入試動向分析

2011年度の推薦・AO入試はここが変わる!【2010年7月】

2010(平成22)年度

文部科学省の規定変更で、推薦・AOは“基礎学力重視”に。難関校で募集枠の縮小相次ぐ

 

 推薦入試とAO入試は、両方合わせて大学入学者の4割以上を占める、もうひとつの“本番”だ。2011(以下、11)年度の推薦・AOは、文部科学省の『実施要項』の変更により、“基礎学力重視”へ大きく様変わりする。

 

※この記事は『螢雪時代・2010年7月号』の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)

 

 

11年度は評定平均値の出願資格明記や調査書の点数化が目立つ。AO入試では私立中堅校で募集回数増が顕著、日程繰り下げも

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 受験生の多様な能力や個性を評価するとされてきた推薦・AO入試だが、実施時期の過度の早期化や、一般入試による入学者との学力格差等の問題が顕在化した。文部科学省(以下、文科省)では、実施校に基礎学力の担保を求め、AOの開始時期に上限を設けることになった。このため、各大学では評定平均値を出願資格に明記したり、得点化したりするなど判定基準を明確化、さらに日程繰り下げもみられる。

 
 

私立大では推薦・AO入試が
全入学者の過半数を占める


AO入試実施大学数 10年間の推移/国公私立大学 AO入試結果の推移

 文科省の集計による、大学全体の入学者(09年度)の入試別比率をみると(グラフ1)、一般入試(55.5%)に続き、推薦入試が35.4%、AO入試が8.4%を占める。特に、私立大では推薦・AO入試による入学者が、全体の過半数(51.1%)を占めている。
 また、AO入試実施校はこの10年間で急増し、10年度は530大学(旺文社調査)と、大学数では全体の約72%で行われるに至った(国公立大の約42%、私立大の約81%で実施)。
 このように、推薦・AO入試は受験生にとって、一般入試と並ぶもう一つの“本番”といえる。ただし、ここ数年は受験生数の減少に伴う大学入試の実質「全入化」とともに、推薦・AO入試による入学者の基礎学力不足や、一般入試組との学力格差、AO入試では実施時期の過度の早期化などが問題視されるようになった。こうしたことを背景に、11年度では推薦・AO入試のあり方が様変わりしそうだ。

 
 

AO入試の出願開始は
「8月1日以降」に

 

 文科省が全大学に通知する『平成23年度大学入学者選抜実施要項』において、11年度から推薦・AO入試に関する規定が大きく変わる。
(1)各大学に「学力の重要な要素(基礎的・基本的な知識、思考力・判断力・表現力、学習意欲)」の把握を求め、高校で履修すべき科目などの募集要項への明記も求めている。
(2)AO入試の入学願書受付の開始を「平成22(2010)年8月1日以降」とすることになった(これまで開始時期の制限は特になかった)。
(3)推薦・AO志願者の基礎学力を把握するため、<1>各大学の検査(筆記、実技、面接等)の成績、<2>センター試験(以下、セ試)の成績、<3>資格・検定試験などの成績等、<4>高校の教科の評定平均値、の少なくとも1つを出願要件や合否判定に用いるべき旨も盛り込むことになった。特に評定平均値を重視し、推薦はもとより、AOについても「積極的な活用が望ましい」とされた。
(4)このため、調査書の特記事項(指導上参考となる諸事項)についても、資格・検定の成績や部活動等の実績などを具体的に記載できるよう、記入欄の項目を3分割した。
 最も大きい変化は、検査方法に「筆記」が例示されたことだろう。推薦・AOは、これまでの「学力検査免除」路線から「基礎学力重視」路線へ転換していくことになる。

 
 

公募制推薦の選考で多い
書類審査・面接・小論文

 

ここで、推薦・AO入試のしくみについておさらいしておこう。

 

(1)推薦の種類

 推薦入試は大きく分けて、大学が指定した高校のみ出願を受け付ける「指定校制」、大学が定めた出願要件を満たし学校長の推薦を得れば、どこの高校からも出願できる「公募制」、学校長の推薦が必要ない「自己推薦」の3種類ある。出願要件には、学業成績や卒業年度(現役・浪人)、併願の可否(専願・併願可)などがある。

