入試動向分析

2011年 私立大入試 志願者動向分析
 【2011年5月】

“理系女子”が目指す学部系統の人気高まる。
中央大・東京理科大・同志社大などが志願者増!

突然の「東日本大震災」は、東北地方をはじめ被災地に大きな惨禍をもたらした。数多くの受験生や大学生も犠牲になり、また被害を蒙った。犠牲になった方にはお悔やみを、被災された方にはお見舞いを心から申し上げます。
 ここでは「3・11」以前の、例年通り行われた2011年私立大入試について、目標校となる難関私立大の入試を中心に、人気度の指標となる「志願者動向」と、難易変動の指標となる「実質倍率」について見ていく。さらに、2012年入試の最新情報もお届けする。

※この記事は『螢雪時代・2011年5月号』の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)

センターの易化と不況の深刻化で併願校数を減らす傾向が強まる。
私立大専願者は安全志向。理工系大学が軒並み志願者増!

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2011年(以下、11年。他年度も同様)の2月入試を中心とした私立大一般入試の志願者数は、全体では前年とほぼ同様であった。
   不況の深刻化とセンター試験(以下、セ試)の易化が影響し、受験生に“国公立大志向”と“地元志向”が強まり、私立大の併願校数を減らす傾向がみられた。一方、私立大専願型の受験生に“安全志向”が強まり、10年に人気を集めた中堅上位校から、さらに中堅校にランクダウンした模様。
   学部系統別では、理系(理工・農・薬・看護・生活科学)の人気アップ、文系(法・経済・社会福祉)の人気ダウンが目立った。


大震災の影響は東日本の大学全体に波及。
各大学で救済措置を実施

さる3月11日に起こった「東北地方太平洋沖巨大地震」は、未曾有の惨禍をもたらした。数多くの受験生や大学生も犠牲になり、また大きな被害を蒙った。被災地の大学・短大も、程度の差こそあれ、キャンパス等にさまざまな被害を受けた。
 国公立大では翌日に予定された後期日程の実施方法を急遽変更し、個別試験を中止してセ試のみの合否判定に切り替えたり、被災者対象の追試験を実施したりするケースが続出した。私立大の場合、一般入試はほぼ終了している時期だったが、被災地の大学では一部の入試を4月に延期するケースもみられた。
 大震災の影響は、首都圏など東日本の大学全体に波及した。福島の原子力発電所事故の深刻さ、電力供給不足に伴う計画停電、続く余震などの影響で、東日本(北海道・東北~関東・甲信越)の大多数の大学で、卒業式や入学式をはじめ、各種行事を中止、または延期した。早稲田大・明治大・立教大など、新年度の授業開始を4月下旬~5月上旬に繰り下げた大学も多い。
 一方で、東日本の大学を中心に、被災により経済的基盤を失ったり、避難生活を余儀なくされたり、交通・通信状況の復旧遅れから移動や連絡が難しかったりする在学生や入学予定者に対し、入学手続期間の延長、学費・入学金の減免措置、臨時の奨学金、居住先の確保などの救済措置を立ち上げた。早稲田大・明治大・立命館大などでは入学時期の延期も認めている。


一般入試の志願者は前年並み、大学受験生数の微増に比例

大学受験生数と国公立大志願者数・志願倍率等の推移

ここからは「3・11」以前の、例年通り行われていた私立大一般入試の志願状況についてお伝えする。
 旺文社では、学部募集を行っている全国の私立大学(574大学。通信制を除く)に対して、11年一般入試の志願者数を調査した。3月下旬現在で集計した確定志願者数のデータは「全国206大学:約236.4万人」にのぼる。この集計は2月に行われた各大学の独自入試(大学が独自の試験問題等で行う試験)とセンター試験(以下、セ試)利用入試を主な対象とし、2月下旬~3月の「後期募集(セ試利用も含む)」を一部集計に加えた。
 その結果、私立大一般入試の志願者数は、10年の同時期とほぼ同数である(0.2%増)ことがわかった。国公立大の志願者増(10年48.9万人→11年50.4万人:3%増)とは対照的だ。
 ちなみに、11年の4(6)年制大学の受験生数は、本誌の推定では10年より約3千人(約0.4%)増加する見込み。今後発表される大学や「後期募集」の志願者数を集計に加えると、最終的には受験生数の微増にほぼ比例し、「前年並み~微増」に落ち着きそうだ(グラフ1)。


一般入試・セ試利用ともに、2月の2~3教科入試が基本

ここで、私立大入試のしくみをおさらいしておこう。一般入試は、大きく「独自入試」と「セ試利用入試」に分かれる。「独自入試」は大半が2月に行われるが、2月下旬~3月に「後期募集」を行う大学も多い。基本は3教科入試だが、最近は2教科以下も数多い。また、複数の入試方式を行う大学が多い。「セ試利用入試」は学部募集する全私立大の9割近くで行い、セ試(2~3教科)の得点のみで合否判定するケースがほとんど。1~2月の募集が大部分だが、3月に募集機会を設ける大学も増えた。
 他にも、一般入試に先立ち、8月頃から行われるAO入試や、11月頃から行われる推薦入試(大きくは、指定校・公募制・自己の3種類)がある。近年、私立大入学者のうち、推薦・AOで入る人が半数を超える。とはいえ、第1目標とすべき難関私立大は、あくまで一般入試が主力であることを肝に銘じよう。


