入試動向分析

2019年一般入試の難易変動はこうなる!? 【2018年11月】

《国公立大》“波静かな入試”だが“超安全志向”で前年の極端な反動が!?
《私立大》推薦・AO入試から3月募集まで“難化の連鎖”が再現か!?

いよいよ受験勉強も大詰めにさしかかるこの時期、気になるのは志望校や併願校の人気度や難易度だ。ここでは、高校・予備校の進路指導の先生方へのアンケートを中心に、前年の入試結果や学部・学科改組、あるいは定員の増減など、さまざまな変動要因を総合し、国公私立大の難易や人気度がどう変わるのか、2019年の一般入試のゆくえを予測する。

この記事は『螢雪時代・2018年11月号』の特集より転載(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)。

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2019年(以下、19年。他年度も同様)一般入試の志願者数は、国公立大が前年並み、私立大が約6%増と予測される。21年「入試改革」を意識した“超安全志向”から、国立大「後期縮小」や私立大の合格者絞り込みに備え、国公立・私立を問わず併願が増え、大都市圏の私立難関大では、定員超過の厳しい制限から難化が見込まれる。学部系統別では、近年と同じく「文高理低」の志望動向が予想される。

センターの出願者数は18年より約1%増、59万人程度か

ここでは、高校・予備校の進路指導の先生方へのアンケートを参考に、さまざまな変動要因を総合し、19年一般入試の志望動向や難易変動を予測する。
 文部科学省発表の『平成30年度学校基本調査速報』によると、18年は4(6)年制大学の受験生数(以下、大学受験生数)が67万9千人で、前年とほぼ同じだった。19年は、18歳人口こそ微減(0.4%減)だが、大学・短大への現役志願率は上昇が見込まれることから、大学受験生数は本誌推定で68万2千人と、前年よりわずかに増加するものとみられる。
 センター試験(以下、セ試)の出願者数はどうなるか。2年後の21年「入試改革」では、現行のセ試が廃止され、記述式問題を含む「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が導入されるため、受験生に「現行の入試体制のうちに合格したい」意識が早くも強まっている。しかも、18年私立大入試が難化したことから、併願数を増やす傾向が強まり、受験料や入試日程、対策の面から、セ試利用入試への依存度が高まるものと見られる。さらに、やはり私立大の難化により、既卒者(浪人)が増えているものと見られる。こうした要素を加味すると、19年のセ試の出願者数は、18年よりわずか(約1%)に増える59万人程度と予測する(を参照)。

2017年度/国立大教員養成系学部の改組・定員増減の予定

【国公立大】国立大の後期縮小が影響しそう。私立難化で国公立へ活路を求める動きも
 19年度のセ試は、2年連続で平均点ダウンした国語が、その反動でやや易化しそうだが、やはり平均点ダウンの英語リスニングは「入試改革」を先取りした新傾向の出題が続くと見られ、反動による易化はなさそう。その他、科目によって平均点アップダウンの反動はあるが、それらが相殺し、全体の平均点はほぼ前年並みと予想されるため、得点が伸びない分、安全志向が強まりそう。さらに、2年後の「入試改革」に対する過剰な意識が、前述のように強い“現役志向”として、安全志向に輪をかけそうだ。
 本誌アンケートの先生方の回答を見ると、私立大志向が続くものの、同時に18年と比べ、国公立大志向もやや強まる模様。大都市圏の私立大の難化に、併願校数の増加で対処する一環として、私立大だけでなく、地方国公立大も積極的に狙う戦略に転じるようなのだ。

●国公立大の学部改組の影響
 学部増設・改組は、国立大も公立大も、前年に比べ規模が小さい(表1)。
 国立大では、2大学で学部等増設(福島大‐農学群、東京外国語大‐国際日本)を予定。また、室蘭工業大‐理工、宇都宮大‐工、千葉大‐教育、三重大‐工、愛媛大‐理・工、佐賀大‐理工・農など、主に理系学部で、複数学科を1学科か、より少数に統合・再編する。この他、大阪大‐薬で主に研究者養成の4年制学科(薬科学)を廃止し、主に薬剤師養成の6年制学科(薬)に統一したのも注目される。
 公立大では、横浜市立大が国際総合科学部を3学部(国際教養・国際商・理)に分割する。目指す学部名がわかりやすくなり、人気を集めるものと見られる。この他、兵庫県立大の学部改組(経済・経営→国際商経・社会情報科学)、富山県立大の看護学部増設などが注目される。

2017年度/国立大教員養成系学部の改組・定員増減の予定


●推薦・AOの拡大と後期縮小
 推薦・AO入試の導入・拡大と、一般入試枠、特に後期日程の縮小が、一般入試の志願者減の方向に作用しそうだ。室蘭工業大‐理工[昼]、東北大‐文・法・理、秋田大‐国際資源・理工、大阪大‐経済・工、九州工業大‐工・情報工などで、募集人員を一般入試から推薦・AO入試へ移行。また、宇都宮大‐教育、香川大‐農、熊本大‐教育、名古屋市立大‐看護などで後期を募集停止する。
 一方、新たな併願先として注目されるのが、公立大中期日程(以下、中期)の増加だ。4月開設の公立小松大、4月から「私立→公立」に移行した公立諏訪東京理科大(いずれも18年は別日程実施)が「前期・中期」で新規実施。また、改組予定の兵庫県立大‐社会情報科学も「前期・中期」で実施するなど、18年に続き、公立大で中期の導入が相次ぐ。縮小される一方の後期を補完する存在として、志望動向に影響するものとみられる。

●2次重視・面接重視の変更が目立つ
 19年入試は、前年より一般入試の変更点が少ない。「入試改革」では、前述の「共通テスト」導入とともに、主体性の評価、英語4技能の評価など、入試のあり方が大きく変わるため、各大学では、これに対応した2年後の入試方法の決定に注力せざるを得ない状況だからだ。
 その中で、19年は個別試験(以下、2次)で面接重視の変更を行う大学が目立つ。宇都宮大‐教育、上越教育大の前期で面接を追加。兵庫教育大の前期で実技を面接に変更する。佐賀大‐理工・農の前・後期で提出書類に「特色加点申請書」を追加するのとあわせ、こうした変更は敬遠材料となりそうだ。この他、新潟大‐医(医)、浜松医科大‐医(医)の前期で、配点比率を「セ試重視→2次重視」に逆転する。
 募集単位の変更では、東京工業大が類別入試(7つの「類」で募集し、入学後、2年次以降に各類で指定の「学院」に進む)から「学院別入試」に移行。前期は全学一括募集だが、第3志望まで出願可能のため、実質的に学院別募集であり、受験時から志望「学院」を目指せる分、受験生の人気を集めそう。ただし学費値上げ(年10万円程度の増額)の影響が注目される。

●2段階選抜もやや厳格化?
 新潟大‐医(医)、名古屋市立大‐医、兵庫県立大‐国際商経の前期や、長崎大‐薬(薬)、横浜市立大‐データサイエンスの後期、兵庫県立大‐社会情報科学の中期で2段階選抜を新規実施。また、東北大‐教育・工・歯、筑波大‐医学類、東京大‐理科3類、広島大‐医(医)の前期や、千葉大‐法政経の前・後期で予告倍率を引き締める。一方、名古屋市立大‐薬の中期で2段階選抜を廃止。大阪大‐外国語の前期、神戸大‐法の後期で予告倍率を緩和する。

●国公立大のネット出願導入が加速
 国公立大一般入試でインターネット出願の導入が加速、実施校は全体の約44%に達した。金沢大・名古屋大・大阪大・大阪市立大など32大学が新規実施するが、私立大と異なり、利便性向上が必ずしも志願者増に直結しないので、志望動向への影響は小さそうだ。

 以上のことから、国公立大全体の志願者はほぼ前年並みながら、「国立大=志願者減、公立大=志願者増」となりそうだ。また、“超安全志向”のため、前年の志願者増減や倍率アップダウンの反動が、より極端に起こりやすく、志望動向に大きく影響するので、注意してほしい。

【私立大】“超安全志向”と合格者絞り込みで、大都市圏は難関校から中堅校まで難化!?
 それでは、私立大の志望動向はどうか。先生方の回答では、「私立大志向は18年と変わらず、併願校数はさらに増える」との見立てが多いことから、私立大は志願者増が見込まれる。
 18年入試では、国立大の文系縮小とセ試の得点伸び悩みから、文系志望者が私立難関~中堅上位校の併願を増やし、私立大専願者が押し出されて中堅校の併願を増やした。
 一方、「定員管理の厳格化」がさらに進み、大都市圏の総合大学で志願者増と合格者絞り込みによる実質倍率(受験者数÷合格者数。以下、倍率)アップが目立った(表2)。定員増を行った大学まで、かえって合格者を減らす“異次元”の合格者絞り込みにより、「模試でA判定でも、不合格が続出した」という。

