今月の視点

3月

“リケジョ”の躍進に期待 !

科学技術立国に「理系女子」の育成・支援は不可欠 !

旺文社 教育情報センター長 大塚/2014年3月3日掲載

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26年1月末、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーらは、再生医療など様々な分野への応用が期待される新しい万能細胞である「STAP(スタップ)細胞」の作製に成功したことを発表し、世界的にも注目された。ただ、発表論文を巡って疑問な点があるなどの指摘を受け、関係機関等が現在調査している。
 他方、同じ理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは、万能細胞の「iPS(アイピーエス)細胞」を世界に先駆けてヒトに応用する臨床研究を進めている。二人とも、女性研究者である。
 近年、所謂“リケジョ”と呼ばれる「理系女子」の大学・研究機関への進出は増えているが、理系分野の女性の比率は低い。科学技術立国を支える「理系女子」の育成・支援は重要である。


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< 文系と理系 >
文系型人間と理系型人間

科学技術立国を標榜する我が国にとって、所謂“理系”人材の育成は極めて重要である。
 一般的に、学習や教育、研究等において、主に人間や社会と関わる領域は「文系」、主に自然現象(ヒトを含む)と関わる領域は「理系」などとよばれている。学問分野との関わりでは、文系は「人文科学」と「社会科学」、理系は「自然科学」ということになるが、学際領域においては「分理融合」となる。
 また、大学等での専門(専攻)分野だけでなく、人間の気質や性格までも含めて“文系型人間”、“理系型人間”などと観念的な印象で語られることも少なくない。
◆ パスカルの「幾何学の精神」と「繊細の精神」
 ところで、人間の考え方や行動の基盤となる教育は、文系と理系といった二項対立的な単純なものではない。こうした点について、古くはフランスのパスカル(1623年~1662年)が『パンセ』(瞑想録)に述べている。
 パスカルはものの捉え方として、明らかな原理に基づいて推論を組み立てる力、「幾何学の精神」(理系的思考)と、部分にとらわれずに全体を感性的に通観できる力、「繊細の精神」(文系的思考)との両方が大事であるという。つまり、人間には、「幾何学の精神」と「繊細の精神」との二つを兼ね備えた、文系・理系の複眼的思考の育成が求められる。無論、“理系”人材の育成においても、この二つの精神を忘れてはならない。

高校での“文・理分け”

◆ 学習指導要領に文系・理系の別なし
 小学校から高校までの初等中等教育段階では、原則として文・理別の教育は行われず、学習指導要領は小学校、中学校、高校といった各学校段階別に一元化されている。
 高校では、中学校教育の基礎の上に高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的に、一般的な教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させることが規定されている(学校教育法)。また、高校教育の多様化に対応し、普通科(25年度全生徒数約331万人に占める割合:72.4%)のほか、農業・工業・商業などの職業学科、理数科・音楽科などの「その他の専門学科」及び総合学科が設置されているが、それらの学科の教科・科目の指導要領については、同一の学習指導要領に規定されている。つまり、『高等学校学習指導要領』には、文系・理系といったカリキュラム編成に係るような記述はない。
◆“負担増”の理系を敬遠
 ほとんどの大学は文系・理系に大別される「専門学部制」(後述)をしき、それに基づく募集(入試)を行っている。そのため、大学進学を目指す普通科を主体とする多くの高校では、2年次もしくは3年次で“文・理別”のカリキュラム編成、クラス分けを行っている。
 この文・理分けの決め手として、多くの生徒は「数学」の出来、不出来や入試の負担増(旧課程入試では、理系の場合、大学の個別試験で多くは数学Ⅲ・数学Cまで含む)、及び「理科」の負担増(各科目とも「Ⅰ科目+Ⅱ科目」が主体)を基準にしているようだ。
 その結果、理系組は文系組より少なく、特に女子の理系組は少ないのが実態である。
 高校での文・理分けは、受験を意識した履修科目や学習科目の比重の掛け方の違いであり、“文系型人間” 、“理系型人間”といった人間の特性までを決めつけるものではなかろう。