「センター人気」は収まる。中堅クラスに志願者集中

11年私立大入試には、「経済不況の深刻化」「セ試の平均点アップ」が影響した。
   不況が続く影響で、受験生の経済事情は急速に悪化。保護者が学費負担も厳しい様子を見て、「生活費を考えると地元を離れられない」「浪人できない」という意識が働き、“地元志向”と“安全志向”に結びつく結果となった。
 全国6地区ごとの全体的な志願動向を見ると(グラフ3)、北陸・東海のみ志願者増、関東・甲信越、関西はほぼ前年並みに留まった。北陸・東海の大幅増は“内向き”な出願傾向を如実に示している。北海道・東北、中国・四国、九州は減少したが、これは10年に国公立大志望者が、大都市圏より地元の主要私立大の併願を増やした反動が強くあらわれたためといえる。
 また、大学生の就職率が10年前の「就職氷河期」を下回るなど、就職状況の急激な悪化を目のあたりにして、“資格志向”も強まった。
 セ試の2年ぶりの平均点アップ(易化)が、“国公立大志向”に拍車をかけた。国語、数学Ⅰ・A、物理Ⅰ、化学Ⅰ、現代社会などの平均点が前年よりアップしたことで、国公立大受験生がやや強気になり、前述の「不況の深刻化」もあり、私立大難関~中堅上位校の併願校数を減らしたものとみられる。
 さらに、私立大専願型の受験生(特に文系)が“安全志向”から、難関~準難関校を、さらには10年に多くの志願者を集めた中堅上位校まで敬遠する傾向がみられた。このため、併願パターンは以前の「十字型」から「I字型」に近づき、中堅クラスが志願者増の最も顕著な“ボリュームゾーン”となった模様だ。
 入試方式別に見ると(グラフ2)、2月試験では大学の独自入試、セ試利用入試ともに「前年並み」であり、ここ数年、増加の一途をたどっていたセ試利用入試の勢いが止まった。
 セ試利用入試は「独自入試より受験料が安い」「多くの場合はセ試のみで判定するので受験旅行の必要がない」「独自入試と異なり大学ごとの対策が必要ない」といった利点があるが、10年は「新型インフルエンザ」罹患を避ける対策としてセ試利用の出願が増えたという特殊事情もあり、大学によっては反動による減少もみられた。
 一方で、独自・セ試併用型(独自入試の指定科目と、セ試の高得点科目または指定科目を合計し、合否判定する方式)の9%増が目を引くが、実施学部・学科が増えたためで、募集枠の規模は他の2方式に比べ格段に小さい。


大学受験生数と国公立大志願者数・志願倍率等の推移



理工・農・薬・看護・生活科学が志願者増、法・経済は減少

次に、学部系統別の志願状況を見てみよう(グラフ4)。注目すべきは、医・歯以外の理系学部の志願者増だ。
   前述のセ試の平均点アップが追い風になり、理系志望者(特に女子)は、国公立大受験者のみならず、私立大専願者も学力に自信を深め、積極的に出願したものとみられる。また、大学生の就職率が低迷する中、理系学部は「技術・資格を取得でき、文系より就職先が確保できそう」とみられ、保護者が進学を後押ししている側面もあろう。高校の先生方の話では、理系志望者の「文転」が例年より減ったという。理系受験生自体の厚みが増しているのだ。
 特に理・工は5年連続で志願者増。「理工系人気」はすっかり定着して底堅く、東京理科大(3%増)をはじめ、各地区で難関から中堅校に至るまで満遍なく増えている。理工系大学・学部における高大連携の積極的な展開、国の理系教育振興策も含め、多方面の「理工離れ」対策により、理工系志望者の裾野が広がっているようだ。工業系専門高校など、従来は就職や専門学校進学が大多数だった層の参入もあろう。
 また、農・水畜産・獣医、薬、医療・看護、家政・生活科学といった“理系女子”が目標とする学部系統が増加。医療・看護系の相次ぐ学部・学科増設に加え、やはり“資格志向”と近年の「生命科学系人気」が要因とみられる。
 医では08年から4年連続で、医師不足解消へ向けた定員増が行われたが、私立大の場合、11年は7大学22人増に留まった(10年は13大学70人増)。10年の志願者大幅増の反動もあり、志願者数はほぼ前年並みに留まった。
 歯はここ数年の落ち込みが止まらず、定員減(4大学66人減)もあって大幅減(27%減)。国公立大の同系統の大幅増(12%増)とは対照的で、「歯科医になるなら国公立」の意識が受験生に定着したといえる。
 文系は全体的に志願者減。特に、法、経済・経営・商、社会・社会福祉の人気ダウンが目立つ。法は法科大学院の司法試験合格率の低迷など、経済・経営・商は大学生の就職状況の急激な悪化が敬遠材料となった模様。私立大の“看板学部”ともいえる両系統の人気低下が、社会科学系中心の主要校の志願者減に結びついた。
 一方、文・教育・教養は微増、国際・国際関係・外国語は増加。“資格志向”の強まりで、教員養成系の志願者は増えた模様だ。