2017年度/国立大教員養成系学部の改組・定員増減の予定


●合格者絞り込みによる難化が続く!?
 19年度は、大都市圏の大学に対し、補助金の不交付措置がとられる入学定員超過率のラインが、大規模校(収容定員8千人以上)で1.10倍、中規模校(同4千人~8千人)で1.20倍と厳しい水準のまま固定された。さらに、東京23区内に立地する大学については、定員増や学部等増設の申請が、原則として今後10年間は不可とされた。このためか、19年度の学部・学科増設や定員増の申請は、前年と比べ小規模で、定員増は約3分の1の規模に留まる。
 東京23区内の難関~中堅上位校は軒並み難化が見込まれ、一方で首都圏のその他の地域や京阪神の大学への併願増も予想されるため、大きな変動要因となりそうだ。
 こうした状況に対し、強い現役志向から、公募推薦やAO入試の志願者増、さらに指定校推薦の利用率アップが想定される。しかし、指定校推薦枠が埋まると、公募推薦の募集枠が圧迫され、合格者を絞らざるを得ない。そのため、「国公立から併願増→難関~中堅上位校の難化→私立専願型が中堅校を併願増」と「指定校推薦の利用者増→公募推薦の難化→再挑戦者が2月一般入試に流入→合格者絞り込みで3月募集まで難化」という2つの構図から、私立大全体の志願者数は6%程度増える見込みだ。


●英語外部検定利用が増加
 国公立大と同様、私立大一般入試の科目等の変更は全体的に少ない。その中で目立つのが、独自試験やセ試の英語の代わりに、4技能(読む、聞く、書く、話す)を測定する「英語外部検定試験」を利用する方式の導入・拡大だ。
 工学院大・玉川大・東京電機大や日本女子大‐人間社会が「指定の基準以上で出願可。あとは英語以外の科目で合否判定(=出願資格)」する方式を新規実施。また、日本大‐経済や金城学院大などで「指定基準に達すれば、英語を満点、またはレベルに応じた得点に換算し、他科目と合算(=得点換算)」する方式を導入する。さらに、西南学院大(セ試利用入試で既に実施)が、独自入試で英語外部検定利用方式(出願資格+加点)を追加する。
 基準を満たせば「意外に入りやすかった」との声もあり、志願者増に結びつきそうだ。

●医学部で入試変更が目立つ
 この他、志願者増につながる要因として、杏林大・日本医科大・愛知医科大・関西医科大など、医学部の入試複線化や日程変更が目立つ。
 また、経済的負担の軽減策では、近畿大の入学前予約型給付奨学金の新設が注目される。

【系統別】経済など文系は志願者増で難化、医・薬・農・教員養成は易化か
 ここ数年と同じく、相対的な「文高理低」状態が続きそうだ。好調な就職状況を受け、文・法・経済・社会・国際関係など、文系が高人気を維持するのは確実。理系では工で志願者増、特に建築・情報分野は人気を集めそうだ。
 一方、医・薬・農など医療系・生物科学系は志願者減が予想される。看護・医療は相変わらず増設が多いが、既設学部・学科は易化しそう。この他、教員を取り巻く環境などが影響し、教員養成系も減少しそうだ。

進路指導の先生方は19年入試の志望動向をどう見ているか
 最後に、進路指導のプロである先生方が、19年入試の志望動向をどのように見据えているのか、アンケート結果と先生方のコメントをもとに、基本的な考え方を示しておこう。

A.国公立大志向はどうなりますか?
①強まる…1人 ②やや強まる…5人 ③変わらない…9人 ④やや弱まる…2人 ⑤弱まる…0人
B.私立大志向はどうなりますか?
①強まる…0人 ②やや強まる…5人 ③変わらない…11人 ④やや弱まる…1人 ⑤弱まる…0人
C.併願校数はどうなりますか?(無回答を除く)
①18年とほぼ同数…8人 ②18年よりやや増える…8人 ③18年よりやや減る…0人

 昨年と比べ、Aでは「強まる」「やや強まる」が増える一方、「やや弱まる」が減った。また、Bでは「やや強まる」が半減し、「変わらない」が全体の過半数を超えた。私立大志向は引き続き強いものの、国公立大志向も再び強まっている模様だ。また、Cでは昨年と比べ、②の比率がやや増えた。私立大の“異次元”ともいえる合格者絞り込みを目の当たりにし、さらに受験生や保護者に強まる“超安全志向”にも配慮し、併願校数の増加を視野に入れている様子が見て取れる。
 国公立大における推薦・AO入試の拡大傾向については、その現実に対応し、一般入試対策を重視しつつ、志望動機が明確な受験生であれば、積極的に活用させるようだ。実際、「注目すべき入試」として、東北大・東京大・京都大・大阪大・神戸大など難関校の推薦・AO入試をあげる先生が目立った。また、私立大についても、「大都市圏の難関~準難関校については、指定校推薦の活用を考える」という先生のコメントが複数見られたのが印象的だった。前述の通り、指定校推薦の利用者増をきっかけとした「私立大難化の連鎖」が再現されそうだ。

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地区別に「志望動向・難易変動を予測する!

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以下、各地区のおもな大学について、19年一般入試の変動要因と難易動向を見ていこう。 文中、変更点は18年→19年で表記。学部・学科等の名称は、略称で「学部(学科)」と記載。国公立大は前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼] [夜] 、センター試験=セ試、個別学力検査等(2次試験)=2次、セ試を課さない推薦=セ試免除推薦、セ試を課す推薦=セ試課す推薦、AO入試=AO、実質倍率(受験者数÷合格者数)=倍率、と略記。教科・科目数については「5または6教科7または8科目(科目選択による)=5(6)教科7(8)科目」のように略記。私立大も入試方式・日程等を略記した。また、英語外部検定利用に関する表記(カッコ内)は次の通り。出願資格=指定基準(スコア・級)以上で出願でき、英語以外の科目の得点で合否判定。得点換算=指定基準(スコア・級)により、英語を満点、または一定の得点に換算。その他の科目の得点と合算し、合否判定。加点=スコア・級ごとに設定した得点に換算、満点を超えない範囲で英語の合計点に加える。


【北海道・東北】
弘前大・山形大・東北学院大が志願者増、北海道教育大・東北大・秋田大が志願者減か。福島大‐農学群が台風の目に?!


