今月の視点

2月

安倍内閣、「教育再生実行会議」設置 !

いじめ問題/教育委員会改革/大学の在り方/ グローバル化対応/大学入試の在り方などを議論 !

旺文社 教育情報センター長 大塚/2013年2月1日掲載

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安倍内閣は25年1月、安倍晋三首相が内閣の最重要課題のひとつに位置づけている教育の再生を議論し、実行に移していくため、「教育再生実行会議」の設置を閣議決定した。
 「教育再生実行会議」では、先の衆院選で自民党が公約に掲げた、いじめ問題や教育委員会改革、大学の在り方、グローバル化への対応、大学入試の在り方などの政策課題が議論される。
 ここでは、議論の主要なテーマとして挙げられている検討課題について、自民党が昨秋提示した教育再生の『中間取りまとめ』の内容と、それに係る中央教育審議会におけるこれまでの主な審議、答申などや現状等をまとめた。


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<「教育再生実行会議」の設置>
「実行会議」の構成等

「教育再生実行会議」(以下、実行会議)は25年1月15日、安倍晋三首相、菅義偉内閣官房長官、下村博文文科相兼教育再生担当相、及び鎌田薫早稲田大総長(座長)ら有識者15名で構成され、首相官邸(内閣官房)に設置された。
 ただ、「実行会議」の事務局となる「担当室」は、文科省内に置かれている。
 初会合は25年1月24日に開催され、安倍首相から「教育再生は経済再生と並ぶ最重要課題であり、その実行を強力に進めていく」旨の挨拶があった。
 この日は、各委員の教育再生に対する意見などが述べられ、喫緊の課題であるいじめと体罰の問題を中心に議論された。

教育政策の議論の場

ところで、有識者らが国の教育政策等を検討、議論、提言する場としては、文部科学大臣の諮問機関である「中央教育審議会」(以下、中教審:答申)のほか、それぞれの施策等における委員会、検討会、協力者会議などがある。
 今回設置された政府の「実行会議」では教育政策の大きな方向性を定め、具体的な制度の在り方や実行方策などについては原則として、中教審で審議(諮問 → 答申)されることになりそうだ。

<6本の検討課題>

下村文科相は「実行会議」で当面議論する検討課題として、次の6テーマを挙げている。


このうち、まず1~4のテーマを検討、議論した後、5・6を議論する方針だという。
 特に1.「いじめ問題への対応」は喫緊の課題であることから、早急に提言をまとめ、25年の通常国会で「いじめ防止対策基本法」(自民党提起。後述)の成立を目指すとしている。
 なお、「実行会議」では24年12月に大阪の高校で部活動中に体罰を受けた生徒が自殺した問題を受け、体罰防止に向けた対策、議論も早急に取りまとめる模様である。
 2.「教育委員会の見直し」については、今夏までに議論をまとめて中教審に諮り、その答申を経て、26年通常国会での法改正を目指すという。

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上掲1~6のテーマについて、自民党(教育再生実行本部)が掲げる教育再生の『中間取りまとめ』(24年11月。以下、『自民・中間まとめ』)の内容(概要)と、それに係る中教審等におけるこれまでの主な提言(答申)や現状などを以下にまとめた。


1.  いじめ問題への対応

『自民・中間まとめ』

◆ 「いじめ防止対策基本法」の制定
 今すぐできる対応策(いじめと犯罪の峻別、道徳教育の徹底、出席停止処分など)を断行するとともに、政権奪還後に(注.24年11月時点)、直ちに「いじめ防止対策基本法」を成立させ、統合的ないじめ対策を行う。
 ◆ いじめ対策に取り組む自治体を支援
 「いじめ防止対策基本法」を制定することにより、各自治体のいじめ防止対策について、国が財政面などでの支援を行う際の強力な裏付けとする。
 ◆ いじめ問題への主な対処
 ・全都道府県や全区市町村に「いじめ防止条例」を必置/・全都道府県や全市区町村に「いじめ対策アドバイザー」を委嘱し、必要に応じて学校に派遣/・いじめによる事件・事故(自殺等)の発生時、3日以内に「学校内調査委員会」を設置して対処/・いじめによる事件・事故の発生時、3日以内に当該自治体に「第3者調査委員会」を設置し、「校内調査委員会」と連携して対処/・教育的指導の可能ないじめと、刑法犯に相当する犯罪とを峻別/・国は、いじめ対策について、調査・実態把握・研究・検証・分析・啓発・広報の体制を強化/・ネットいじめ対策のネットパトロールを実施/・文部科学省、法務省、警察庁、厚生労働省、NPO団体、事業者団体等、関係機関による連携した対処、など。