「専門学部制」をしく大学組織

「大学」は「学部」を置くことを“常例”としており(学校教育法)、「学部」は“特定の共通した分野”を専ら教育・研究する組織である。明治期の学制創設以降、伝統的な大学は法学、理学、文学、医学、経済学といった、伝統的な学問分野で形成された学部を核に組織化され、現在に繋がっている。
 多くの大学ではこうした「専門学部制」をしき、入学から卒業まで文系と理系に大別された学部教育を基本にしている。入学者選抜も多くは、こうした制度に準じて行われている。
 ただ、最近は文系、理系に区分された学部(学科)ごとの入学募集枠や学部教育では、学際領域(文理融合)の人材養成を狭めているという観点から、学部・学科ごと(文・理系区分)の募集を廃止し、「大くくり募集」などの入試改革もみられる。

< 大学進学率の推移 >
大学進学率“50%超”以降、最近は下降傾向

「理系女子」の大学進学の状況をみるのに先立ち、大学進学率の推移をたどってみる。
 まず、昭和30(1955)年から平成25年までの大学(学部)への男女合わせた「進学率」(大学入学者数<既卒者含む> ÷ 18歳人口<3年前の中卒者数及び中等教育学校前期課程修了者数>)の推移を概観してみよう。
 昭和30年当時の大学進学率は約8%であったが、昭和37(1962)年に10%、昭和47(1972)年に20%を超え、平成6(1994)年に30%台、14年(2002)年に40%台になり、21年には50.2%と所謂「ユニバーサル段階」(高等教育制度の発達段階で進学率50%以上の最終ステージ。短大を含めると17(2005)年に51.5%)に達した。
 ただ、この2年間は下降傾向にある(23年=51.0% → 24年=50.8%→ 25年=49.9%)。

男子の進学率も最近は下降傾向

上記のような大学進学率の状況で、男子の大学進学率も同じような形で推移している。
 男子の大学進学率は、昭和40年代前半~昭和50年代前半にかけて18歳人口の減少(所謂「団塊世代」後の減少)と高度経済成長期の好景気などで急激に上昇した。
 その後は平成初期まで30%台で停滞状態にあったが、平成5年以降は再び18歳人口の減少(「団塊ジュニア」の減少)と入学定員増による入学者増で進学率は上昇し、22年には56.4%に達した。しかし、最近3年間は減少傾向にある(22年=56.4% →23年=56.0% → 24年=55.6%→ 25年=54.0%)。(図1参照)

女子の大学進学率、平成時代に入り急上昇

次に、女子の大学進学率の推移をたどってみる。
 昭和30年の2.4%から昭和47(1972)年の9.3%まで1桁台であったが、昭和48年に10.6%に達した。その後は、昭和63(1988)年の14.4%まで比較的緩やかに上昇した。
 平成時代に入ると、平成元(1989)年14.7%、5年19.0%、10年27.5%、15年34.4%、20年42.6%、25年45.6%と、平成元年以降は24年間で大学進学率は3.1倍まで急上昇している。因みに、男子は平成元年の34.1%から25年54.0%まで、24年間で1.6倍の上昇に留まる。
 また、男子と女子の進学率の差は、昭和50年に28.3ポイント(男子>女子)まで開いたが、25年は8.4ポイントに縮まっている。(図1参照)

女子の短大進学率は平成7年以降、急降下

女子の短大(本科)進学率は、昭和30(1955)年の2.6%から昭和50(1975)年の20.2%まで急激に上昇。その後、平成6(1994)年に24.9%のピークに達した後、“4年制(大学)志向”と“短大離れ”などから一気に下降し、25年は9.5%まで低下している。(図1参照)