<国公立大>
●北海道大
 前期の総合入試(文系・理系の大括りで募集。理・薬・工・農は同入試のみで実施)は、前年(18年。以下同じ)の志願者増の反動から、理系でやや志願者減が予想される。
 また、前期の学部別入試や後期では、前年の反動(志願者増減や倍率の変動による。以下、同じ)から、文【前】【後】・教育【前】・法【後】・経済【後】・医(保健)【後】・農【後】・獣医【後】で志願者増、経済【前】・医(保健)【前】・理【後】・歯【前】・薬【後】・水産【前】で志願者減が見込まれる。
●北海道教育大
 教員養成課程(札幌校・旭川校・釧路校)では、前年の反動から、札幌校【後】・旭川校【前】【後】・釧路校【前】で志願者減が見込まれる。釧路校は、専攻の統合(3→1専攻)も微妙に影響しそうだ。一方、教員養成以外の学科(函館校・岩見沢校)では、やはり前年の反動から、岩見沢校【前】【後】で志願者減、函館校【前】【後】で志願者増が見込まれる。
●旭川医科大
 前年の反動から、医(医)【前】・医(看護)【前】【後】で志願者減が見込まれる。医(看護)【前】からは、札幌医科大‐保健医療【前】、札幌市立大‐看護【前】への志望変更がありそうだ。
●帯広畜産大
 募集人員を後期から前期に移行(【前】140人→160人、【後】46人→35人)。後期の2次負担増(課さない→小論文・面接)もあり、畜産【前】は志願者増、同【後】は減少が見込まれる。前期は、北海道大‐獣医【前】から流入しそうだ。
●室蘭工業大
 学部名を変更(工→理工)、昼間コースを「4学科12コース→2学科7コース」、夜間主コースを「2学科→1学科2コース」に再編・統合。また、理工[昼]【前】304人→229人・【後】120人→110人、同[夜]【後】12人→10人に募集人員を削減する(推薦の募集枠拡大)。前期で東京会場を増設するが、理工[昼]【前】の志願者大幅減は必至。一方、やはり前年の反動から、理工[昼]【後】は志願者増、難化が見込まれる。前期から、北見工業大‐工【前】、公立はこだて未来大‐システム情報科学【前】へ志望変更がありそうだ。
●弘前大
 前年の反動から、人文社会科学【後】・教育【前】【後】、理工【前】で志願者増、医(医・保健)【前】で志願者減が見込まれる。岩手大‐人文社会科学【後】・教育【前】・理工【前】、募集人員減の秋田大‐国際資源【前】・理工【前】から志望変更がありそうだ。
●岩手大
 前年の反動から、人文社会科学【前】・理工【後】・農【前】【後】で志願者増、人文社会科学【後】・教育【前】・理工【前】で志願者減の見込み。志望者が弘前大‐人文社会科学【後】・教育【前】・理工【前】へ流出、秋田大‐理工【後】から流入しそうだ。
●東北大
 文・法・理でAOの募集枠拡大に伴い、一般入試の募集枠を削減(文【前】190人→170人、法【前】138人→118人、理【前】222人→199人)。また、2段階選抜の予告倍率を、教育【前】で「募集人員の約5倍→約4倍(以下、募集人員を略)」、工【前】で「約4倍→3.5倍」、歯【前】で「約4.5倍→約4倍」に引き締めた。
 こうした敬遠材料に加え、世界最高水準の研究を見込める「指定国立大学」に選定された結果、18年に志願者大幅増となった反動から、文【前】・教育【前】・法【前】・経済【前】・理【前】・工【前】・歯【前】・薬【前】で志願者減が見込まれる。
 ただし、経済【後】・理【後】は難関大に残る数少ない後期として、ほぼ前年並みの志願者を集めそうだ。また、医(保健)【前】も、前年の反動から志願者増が見込まれる。
●秋田大
 18年は理工【前】の入試複線化(配点比率により、セ試重視と2次重視の2方式に分割)などで、全学の志願者が67%増。その反動に加え、AOの導入・拡大に伴う募集人員減(国際資源【前】77人→68人・【後】25人→18人、理工【前】229人→206人・【後】71人→59人)も敬遠材料となり、全学部(国際資源、理工、教育文化、医‐医・保健)の前・後期で志願者減が見込まれる。特に理工【前】は、生命科学科が1年遅れて複線化するものの、志願者大幅減は必至だ。
●山形大
 前年の反動から、人文社会科学【後】・地域教育文化【前】【後】・工[フレックス]【前】【後】・医(看護)【前】【後】で志願者増、理【後】・工[昼]【前】【後】・農【前】【後】で志願者減が見込まれる。また、前年に募集枠を拡大しながら、やや志願者が減った医(医)【後】も、増加が見込まれる。推薦枠拡大などで募集人員減の人文社会科学【後】(30人→22人)、地域教育文化【前】(100人→93人)は難化しそうだ。
 一方、農【前】【後】は福島大‐農学群新設の影響を受け、理【前】は「分野別募集(5分野)→学部一括募集」の移行が敬遠材料となり、やや志願者減が見込まれる。
●福島大
 農学群食農学類(以下、学類を略)を新設。募集人員は前期60人・後期20人と小規模ながら、県内初の農学系として、多くの志願者を集めるとみられ、隣県の山形大‐農、宇都宮大‐農、宮城大‐食産業が影響を受けそうだ。
 一方、既設の4学類は、定員減に伴い募集人員減(人間発達文化【後】30人→19人、行政政策[昼]【前】140人→108人・【後】45人→35人、経済経営【前】120人→115人、共生システム理工【前】80人→70人・【後】50人→45人)。また、夜間主社会人教育コースの「現代教養コース」も縮小(60人→20人)する。前年の反動もあり、人間発達文化【後】・行政政策[昼]【前】【後】・共生システム理工【前】【後】で志願者減、経済経営【前】【後】で志願者増が見込まれる。
●岩手県立大
 前年の反動から、看護【前】【後】・総合政策【後】で志願者減、ソフトウェア情報【後】で志願者増が見込まれる。看護【前】【後】からは、宮城大‐看護【前】【後】へ志望変更がありそうだ。
●宮城大
 事業構想・食産業の前期で学外試験場を新設(さいたま市)するが、前年の反動から、事業構想【前】【後】・食産業【前】【後】で志願者減、看護【前】【後】で志願者増が見込まれる。

 この他、前年の反動から、宮城教育大【後】、国際教養大A日程、福島県立医科大‐医【前】【後】で志願者増が見込まれ、小樽商科大‐商[昼]【後】、釧路公立大‐経済【前】【中】、秋田県立大‐システム科学技術【前】【後】・生物資源科学【前】、福島県立医科大‐看護【前】【後】で志願者減が見込まれる。

<私立大>
 千歳科学技術大が「私立→公立」への移行を予定。学費の減額に加え、19年は私立大として別日程入試を行うため、室蘭工業大の一般枠縮小も影響し、志願者急増は必至だ。
 18年に定員増(全学で約6%増)を行い、志願者減で倍率ダウンした東北学院大は、定員増どおりの合格者増を行ったことが人気材料となり、福島大の文系縮小もあって国立大志望者の併願増が見込まれ、やはり志願者増が予想される。
 この他、北海学園大-経営の一般入試、北海道科学大のセ試利用入試における英語外部検定の新規利用(前者は得点換算、後者は加点)、岩手医科大-医、東北医科薬科大-医の一般入試における大阪会場増設、岩手医科大-薬の一般前・後期の面接追加なども注目される。