(2)選考方法

 私立大の推薦入試はおもに10~12月に実施され、選考は1日で終わることが多い。最も典型的な選考方法は「書類審査+面接+小論文」のパターンで、調査書・推薦書等の提出書類と、面接や小論文を組み合わせて総合判定する。この場合、専願型(他大学と併願不可)が多い。
 一般入試に近い「基礎学力試験」を課す、「書類審査+学力試験」のパターンも、東海~関西地区に多い。「他大学と併願可」とするケースが多く、調査書を点数化して加える大学もある。どちらのパターンも、入試の流れは「出願→選考→合格」とシンプルだが、書類審査の段階で受験者が絞られるケースもある。
 国公立大では「セ試を課さない推薦」「課す推薦」に分かれる(いずれも公募制)。セ試を課さない推薦は11~12月に行われる。セ試を課す推薦は、調査書とセ試の他、1月末~2月上旬に行われる選考(小論文や面接など)を総合的に評価して合否が決まることが多い。

(3)調査書の重要性

 どの選考パターンでも、合否判定では調査書、特に成績欄が重視される。各教科、または全体の評定平均値など、各大学・学部が最低基準を設定し、基礎学力の有無をチェックする。全体の評定平均値は「私立大:3.2以上、国公立大:4.0以上」が一般的。現役生の場合、通常は3年の1学期までの成績が調査書に記入される。

 
 

AO入試の選考方法は
「対話型」が主流

 

 AO入試では、7月頃からエントリー(申込)が開始され、年間を通して複数回、あるいは随時受け付ける大学もある。また、選考が長期間にわたることも多い。原則として自己推薦制で、これまでは出願要件(成績基準や卒業年度など)の指定もないケースが多かった。代表的なタイプとして、私立大に多い「対話型」と、国公立大や私立難関大に多い「選抜型」がある。
 対話型では、エントリー(申込)の際に、大学指定のシートに志望理由や自己アピールなどを記入し、提出する。その後、提出書類をもとに面談(2回程度が多い)を行い、大学側と受験生が合意に達すれば「内定」し、正式な出願の前に原則として全員合格する。
 選抜型は、入試の流れは公募制推薦に近い。志望理由書や自己アピールなどの出願書類を提出し、面接はその内容をもとに行われる。選考方法に「模擬講義受講・レポート提出」「プレゼンテーション」「グループ討論」を採り入れる大学も増えている。

 
 

競争率は過去5年間の平均で
推薦が1.6倍、AOが1.9倍

 

 推薦・AO入試の競争率はどの程度なのか。
 文科省の調査によると、大学全体の推薦入試の倍率(志願者÷合格者。以下同じ)は、09年度までの5年間で平均して1.6倍程度で、安定して推移している(グラフ2)。このうち、国公立大は平均して2.5倍程度、私立大は1.5倍程度だが、学科試験を課す場合は、倍率が一般入試なみに高くなることもある。
 また、大学全体のAO入試の倍率は、09年度までの5年間で平均して1.9倍程度(うち、国公立大は3.8倍程度、私立大は1.7倍程度)だが、徐々に低下傾向にある(グラフ3)。


AO入試実施大学数 10年間の推移/国公私立大学 AO入試結果の推移

 

評定平均値の重要性高まる!
AO早期実施校で日程繰り下げ

 

 今回の文科省の規定変更を受けて、大学側ではどのように対応したのか。発表され始めた入試概要等をもとに、各大学の変更点を分析すると、次のような現状が浮かび上がる。

 

(1)基礎学力の担保

 国公立大・私立大ともに、出願要件に評定平均値や履修すべき科目、語学・簿記などの検定資格を明記するケースが急増した。また、調査書(特に評定平均値)や面接を点数化するなど、判定基準を明確にするケースも増えた。近年は成績基準を廃止、または緩和する傾向にあったので、大きな方向転換といえる。
 ただし国公立大の場合は従来から、特に成績基準の指定がなくても、出願には高レベルの評定平均値が必要とされてきた模様で、それを今回から明文化したともいえる。
 選考方法については、国公立大はここ数年の傾向と同様、「セ試を課す」推薦・AO入試を導入したり、「課さない→課す」に変更したりするケースが目立つ。私立大では、おもに関西で、基礎学力試験を主とする方式から、小論文・面接などを除外するケースがみられた。

(2) AO入試の日程繰り下げ

 AO入試願書受付開始の「8月1日以降」の制限は、受験料が発生する正式な出願が対象で、エントリー(申込)については言及していない。そのため、AO入試のスタート時期が全体に繰り下がるとは考えにくいが、10年度まで夏休み前から募集を開始していた早期実施校の一部で、エントリー期間や出願期間を繰り下げるケースがみられた(洗足学園音楽大・姫路獨協大・倉敷芸術科学大など)。