早慶や明治大など、主要校は「前年並み~3%減」が多数派

ここから、大学ごとの志願状況を見ていこう。表1では、志願者数(大学合計:3月下旬現在)の多い順に、上位20大学を示した。
   20大学の顔ぶれは前年と変わらず、ほとんどが大都市圏の総合大学だが、2年連続で志願者数トップとなった明治大(2%減)をはじめ、早稲田大(2%減)、慶應義塾大(3%減)など、全体として「前年並み~3%減」の範囲に入る大学が多い。また、難関校から中堅上位校に至るまで、各レベルで志願者増減の明暗が分かれた。首都圏では、中央大(5%増)・駒澤大(14%増)が増加する一方、立教大(7%減)・東洋大(7%減)が減少。また、京阪神では、同志社大(5%増)・近畿大(6%増)が増加する一方、関西学院大(10%減)・龍谷大(12%減)の減少が目立つ。
 中央大では法の独自入試における4教科型(数学必須)の導入、駒澤大では全学部共通入試の募集枠拡大(279人→357人)、同志社大では5学部でセ試利用入試の出願締切日をセ試の本試験日の「後→前」に移行した(自己採点の結果を待たず出願するため志願者が増えやすい。うち2学部では事後出願の方式もある)ことも志願者増の要因となった。
 ちなみに、20位までの志願者の合計は、全体(206大学:約236万人)の約55%と過半数を占める。いかに大都市圏の総合大学に志願者が集中しているかがわかる。


受験料割引など、経済面の優遇措置が志願者増に直結

表2では、志願者1,000人以上の大学について、増加率が高い順に上位20大学を示した。工学院大(33%増)・金沢工業大(39%増)といった理工系大学と、医療・看護や教員養成、管理栄養士養成の学部・学科を有する大学が目立ち、理工系人気と資格志向の強まりを如実に示している。また、5大学で10年の志願者減や倍率低下の反動がみられ、前年の入試結果に敏感な“安全志向”が見てとれる。
 さらに、特待生制度の導入・拡充、受験料の減額など、受験生を経済面で支援する入試改革が、人気アップの大きな要因となっている。1位の神戸松蔭女子学院大では、2つの日程に出願した場合、自動的に合否判定のチャンスが増える「W判定」を導入、志願者が前年の3倍超に急増した。また、札幌学院大・立正大・名古屋女子大・四天王寺大も、受験料割引や特待生制度が大幅増の起爆剤となったことは確かだ。