【関東・甲信越】
筑波大・横浜市立大・中央大が志願者増、千葉大・東京外国語大・上智大・法政大が志願者減か。


<国公立大>
●茨城大
 18年は全学で志願者10%増。その反動から、人文社会科学【前】【後】・理【後】・農【前】【後】で志願者減が予想される。
 一方、やはり前年の反動から、工[昼]【後】で志願者増が見込まれる。
●筑波大
 全学の志願者増減(17年9%増→18年13%減)のゆれ戻しから、各学群・学類の前期では、日本語日本文化・社会・国際総合・教育・地球・物理・応用理工・工学システム・社会工・看護・医療科学・体育専門・芸術専門で志願者増が見込まれる。社会工【前】は募集人員増(80人→83人:AOを廃止)も要因となりそう。
 一方、人文・比較文化・情報科学・情報メディア創成の前期は、前年の反動で志願者減の見込み。また、医【前】は募集人員減(77人→72人)と2段階選抜の予告倍率引き締め(約5倍→約2.5倍)が敬遠され、大幅減は必至。知識情報・図書館【前】も募集枠縮小(50人→40人:推薦枠拡大)が志願者減の要因となりそうだ。
●宇都宮大
 工を「4学科→1学科(3コース)」に統合・改組し、募集人員も「後期→前期」に移行(前期215人→232人、後期54人→40人)。工【前】で志願者増、工【後】で志願者減が見込まれる。
 教育で後期を募集停止し、前期を募集人員増(105人→117人)。ただし、教育【前】は2次負担増(面接を追加)が敬遠材料となり、志願者減で易化しそう。また、茨城大‐教育【後】、群馬大‐教育【後】との併願が増えそうだ。
 この他、前年の反動から、地域デザイン科学【前】で志願者増、地域デザイン科学【後】・国際【前】で志願者減が見込まれる。農【前】【後】も、福島大‐農学群の新設が影響、やや志願者が減少しそうだ。
●群馬大
 前年の反動から、教育【後】・医(医)【前】で志願者増、社会情報【前】・医(保健)【前】・理工[夜]【前】で志願者減が見込まれる。教育【後】は宇都宮大‐教育の後期募集停止も影響しそうだ。
●埼玉大
 前年の反動から、教養【前】【後】・教育【前】で志願者増、経済【後】・工【前】【後】で志願者減が見込まれる。教養【前】には千葉大‐国際教養【前】、教育【前】には千葉大‐教育【前】から志望変更が増えそうだ。
●千葉大
 教育【前】で「5→1課程」に統合、定員減に伴う募集人員減(315人→297人)が志願者減の要因となりそう。また、法政経【前】【後】は、後期の募集人員減(75人→70人:AOを導入)や、2段階選抜の予告倍率引き締め(前期=4倍→3.5倍、後期=15倍→13倍)が敬遠され、志願者減が見込まれる。
 一方、薬は前期の募集人員増(60人→70人)、後期(薬科学科のみ実施)の2次変更(総合問題→理科2科目)が人気材料となり、いずれも志願者増が見込まれる。また、工は募集人員を「後期→前期」に移行(【前】459人→466人、【後】141人→124人)、後期の志願者大幅減に直結しそうだ。
 この他、前年の反動から、医【前】・園芸【前】【後】で志願者増、国際教養【前】・文【後】・理【前】・看護【前】で志願者減が見込まれる。
●東京大
 理科3類【前】は2段階選抜の予告倍率引き締め(約4倍→約3.5倍)が敬遠材料となり、志願者減が見込まれる。一方、学部系統の人気度から、文科2類【前】でやや志願者増が見込まれる。
●東京医科歯科大
 前年の反動から、医(医)【後】・歯【前】で志願者減、医(保健衛生)【前】・歯【後】で志願者増が見込まれる。
●東京外国語大
 「国際日本学部」を増設。募集人員は前期のみ35人で、人気分野として多くの志願者を集めそうだが、2次で課す「英語スピーキング」が、初年度は敬遠材料となる可能性もある。
 一方、既設の2学部は定員減と推薦枠拡大(国際社会は新規実施)に伴い、一般入試の募集人員を変更(言語文化【前】343人→290人、国際社会【前】251人→254人・【後】109人→56人)。募集枠縮小の言語文化【前】・国際社会【後】は、志願者大幅減が見込まれる。
●東京海洋大
 海洋生命科学【前】【後】・海洋資源環境【前】【後】の出願資格で、英語検定利用を全面的に必須とし、経過措置(セ試の英語の得点または順位が、学部等の指定基準以上でも出願可)を廃止。敬遠材料となり、志願者減は必至。
 一方、前年の反動から、海洋工【前】【後】は志願者増が見込まれる。
●東京工業大
 類別入試(7つの「類」で募集し、入学後、2年次以降に各類で指定された、他大学の学部に近い「学院」に進む)から「学院別入試」に移行する。後期は生命理工学院のみ実施。前期は全学一括募集ながら、第3志望まで出願するため、実質的に学院別募集であり、受験時から志望「学院」を目指せる分、受験生の人気を集めそう。また、前期は募集人員増(全学で886人→900人:AOを縮小)も志願者増の要因となりそうだが、学費値上げ(535,800円→635,400円)の影響が注目される。
 なお、前年の「類」と「学院」を対比すると、生命理工【前】【後】で志願者増、物質理工【前】で志願者減が見込まれる。
●東京農工大
 工を8→6学科に再編、募集人員を「前期→後期」に移行(【前】326人→284人、【後】160人→183人)。前年の反動もあり、農【前】で志願者増、工【後】でやや増加、工【前】で大幅減が見込まれる。
●お茶の水女子大
 前年の反動から、文教育【前】【後】・理【前】・生活科学【後】で志願者増、理【後】・生活科学【前】で志願者減が見込まれる。
●一橋大
 18年は法・社会の後期募集停止などで志願者8%減。前年の反動から、商【前】・法【前】で志願者増、経済【前】【後】・社会【前】で志願者減が見込まれる。
●横浜国立大
 前年の反動から、教育【前】・経済【後】・経営【後】・理工【後】で志願者増、都市科学【前】・理工【前】で志願者減が見込まれる。経済【後】・経営【後】は一橋大‐商【前】・経済【前】からの併願が増加しそうだ。
●上越教育大
 学校教育【前】は、前年の反動に加え、2次負担増(集団面接を追加)が敬遠材料となり、志願者減の見込み。新潟大‐教育【前】、信州大‐教育【前】などに志望者が流出しそうだ。
●新潟大
 医(医)【前】で、2次の数学・理科・外国語を各150点→400点にアップし、セ試・2次の配点比率を「750:450→750:1200」と「セ試重視→2次重視」に逆転。また、2段階選抜(予告倍率=4倍)を新規実施する。敬遠材料となり、志願者減が見込まれる。
 この他、前年の反動から、創生【前】【後】・教育【前】【後】・法【後】・理【後】・医(保健)【前】【後】・工【前】【後】・農【前】で志願者増、法【前】・理【前】・歯【前】【後】で志願者減が見込まれる。
●山梨大
 前年の反動から、教育【前】【後】・医(医)【後】・工【後】で志願者増、医(看護)【前】【後】・工【前】で志願者減が見込まれる。医(看護)【前】は募集人員減(35人→30人:推薦枠拡大)も要因となりそうだ。
●信州大
 前年の反動から、経法【前】・医(医)【前】・医(保健)【後】・農【後】・繊維【前】【後】で志願者増、工【前】【後】で志願者減が見込まれる。教育【前】は上越教育大【前】から志望者が流入、やや増加しそう。一方、経法【後】は募集人員減(応用経済学科20人→15人)が要因となり、やや志願者減が見込まれる。
●埼玉県立大
 保健医療福祉【前】は、次の学科・専攻でセ試の科目数を軽減。理学療法=7(8)科目→5科目、作業療法=6科目→5科目、検査技術科学=6(7)科目→5科目。前年の志願者39%増の反動を相殺する人気材料となりそう。千葉県立保健医療大‐健康科学【前】の募集人員減(108人→92人)の影響もあり、やや志願者増が見込まれる。
●首都大学東京
 18年は、都市教養を4学部(人文社会・法・経済経営・理)に分割したが、全学の志願者は4%減。2年目を迎え、認知度が高まったものと見られ、経済経営【前】【後】・理【前】【後】は志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、都市環境【前】・健康福祉【前】【後】で志願者増が見込まれる。
●横浜市立大
 国際総合科学を、国際教養・国際商・理の3学部に分割・改組(国際教養学系・国際都市学系、経営科学系、理学系を移行)。一般入試は前期のみ募集(国際教養【前】160人・国際商【前】190人・理【前】70人)。目指す学部・学科がわかりやすくなるため、人気を集めそうだ。
 一方、データサイエンス【後】は2段階選抜の新規実施(予告倍率=約20倍)が敬遠材料となり、やや志願者減か。また、医(医)【前】は募集人員減(85人→80人:地域医療枠推薦を拡大)が志願者減に結びつきそうだ。
●都留文科大
 18年は「教養学部」を増設しながら、全学で志願者24%減。その反動から、教養【前】【中】・文【前】【中】とも志願者増が見込まれる。
●公立諏訪東京理科大
 18年4月から「私立→公立」に移行し、19年から前期・中期に新規参入(18年は、私立大として別日程実施)。前期B方式は「セ試=3教科4科目、2次=数学・物理」、中期は「セ試=3教科4科目、2次=数学」と私立理系型のため、私大専願型の受験生も取り込み、多くの志願者を集めそうだ。
●長野大
 社会福祉で募集人員を「前期→中期」に移行(【前】50人→45人、【中】25人→30人)。また、全学の中期で岡山会場を増設する。社会福祉【中】・環境ツーリズム【中】・企業情報【中】の志願者増、社会福祉【前】の志願者減が見込まれる。
●長野県立大
 グローバルマネジメントで募集人員を「中期→前期」に移行(【前】70人→80人、【中】60人→45人)し、中期でセ試を4教科4(5)科目→3教科3(4)科目に軽減。前・中期とも志願者増が見込まれ、中期は難化しそう。一方、健康発達【中】は前年の高倍率の反動で志願者減が見込まれる。

<私立大>
 国立大の後期縮小により、国公立大志望者が就職好調な首都圏の難関~中堅上位校の併願を増やすものとみられるが、いずれも定員超過率が厳しく抑制されたまま固定され、合格者絞り込みによる難化が想定される。特に、東京23区内に立地する大学では、原則として10年間は新増設や定員増を申請できないため、合格者抑制で軒並み難化が予想される。
 19年は新増設や定員増、新方式の実施などが前年より少なく、「波静かな入試」といわれる。このため、国公立と同様、前年の倍率の極端な変化が、反動となって現れる可能性がある。18年に合格者の絞り込みが顕著だった、学習院大(志願者11%増に対し合格者12%減)、上智大(志願者7%増に対し合格者16%減)、成城大(志願者27%増に対し合格者20%減)、法政大(志願者3%増に対し合格者17%減)は、警戒される可能性がある。一方、合格者増の工学院大(志願者9%減に対し合格者4%増)、國學院大(志願者1%減に対し合格者3%増)は志願者増が見込まれる。この他、中央大の2学部増設も人気材料として注目される。
 以下、志望動向に影響を与えそうな、各大学のおもな変動要因を紹介する。

●青山学院大
 「コミュニティ人間科学部」を、相模原キャンパス(神奈川県相模原市)に開設する。
 文(英米文)の個別学部日程C方式で、出願資格の英語外部検定(TEAP)のスコアを、新たに得点換算化する。一方、経済の個別学部日程B方式で、英語外部検定利用と国語を廃止、「大学独自の英語と数学の2科目」に変更し、募集人員を増加する(15人→45人)。
●昭和大
 医の一般Ⅰ期で、歯・薬を第2・3志望として、同時併願を可能にする。また、歯でセ試A方式Ⅱ期を廃止する。
●大東文化大
 出願締切日がセ試本試験日の前か後かによって、全学部のセ試利用前期を「前出願型・後出願型」に分割。後出願型は新規実施で、3・4教科型の2タイプに複線化する(ただし、経営は3教科型、社会は4教科型のみ実施)。
●中央大
 国際経営・国際情報の2学部を新設(国際経営=東京都八王子市、国際情報=同新宿区)。
●東海大
 文系・理系学部一括入試で、英語外部検定利用が可能に(得点換算)。医(医)で神奈川県地域枠入試(セ試利用)を復活し、セ試後期を廃止。
●東京電機大
 工2部以外の4学部で「一般入試(英語外部試験利用)」を新規実施。工の一般入試(前期・後期・英語外部試験利用)で数学満点選抜方式(数学が満点の場合は合格とする)を導入する。
●東京都市大
 知識工を「4→3学科」に再編し、定員減(295人→240人)。一方、工を定員増(725人→780人)。全学統一入試を廃止し、全学部で一般中期とセ試後期3教科グループディスカッション型を新規実施する。
●日本大
 学部共通入試のN方式1期で、高崎・湘南の2会場を増設。経済の一般A方式1・2期で、英語外部検定利用が可能に(得点換算。学部独自の英語と高得点の方を利用)。生物資源科学で学外試験場を「A方式1期=6→16、同2期=1→16」に増設し、3学科(森林資源科学・生物環境工・国際地域開発)でN方式2期を新規実施。文理(英文)でセ試C方式2期を新規実施する。
●日本医科大
 医の一般後期で「セ試(国語)併用型」を新規実施(募集人員=10人)し、一般前期を募集人員減(100人→90人)。
●日本女子大
 人間社会で「英語外部試験利用型一般入試」を新規実施。一般入試と同日実施で同時併願可(出願資格。英語以外の2科目で判定)。また、家政(児童)のセ試前期を4→3教科に軽減する。
●明治大
 経営・国際日本・農・総合数理の全学部統一入試で、英語外部検定利用(4技能)が可能に(得点換算。総合数理は4科目方式)。
●立教大
 全学部(文‐ドイツ文学を除く)のセ試利用入試で6科目型を新規実施し、4科目型を廃止。ただし、理は従来の4教科型(6科目)を名称変更。
●早稲田大
 教育で指定校推薦の導入に伴い、一般入試の募集人員を削減(700人→560人)する。