「中教審」答申等

◆ いじめ問題に関する中教審での議論、提言
● 中教審答申『21世紀を展望した我が国の教育の在り方について ~ 子供に[生きる力]と[ゆとり]を ~』(『第一次答申』:平成8<1996>年7月)では、子ども達の「いじめ・登校拒否」の問題について、次のように提言している。
・「いじめ・登校拒否」の問題は、深く現代社会の在り方に関わる、社会全体に投げかけられた課題である。その背景についての一つの見方として、「我々の社会が“同質にとらわれる社会”である」ということ。
・ “ 同質志向”を排除して、“個”を大切にし、“個性”を尊重する態度や、その基礎となる価値観を育成する。
 ● 中教審答申『教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について』(24年8月)では、教員養成の観点から、いじめや不登校などの複雑な児童生徒の指導上の課題に的確に対処できる教員の養成を求めている。
・いじめ問題などに対処する実践力の育成では、陰湿ないじめなど、教員から見えにくい事案についても子どもの兆候を見逃さず、課題を早期に把握し、警察等の関係機関と連携するなどして的確に対応できる指導力を養うとともに、教職員全体でチームとして取り組めるよう、こうした力を十分に培う必要があるとしている。
・また、教員の養成課程を段階的に捉え、まず、学部レベルでは学校現場での体験機会を充実するなど、カリキュラムを改善して、いじめ等に係る実践力の向上を図る。
 そのうえで、修士レベルにおいては、いじめ等の児童生徒指導に係る事例やノウハウを集積するなどして、いじめ対策などについての一層の充実を求めている。

「いじめ」の現状等

◆ 「いじめ」の緊急調査:24年半年間で14.4万件、23年度間の2倍!
 23年10月、滋賀県大津市の中学生が自殺した問題で、いじめとの因果関係などが24年7月に大きく報道されて以降、いじめ問題は児童生徒や保護者に多大な不安を与え、社会的にも大きな波紋を広げている。
 こうした中、文科省は24年8月~9月にかけて、いじめの早期発見、早期解消につなげるべく、小・中・高校等におけるいじめの実態把握の緊急調査を実施した。
 調査対象期間は24年4月から調査時点までの約6ヶ月間で、いじめの認知件数は小学校=8.8万件/中学校=4.3万件/高校=1.3万件など、合計14.4万件に上った。この件数は23年度間(例年実施している年度間の調査)の7.0万件の約2倍に当たる。
 調査対象期間が例年の半分でありながら、件数が激増したことは、学校(教員)のいじめに対する意識の高まり、いじめ(問題行動)の捉え方、調査方法の変更などによるとみられる。
 ◆ 文科省の「子ども安全対策支援室」設置等
 文科省は、いじめによる子ども(児童生徒)の自殺、部活動中の事故や自然災害など、学校で子どもの生命・安全が損なわれるような重大な事態が発生した場合、学校や教育委員会が、その原因・背景等について把握し、迅速に効果的な対応が行えるよう支援するため、「子ども安全対策支援室」を設置している(24年8月)。また、文科省はホームページ上に「いじめ」の検索サイトを設け、『いじめ相談の窓口』なども開設している。


2.  教育委員会の見直し

『自民・中間まとめ』

◆ 形骸化している教育委員会の抜本的な見直し
 いじめ問題でも露呈した現行の無責任な教育行政システムを是正し、真に公教育に資する責任体制を確立するため、教育委員会制度を抜本改革する。
 ・教育委員会の責任者が、“非常勤”の「教育委員長」であるという無責任体制を改め、首長が、議会の同意を得て任命する“常勤”の「教育長」を教育委員会の責任者とする。
 ・教育委員会を、教育長の諮問機関と位置付け、教育に関する各般の問題について闊達な議論が行われる場とする。
 ◆ 国が公教育の最終的な責任を果たす
 いじめの隠ぺいなど、地方教育行政において、法令に違反している、あるいは児童生徒の「教育を受ける権利」を著しく侵害する恐れのある場合、公教育の最終責任者たる国が責任を果たせるよう改革する。
 ・『地方教育行政法』50条(文部科学大臣の指示)の是正要件を見直し、地方教育行政において、法令に違反している、あるいは児童生徒の「教育を受ける権利」を著しく侵害する恐れのある場合、公教育の最終責任者たる国が責任を果たせるよう改正する。