(3)私立中堅校ではAOの募集回数増

 AO入試については、おもに私立中堅校の「対話型」で募集回数を増やすケースが多い。ただし、募集人員の増加はほとんどみられない。一方、難関校を中心に、推薦・AO入試の実施学部・学科を減らしたり、募集人員を削減したりする傾向もみられた。

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立命館大で公募制推薦の廃止、AOの方式変更など、入試をスリム化。
国公立大はセ試を課す推薦・AOが増加

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東京理科大・同志社大など
AOの廃止・縮小が相次ぐ

 

 国立大では埼玉大・和歌山大、私立大では四條畷学園大・神戸国際大がAO入試を新たに実施する。一方、私立大では東京理科大や看護系の佐久大・福岡女学院看護大で廃止するなど、AO入試の実施校数は頭打ちになりそうだ。
 さらに難関校を中心に、AO入試の実施学部・学科を減らすケースもみられる(北海道大‐教育・経済・薬・農、同志社大‐文・心理などで廃止)。
 難関校のAO入学者は、学力レベルや入学後の成績、就職状況など、一般入試組に比べ遜色ないという。むしろ、AO対策の浸透などによる、没個性化した志願者の増加と、AOに対する社会的評価の低下が問題とされ、今回の文科省の規定変更が各大学でAOのあり方を見直すきっかけになった模様だ。

 
 

立命館大で英語能力重視の
AO「国際方式」を導入

 

 11年度で最大の変更といえるのが、立命館大の入試方式の“スリム化”だ。
 公募制推薦(10年度は11学部で計197人を募集)を廃止。また、AO入試で「自己推薦方式」(10年度は9学部で計40人を募集)を廃止し、従来の「学部独自方式」と新方式「国際方式」に再編成する。学部独自方式では、経済・スポーツ健康科学の2学部が加わり12学部で実施、理工では実施学科を2→9学科に増やすなど、募集枠を計234人に設定する。
 入試方式の整理は推薦・AOに留まらない。一般入試ではE方式(国語・英語とリスニング)を廃止。セ試利用入試では2月実施の4教科型などを廃止し、基本的に2月実施を「7科目型、5教科型、3教科型」の3タイプ、3月実施の後期型を4教科型に統一する。
 こうした大規模な“スリム化”の目的を、同校入学センターの川口潔(きよし)次長は「原点回帰」と表現する。「多様化した入試方式のうち、受験者層や選抜方法、目的が重複するものを整理・統合し、受験生にわかりやすい本来の姿に立ち返ろうというのが改革の趣旨です」。
 今回の改革の軸ともいえる「AO国際方式」については「本学は09年に文科省の国際化拠点整備事業『グローバル30』(留学生受け入れ体制の充実により、留学生と切磋琢磨する環境を整備、国際的に活躍できる人材を養成)に採択されました。従来から積極的に行ってきた国際化や留学生受け入れを、さらに推進していくための意思表明が本方式なのです」と語る。
 国際方式では「英語の運用能力」が最低限のベースとなる。このため、評定平均値(3.5以上)や高校時代の様々な活動実績に加え、実用英語検定などの英語資格や基準点が重要な出願資格となる(経済は数学、情報理工は数学・理科の履修条件も)。10学部(計83人を募集)で実施し、9月上旬に出願、「1次:書類審査→2次:面接(一部、口頭試問も)」で選抜する。

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おもな大学の推薦・AO入試に関する変更点

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 ここからは、おもな大学の推薦・AO入試に関する変更点を紹介する。

 

■推薦入試■
熊本大‐工で理数大好き入試、
福岡女子大で推薦を新規実施!

 