表1 志願者の多い大学 TOP20
  大学名 2011年
志願者数
2010年
志願者数
志願者
指数
増減 前年順位 主な変更点とTOPICS
1 明治大 113,905 115,700 98   1 2年連続で志願者数1位に/文が「学科別→専攻別」募集に/文のセ試利用で、前期5教科型と後期を導入/理工(情報科学)のセ試前期を4→3教科に軽減/全学部統一試験で、政治経済が国語必須→「国語・数ⅢCから1」に変更、理科選択可に(理系教科でも受験可に)
2 早稲田大 113,653 115,515 98   2 安全志向で難関校敬遠か/国際教養のセ試利用で個別試験(英語)を廃止
3 法政大 92,819 94,536 98   4 前年の志願者10%増の反動か/学科増設(理工‐創生科学)/情報科学のA方式で2→3科目に増加/セ試後期を廃止し、セ試前期をB方式に改称、5教科6科目型のC方式を導入
4 日本大 92,186 95,322 97   3 前年の志願者6%増の反動か/国際関係で学科統合(4→2学科)/法1部・経済・商でN方式(学部共通入試:3月実施)を導入、法1部・経済でA方式3期廃止/商のA方式2期を2→3教科に増加/松戸歯でA方式1期の試験日増、自由選択制導入/文理(教育)でセ試C方式を新規実施
5 関西大 86,463 88,425 98   5 社会安全・人間健康でセ試利用を導入/文のセ試前期で2教科型を、セ試中期で英語力重視方式を廃止
6 中央大 85,938 81,898 105 6 前年の志願者4%減の反動か/法の独自入試で数学必須の4教科型を新規実施/「統一入試」(法・経済・商・社会の学部共通入試)で、法が同一学科の3・4教科型を併願可とした
7 近畿大 81,389 76,744 106 8 「阪神なんば線」による利便性アップの効果が持続/学部増設(建築)/医の前期A・B日程で面接を追加、2段階選抜とし、受験料を増額/薬の前期B日程で高得点科目重視方式を導入/総合社会でC方式(セ試利用:前・中・後期)とPC方式(独自・セ試併用:前・後期)を導入
8 立命館大 75,682 77,744 97   7 スポーツ健康科学でセ試利用入試とセ試併用型を新規実施、W方式(国・英2教科型)を廃止/E方式(国・英・リスニング)を廃止/セ試利用で、2月実施の4教科型(10年は9学部で実施)と経営のベスト3科目型を廃止、後期型(3月実施)では4学部で3→4教科に増加
9 立教大 67,837 72,966 93 9 セ試利用が8%減、前年の12%増の反動か
10 東洋大 67,538 72,768 93 10 前年の志願者5%増の反動か/独自入試で、国際地域(国際観光)がC方式を、理工がD方式を廃止/セ試利用B方式で、前期は文(日本文学文化)・総合情報・理工(生体医工・都市環境デザイン)でベスト2、経済(経済)で4教科型、国際地域で傾斜配点方式を導入。社会(社会文化システム)・理工(機械工・電気電子情報工・建築)で中期を新規実施
11 青山学院大 53,961 53,695 100   11 全学部日程入試は8%減、導入2年目の反動に加え、「学外試験場なし」「同一日の同時併願不可」がネックに/文2部を廃止/理工で定員増(495人→595人)/法で募集人員減(A方式80人→70人、セ試併用170人→160人)/理工でセ試後期を廃止
12 東京理科大 52,108 50,499 103   13 理工系人気が追い風に
13 同志社大 48,509 46,367 105 16 学部増設(グローバル・コミュニケーション)/文(英文A方式以外)・社会・法・経済の出願締切がセ試本試験日の「後→前」に移行/文化情報でセ試B方式(個別なし、本試験日前の出願締切)を導入
14 慶応義塾大 46,693 48,260 97   14 安全志向で難関校敬遠か/2012年からセ試利用入試を廃止予定
15 関西学院大 45,821 50,845 90 12 大阪からの受験者が減少か/学部個別日程(文系型)を「英語・国語必須、数学・地歴から1」→「英語必須、国語・数学・地歴から2」に(国語が選択に) /商で独自・セ試併用の「数学併用型」を導入/国際でセ試利用を新規実施/理工の3学科でセ試1月出願に5科目型を導入
16 福岡大 41,700 41,760 100   15 地区内の国公立理系志望者の併願先として安定/人文・工(機械工)で「一般・セ試併用型」を新規実施/薬の一般前期で理科重視型(理科2科目・英語)を導入
17 駒澤大 37,104 32,520 114 19 学部共通入試の「全学部統一日程」を全問マーク式に変更し、募集枠を拡大(279人→357人)/グローバル・メディア・スタディーズでセ試利用中期を新規実施
18 専修大 35,759 35,377 101   18 全学部統一入試に文・人間科学(社会)が新規参加、これで全学部・学科が参加
19 芝浦工業大 34,321 31,583 109 20 理工系人気が追い風に
20 龍谷大 33,123 37,521 88 17 大阪からの受験者が減少か/学部増設(政策)/全学の入学定員を増加(3,877人→4,350人)/セ試利用の受験料を1万5千円→1万円に減額/セ試前期は9%減、前年の志願者16%増の反動か


(注1)「増減」欄の記号は、△=10%以上の増加、↑=5%以上の増加、↓=5%以上の減少、▼=10%以上の減少を示す。
(注2)3月中旬現在のデータによる。一部、大学によっては未集計の方式・日程がある。