 獨協大-外国語・国際教養・法でC方式セ試併用型(独自・セ試併用)を導入。桜美林大は東京都新宿区にキャンパス新設、ビジネスマネジメント学群を郊外から移転。杏林大-医で一般後期を新規実施。工学院大は全学部で、一般A日程と同時期に「英語外部試験利用入試」を新規実施(出願資格)。聖路加国際大-看護でセ試利用入試を新規実施し、一般A方式を3→2科目に軽減。玉川大の全8学部で「英語外部試験スコア利用入試」を新規実施。法政大-文・デザイン工で「英語外部試験利用入試」を導入。武蔵野大で「データサイエンス学部」を増設。立正大で全学部入試の一般RisE方式を導入する。


【北陸・東海】
静岡大・三重大・愛知県立大が志願者増、福井大・岐阜大が志願者減か。公立小松大の中期は注目度大。

<国公立大>
●富山大
 都市デザインは、開設2年目で認知度が高まったが、初年度から高倍率の後期は、警戒されて志願者減が見込まれる。
 この他、前年の反動から、人間発達科学【前】・理【後】・工【前】・医(医)【後】・薬【前】【後】で志願者増、人文【前】【後】・経済[昼]【前】・理【前】・医(看護)【前】【後】・芸術文化【前】【後】で志願者減が見込まれる。医(看護)【前】【後】は富山県立大‐看護の新設も志願者減の要因となりそうだ。
●金沢大
 18年に学類別募集と別枠で導入した「後期一括入試(文系・理系)」は、同入試による入学者が、2年次から各学類に配属されるため、専門を決めかねる受験生の選択肢として人気を集めた。導入2年目で認知度が高まり、19年もやや志願者が増加しそうだ。
 同入試以外の学類別募集(以下、学類を略)では、前年の反動から、法【前】【後】・国際【前】【後】で志願者増、人文【前】【後】・学校教育【前】・地域創造【前】【後】・物質化学【前】【後】・地球社会基盤【後】・医【前】・保健【前】【後】で志願者減が見込まれる。保健【前】は公立小松大‐保健医療の前期新規実施も影響しそうだ。
●福井大
 前年の反動から、医(医)【前】・国際地域【後】で志願者増が、医(医)【後】・医(看護)【前】【後】・工【前】【後】で志願者減が見込まれる。医(医)【前】は、金沢大‐医学類【前】から志望者が流入しそう。また、国際地域【前】は公立小松大‐国際文化交流の前期新規実施が志願者減に結びつきそうだ。
●岐阜大
 志願者増減(17年12%減→18年18%増)のゆれ戻しから、教育【前】【後】・地域科学【前】【後】・医(看護)【前】・工【前】【後】・応用生物科学【後】で志願者減が見込まれる。教育【後】は、推薦枠拡大に伴う募集人員減(72人→46人)もあり、志願者大幅減は必至。静岡大‐教育【後】、愛知教育大【後】、三重大‐教育【後】への併願が増えそうだ。一方、やはり前年の反動から、医(看護)【後】・応用生物科学【前】で志願者増が見込まれる。
●静岡大
 志願者増減(17年19%増→18年18%減)のゆれ戻しから、人文社会科学【後】・教育【前】【後】・情報【前】【後】・理【後】・工【前】・農【前】【後】・地域創造学環【前】で志願者増が見込まれる。工【前】は岐阜大‐工【前】、名古屋工業大‐工1部【前】からの志望変更が想定される。
 一方、やはり前年の反動から、人文社会科学【前】・工【後】で志願者減が見込まれる。
●浜松医科大
 医(医)【前】で配点比率を「セ試重視→2次重視」に変更(セ試950点→450点、2次750点→700点)、2次逆転の可能性が高まった。前年の反動もあり、志願者大幅増で難化が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、医(医)【後】・同(看護)【前】は志願者減が見込まれる。
●名古屋大
 前年の反動から、経済【前】・情報【前】・理【前】・医(医)【前】で志願者減、法【前】・工【前】・医(医)【後】で志願者増が見込まれる。医(医)【前】から、浜松医科大‐医(医)【前】への志望変更が増えそうだ。一方、医(医)【後】は、2段階選抜で予告倍率(約8倍)を除外し、基準点(セ試900点中720点以上)のみに緩和したことも要因となりそうだ。
●三重大
 志願者増減(17年18%増→18年14%減)のゆれ戻しから、人文【後】・教育【後】・生物資源【前】【後】・工【前】【後】は志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から医(看護)【前】【後】で志願者減、三重県立看護大【前】への志望者流出が見込まれる。
 工は「6学科→1学科(5コース)」に統合・改組し、別に「総合工学コース(入学後、2年次に5コースから所属コースを決定。前期のみ募集)」を新設。前・後期ともコース別募集のため、募集単位は前年とほぼ変わりなく、入学後に進路を選べる総合工学コースが人気を集めそう。ただし、後期は全コースでセ試を5教科7科目に統一し、機械工学以外の4コースが科目増になったため、志願者増は小幅に留まりそうだ。
●富山県立大
 看護学部を増設。募集人員は前期62人・後期10人。初年度から多数の志願者を集め、富山大‐医(看護)【前】【後】、石川県立看護大【前】【後】などに影響を及ぼすものと見られる。一方、前年の反動から、工【前】【後】は志願者減が見込まれる。
●公立小松大
 4月に開設された同校は、初年度は別日程(A・B日程)で実施したが、19年は全学部(国際文化交流・生産システム科学・保健医療)で前期・中期に移行し、2段階選抜を廃止(18年はA日程で実施)。北陸地区の芸術系以外で唯一の中期は、貴重な併願先として高倍率の激戦は必至。前期は富山県立大‐工【前】、石川県立看護大【前】、福井大‐国際地域【前】の志願者減に影響しそうだ。
●福井県立大
 前年の反動から、生物資源【前】【後】・海洋生物資源【前】【後】で志願者増、経済【前】【後】・看護福祉【後】で志願者減が見込まれる。
●静岡県立大
 経営情報【前】【後】で定員増に伴い募集人員増(【前】60人→75人、【後】10人→15人)、志願者増が見込まれる。
 この他、全学の志願者増減(17年14%増→18年25%減)の揺れ戻しから、薬【中】・食品栄養科学【後】・国際関係【前】・看護【前】【後】で志願者増の見込み。食品栄養科学は食品生命科学科【前】【後】のセ試で、理科が「物理必須→選択、生物が選択可に」なったことも要因となりそう。
 また、薬【中】は4年制の薬科学科が存続していることもあり、18年に6年制に一本化した岐阜薬科大【中】から、志望者が流入しそうだ。
●静岡県立大
 経営情報【前】【後】で定員増に伴い募集人員増(【前】60人→75人、【後】10人→15人)、志願者増が見込まれる。
 この他、全学の志願者増減(17年14%増→18年25%減)の揺れ戻しから、薬【中】・食品栄養科学【後】・国際関係【前】・看護【前】【後】で志願者増の見込み。食品栄養科学は食品生命科学科【前】【後】のセ試で、理科が「物理必須→選択、生物が選択可に」なったことも要因となりそう。
 また、薬【中】は4年制の薬科学科が存続していることもあり、18年に6年制に一本化した岐阜薬科大【中】から、志望者が流入しそうだ。
●愛知県立大
 18年は全学で志願者11%減。その反動から、外国語【前】【後】・日本文化【後】・教育福祉【前】【後】・看護【後】・情報科学【後】で志願者増が見込まれる。看護【後】は名古屋市立大‐看護【前】からの併願が増えそうだ。
●名古屋市立大
 総合生命理は開設2年目で認知度が高まり、後期のみ実施のため、18年の意外な低倍率の反動もあり、志願者増で難化は必至だ。看護で後期を募集停止、前期を募集人員増(40人→45人)。前年の反動もあり、前期は志願者増の見込み。
 この他、前年の反動から、薬【中】・経済【前】・人文社会【前】・芸術工【前】【後】で志願者増が見込まれる。薬【中】は2段階選抜の廃止もあり、岐阜薬科大【中】から志望者が流入しそうだ。一方、医【前】は2段階選抜の新規実施が敬遠され、前年の反動もあり、大幅減が見込まれる。