「中教審」答申、現状等

◆ 中教審での議論、答申
 ● 教育委員会は、教育行政の民主化や地方分権、教育の中立・公平性や継続性・安定性の確保の保障などを主な狙いとして、昭和23(1948)年に設置された。
 教育委員会の在り方については、中教審でも度々議論されてきた。
 ● 17年10月の中教審答申『新しい時代の義務教育を創造する』では、教育委員会制度の在り方について、全ての地方自治体に設置する基本的な枠組み(必置規制)を維持しつつ、各自治体の実情に沿った制度の弾力化を図るとともに、教育委員会の機能強化、首長と教育委員会の連携強化、教育委員会の役割の明確化などの改善を提言。
 ● 19年3月の中教審答申『教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について』では、改正教育基本法(18年12月施行)を踏まえ、教育関連3法案(学校教育法、教員職員免許法等、地方教育行政法)のそれぞれ教育制度の改正について提言し、その中で教育委員会の改革についても提言している。
 18年秋、教育委員会が管掌する高校必修科目の“未履修”問題や深刻ないじめ問題などが一気に露呈し、教育委員会の在り方が改めて問題視されていた。教育行政における国と地方、教育委員会と学校とのそれぞれ権限と責任の所在、公教育の在り方などの議論が様々な場で盛んにたたかわされた。
 そうした中、中教審の当答申では、国の関与などが焦点となっていた教育委員会制度について、都道府県の「教育長」を国が任命(任命承認制度)したり、教育委員会が私立学校を指導したりすることは、適当でないとしている。
 また、地方自治体における教育行政に極めて不適正な事態が生じた場合、国は地方自治法の「是正の要求」に加え、教育委員会への「是正の指示」などの議論もあった。
 しかし、「是正の指示」については賛成、反対の意見がまとまらず、賛否両論を併記した異例の答申となった。

現行の教育委員会組織(概要)

● 教育委員(原則5人):
 地方公共団体の長である“首長”が議会の同意を得て任命。任期は4 年で再任可。委員は“非常勤”の特別職で、月1~2回の定例会の他、臨時会や非公式の協議会を開催する。
 ● 教育長:
 “教育委員会”が、その委員のうちから任命。“常勤”の一般職で、事務局の事務を総括、所属職員を指揮監督する。委員会の方針、決定の下に具体の事務を執行する。
 ● 事務局:
 教育長の総括の下、教育委員会の権限に属する事務を処理する。総務部(教育政策など)、学務部(学校教育課など)、指導部(教育指導課など)等を置き、公立学校の他、図書館や教育相談センター、教職員研修センターなどの教育機関、施設等を管理する。


3.  大学の在り方の見直し

『自民・中間まとめ』

~「大学力」は、“国力”そのもの / 大学の“質・量”両面の充実・強化  ~
 ◆ 大学強化のための設置基準の見直し
 ・経営が悪化したり、質が著しく低下した大学の改善を促し、成果が認められない時は退場を促す仕組みの確立/・社会や学生ニーズの観点からの新規参入認可プロセスの明確化(地域貢献や就職支援プラン等)
 ◆ 世界トップレベルの大学強化
 ・世界トップレベルの大学は特区化、諸規制を撤廃/・オープンラボ、研究サポートスタッフの設置義務化/・世界トップレベル大学からのPh.D(博士号)をもつ若手研究者の大量スカウト、資金支援/・海外の大学が日本で教育を行う環境整備
 ◆ 質の高い大学教育への転換
 ・大学教育の質の保証徹底の義務化(制度改正)/・評価に基づく資金の重点配分(授業評価、教員の業績評価の厳格化等)/・留学生の戦略的な双方向交流
 ◆ 職業と直結した技能職を育成する地域密着型大学の支援
 ・地域密着型のコミュニティカレッジ化による技能習得と就労支援/・複数専攻(ダブルメジャー)を可能にする/・社会人の学び直し、再チャレンジの支援/・専門学校、高等専門学校、短大の充実
 ◆“大学村”の解体 - 開かれた教育と研究体制づくり
 ・学長のリーダーシップ確立のための学長と教授会の役割の明確化(法改正)/・学長を支えるスタッフ(理事、副学長、財務等の専門スタッフ)の抜本的強化/・学長のリーダーシップの抜本的強化(学長裁量経費・間接経費を30%以上に)