< 大学入学者の文系・理系 >
文系・理系の入学者割合

◆「文系」5割弱 VS.「理系」3割強
 25年度の大学入学者61万4,183人の学部系統別(主な関係学科別)割合をみると、“経済活動”の「商学・経済学」が18.0%、“モノをつくる”「工学」が14.8%、「教育」が7.6%、「法学・政治学」が6.1%と、社会・経済産業構造の基本的しくみを反映して、この4分野で全入学者の46.5%と、半数近くを占めている。
 これらを、「文系・理系」領域でみてみよう。
 「文系」は「社会科学」分野の約20万2,000人(全入学者の32.8%)と「人文科学」分野の約9万人(同14.6%)を合わせ、全入学者の47.4%に及ぶ。
 一方、「理系」は理学(全入学者の3.0%)、工学(同14.8%)、農学(同2.8%)、医療系(医・歯・薬・看護学等:同10.6%)といった「自然科学」分野で、全入学者の31.2%である。
 なお、家政・教育・芸術・教養(文科・理科含む)など、「その他」領域が21.4%である。(図2参照)
◆「理系」:男子7割弱 VS.女子3割強
 25年度の「理系」入学者19万1,921人の男女別人数をみると、男子が12万6,374人(「理系」入学者の65.8%)、女子が6万5,547人(同34.2%)となっている。
 また、分野別の男女比率は、「理学」=男子72.5%、女子27.5%/「工学」=男子86.4%、女子13.6%/「農学」=男子54.9%、女子45.1%/「医療系」=男子38.1%、女子61.9%となっている。「理学・工学」には男子が多く、「農学」はおよそ半々、「医療系」には女子が多いことを示している。(図3参照)

「理系女子」の入学者、平成5年度からの20年間で2.1倍

大学の理系に進む「理系女子」は年々増加の一途をたどっている。
 「理系女子」の入学者数の推移をみると、昭和40(1965)年度は5,000人台であったが、平成元(1989)年度に2万人を超え、5(1993)年度には約3万1,000人となった。さらに、5年度~25年度の20年間では、5年度の2.1倍に当たる約6万6,000人に達している。特に、看護学・薬学を中心にした「医療系」の増加が目立つ。(図4参照)


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< 100年前の“元祖・リケジョ” >
東北帝大に日本初の「理系女子」誕生

東京帝大、京都帝大に次ぐ3番目の帝国大学として明治40(1907)年に設立された東北帝大は大正2(1913)年、我が国で初めて女子3名の「理学部」入学を認めた。当時の大学では、旧制高校卒業の男子学生だけを入学させており、女子の大学進学は考えられなかった。
 入学した3名の“リケジョ”は卒業後、理学博士や農学博士となって理化学研究所などで研究に従事したり、母校の東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大)の教員として活躍したりした。
 東北大では、大学院理学研究科と生命科学研究科博士後期課程に在籍する大学院女子学生を対象に、理学に関する優れた研究業績をあげたことに対する賞として、当時活躍した日本初の理系の女子学生=黒田チカの業績に因み、「黒田チカ賞」を設けている。

< 「理系女子」の育成・支援 >
女性研究者:約12.8万人、14.4%

我が国の研究者(大卒者で特定の研究テーマを研究している者。人文・社会科学、自然科学等に関する研究)は25年3月末現在、88万7,000人で、男性が75万9,200人(研究者全体に占める割合85.6%)、女性が12万7,800人(同14.4%)である。女性研究者は、平成6(1994)年の5万7,200人から19年間で2.2倍に増え、研究者全体に占める割合も6年の8.6%から25年の14.4%と、1.7倍にアップしている。(図5参照)
 女性研究者については、大学進学における医療系、農学系など生命科学分野を中心にした「文低理高」志向と男女共同参画の拡大などで研究者数・割合とも年々増加傾向にある。
 ただ、女性研究者の割合は諸外国に比べるとまだ低い。(図6参照)