<私立大>
 18年で合格者の絞り込みが比較的緩やかだった愛知大・名城大が人気を集め、合格者が約2割減の南山大は、やや敬遠されそうだ。
 金沢工業大でセ試中期を追加し、セ試後期を4(5)科目→3(4)科目に軽減。一般入試の募集回数を「3→2」に削減する。愛知医科大-医でセ試後期を新規実施。中京大はセ試前・後期で2科目型(工は2教科3科目型)を新規実施。名古屋外国語大で学部増設(世界教養)。藤田医科大は「藤田保健衛生大」から名称変更、医で募集人員を変更(一般前期90人→80人、一般後期・セ試後期合計10人→15人)。名城大-経済・経営で、A方式とF方式(独自・セ試併用)を新たに同時実施し、同時併願が可能になる。


【関西】
大阪市立大・同志社大・龍谷大が志願者増、大阪大・神戸大・兵庫県立大・関西学院大は志願者減か。

<国公立大>
●滋賀大
 前年の反動から、教育【後】・経済[夜]【前】・データサイエンス【前】【後】で志願者増、教育【前】で志願者減が見込まれる。
●京都大
 積極的な広報活動もあり、首都圏の難関大志望者の注目度が高まっている模様。前年の反動もあり、教育【前】・法【後】・経済【前】・医(人間健康科学)【前】で志願者増、法【前】・薬【前】・農【前】で志願者減が見込まれる。
●京都教育大
 前・後期とも、セ試の外国語が英語以外は選択不可となり、配点も200点→250点にアップ。また、前期の各専攻で、2次の科目等を変更(教育学=英語→小論文/幼児教育・発達障害教育・国語=英語→面接/英語=国語を除外/技術=面接を追加、「国語・数学・理科から2選択→1選択」に/音楽=面接を追加)。
 前期は小論文・面接重視の入試変更が敬遠材料となり、やや志願者減が見込まれ、奈良教育大【前】へ志望者が流出しそうだ。一方、後期は前年の反動から志願者増が見込まれる。
●大阪大
 薬で、薬科学科(4年制)を募集停止し、薬学科(6年制)に一本化した。前年の反動もあり、薬【前】は志願者減でやや易化しそうだ。また、やはり前年の反動から、文【前】・理【前】・歯【前】・基礎工【前】で志願者減が、法【前】で志願者増が見込まれる。
 セ試課すAO・推薦「世界適塾入試」の募集枠が、19年も拡大され、前期の募集人員は「経済206人→198人、医(医)100人→95人、医(保健)151人→144人、工766人→736人」と削減された。前年の反動もあり、経済【前】・医(医)【前】・医(保健)【前】で志願者減が見込まれる。
 ただし工【前】は、配点A(セ試350点:2次650点)で募集人員の70%、残りを配点B(セ試の素点が配点Aの合格者最低点の70%以上で、2次1,000点)で合否判定する方式をやめ、配点Aによる選抜に統一。わかりやすく整理されたため志願者増が見込まれ、やや難化しそうだ。
 また、18年の世界適塾入試では、合格者が募集人員の6割に満たず、不足分を前期に上乗せしたため、外国語【前】・理【前】・工【前】で、合格者数が募集人員を大幅に上回った。この現象は19年も想定され、意外な倍率ダウンもありうる。
●神戸大
 セ試免除AO「『志』特別入試」の導入に伴い、一般入試の募集人員を「文【前】80人→77人、国際人間科学【前】243人→241人・【後】76人→73人、法【前】120人→117人、理【前】115人→113人・【後】38人→35人、医(保健)【後】30人→24人、工【前】452人→445人・【後】113人→108人、農【前】122人→117人」に削減。このうち、減少幅の大きい医(保健)【後】は志願者減に結びつきそうだ。一方、医(保健)【前】は募集人員増(121人→128人)のため、やや志願者増か。
 前年の反動から、国際人間科学【前】・文【前】【後】・理【前】・医(医)【前】・海事科学【前】で志願者増、理【後】・農【前】【後】・海事科学【後】は志願者減が見込まれる。
 この他、法【後】は2段階選抜の予告倍率緩和(約7倍→約10倍)が志願者増に結びつきそうだ。
●兵庫教育大
 学校教育【後】で、募集人員を22人→30人に増加(推薦枠を縮小)。前年の反動もあり、志願者大幅増は必至。一方、学校教育【前】は、2次の変更(実技→集団面接)が敬遠材料となり、志願者減が見込まれる。後期には、前年大幅増の鳴門教育大【後】から志望変更が増えそうだ。
●奈良女子大
 前年の反動から、文【前】・理【前】・生活環境【後】で志願者増、文【後】・生活環境【前】で志願者減が見込まれる。
●和歌山大
 全学的に2次の科目変更を実施。教育【前】では、文科系で地歴が選択不可となり、理科系で「理科→英語」に変更された。また、経済【前】が「数学・英語→総合問題」に、経済【後】・観光【後】で「小論文→総合問題」に変更された。こうした変更が敬遠材料となり、教育【前】・経済【前】【後】で志願者減が見込まれる。この他、前年の反動で、教育【後】・観光【前】は志願者増、システム工【前】は志願者減が見込まれる。
●滋賀県立大
 前年の反動から、環境科学【前】・工【後】・人間文化【後】・人間看護【後】で志願者増が見込まれる。一方、工【前】は合格者15%減で倍率アップした反動で、前年に続き志願者減が見込まれる。
●京都府立大
 文で学科増設(和食文化)、募集人員を「【前】63人→79人・【後】15人→20人」に増加する。新学科は地域の特性に根ざした分野として人気を集めると見られ、文【前】【後】とも志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、公共政策【後】・生命環境【前】【後】で志願者増、公共政策【前】で志願者減が見込まれる。
●大阪市立大
 志願者増減(17年21%増→18年13%減)のゆれ戻しから、商【前】【後】・経済【前】【後】・法【前】・理【前】【後】・工【前】で志願者増が見込まれる。ただし、理【後】は地球学科のセ試負担増(理科1→2科目)と2次変更(地学→口頭試問)が敬遠材料となり、小幅な増加となりそう。また、文は学科増設(文化構想)するが、募集人員を増やさないため、志望動向への影響は限定的とみられる。一方、やはり前年の反動から、法【後】・工【後】で志願者減が見込まれる。また、医(医)【前】は、推薦・AOの導入に伴う募集人員減(95人→80人)で、志願者大幅減は必至。奈良県立医科大-医(医)【前】、和歌山県立医科大-医【前】への志望変更が増えそうだ。
●大阪府立大
 前年の反動から、現代システム科学域【後】・生命環境科学域【後】で志願者増、現代システム科学域【前】・地域保健学域【前】【後】で志願者減が見込まれる。工学域【中】は理工系の貴重な併願先として、ほぼ前年並みの志願者を集めそうだ。
●兵庫県立大
 経済・経営を「国際商経・社会情報科学」の2学部に改組する。募集人員は「国際商経=前期205人・後期40人、社会情報科学=前期60人・中期20人」で、国際商経の3コースのうち、グローバルビジネスコースは前期のみ募集。また、社会情報科学の中期の新規実施が注目される。
 国際商経【前】・社会情報科学【中】では2段階選抜を新規実施(予告倍率=国際商経【前】4倍、社会情報科学【中】15倍)。また、国際商経は前期のグローバルビジネスコースと、後期の経済・経営コースで、英語外部検定を出願資格として新規利用する(級・スコアによる得点換算も)。
 社会情報科学【前】【中】は、人気分野の新設であり、併願に貴重な中期のため、多くの志願者を集めそうだが、国際商経【前】【後】は2段階選抜と英語外部検定の出願資格化が敬遠されそうだ。
 この他、前年の反動から、環境人間【後】・看護【前】【後】で志願者増、工【後】で志願者減が見込まれるが、看護【前】【後】はセ試の理科で、基礎科目を選択から除外したため、小幅な増加に留まりそうだ。
●奈良県立医科大
 前年の反動から、医(医)【前】【後】で志願者増、医(看護)【前】で志願者減が見込まれる。医(医)【前】は、大阪市立大-医(医)【前】から流入しそうだ。
 この他、前年の反動から、滋賀医科大-医(医・看護)【前】、大阪教育大【前】【後】、神戸市外国語大-外国語1部【前】【後】、神戸市看護大-看護【前】【後】などで志願者増が見込まれる。