(1)国公立大

●新潟大 法のセ試を課さない推薦入試で、出願要件に「評定平均値4.0以上」を明記。
●金沢大 (1)法学類で推薦を「セ試を課さない→課す」に変更。/(2)保健学類(理学療法学)でセ試を課さない推薦を新規実施(後期を廃止)。
●静岡大 教育(総合科学=消費生活科学)で、セ試を課す推薦を廃止。
●愛知教育大 教育(初等・中等=理科)でセ試を課さない推薦を廃止。
●三重大 教育(学校=理科)でセ試を課す推薦を新規実施する。
●鳥取大 工(生物応用工・応用数理工)で、推薦を「セ試を課さない→課す」に変更。
●島根大 医(看護)で地域枠推薦(セ試を課す)を導入する。募集人員は5人。
●広島大 医(医)でふるさと枠推薦(地域医療枠)を10人→17人に増員(AOは10人→3人に)。
●山口大 (1)医(医)で「地域医療再生枠」8人を、一般前期→セ試を課す推薦に移行。/(2)教育(総合文化教育=国際文化)でセ試を課さない推薦を廃止。/(3)教育・理・農で推薦入試の出願要件に評定平均値を追加(学部・学科によって指定教科等が異なる)。
●愛媛大 (1)教育(国際理解教育)・工(情報工)で、セ試を課す推薦を新規実施。/(2)法文(人文) [昼・夜]でセ試を課さない推薦を、理・農でセ試を課す推薦を廃止。(3)医(医)で地域特別枠自己推薦を10人→17人に増員。
●熊本大 (1)工学部の全7学科で「理数大好き入試」を導入。セ試を課さず、機械システム工は「数学I・II・III、物理I・II、面接」、他6学科は面接を課す。/(2)工(機械システム工)で、女子を対象とする推薦(セ試を課さない)を導入する。
●琉球大 (1)工(電気電子工)でセ試を課す推薦を廃止。/(2)21世紀グローバルプログラム(セ試を課す推薦)を廃止する。
●公立はこだて未来大 セ試を課さない推薦入試で、出願資格に「数学、理科または全体の評定平均値のいずれかが3.5以上」を明記。
●新潟県立大 国際地域のセ試を課さない推薦で、選考方法に「英語リスニング」を追加。
●都留文科大 初等教育・比較文化の2学科で、セ試を課す推薦を新規実施。募集人員は「初等教育15人、比較文化10人」で、出願資格は「評定平均値3.3以上」、選考方法は「セ試(初等教育2教科2科目、比較文化4教科4科目)、書類審査」。
●愛知県立芸術大 音楽(声楽)で、セ試を課さない推薦を新規実施する。
●大阪市立大 (1)商でセ試を課す推薦を廃止する。(2)生活科学部でセ試を課す推薦(全国枠)の募集人員を、各学科2人、計6人増加する。/(3)工(建築)で指定校推薦を導入(募集人員は6人)。
●大阪府立大 (1)生命環境(緑地環境科学)で、セ試を課す推薦を新規実施(3人)。/(2)理で、セ試を課す推薦の出願期間を「12/18~12/24→1/18~1/21」に繰り下げる。/(3)総合リハビリテーションのセ試を課す推薦で、選考を「2→1段階」に簡素化、書類審査・小論文・面接を1日で実施する。
●神戸市外国語大 推薦の募集人員を「神戸市内枠(22人)」と新設の「全国枠(17人)」に分割する。
●尾道大 経済情報で、一般推薦を55人→35人に削減、地域指定枠15人を「市内推薦7人」に変更し、商業・総合学科等推薦28人を導入する。
●山口県立大 (1)看護栄養(栄養)で、出願要件に「評定平均値4.0以上」を明記。/(2)同(看護)で、県外推薦に評定平均値の点数化(50点)を追加。/(3)社会福祉で、判定基準を「面接200点、評定平均値50点」と明記。/(4)国際文化(文化創造)で、判定基準を「総合問題4:面接2:評定平均値1の割合」と明記。
●福岡女子大 学部・学科の統合(文・人間科学の2学部5学科→国際文理の1学部3学科)とともに、全学科で公募制推薦(「セ試を課す推薦」と「課さない推薦」の両方)を新規実施する。

 