表2 志願者の増加率が高い大学 TOP20
  大学名 2011年
志願者数
2010年
志願者数
志願者指数 主な変更点とTOPICS
1 神戸松蔭女子学院大 2,125 669 318 独自試験に一般W判定(A・B両日程への出願者を対象に、両日の試験科目中の高得点2科目で自動的に判定。判定料は無料)を導入/独自入試・セ試利用ともに、出願時の全志望学科・専攻・専修で判定する制度を導入
2 神戸親和女子大 1,525 740 206 資格志向(教員養成系)が追い風に/セ試利用の中期C方式を新規実施
3 四天王寺大 1,507 782 193 受験料割引制度(一般前期で2日間受験する場合、2日目の受験料を免除)を新規実施/前年の志願者11%減の反動も
4 畿央大 6,900 5,164 166 資格志向(医療系と教員養成系)で人気集める
5 東海学園大 1,938 1,275 152 学部増設(健康栄養)
6 名古屋学院大 2,917 1,972 148 一般前期で2教科型・3教科型が「併願不可→可」に/経済・商・外国語の前・中期の3教科型で国語が、スポーツ健康の前・中期で英語・国語が、リハビリテーションの前・中期で英語・数学が「必須→選択」に/独自・セ試併用型で受験料減額(3万5千円→1万5千円)
7 拓殖大 7,370 5,159 143 全国後期試験(2月下旬)を新規実施/全国試験(2月初頭)で試験日増(1→2日)、自由選択制を導入
8 立正大 13,337 9,599 139 セ試利用前期で、2併願以上の受験料を2万5千円に固定(前年は1併願増えるごとに1万円増)/セ試利用の成績上位者を奨学生対象に追加/前年の志願者5%減の反動も
8 金沢工業大 6,128 4,405 139 公募制推薦に募集枠を縮小し、独自入試の募集枠を拡大(前期444人→518人、中期74人→148人)/理工系人気が追い風に
10 札幌学院大 2,083 1,565 133 新たな受験料割引制度(併願学科数に関係なく、独自入試3万5千円、セ試利用1万2千円に固定)を導入
10 工学院大 10,049 7,548 133 学部増設(建築)/理工系人気が追い風に
12 岐阜聖徳学園大 3,795 2,915 130 地区の国立大教員養成系の併願校として人気集める
12 名古屋女子大 2,314 1,779 130 独自入試で、同一試験日の併願受験料を減額(1万円→5千円)/家政(食物栄養)の一般1期・セ試1期で理系科目型(化学・生物の2科目)を導入
12 長浜バイオ大 1,530 1,178 130 前期Bで独自・セ試併用型を導入/セ試利用を変更。前期A=英語・理科が「必須→選択」に(3→2教科)、前期B・中期=4→3教科に軽減
12 帝塚山大 2,373 1,820 130 学部増設(心理)/独自入試(一般A~C)・セ試利用で、高得点2教科型(高得点教科の配点を2倍にして判定)を導入
16 大正大 4,306 3,394 127 学科増設(人間‐人間環境・教育人間)/セ試中期を新規実施
17 東北芸術工科大 1,277 1,032 124 学科増設(芸術‐文芸)/前年の志願者43%減の反動も
17 学習院女子大 2,678 2,167 124 英語コミュニケーション学科の独自試験で、A方式では英語リスニングを廃止、B方式を導入(国語・英語2教科)/前年の志願者20%減の反動も
17 摂南大 10,468 8,441 124 経済でセ試利用(C・MC日程)と独自・セ試併用(AC・BC日程)を新規実施/前年の定員増に伴う倍率ダウン(5.7倍→4.0倍)も人気アップの要因か
20 中京大 24,007 19,644 122 学部改組(体育→スポーツ科学)/センタープラス(独自・セ試併用)で、4学部が英語重視型、5学部が国語重視型、4学部が数学重視型を導入/セ試前期で、9学部が4教科型を導入

(注)3月下旬現在のデータによる。志願者数1,000人以上。順位は小数第1位までを比較。一部、大学によっては未集計の方式・日程がある。



駒澤大・近畿大などが志願者増。
京都産業大・甲南大が志願者減

ここまで紹介した以外の、各地区のおもな大学の志願状況(2月入試が中心)を見てみよう。

(1)首都圏地区
   早稲田大・慶應義塾大をはじめ、国際基督教大(3%減)・上智大(4%減)と、難関グループは“安全志向”から敬遠されて志願者減。上智大は学科増設(総合人間科学‐看護。聖母大と法人合併)したが、文で前年の反動が顕著だった(10年39%増→11年15%減)。
 いわゆる「MARCH」では、中央大の志願者増に対し、立教大は減少、明治大・法政大(2%減)は微減。青山学院大は全体ではほぼ前年並みだが、導入2年目の全学部s日程が前年比8%減。複数学部の同時併願ができず、学外試験場がないことが敬遠材料になった模様だ。
 いわゆる「日東駒専」では、駒澤大が大幅増、専修大(1%増)も堅調だったが、日本大(3%減)・東洋大は志願者減。中堅校グループでは、国士舘大(14%増)・大東文化大(5%増)・東海大(12%増)が志願者増。一方で、獨協大(10%減)・亜細亜大(9%減)は減少した。
 さらに、東京理科大をはじめ、芝浦工業大(9%増)・工学院大・東京電機大(16%増)・千葉工業大(12%増)・東京農業大(10%増)など、理系中心の大学は軒並み増加した。
 この他、成城大(10%減)・東京女子大(15%減)・日本女子大(9%減)・明治学院大(13%減)などの志願者減も目立つところ。

(2)京阪神地区
   いわゆる「関関同立・産近甲龍」では、同志社大・近畿大(6%増)の志願者増に対し、関西学院大・京都産業大(7%減)・龍谷大・甲南大(10%減)が志願者減、関西大・立命館大は微減(各2%減)。地区外(特に北陸・東海)からの志願者減が大きく影響したようだ。また、地区内でも「通学範囲志向」が強まり、大阪から京都・神戸への流出が減ったという。
 近畿大の場合、建築学部の増設に加え、大阪市中心部を横断する鉄道(阪神なんば線)の開通で利便性が向上した効果が続いている模様。
 中堅校グループでは、佛教大(5%増)・大阪工業大(7%増)・関西外国語大(13%増)・摂南大(18%増)・神戸女学院大(11%増)が志願者増。一方、武庫川女子大は前年の反動から大幅減(12%減)。京都女子大は、女子大初の法学部を新設したものの、前年比4%減となった。