<私立大>
 定員規模が大きい「関関同立」「産近甲龍」に対し、国立大の後期縮小により、主に国公立大文系志望者が併願を増やすものとみられる。
 19年は新増設や定員増、新方式の実施などが前年より少なく、「波静かな入試」といわれる。一方、定員規模の大きな大都市圏の大学では、定員超過率の厳しい制限が固定され、引き続き合格者絞り込みが予測される。このため、前年の倍率の極端な変化が、反動となって現れる可能性がある。18年に合格者の絞り込みが顕著だった、京都産業大(志願者17%増に対し合格者25%減)や関西学院大(志願者2%減ながら合格者20%減)は、警戒される可能性が高い。一方で、合格者減が比較的緩やかだった同志社大(志願者4%増に対し合格者5%減)、龍谷大・近畿大(ともに、志願者6%増に対し合格者4%減)は、志願者増が見込まれる。また、京都産業大・龍谷大・近畿大・摂南大などの大規模な公募推薦の合格者が絞り込まれた場合、18年と同様、3月まで「難化の連鎖」が続くものと見られる。
 以下、志望動向に影響を与えそうな、各大学のおもな変動要因を紹介する。
●京都産業大
 「国際関係学部」を増設、総合生命科学を「生命科学部」に改組、経営を「3→1学科」に統合する。また、文化で一般英語1科目型を廃止する。
●大阪医科大
 医の一般前期で、試験日を繰り下げた(1次=1/25→2/11、2次=2/14→2/20)。関西医科大-医(医)、近畿大-医、兵庫医科大-医の前期の1次が集中する1月下旬を避けたため、他からの併願増が見込まれる。
●関西大
 文の一般後期でセ試併用型小論文方式を新規実施(セ試3科目と小論文を課す)。また、システム理工のセ試前期で5科目型、セ試中期で4科目型を新規実施する。
●関西医科大
 医でセンター・一般併用入試を新規実施。また、看護でセ試利用入試を新規実施し、一般入試に小論文を追加する。
●近畿大
 「入学前予約採用型給付奨学金制度」を新設する。前期A・B日程、後期、公募推薦の出願予定者が対象で、年額30万円を給付し、採用人数は150人。前期A日程で、理工・建築・薬(創薬科学)・農・生物理工が第1志望の場合、理系学部他学部併願方式(複数学部の同時併願可)を導入。また、理工の前期A日程で、学部内併願方式(複数学科・コースの同時併願可)を導入。
 セ試C方式前期で、農に4教科4科目型・5教科5科目型、生物理工に5教科5科目型、工に4教科4科目型・4教科5科目型を追加する。
●兵庫医科大
 医でセ試利用前・後期を廃止し、英語外部検定利用の一般B(高大接続型)を新規実施する。
●武庫川女子大
 文(教育)を改組し、「教育学部」を増設予定。また、一般Aの3科目型で、同一配点方式と傾斜配点方式の2タイプを新たに設定する。

 京都外国語大は、外国語の一般A日程で3教科型を、全学でセ試C日程を新規実施。立命館大で「グローバル教養学部」を新設(大阪府茨木市)。追手門学院大は、一般前期で数学重視型・地歴公民重視型を導入し、セ試後期を「2→3科目」に負担増。大阪経済大の前期C方式(セ試利用)で、セ試の英語、簿記・会計、情報関係基礎に、資格保持者優遇制度を新設(得点換算)。大阪薬科大の募集人員を変更(一般A90人→100人、一般B70人→50人)。神戸学院大-栄養で一般後期を新規実施。神戸女学院大は一般前期で広島会場を廃止する。
 この他、看護系・教員養成系の学部増設(大手前大-国際看護、四天王寺大-看護、神戸松蔭女子学院大-教育、帝塚山大-教育など)も注目される。


【中国・四国】
広島大・徳島大・香川大・高知大が志願者増、学部改組の愛媛大や鳥取大・島根大が志願者減か。

<国公立大>
●鳥取大
 志願者増減(17年22%減→18年9%増)のゆれ戻しから、地域【前】【後】・医(医)【前】【後】・同(生命科学)【前】・同(保健)【後】・工【後】で志願者減が見込まれる。医(保健)【後】は、看護学専攻の募集人員減(10人→5人:推薦枠を拡大)も要因となりそう。一方、やはり前年の反動から、医(保健)【前】・工【前】・農【前】で志願者増が見込まれる。
●島根大
 総合理工【前】は、募集人員増(223人→238人:セ試課すAOを廃止)と、知能情報デザイン学科の2次の変更(「数学必須、または数学必須・理科1科目」→「数学・理科から1選択」)が要因となり、志願者増が見込まれる。
 また、前年の反動から、教育【前】・人間科学【前】【後】・医(看護)【前】・生物資源科学【前】で志願者増が、法文【前】【後】・教育【後】・総合理工【後】・生物資源科学【後】で志願者減が見込まれる。総合理工【後】は、知能情報デザイン学科の2次の変更(数学→面接)も敬遠材料となりそうだ。
●岡山大
 前年の反動から、文【前】・法[昼]【前】・法[夜]【後】・経済[昼]【後】・経済[夜]【前】【後】・理【前】【後】・歯【前】【後】・薬【後】・環境理工【後】で志願者減、文【後】・法[昼]【後】・経済[昼]【前】・医(医)【前】・医(保健)【後】・薬【前】で志願者増が見込まれる。
●広島大
 全学の前・後期のセ試で、新たに英語外部検定を利用する。指定の級・スコア(例:英検準1級)を取得すれば英語を満点と見なす。ハードルはやや高めだが、志願者増の要因の一つになりそう。医(医)は募集人員の変更(前期75人→90人、後期20人→5人)が、そのまま志願者の増減に結びつき、前期は2段階選抜の予告倍率を「8倍→7倍」に引き締めるものの志願者増、後期は大幅減が見込まれる。また、情報科学は開設2年目で認知度が高まり、人気分野だけに前・後期とも志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、総合科学【後】・文【後】・経済[昼]【後】・経済[夜]【後】・理【前】【後】・歯【前】【後】・薬【前】・工【前】【後】・生物生産【後】で志願者増、文【前】・法[夜]【前】・経済[昼]【前】・経済[夜]【前】で志願者減が見込まれる。
●山口大
 前年の反動から、経済【後】・医(医)【前】【後】・医(保健)【前】・工【前】【後】で志願者増、人文【前】【後】・国際総合科学【前】【後】・経済【前】・理【後】・医(保健)【後】・農【前】【後】・共同獣医【前】で志願者減が見込まれる。
●徳島大
 全学の志願者が「17年30%増→18年20%減」とゆれ戻した反動から、医(医科栄養)【前】【後】・医(保健)【後】・歯【前】・理工[昼]【前】【後】・理工[夜]【前】・生物資源産業【前】【後】で志願者増が見込まれる。医(医科栄養)【後】は募集人員減(10人→5人)のため、難化は必至。一方、やはり前年の反動から、総合科学【前】・歯【後】で志願者減が見込まれる。医(医)【前】も、募集人員減(72人→64人:地域枠AOを導入)と、広島大-医(医)【前】の募集人員増の影響から、志願者減が見込まれる。
●香川大
 18年は全学的な改組(「工→創造工」に名称変更し、4→1学科に統合/経済を3→1学科に統合/教育で人間発達環境課程を廃止、医に「臨床心理学科」を増設)を行い、全学で志願者16%減。19年は農で後期を募集停止する他、大きな変動要因がなく、前年の反動が強く影響しそう。教育【前】【後】・経済[昼]【前】【後】・医(医)【前】【後】・農【前】で志願者増、開設2年目の医(臨床心理)も認知度が高まり志願者増の一方、法[昼]【前】【後】・創造工【前】・医(看護)【前】で志願者減が見込まれる。
●愛媛大
 理を5→1学科に統合し、募集人員を「後期→前期」に移行(前期142人→160人、後期32人→23人)。また、理【前】の2次に調査書点数化を追加、理【後】が学部一括募集になり、2次をA(数学)・B(面接)の2タイプで実施する。前年の反動もあり、前期で志願者増、後期で大幅減が見込まれる。
 工も6→1学科に統合し、募集人員を変更(前期321人→326人、後期105人→88人:推薦枠を拡大)。また、社会デザインコース以外の前・後期で「理型入試」として一括募集に変更(社会デザインコースは「文理型入試」を実施)。前年の反動もあり、後期で志願者減が見込まれる。
 この他、前年の反動から、法文[夜]【後】・医(医)【前】【後】・農【前】【後】で志願者増、法文[昼]【後】・同[夜]【前】・教育【後】・医(看護)【前】で志願者減が予想される。
●高知大
 志願者増減(17年22%増→18年32%減)のゆれ戻しから、人文社会科学【前】【後】・理工【前】【後】・農林海洋科学【前】【後】で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、教育【前】【後】・医(医)【前】・医(看護)【後】で志願者減が見込まれる。
●島根県立大
 人間文化【前】【後】は、開設2年目の反動に加え、新見公立大の学科増設の影響を受け、志願者減の見込み。やはり前年の反動から、看護栄養【前】で志願者減、総合政策【後】で志願者増が見込まれる。
●新見公立大
 健康科学で2学科(健康保育、地域福祉)を増設(短大部を募集停止)。従来の短大部の志望者層も取り込み、多くの志願者を集めそうだ。特に地域福祉学科は前期とともに中期も実施、福祉系の貴重な併願先として高倍率の激戦が予想される。また、看護学科は募集人員の変更(前期40人→50人、後期8人→5人)がそのまま志願者の増減に反映されそうだ。
●山陽小野田市立山口東京理科大
 薬【中】で学外試験場を新設(岡山・広島・松山・北九州・福岡・大分)。中国・四国~九州の医・薬学部志望者の併願がますます増加し、高倍率の激戦が続きそうだ。一方、工【前】は前年の反動による大幅減が見込まれるが、工【中】は中国・四国~九州北部の理工系志望者の貴重な併願先として、薬と同様、高倍率の激戦が続きそうだ。