「中教審」答申等

◆ 中教審での議論、答申
 中教審では、大学の在り方等に関して、その時代の社会構造や経済・産業構造、大学を取り巻く教育研究の環境や国際的通用性、高大接続の観点、大学に対する社会・産業界などからの要請など、実に様々なテーマで議論、提言されてきた。
 とりわけ、大学の“量と質”に関しては、およそ次のような提言がなされてきた。
 ● 昭和30(1955)年代~昭和40年代にかけ、急増する大学進学志望者や進学率の急激な上昇と、その受け皿となる大学の教育環境や教育の質の低下など、大学教育は様々な課題が指摘されていた。
 これに対し、中教審は『大学教育の改善について』(昭和38<1963>年1月答申:『三八答申』)で「高等教育機関の全体的な規模(学校数、学生数)、配置、及び設置についての計画的な検討」など、また『今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について』(昭和46<1971>年6月答申:『四六答申』)で「高等教育機関の自発性の尊重と国全体としての計画的な援助・調和の必要性」など、それぞれの答申で高等教育の“計画的整備”を指摘した。
 これらの提言は、昭和51(1976)年度~平成16(2004)年度にわたって、大学等の新増設は原則、“抑制”とする「高等教育計画」の策定、実施の基になった。
 平成10年代になると規制緩和の動きが活発化し、政府の「総合規制改革会議」の「高等教育における自由な競争環境の整備」(大学・学部設置等の認可に対する抑制方針見直し:13年12月)などは中教審の議論にも影響したとみる。
 ● 中教審答申『大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について』(14年8月)では、上記のような規制緩和の流れの中で、“設置認可の弾力化”(15年4月から実施)等を提言した。
 ● 中教審は『我が国の高等教育の将来像』(17年1月答申)において、17年以降、27年~平成32(2020)年頃までに想定される高等教育の将来像(グランドデザイン)の内容と実現に向けた取り組むべき方策を提言した。
 その中で、・18歳人口は約120万人規模で推移/・大学や学部等の設置に関する抑制方針が基本的に撤廃/・19年には大学・短大の「収容力」が100%(志願者数と入学者数が同数)になる、所謂“全入”を試算(19年の実績は90.5%)/・高等教育の量的側面での需要はほぼ充足/・今後は、分野や水準の面でも誰もがいつでも自らの選択で学べる高等教育(ユニバーサル・アクセス)の整備が課題などと指摘した。
 また、大学設置に関する抑制方針の撤廃、大学の新設や量的規模の拡大、教育の一層の多様化に対しては、大学教育の「質の保証」が重要であると提言している。
 15年4月から実施された“設置認可の弾力化”による“量的規制の撤廃”及び「高等教育計画」終了(16年度)に伴う“抑制方針の撤廃”以降、大学政策は量的規模の規制から、教育の質保証に向けた施策へと軸足を移すことになった。
● 中教審答申『学士課程教育の構築に向けて』(20年12月)では、学士課程教育の改善・充実に係る「学位授与の方針」「教育課程編成・実施の方針」及び「入学者受入れの方針」の“三つの方針”を主体に、学士課程教育と学修成果の質保証への取組を提言した。
 当答申では、各専門分野を通じて培う「学士力」(学生の学修成果に関する参考指針)として、知識・理解/汎用的技能/態度・志向性/統合的な学修経験と創造的思考力を提起し、学士課程教育の改善と学生の質保証を求めている。
 また、大学の“量と質”に関しては、大学教育が量的に拡大する中で質の維持・向上を図るという、重大な課題に直面しているとの認識を示している。そのうえで、大学教育の社会的意義や効用、その可能性を過度に低く評価して大学教育の規模を論ずることは“失当”であると断じている。大学教育の規模等を「量か、質か」といった二者択一で議論することは、人材育成等に関する国家戦略を誤ることにもなりかねないとしている。
 ただし、大学の在り方について、大学教育の質の維持・向上に向けた努力を怠り、社会からの負託に応えられない大学は、“淘汰”を避けられないと断じている。
● 文科省は20年9月、『中長期的な大学教育の在り方について』を中教審に諮問。その中で、大学の質保証と深く関わる大学の量的規模(人口減少期における我が国の大学の全体像)や組織・経営(ガバナンス、行財政システム等)などについての検討、審議を求めた。
 中教審は当諮問に対し、23年1月まで数回にわたる『報告』と『審議経過』を取りまとめている。それらの中で、大学の量的規模に関して、今後は人口構造や産業構造、社会構造等が大きく変わる中での大学の果たすべき役割、大学の国際競争力の向上が重要な課題となることを踏まえ、“必要な規模”あるいは“政策的に望ましい規模”に着目した検討(分野別・地域別等)が必要であるとしている。
 また、18歳人口が横ばい状態から再び減少傾向になるまでの間に、「ユニバーサル・アクセス」の充実とあわせ、「教育の質保証・向上」「組織・経営の基盤強化」といった課題に着手し、具体的に進めていくことを求めている
● 24年8月の中教審答申『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて ~ 生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ ~ 』では、上述の『中長期的な大学教育の在り方について』の諮問を踏まえ、学士課程教育の質的転換を、学生を含めた大学全体で一体的に行うための方策を提言している。
 そして、今後の学士課程教育における質的転換の“好循環”を創出する具体的な改革方策として、次のような“P-D-C-Aサイクル”を提起している。
 P:教育課程の体系化(科目のナンバリングなど) ⇒ D:教員同士の役割分担と連携による組織的な教育の実践 ⇒ C:学生の学修成果、教員の教育活動、教育課程の評価(アセスメント・テスト、学修時間など学修行動調査など) ⇒ A:教育課程や教育方法等の更なる改善
 また、当答申では、大学の量的規模に関して、大学進学率の水準が「過剰であるとの立場はとらない」と断じている。そのうえで、高等教育の規模の縮小は、社会経済の停滞・萎縮につながるばかりでなく、社会人の学び直しの場の提供など、大学の果たすべき役割の達成が難しくなるとしている。