(3)その他の地区
   志願者が増えたのは、金沢工業大・愛知工業大(11%増)・中京大(25%増)・中部大(19%増)・岡山理科大(5%増)など。北陸・東海地区と、理工系中心の大学の増加が目立つ。このうち、金沢工業大では推薦枠縮小に伴う一般入試枠拡大、中京大ではセ試利用入試と独自・セ試併用型の複線化も要因となった。
 一方、志願者が減少したのは、北海学園大(13%減)・東北学院大(12%減)・南山大(9%減)・広島修道大(4%減)・松山大(18%減)・西南学院大(7%減)など。



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実質倍率は大都市圏の大学でダウン、合格者増が目立つ。
京都産業大・龍谷大・関西学院大などがやや易化か!?

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2月入試を中心に、一般入試の受験・合格状況を集計したところ、受験者は「ほぼ前年並み」に対し、合格者は3%増え、実質倍率は10年3.8倍→11年3.6倍とダウンした。京都産業大・龍谷大・関西学院大などが「受験者減、合格者増」で、日程・方式によりやや易化した模様だ。


「志願倍率」に惑わされず、「実質倍率」に注目しよう

大学受験生数と国公立大志願者数・志願倍率等の推移

次に、私立大一般入試の合格状況を見ていこう。中でも倍率の変化は、「難化・易化」を計る物差しとなる重要データだが、一般的に使われる「倍率」には、次の2通りあることに注意したい。
*志願倍率=志願者数÷募集人員=見かけの倍率
*実質倍率=受験者数÷合格者数=実際の倍率

私立大では合格者の入学手続率を考え、一般入試で募集人員の3~5倍程度、セ試利用入試では5~10倍程度の合格者を出すのが普通だ。
 グラフ5で関西学院大‐理工の例を見てみよう。一般入試(全学日程)の志願倍率は17.9倍だが、合格者を募集人員の6.2倍出しているので、実質倍率は2.8倍となる。
 また、セ試利用入試(1月出願)の志願倍率は51.5倍もの超高倍率だが、合格者を募集人員の18.8倍も出しているので、実質倍率は2.7倍におさまった。これなら「とても手が出ない」という倍率ではないだろう。
 見かけの倍率に惑わされることなく、実際の倍率を志望校選びのデータとして活用しよう。


受験者は前年並み、合格者3%増。倍率は全体で3.8→3.6にダウン

私立大一般入試(おもに2月入試)の受験・合格状況について調査したところ、正規合格者まで発表した103大学の集計(3月下旬現在)では、受験者数はほぼ前年並みだったのに対し、合格者数は3%増えた(グラフ6)。ここ数年に比べ、合格者を絞り込む傾向は弱まり、実質倍率(以下、倍率)は10年3.8倍→11年3.6倍にダウンした。
 確実な合格を目指し受験校を絞る傾向が続く一方で、経済事情の悪化もあって「国公立大人気」が高まり、現役生から「浪人回避」の傾向がやや薄れたという。国公立との併願が多い難関~中堅上位校では入学手続率の予測が立てにくかった模様で、定員の大幅超過を懸念しつつも、合格者を多めに出す大学が目立った。
 大都市圏(首都圏、京阪神)とその他の地区に分けて集計すると、首都圏は4.7倍→4.6倍、京阪神は3.9倍→3.7倍とダウンした。一方、東海地区を中心としたその他の地区では、前年とほぼ同様の2.7倍であった。以下、おもな大学で、倍率が比較的大きく変動したケースを紹介する(受験者・合格者ともに判明した大学・方式のみ。おもに2月入試)。
(1)倍率アップ 東京農業大4.0倍→4.6倍、金沢工業大1.5倍→2.0倍、摂南大3.9倍→4.4倍
(2)倍率ダウン 北海学園大2.3倍→2.1倍、成蹊大6.2倍→5.7倍、武蔵大6.6倍→5.5倍、南山大2.9倍→2.7倍、名城大3.2倍→3.0倍、京都産業大4.2倍→3.8倍、佛教大4.9倍→4.1倍、龍谷大4.0倍→3.4倍、関西学院大4.1倍→3.6倍、福岡大3.5倍→3.3倍
 このうち、京都産業大は「受験者8%減、合格者2%増」、龍谷大は定員増もあって「受験者12%減、合格者4%増」、関西学院大は「受験者10%減、合格者4%増」と、受験者減に対し昨年より多めに合格者を出し、学部・日程・方式によってはやや易化した模様だ。


