よりも増加しているものの、受験者28.9%、採用者31.2%で、ともに3割程度に留まる。また、採用率(採用者数÷受験者数)も新規学卒者17.3%、既卒者15.5%である。
   因みに、教員免許状取得者数(17年度)と国公私立学校教員採用者数(18年度新卒採用:採用年度は免許状授与年度の翌年度)との関係は次のとおりで、厳しい状況にある。
   ・小学校=免許状取得者数1万6,576人 → 教員採用者数5,025人(免許状取得者の教員採用の割合30.3%)/・中学校=免許状取得者数5万1,190人 → 教員採用者数2,088人(同4.1%)/・高等学校=免許状取得者数7万3,509人 → 教員採用者数1,656人(同2.3%)

< 大学の役割と教員の 「生涯職能成長」 >

大学、とりわけ「課程認定大学」の役割は、学生に教員免許状を取得させることだけに留まらないであろう。“免許状”はいわば、教職課程の“履修証明書”(教職履修の過去の実績)であるといえる。大学は、輩出した学生が教壇に立つこと(教職履修の未来に向けた活用)、つまり教員の教職生活について支援していく役割も担っているといえよう。
   教員自身も「生涯職能成長」の観点から、免許状取得後も教壇に立つ限り、教員としての様々な“専門職的な成長”を目指すべきである。そして、大学・学校現場・教育委員会は、教員養成・採用・研修といった一連の体制づくりを連携・協働して一層深化させていく中で、教員の「生涯職能成長」を支援していくことが大事だ。