「大学の設置認可」検討会

24年11月初めの田中眞紀子・前文科相の大学設置認可に係る問題提起(大学数が多過ぎるなど)を検討、議論する「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」が24年11月下旬、文科省に設置された。
 検討事項は大学等の設置認可に関し、①「審査基準」の在り方/②「審査体制」の在り方/③「審査プロセス、スケジュール」の在り方、の3本である。
 ◆ 「設置認可」見直しの方向性
 25年1月下旬の検討会議では、それまでの議論を踏まえた、次のような大学設置認可の見直しの方向性(論点整理)が提示された(以下に概要<項目のみ>を記載)。
 検討会では、次の3つの改善事項について、提言として近く取りまとめるとしている。
 1.運用の改善などにより早期の実施が期待される事項
 ①学生確保等に係る審査基準の明確化/②審査の充実(大学新設に係るもの:全体構想審査の実施/認可を要する全ての申請に係るもの:学生確保の見通し等の審査体制の充実、リスクシナリオの確認)
 2.中教審、設置審で具体化に向けた検討が期待される事項
 ①設置基準等の明確化(準則化の見直しなど)/②学校法人のガバナンスの確保(適正な管理運営の確保、財務情報の公表等)/③審査スケジュールの見直し(審査期間の延長と、認可時期の早期化の検討)/④申請書類の作成方法の明確化/⑤設置に必要な財産確保の徹底
 3.大学の質の向上のため、設置認可の見直しと併せて継続的に改善、充実を図っていくべき事項
 ①認可後の事後チェック機能の強化を含む、トータルな質保証の在り方/②大学の閉鎖等における学生保護の仕組みなど、退出の制度設計/③情報公開の一層の促進
 ◆ 事前審査の“厳格化”で、大学の“量と質”を充実
 当検討会では一律に「大学過剰論」を採らず、設置地域や設立分野などの申請状況を十分に精査する厳格な審査を行い、大学の“量と質”の充実を図っていく方針のようだ。
 検討会での提言については、直ちに実行できる事項は今後の設置審査に活かされるほか、具体化に向けた検討事項等も含めて、政府の「教育再生実行会議」等での議論にも反映されるとみられる。

文科省策定の『大学改革実行プラン』

文科省は24年6月、大学教育の質的転換と大学入試改革、国立大の再編成等も踏まえた国立大学改革、私立大の質保証の徹底に向けた厳格化など、29年度までの大学改革の8つの基本的な方向性を盛り込んだ『大学改革実行プラン ~ 社会の変革のエンジンとなる大学づくり ~ 』(以下、『大学改革プラン』)を発表した。
 ◆ 『大学改革プラン』の概要
 24年6月、当時の政府に置かれていた国家戦略会議(政権交代で24年12月末廃止)で提起、議論されていた「社会構造の変化を踏まえた教育システム改革」について、平野博文・元文科相は、その基本方針を『社会の期待に応える教育改革の推進』として取りまとめ、報告した。
 文科省はこれを踏まえ、特に大学改革は“待ったなし”の状況にあるとの認識のもと、直ちに大学改革の方向性を『大学改革プラン』として取りまとめ公表した。
 『大学改革プラン』は、次のような2つの大きな柱と、8つの基本的な方向性から構成されている。
1.激しく変化する社会における大学の機能の再構築
 ①大学教育の質的転換と大学入試改革/②グローバル化に対応した人材育成/③地域再生の核となる大学づくり(COC <Center of Community>構想の推進)/④研究力強化:世界的な研究成果とイノベーションの創出
2.大学の機能の再構築のための大学ガバナンスの充実・強化
 ⑤国立大学改革/⑥大学改革を促すシステム・基盤整備/⑦財政基盤の確立とメリハリある資金配分の実施/⑧大学の質保証の徹底推進

4. グローバル化に対応した教育

『自民・中間まとめ』

『自民・中間まとめ』では、「グローバル化に対応した教育」に関連した事項として、“大学教育の強化”の中で、次のような方策を提起している。
 ◆ ギャップターム、9月入学を推進し、体験活動を必修化
 ● ギャップターム等を活用した大学生の体験活動(国とふるさと、環境を守る仕事:例えば、海外NGO、農業・福祉体験、自衛隊・消防団体験等)の必修化とその環境整備。
 ● 学生の体験活動を評価・単位化する(民間の力の活用)。企業の採用プロセスに活用。
 ◆ 入試改革と海外留学の促進
 ● 「日本版バカロレア」(創設)を前提にした論文、面接、多様な経験重視で潜在力を評価する入試改革。
 ● 「国際バカロレア」に日本語を追加し、国際スタンダードのもとでの海外留学の促進。

「中教審」の議論等

中教審では、大学におけるグローバル化の推進について現在、大学分科会の大学教育部会で審議している。
 ◆ 大学教育部会での議論
 大学教育部会では、大学のグローバル化論議の趣旨として、次のような点を挙げている。
● 多様な文化や背景を持つ学生・研究者が共同で教育研究活動に携わることは、新たな知的発見につながり、教育研究活動の活性化として期待される。
● 外国の学生・研究者の受け入れ、外国の大学との連携、外国における教育研究拠点の設置、外国の優秀な人材が我が国の高等教育に容易にアクセスできる機会の確保などは重要である。
● 海外大学との共同プログラムの開設、海外大学との共同の学位授与、外国で学位を取得した学生の円滑な受け入れなど、海外大学との相互交流を一層促進するための方策を検討する。
 そして、当面の検討課題として、次の事項を挙げている。
● 留学生や外国人学生の受け入れ・交流促進について
 ・海外大学とのジョイント・ディグリー/・外国で学位を取得した学生の大学院への円滑な受け入れ
● 我が国の大学の海外展開について:
 ・海外キャンパス制度の在り方