ボーダーライン付近は激戦。明暗を分ける1点の重み

キミたちの中には、ふだん「1点の差」を気にも留めない人がいるだろう。しかし、入試本番では、その「1点」が肝心なのだ。
 グラフ7に、関西大学法学部の「学部個別日程」の11年入試結果から、合格ライン付近の上下10点幅の人数分布を示した。同日程は受験者2,657人、合格者540人で倍率は4.9倍。合格最低点は450点満点で281点(得点率62.4%)だった。
 注目すべきは、最低点を含めた「上10点幅」の部分で、ここに合格者全体の約27%が集中する。最低点ぴったりのボーダーライン上にいるのは18人。わずか1点差での不合格者も18人、10点差以内の不合格者は134人もいる。合格ライン付近は、同じ得点帯の中に、多くの受験生がひしめき合っているのだ。
 単語のスペルミスや計算間違いなど、たった1つのケアレスミスが命取りになる。ふだんの勉強から解答の見直しを習慣づけよう。



大学受験生数と国公立大志願者数・志願倍率等の推移


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「学科試験中心・併願可」の京阪神の推薦入試が志願者増。
関西外国語大・摂南大が難化、京都産業大・佛教大が易化か

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一般入試に先立って行われた「公募制推薦」とAO入試。本誌の集計では、公募制推薦は「志願者2%増、合格者2%減」、AO入試は「志願者3%増、合格者3%減」との結果が出た。


推薦は理工・医療系が志願者増。法・福祉は志願者減、やや易化

大学受験生数と国公立大志願者数・志願倍率等の推移私立大の公募制推薦について、11年入試結果の調査を行ったところ、昨年12月末現在の集計データ(168校:志願者数=約15万9千人)では、前年度に比べ「志願者2%増、合格者2%減」となり(グラフ8)、全体の倍率(ここでは志願者数÷合格者数)は10年2.6倍→11年2.7倍とややアップした。
 「より早く確実に」入学を決めたい意識が私立大専願者にすっかり定着。また、東海地区や京阪神に多い「学科試験主体、併願可」の方式が、対策の立てやすさから人気を集め、首都圏などに多い「小論文・面接主体、専願」の方式が敬遠された模様だ。後者では、出願条件に評定平均値を明記するケースが増えたこともあろう。
 東海地区で合格者絞り込みがみられ、愛知大(1.6倍→2.2倍)・愛知学院大(1.5倍→2.0倍)が倍率アップ。また、志願者全体の7割超を占める京阪神では、関西外国語大(2.6倍→3.0倍)・摂南大(2.4倍→2.8倍)・武庫川女子大(4.4倍→5.1倍)の倍率アップ、京都女子大(4.9倍→4.1倍)・京都産業大(4.1倍→3.8倍)・佛教大(7.3倍→4.7倍)の倍率ダウンが目立った。
 学部系統別にみると、就職状況を考慮し、理工、医、医療・看護、家政・生活科学など理系学部の志願者増が目立った。一方、法、社会福祉は人気ダウン、やや易化した模様だ。


AO入試は志願者3%増、合格者3%減でやや難化

AO入試は学部募集を行った全私立大の81%(467大学)で実施。一方、実施学部の削減(東京理科大‐理工・基礎工、同志社大‐文・心理などで廃止)など“AO離れ”も進み、入試結果に影響を及ぼした。昨年12月末現在の集計(118大学:志願者数=約2万5千人)によると、前年度に比べ「志願者3%増、合格者3%減」となり、倍率は10年1.8倍→11年1.9倍とアップ、やや難化した模様だ。慶應義塾大‐法(5.3倍)・看護医療(16.0倍)、成蹊大‐法(5.6倍)・文(5.2倍)、金沢医科大‐医(12.4倍)、同志社大‐社会(6.1倍)・商(6.5倍)など、高倍率の激戦となるケースもみられた。


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12年入試はここが変わる!慶應義塾大がセンター利用を廃止!
セ試利用の公民は新科目「倫政経」の選択科目追加が大多数。

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ここまで、11年入試の志願状況や合格状況について、どんな要素が入試に影響したかを見てきた。キミたちが受験する12年入試では、キャンパス移転、推薦・AOの縮小傾向など、私立大はさらに変貌を遂げていく。大震災の復興状況次第で、志望動向も大きく変動しそうだ。


医療・看護系の新設が目立つ。愛知大などでキャンパス新設

ここからは2012(以下、12)年入試について、現時点(3月下旬現在)で公表されている大学・学部等の新増設や、セ試利用入試の新規実施、入試方式の変更といった注目すべきポイントを紹介する。くわしくは、5月以降に各大学から発表される「入試ガイド」や案内パンフレットを取り寄せ、必ず確認してほしい。
(1)大学・学部等の統合・新設
 亀田医療大・東京医療学院大・天理医療大などが開設される予定(いずれも仮称)。いずれも医療・看護系の学科を設ける。
 また、東海地区では同朋大・名古屋音楽大・名古屋造形大の3大学が統合され、「同朋芸術文化大」(仮称)として再スタートする。
 学部・学科の増設・改組については、ここ数年と同様、城西国際大‐看護、摂南大‐看護など医療・看護系の増設が目立つ。東海大では、北海道にキャンパスのある学部の改組(生物理工→生物)と募集停止(芸術工)を行う。
 この他、文化学園大(旧:文化女子大)が「女子大→男女共学」へ移行する予定だ。
(2)キャンパスの新設・移転
 東京電機大で「東京千住キャンパス」、武蔵野大が「有明キャンパス」、愛知大が「新・名古屋(ささしま)キャンパス」を新設する。


明治大‐文のセ試利用で、公民が新科目「倫政経」指定に!