◆ 女性研究者拡大の数値目標
 研究者における男女の差は、上述したような人数や割合だけでなく、研究者の所属や研究分野にも特徴的な差がみられる。
 男性研究者の所属は6割以上が企業、3割程度が大学等だが、女性研究者は逆に6割以上が大学等、3割程度が企業に所属しているという。また、女性研究者の研究分野は大学入学時の学部系統を反映して薬学や看護学系に多く、工学系や理学系には少ない。
 こうした状況の中、国は女性研究者の登用と活動促進を進めている。
 「第4期科学技術基本計画」(平成23年度~27年度)では、「第3期基本計画」(18年度~22年度)に掲げた女性研究者の採用割合に関する数値目標(自然科学系全体で25%)の早期達成と、さらに30%まで高めることを目指している。特に、理学系20%、工学系15%、農学系30%の早期達成と医学・歯学・薬学系合わせて30%の達成を目指すとしている。

理系を主体とする女性研究者の研究活動支援

科学技術系の専門職に女性研究者が少ない背景には、家庭と仕事(研究)の両立や育児期間後の復帰の難しさなどが挙げられている。
 文科省では、女性研究者がその能力を最大限発揮できるよう、出産・子育て・介護等のライフイベントと研究を両立できる環境整備に取り組む大学等に対して財政支援も含めた支援「女性研究者研究活動支援事業」を実施している。
 対象機関は自然科学全般(理系)を主体に、人文・社会科学(文系)との融合領域も含めた大学や大学共同利用機関、独立行政法人となっている。当事業は18年度から行われており、25年度までに次のような機関(大学等。25年度は「一般型」を集計)で実施されている。


理系の女子研究者・女子学生と女子中高生の交流

女子中高生の理系への進路選択を支援することを目的に、科学技術分野で活躍する女性研究者・技術者や女子学生等と女子中高生の交流機会の提供、実験教室、出前授業の実施等を行う「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」が行われている。
 当プログラムは18年度から実施されており、25年度の採択10機関と各機関の実施テーマは次のとおりである。
 なお、支援プログラムが採択された大学等では、女子中高生、保護者、教員などに向けたシンポジウム、見学会、模擬体験、講演会等のイベントを当該年度に複数回実施している。25年度の例として、東京大と東京女子医科大で実施されたイベントもあわせて紹介しておく。


< 再生医療分野で活躍する女性研究者 >
新型・万能細胞「STAP細胞」の作製

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子ユニットリーダーらは26年1月末、従来型の万能細胞である「ES細胞」や「iPS細胞」と異なる新たな万能細胞「STAP細胞」の作製に成功したことを発表した。
 万能細胞は体の全ての種類の細胞に変化できる細胞のことで、受精卵は自然が生んだ万能細胞といえる。人工的に万能細胞を作るには、受精卵が細胞分裂を繰り返してある段階まで達した初期胚や体細胞(体の組織)を元の受精卵のような状態に戻す。「ES(胚性幹)細胞」は受精卵から作り(2007年、マリオ・カペッキ博士<アメリカ>ら3名がノーベル賞)、「iPS(人工多能性幹)細胞」(2012年、山中伸弥・京都大教授ら2名がノーベル賞)は体の細胞に遺伝子を入れて作る。今回発表された「STAP(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得)細胞」は、体の細胞を弱酸性の溶液に浸して作る。
 「STAP細胞」は再生医療など様々な分野への応用が期待されるだけでなく、その作製については生命科学のこれまでの常識を覆す成果として世界的にも注目された。
 なお、冒頭で述べたように、「STAP細胞」の発表論文に不自然な画像があることや、既に発表された別の論文と似た箇所があることが指摘され、関係機関等が現在調査している。
 ● 創造性・独自性を発掘した早稲田大の「創成入試」
 「STAP細胞」を発見した理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは、早稲田大-理工学部(当時)が14年度入試から導入した「創成入試」の第1期入学者である。
 この「創成入試」は、単なる知識量や与えられた問題の解答だけでなく、問題点がどこにあるのか(課題発見能力)、その解決方法を探り、新たな解決法やものを創り出していく力(創造力)など、受験生の創造性・独自性等を評価する所謂AO入試である。
 当時の理工学部13学科では、アドミッション・ポリシーとして「学ぶ力、発見する力、創り出す力」をキーワードに、受験生の一人ひとりの顔が見える丁寧な選抜によって、各学科(分野)に相応しい人材を求めた。
 入試方法は、書類審査や筆記試験(実施の有無は学部による)の第1次選考の後、第2次選考で受験者による実験、模擬講義、発表、グループ討論などが行われ、各学科の教員によって学問的知識、意欲、表現力、論理的思考力等が評価された。
 小保方晴子ユニットリーダーは応用化学科に入学、化学畑から再生医療の道に進んだ。
 なお、「創成入試」は、26年入試では創造理工学部の建築学科のみで実施された。