 この他、前年の反動から、公立鳥取環境大-環境【前】、岡山県立大-デザイン【前】、県立広島大-人間文化【前】【後】・保健福祉【前】【後】、広島市立大-芸術【前】、下関市立大-経済【前】、山口県立大-看護栄養【前】【後】、高知県立大-文化【前】【後】・看護【前】【後】・健康栄養【前】、高知工科大-システム工【前】・環境理工【前】の志願者増と、公立鳥取環境大-経営【前】【後】、岡山県立大-情報工【前】【中】・保健福祉【後】、県立広島大-経営情報【後】・生命環境【前】、広島市立大-国際【後】・情報科学【前】、下関市立大-経済【中】、山口県立大-国際文化【後】・社会福祉【前】、高知県立大-社会福祉【前】【後】、高知工科大-情報【前】【後】の志願者減が見込まれる。

<私立大>
 国公立との併願が多い広島修道大は、前年の志願者8%減の反動で、安全志向から経済系を中心に志願者を集めそう。変動要因としては、広島経済大の全学的改組(1→3学部に分割)をはじめ、川崎医療福祉大の一般後期の負担減(基礎学力確認テストを「5教科総合型→3教科総合型」に)、広島工業大のセ試利用入試の募集回数増(2→3回)、広島国際大の一般入試における「手続期間長期型」(入学手続期限を3/11に一括化)と前期C日程の新規実施が、地区内の志望動向に影響を及ぼしそうだ。


【九州】
熊本大・大分大・宮崎大・西南学院大が志願者増、九州工業大・佐賀大・鹿児島大・琉球大が志願者減

<国公立大>
●九州大
 文理融合型の共創【前】は、開設2年目で認知度が高まり、志願者増の見込み。医(医)【前】は、セ試の理科が「生物必須→選択」になり、実質的にセ試・2次合計で「理科3→2科目」に軽減されたことが、志願者増の要因になりそうだ。
 この他、前年の反動から、文【後】・教育【前】・経済【前】・理【後】・歯【前】・工【前】【後】・薬【後】・農【前】で志願者増、法【前】【後】・医(保健)【前】・芸術工【前】・農【後】で志願者減が見込まれる。歯【前】は鹿児島大-歯【前】から志望変更がありそうだ。
●九州工業大
 18年に「学科別募集→類別募集(工学1~5類、情工1~3学類)」に移行した。入学後の2年進級時に所属学科を決定するため、専門を決めかねる受験生の人気を集め、全学で志願者13%増。その反動に加え、19年はAO導入に伴う一般入試枠の削減(工【前】239人→233人・【後】195人→174人、情報工【後】84人→68人)のため、工【前】【後】・情報工【前】【後】とも志願者減が見込まれる。大分大-理工【前】【後】、北九州市立大-国際環境工【前】【後】への志望変更がありそうだ。
●佐賀大
 理工・農で学部改組を実施。理工を「7学科→1学科(12コース)」、農を「3学科→1学科(4コース)」に統合する。理工はAO導入に伴い、募集人員を削減(前期340人→269人、後期94人→90人)。農もAO導入に伴い、募集人員を変更(前期85人→74人、後期30人→32人)した。さらに、理工【前】【後】・農【前】【後】の提出書類に「特色加点申請書」を追加。特色加点は、志願者の主体的活動(探究活動、課外活動、資格・検定等の実績など)について加点する制度で、提出は任意だが、学科試験以外の判定要素が加わるため、敬遠材料となりそうだ。このため、募集人員減の影響が大きい理工【前】で志願者大幅減、農【前】もやや減少が見込まれる。理工【前】からは、大分大-理工【前】へ志望変更しそうだ。
 この他、前年の反動から、教育【前】・医(医・看護)【前】【後】で志願者減、芸術地域デザイン【前】・経済【後】・農【後】で志願者増が見込まれる。
●長崎大
 前年の反動から、多文化社会【前】【後】・教育【前】【後】・医(保健)【前】【後】・歯【後】・工【前】で志願者増、経済[昼]【前】【後】・医(医)【前】・環境科学【前】【後】・水産【前】で志願者減が見込まれる。
 歯【前】は2次負担増(英語が「選択→必須」になり、学科試験が1→2科目に増加)が敬遠材料となり、前年の志願者大幅減の反動を相殺、志願者はほぼ前年並みか。また、薬【後】は薬学科の2次に面接を追加し、2段階選抜を新規実施(予告ライン=セ試600点中480点以上)。これも敬遠材料となり、志願者減が見込まれる。
●熊本大
 教育で後期を募集停止し、前期は募集人員増(173人→177人)。教育【前】は前年の反動もあり、志願者増が見込まれる。また、併願先を福岡教育大-教育【後】、長崎大-教育【後】、鹿児島大-教育【後】に求めそうだ。この他、前年の反動から、文【前】【後】・法【前】・医(医)【前】で志願者増、法【後】・工【前】で志願者減が見込まれる。
●大分大
 18年は全学で志願者20%減。その反動から、教育【後】・経済【前】【後】・医(看護)【前】【後】・理工【前】【後】・福祉健康科学【後】で志願者増が見込まれる。経済【前】【後】には長崎大-経済[昼]【前】【後】から、理工【前】【後】には九州工業大-工【前】・情報工【前】、佐賀大-理工【前】、鹿児島大-工【前】【後】から、医(看護)【前】【後】には佐賀大-医(看護)【前】【後】から志望変更がありそうだ。一方、やはり前年の反動から、教育【前】・医(医)【前】で志願者減が予想される。
●宮崎大
 工で募集人員を増加(前期220人→236人、後期74人→87人)。後期は前年の反動もあり、志願者大幅増が見込まれるが、前期は前年大幅増の反動が強く、志願者減でやや易化しそうだ。
 その他、前年の反動から、教育【後】・医(看護)【前】【後】・農【前】【後】で志願者増が、地域資源創成【前】【後】で志願者減が見込まれる。農【前】【後】の場合、応用生物科学科の負担減(前期のセ試から地歴・公民を、後期のセ試から国語、地歴・公民を除外)も志願者増の要因となりそうだ。
●鹿児島大
 18年の志願者23%増の反動から、教育【後】・理【前】【後】・工【前】【後】・医(医)【前】【後】・医(保健)【前】【後】・歯【前】・農【前】【後】・水産【前】【後】で志願者減が見込まれる。宮崎大-医(看護)【前】【後】・工【後】・農【前】【後】、宮崎県立看護大【前】などへ志望者が流出しそう。ただし教育【後】は、後期募集停止の熊本大-教育【前】から併願増が予想されるため、小幅な減少に留まりそう。一方、やはり前年の反動から、歯【後】・共同獣医【前】で志願者増が見込まれる。
●琉球大
 18年の学部改組(法文・観光産業科学→人文社会・国際地域創造)などによる志願者8%増の反動から、人文社会【前】【後】・国際地域創造[昼]【前】【後】・同[夜]【前】・理【前】【後】・医(医)【前】【後】・工【後】で志願者減が見込まれる。国際地域創造[昼]【前】から、名桜大-国際学群【前】へ流出しそうだ。一方、やはり前年の反動から、教育【前】【後】・医(保健)【前】・工【前】・農【前】【後】で志願者増が見込まれる。
●北九州市立大
 全学の志願者増減(17年17%増→18年8%減)のゆれ戻しから、外国語【前】【後】・経済【後】・法【前】【後】・地域創生【前】・国際環境工【前】【後】で志願者増が見込まれる。法【前】は学外試験場の新設(広島)も要因となりそう。私立文系型(セ試3教科+小論文)の科目構成なので、私立専願型の受験者層を掘り起こす可能性がある。また、国際環境工【前】には、山陽小野田市立山口東京理科大-工【前】から流入するものと見られる。
 一方、やはり前年の反動から、経済【前】・文【前】【後】で志願者減が見込まれる。文【前】から福岡県立大-人文社会【前】へ流出しそうだ。
●長崎県立大
 前年の反動から、経営【前】【後】・情報システム【前】で志願者減が、国際社会【前】【後】・情報システム【後】・看護栄養【前】で志願者増が見込まれる。
●熊本県立大
 前年の反動から、文【前】【後】と、学部改組(3→1学科に統合)を行う環境共生の後期で、志願者大幅減が見込まれる。

<私立大>
  西南学院大は、一般入試で「英語4技能利用型入試」を新規実施(基準スコアを満たせば、英語を免除し、その他の2科目で合否判定。別途定めるスコアによって加点も)、志願者増の要因となりそうだ。
 一方、福岡大は18年に定員増(全学で8%増)しながら合格者を削減したため警戒され、人文でセ試利用Ⅱ期の実施学科を「3→8」に増やすものの、やや志願者減が見込まれる。
 この他、九州産業大のセ試利用中期の新規実施、久留米大の多彩な入試変更(医-医で一般後期を新規実施/セ試利用A・B日程、文系5学部の一般後期で、複数学部・学科等の同時併願が可能に/セ試利用A・B日程、センタープラス入試で英語外部検定を新規利用)、福岡国際医療福祉大の新設などが、大きな変動要因として注目される。

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2018年11月号)」より転載いたしました。

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