(3)セ試利用の新規実施と廃止
 昨年12月の文部科学省の発表では、6大学(6学部)が12年入試からセ試を初めて利用する。すでにセ試を利用している大学でも、龍谷大‐政策、京都女子大‐法など8大学8学部で、新たにセ試利用入試を行う。私立大では「セ試2~3科目、個別試験なし」が一般的なパターンだが、明海大‐歯と日本大‐松戸歯では、学部系統の特性もあり、個別試験(面接)を課す。
 一方、1990年にセ試が開始した当初から参加していた慶應義塾大が、利用を取りやめる(11年は法100人、薬15人を募集)。特に法は、難関国立大の代表的な併願先であったため、影響は大きい。早稲田大‐政治経済・法や中央大‐法のセ試利用に志願者が流れ込もう。
 これで、セ試を利用する私立大は509大学1,459学部(11年1月現在)となり、大学数では学部募集を行う全私立大の89%を占める。
 なお、セ試の新規利用大学・学部は年2回発表され、4月中にも2回目が発表される予定だ。
(4)地歴・公民の指定状況
 既報の通り、12年入試からセ試の実施方式が変わる。地歴と公民の試験枠を統合し、「地歴・公民から最大2科目選択」となる。地歴2科目選択が可能になり、公民に新科目「倫理、政治・経済」(以下、倫政経)が加わる。私立大のセ試利用の地歴・公民については、早稲田大・同志社大など、従来の選択科目に倫政経を加えるだけの大学がほとんど。ただし、明治大‐文は3教科型・5教科型ともに、選択科目に倫政経を指定し、従来の「現代社会、倫理、政治・経済」が選択不可となるので要注意だ。


慶應義塾大‐法でAOの募集人員増、全国6ブロックごとに募集枠を設定

(5)推薦・AO入試の変更
推薦・AO入試については、一般入試による入学者との学力格差などが問題化。その是正へ向け、推薦・AOの選考方法をより基礎学力重視に切り替えるとともに、推薦・AOそのものを取りやめるケースも出てきている。
【推薦入試】早稲田大‐人間科学で自己推薦を廃止。また、同‐教育の自己推薦で募集枠を縮小(120人→50人)し、出願資格のうち成績条件を厳しくする(評定平均値3.5→4.0)。
【AO入試】東京経済大‐現代法、明治大‐経営(会計・公共経営)・理工(物理)、同志社大‐社会、大阪経済大(経営の高大連携入試を除く)などでAO入試を廃止する。また、早稲田大‐政治経済ではAO総合選抜の募集枠を縮小(90人→50人)、同‐国際教養のAOとともに学外試験場(大阪・福岡)を廃止する。
 一方、慶應義塾大では法でセ試利用を廃止した分をFIT入試(AO)に移行(募集人員60人→160人)。選考方法をA・B方式に分割、新規実施のB方式では全国を6ブロックに分け、各ブロック最大20人(法律・政治の各学科10人)、計120人を募集する。出願資格として評定平均値4.0以上が必要、選考方法は「1次=書類選考、2次=総合考査・面接」の予定。また、同‐看護医療のAOでも、B方式(評定平均値4.5以上)を新規実施する。
(6)一般入試の変更
【独自入試】同志社大では11学部の全学部日程(文系)で、公民の選択から現代社会を除外。京都産業大では理(物理科学)・コンピュータ理工・総合生命科学の前期スタンダード2科目型で、選択科目から理科(物理)を除外する。
【セ試利用入試】成蹊大‐経済・法・文ではS方式(セ試5科目型)を廃止。大阪経済大ではセ試利用C方式に「4教科型」を導入する。


 *     *     *

3月現在、東日本大震災の復興への道筋が不透明な中、受験生を取り巻く経済環境は厳しさを増すとみられる。関東地区における計画停電の状況や、原発事故の処理によっては、被災地区はもとより、北海道と北陸・東海以西では、心理的に「地元志向」「国公立志向」がますます強まるとともに、東海地区や九州の難関校志望者を中心に「関関同立・産近甲龍」などへ流入、“京阪神志向”の強まりが予想される。
 「浪人できない」プレッシャーも強まり、私立大志願者が最も集中する範囲は中堅クラスに移行しそうだ。さらに、進学そのものをあきらめるケースも増えよう。
 とはいえ、日本の底力を考えると、今後を決して悲観すべきではない。これまで思い描いてきた志望校をあきらめるのはまだ早い。各大学では12年度も、被災者に対する学費免除や奨学金支給などの継続が予想される。「自分が将来やりたいことのため、考えられる全ての手だてを講じ、この大学には必ず入る」という強い意志を持ち、この危機を乗り越えよう。

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2011年5月号)」より転載いたしました。

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