大学の「秋入学」等について

◆ 東京大の「秋入学」構想等
 東京大の「入学時期の在り方に関する懇談会」は24年3月、「秋入学」に関する報告書『将来の入学時期の在り方について -よりグローバルに、よりタフに-』を取りまとめて公表した(『中間まとめ』は24年1月)。
 ● 当『報告書』は「入学時期の在り方」に関するポイントとして、・大学教育の国際性の必要性(4月入学を前提とする学事暦の問題点)/・高大接続を巡る問題点 → 高校での受験準備の“受動的な学び”から、大学での“主体的・能動的な学び”への転換 → 高校卒業時と大学入学時とが隙間なく接続するシステムは、学びの転換の実現に必ずしも適さない、などを指摘している。
 ● そのため、・学部段階の春季入学を廃止し、秋季入学の2学期制へ移行。全員の国際的な学習体験を積ませることを目指す/・4月からの約半年のギャプタームを設定し、学びの姿勢の転換のため、多様な体験活動を促進/・個に応じて学修年数の多様化を図る観点から、早期卒業生制度の導入など、大学院教育への早期アクセスの可能化など、柔軟な教育システムの実現を目指す、としている。
 ● 東京大の「秋入学」提起は発表当初、他大学や高校現場にも衝撃を与え、社会的にも大きな波紋を広げた。24年5月には国私立12大学からなる協議体(教育改革推進懇話会)が設置され、秋入学に関する大学間連携や産業界との連携などが協議されている。
 そうした中、東京大では、秋入学の“全面移行へのステップ”として、「春季入学、秋季授業開始」に学事暦を変え、約半年間、大学での学びを考えたり、短期留学やボランティア活動に充てたりする「ギャップターム」も検討しているようだ。
 ● 「初年次長期自主活動プログラム」の導入
 東京大は24年11月、総合的な教育改革のひとつとして、「初年次長期自主活動プログラム」(FLY Program :Freshers' Leave Year Program)を発表している。
 この教育プログラムは25年度から導入され、4月入学直後の学部生が1年間の“特別な休学期間”で、社会における主体的な活動を長期間体験することを通じて、大学での学びの意義や目的を自ら確認・発見できる途を拓くことを目的としている。

「国際バカロレア」の現状等

◆ 国際バカロレアと大学入試の国際化
 国際バカロレア資格は、国際的に認められている大学入学資格の一つである。我が国では、昭和54(1979)年に「スイス民法典に基づく財団法人である 国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する者で18歳に達したもの」について、大学入学に関し高校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者として指定された。
 これを受け、国内の大学で行われている帰国子女入試や私費外国人留学生入試などとセンター試験では、出願資格の一つに国際バカロレア資格をあげている。
 国際バカロレア認定校は2012年6月現在、世界142カ国、約3,470校である。
 我が国の国際バカロレア認定校は2012年6月現在24校であるが、多くがインターナショナルスクール(各種学校)であり、いわゆる“1条校”(学校教育法  第1条に規定されている学校)は6校に留まる。
 ● 国公立大初の「国際バカロレア入試」の導入
 我が国の大学入試に関する国際バカロレア資格については、上述のようにこれまで多くの場合、帰国子女入試や私費外国人留学生入試等の出願資格として扱われてきた。
 そうした中、岡山大では24年度入試からAO入試の一つとして、「国際バカロレア入試」を全国の国公立大に先駆けて導入している。国際バカロレア資格を取得し、岡山大の出願条件を満たしていれば、“日本国内での資格取得者”でも出願できる。

5. 6・3・3・4制の在り方

『自民・中間まとめ』

~ 子どもの成長に応じた柔軟な教育システムへ ~
 現在の単線型でなく、多様な選択肢(複線型)を可能とするため、6・3・3・4制の見直しにより、「平成の学制大改革」を行う。
 ◆ 改革の方向
 ● 学校体系の見直し
 ・9年の義務教育期間を見直し、幼稚園・保育所・認定こども園を活用して5歳児教育を義務化する。
 ・現行6・3・3・4制を抜本的に見直し、区切りを柔軟に体系化することを可能とする。
 ● 個人の能力・適性に応じた学びの保障システム
 ・飛び級制度の導入/・中学・高校において未達成科目の再チャレンジ/・小・中学校卒業時における学力評価/・高校での達成度試験の実施