「iPS細胞」を世界に先駆けてヒトに応用する臨床研究

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダーは厚労省の承認を受け、世界で初めて「iPS細胞」をヒトに応用する臨床研究を進めている。
 26年にも目の難病患者に、本人の皮膚細胞から作った「iPS細胞」を移植する画期的な治療を行う予定だという。
 ● 2014年、世界で注目される5名の研究者の一人
 理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは、イギリスの科学誌『ネイチャー』(2013年12月)で、2014年に注目すべき5名の研究者(Five to watch in 2014)の一人として選ばれている。
 なお、『ネイチャー』は「STAP細胞」の発表論文を2014年1月末に掲載している。

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< 高校生・大学生の個性・能力の伸張 >

急激な少子高齢化に加え、急速に展開するグローバル化の大波が押し寄せている我が国では、イノベーションの創出が国の成長の原動力になり、それを担う優れた人材の育成、確保が求められている。
 そして、科学技術立国である我が国に必要なイノベーションの基盤を強固なものにするには、源となる高校生、大学生など若者の科学技術に関する興味・関心や探求心の発掘(教育・学習方法や入試方法等の改善)と、それらとつながる独創的で多様な基礎研究を継続的に進めていくことが大事だ。
 文科省では、理数系教育を重点的に行う高校等を「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定し、将来の科学技術人材等の育成のための取組を平成14年度から実施している。指定校では、学習指導要領によらない特色あるカリキュラム開発、教育実践、課題研究などに取り組み、それらの成果を他校にも普及させている。25年度は新規採択校と既存指定校を含め、全国201校の高校等が特色ある理数教育の取組を進めている。
 また、高校における課題探究型の理数教育の実践を支援する「探究型理数教育実践高校支援プログラム」や、大学が将来グローバルに活躍しうる傑出した科学技術人材を育成するために高校生等を募集・選抜し、高度で体系的な理数教育プログラムを開発・実施することを支援する「グローバルサイエンスキャンパス」が26年度から新規実施される。
 さらに、主に高校生を対象にした数学、物理、化学、生物学、情報、地理、地学といった分野の科学技術に関する国際コンテストである「国際科学オリンピック」や、高校生が都道府県代表の学校対抗で理科・数学・情報に関わる複数分野の競技(筆記競技、実技競技)を行う「科学の甲子園」(第3回全国大会出場校:下記参照)が23年度から開催されている。
 他方、大学生対象としたものでは、自然科学系分野を学ぶ学部生等が自主研究を発表して全国レベルで切磋琢磨しあい、研究者・企業関係者と交流する機会でもある「サイエンス・インカレ」が開かれている。


< 「理系女子」への期待 >

上述のような理数系教育の取組はもちろん、男女の別なく行われている。ただ、「理系女子」の現状を鑑みると、多様なイノベーションの創出には「理系女子」のさらなる進出が欠かせない。女性の豊かで柔軟な発想は、独創的で多様な基礎研究にとって大いに期待される。
 今回の衝撃的な「STAP細胞」作成の発表は、「理系女子」に対する社会の関心度を一気に高めたが、発表論文を巡る最近の報道など、関心は別の話題に移っている感がある。科学技術や「理系女子」への期待が、一時的な話題に終わってしまうことが懸念される。
 国や関係機関は、男女共同参画に関する対策の普及・拡大に一層努め、「理系女子」の進出や女性研究者の活動の場を今後も継続して広げていく必要がある。