「中教審」答申等

学校制度や柔軟な教育体系の在り方については、中教審でもこれまで様々な観点から検討、議論されてきた。
● 義務教育に関する制度、とりわけ学校種間の連携・接続、教育課程の区分などについては、中教審答申『新しい時代の義務教育を創造する』(17年10月)で、次のような提言がなされている。
 ・例えば、設置者の判断で9年制の「義務教育学校」を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化など、学校種間の連携・接続を改善するための仕組みについて種々の観点に配慮しつつ十分に検討する必要がある。
 ・幼稚園と小学校の教育課程の連携、幼稚園と保育所との連携、就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設の実現などを図ることも重要である。
 ・幼稚園や高等学校を“義務教育の対象”とするなど義務教育の年限を延長すべきとの意見、義務教育への就学年齢を引き下げ“5歳児からの就学”とすべきとの意見などもあるが、これらについては、学校教育制度全体の在り方との関係など慎重に検討すべき点があり、今後引き続き検討する必要がある。
 ● 中教審答申『21世紀を展望した我が国の教育の在り方について』(『第二次答申』:9<1997>年6月)では、戦後一律に導入された6・3・3・4制の教育制度について、複線化構造を進めて画一的なシステムを柔軟なものにすることを基本に据えている。
 特に、「中高一貫教育」については、学校制度の複線化構造を進める観点から、選択的導入を図ることを提言し、実施形態のモデル(併設型、連携型等)を提示。
 また、教育上の「例外措置」に関して、次のように提言している。
 ・個性尊重の考え方に立ち、“稀有な才能”を持つ者についての「大学入学年齢制限」の緩和(対象分野は当面、数学と物理に限定。対象者は17歳以上)/・「飛び級」については、受験競争の激化を招く恐れが強いことなどから、“実施せず”/・優れた能力を持つ高校生のために多様な教育機会(大学公開講座等)を充実/・学校教育全体にわたって“個”に応じた指導を進め、学習進度の遅い子どもに十分配慮など。
 ● 小中連携など、学校段階間の連携・接続等の検討、議論
 中教審では、学校段階間の連携・接続、優れた才能や個性を伸ばす学習機会などを検討、議論するため21年7月、初等中等教育分科会に作業部会を設置。
 作業部会では小中連携、小中一貫教育の推進に向けた改善方策(教育課程、指導方法、推進体制、教員人事、教員免許など)について検討を行い、意見等を整理して『報告』(24年7月)としてまとめている。
 ● 柔軟な教育システムへの取組み
 上述のような中教審の教育システム改革の提言に対し、これまで、次のような改革が進められてきた。
・大学への「飛び入学」の制度化(平成9年:数学・物理分野に限定。分野制限の撤廃:13年)/・大学入学時期の弾力化(20年)/・幼稚園と小学校の円滑な接続について、新「幼稚園教育要領」と新「小学校学習指導要領」に規定(20年)など。
 前述したように、文科省が24年6月に教育システム改革の基本方針として取りまとめた『社会の期待に応える教育改革の推進』では、「小中一貫教育制度・高校早期卒業制度の創設(6・3・3制の柔軟化)」を改革の一つとして提起している。

6.  大学入試の在り方

『自民・中間まとめ』

◆ 大学入試の抜本改革と高校教育の質保証
 ● 高校在学中も何度も挑戦できる“達成度テスト”(「日本版バカロレア」の創設。5~6科目程度の大括り。英語はTOEFL等を活用)
 ● 「日本版バカロレア」を前提にした論文、面接、多様な経験重視で潜在力を評価する入試改革。(4.「グローバル化に対応した教育」の再掲)

「中教審」答申等

大学入試の在り方は、教育改革の一環として、それぞれの時代の社会構造や教育環境、受験生・学生の実態、文教施策、社会の要請・批判などを背景に論じられてきた。
 ◆ “新しい入試観”の提言
 ● 中教審答申『21世紀を展望した我が国の教育の在り方について』(『第二次答申』:9<1997>年6月)は、教育の画一的・形式的な平等主義からの脱却を目指し、入試改革のキーワードとして「選抜方法の多様化と評価尺度の多元化」を掲げ、その後の一連の入試改善策の基となる多彩な改善メニューを提起した。
 ● 11年12月の中教審答申『初等中等教育と高等教育との接続の改善について』では、大学進学を“選抜”から、大学・志願者双方の“相互選択へ”の転換を求め、「入学者受入方針」(アドミッション・ポリシー)を明確にすることなどを提言している。
 ● 大学審議会(現在の中教審大学分科会)は12年11月、上記のような中教審答申などを踏まえて『大学入試の改善について』を答申した。その主な提言は、次のとおり。
 センター試験については、・資格試験的な取り扱いの推進/・教科・科目横断型の総合的な問題の調査研究や総合的な試験の導入の検討/・リスニングテストの導入/・年度内複数回実施/・成績の複数年度利用/・成績の本人開示/・高校、大学関係者の協議の場の設置などを提言した。
 個別試験については、・「入学者受入方針」の明確化/・募集人員の大括り化と多様な選抜方法、評価尺度の多元化/・受験機会の複数化(やり直しのきくシステムの構築)/・秋季入学の拡大/・AO入試の適正かつ円滑な推進などを提言した。
 これらの大学入試改善の諸提言は、当時“新しい入試観”として注目された。
 ◆ 「高大接続」の質保証に係る入試の在り方の議論、提言等
 ● 中教審答申『学士課程教育の構築に向けて』(20年12月)では、入試の在り方について、「高大接続」の観点などから、「高校と大学は“選抜だけの関係”から、“客観的できめ細やかな学力把握”とそれに基づく“適切な指導”で学力向上が図られるよう共に力を合わせて取り組む関係へと転換していくこと」を求めている。
 こうした「高大接続」に係る入試改善策の答申に関し、文科省委託の所謂「高大接続テスト(仮称)」の協議・研究(国公私立大、高校関係者等で構成)の『最終報告』(22年9月)は、高校段階の基礎的教科・科目についての学習の達成度を客観的に評価する“目標準拠型”の「達成度テスト」の基本的方向性を提言している。
 ● 中教審の「高大接続特別部会」(24年8月設置)は、①高校から大学までを通じて育成すべき力と育成するための方策/②大学入学者選抜の在り方/③高校教育と大学教育の接続・連携の在り方を主な論点に、現在、入試の在り方を中心に議論している。
◆ 「高等学校学習到達度テスト(仮称)」の提起
● 中教審の「高等学校教育部会」(23年11月設置)では現在、「全ての生徒に共通に身に付けさせるべき資質・能力( “コア”)」や、「生徒の学習状況を適切に評価する仕組み」など、高校教育の質保証に向けた方策について検討、議論している。
● 当部会では25年1月末、それまでの議論を踏まえ、全ての生徒が共通に身に付けるべき資質・能力の達成度を把握する「高等学校学習到達度テスト(仮称)」を提起。
当テストは全国規模で行う“希望参加型”のテストを想定し、その位置づけとして、次のような点を挙げている。
・高等学校全体の質保証の観点から、国において、共通に目標とすべき水準の明確化を図るとともに、生徒一人一人の到達度を把握できる新たなテストの仕組みを設け、全国の高等学校・高校生が、“希望に応じて”参加できるようにすることが必要。
・生徒の学習意欲の向上の観点から、生徒が、そのテストの成績により、例えば就職やAO・推薦入試などにおいて、自らの学力を証明できることとなれば、当該テストは、生徒の学習意欲を一層喚起するものとなると考えられる。
● 高等学校教育部会では、上記のような観点を踏まえ、高校生として共通に求められる基礎的・基本的な知識・技能や思考力・表現力・判断力等に関し、その学習到達度を把握する希望参加型のテスト(「高等学校学習到達度テスト(仮称)」)を全国規模で導入することについて、その仕組みなどをさらに検討していくとしている。

文科省策定、「大学入試改革実行プラン」 ~ 学ぶ意欲と力を測る大学入試への転換 ~

前述した文科省策定の『大学改革実行プラン』(24年6月)では、大学入試の改革の観点として、次のような「高校教育から一貫した質保証へ」と「教科の知識偏重入試から、意欲・能力・適性等の多面的・総合的な評価へ」といった2つの基本方針を掲げている。(図1参照)
1.高校教育から一貫した質保証へ
 ◆ 現 状
 現行の大学入試には、次のような様々な機能が求められすぎているとしている。
 ● 入試に求められている様々な機能
 ・各大学の教育水準、学生の質の評価指標/・大学進学希望者の能力・適性の判定
 ・高校での学力状況の把握/・高校での幅広い学習の確保/
 ・高校生の学習意欲の喚起
 ◆ 転換後
 ● 現状の入試が担っている役割を整理し、上記のような様々な機能を目的別に分散。
 ● それぞれの段階で必要とされる能力や学習成果を確認し、次の学びへつなげていく仕組みへ移行。
2.教科の知識偏重入試から、意欲・能力・適性等の多面的・総合的な評価へ
 ◆ 現 状
 現在の入試方法については、「教科の知識を中心としたペーパーテスト偏重による一発試験的入試」であるとし、次のような入試方法の改善や「共通テスト」の開発などを例示している。
 ● 入試方法の改善事例
 ・1点刻みではない、レベル型の成績提供方式の導入によるセンター試験の“資格試験的活用”の促進
 ・思考力・判断力・知識の活用力等(“クリティカルシンキング”等)を問う新たな「共通テスト」の開発
 ・大学グループ別の「入学者共同選抜」の導入の促進
 ・志願者と大学が相互理解を深めるための、時間をかけた創意工夫ある入試の促進
 ◆ 転換後
 「大学入試改革実行プラン」では、上記のような改善事例のうち、可能な取組から逐次着手し、「志願者の意欲・能力・適性等の多面的・総合的な評価に基づく入試」への転換を目指すとしている。