(2)私立大

●藤女子大 文(日本語・日本文)、人間生活(人間生活)の公募推薦で、出願要件に評定平均値(前者は3.5以上、後者は3.0以上)を追加。
●北海学園大 経済1部、経済・経営・人文の各2部の公募推薦で、出願要件に評定平均値(経済1部=3.5以上、その他=同3.2以上)を追加。
●専修大 経済・法・商の各2部の自己推薦で、選考方法に作文を追加(従来は書類審査・面接)。
●中央大 法で自己推薦を導入。募集人員は30人、選考は「書類・論文審査→講義理解力試験・グループディスカッション」の流れで行う。
●東邦大 理学部化学科で公募制推薦を新規実施する。募集人員は5人で、「適性検査(化学・英語)・面接」で選考する。
●東京薬科大 薬の公募制推薦を併願制に統一(専願制の募集枠を廃止)し、課題文型小論文を除外。
●東京都市大 工(生体医工・建築)で公募推薦を廃止し、指定校推薦を導入。工の8学科中7学科が「指定校のみ実施」となる。
●日本大 松戸歯学部で、公募制推薦の出願要件に「評定平均値3.2以上」を追加。また、同学部で指定校推薦を導入する。
●神奈川大 経済の公募制推薦で面接を除外。
●佛教大 公募制推薦の基礎判定型(学科試験2科目。評定平均値2.7以上)と総合判定型(学科試験+評定平均値の点数化)の募集人員の配分を、「基礎判定型=7割→8割、総合判定型=3割→2割」に変更。
●大阪経済大 公募推薦の配点(調査書50点、基礎素養検査200点)のうち、調査書の点数化を「50点→20点」に変更、より学力検査重視に。
●大阪産業大 (1)自己推薦を廃止する。/(2)公募推薦(前・後期)、実業科(系)公募推薦で基礎評価型(学科試験のみ)を廃止し、総合評価型(学科試験と調査書点数化で判定)に統一する。
●関西医科大 特別枠(地域医療枠)を「一般→推薦」に移行し、推薦入試の募集人員を20人→10人に削減(一般入試は90人→100人に)。
●神戸女学院大 (1)文・人間科学の公募制推薦を「専願→併願制」に移行し、評定平均値と自己推薦書を点数化。/(2)文の公募制推薦で面接を廃止、適性検査を「1科目→国語・英語2科目必須」に。
●武庫川女子大 公募制推薦の募集回数を1→2回に増加(後期を新規実施)。
●西南学院大 商で有資格者(商学科は簿記、経営学科は情報関連)対象の「公募制推薦B」を新規実施する。募集人員は各学科3人、計6人。

 
 

■AO入試■
埼玉大‐工、和歌山大‐観光
などでAO入試を新規実施!

 

(1)国公立大

●北海道大 (1)医(医、保健=看護・作業療法)で、セ試を課すAOを新規実施。/(2)教育・経済・理(数学)・薬・農でAO入試を廃止する。/(3)歯でAO入試の募集枠を10人→5人に削減。
●埼玉大 工(情報システム工)でAO入試を導入する。募集人員は5人、入試の流れは「書類審査→高大連携公開講座を計3回受講(毎回、小テスト・レポート提出も)→面接(数学・英語の口頭試問を含む)」。
●東京農工大 工でセ試を課さないAO「SAIL入試」を導入する(セ試を課さない推薦を廃止)。学科別の募集人員は「物理システム工5人、情報工5人」で、入試の流れは「書類審査→プレゼンテーション・面接(情報工では基礎学力テストも)」。
●金沢大 機械工学類・電子情報学類でAOを「セ試を課さない→課す」に変更。
●和歌山大 観光でセ試を課さないAO入試を導入する。募集人員は3人、入試の流れは「書類審査→模擬講義受講・面接→面接→面接」。
●鳥取大 工(生物応用工・応用数理工・土木工)で、セ試を課さないAOを廃止する。
●広島大 文・理(物理科学)のAOIII型で、試験日程(申込期間、第1回ゼミナール、出願期間、1次合格発表)を2週間程度繰り下げる。
●愛媛大 法文(人文)[昼・夜]・教育(学校教育=保体以外)・理・農で、セ試を課すAOを導入。
●首都大学東京 都市教養(理工学系=数理科学・物理学・化学)でAO入試を廃止する。
●京都府立大 文(欧米言語文化)で、セ試を課さないAOを廃止する。
●大阪府立大 工でAO入試の実施学科を5→3に削減(電子物理工・知能情報工で廃止)。

 

(2)私立大

●創価大 経済・経営・工でAO入試を廃止。
●東京経済大 経済・経営で「一般AO」を廃止。
●東京理科大 理工・基礎工でAO「達人チャレンジ入試」を廃止。
●日本大 松戸歯学部でAO入試を導入する。募集人員は5人、入試の流れは「エントリー→書類審査・グループ面接・実技→エントリー結果通知→出願→適性試験・小論文・個人面接」。
●明治大 理工(機械工)でAO入試を廃止する。
●神奈川大 工(電子情報フロンティア・物質生命科学)のAO入試で、総合問題を追加。
●中京大 (1)国際教養でAO入試を導入(特I推薦を廃止)。/(2)総合政策・国際英語のAO入試で、出願資格に評定平均値(総合政策=3.0以上、国際英語=英語3.5以上)を追加する。
●同志社大 文・心理でAO入試を廃止する。
●佛教大 AO入試のエントリー資格に評定平均値(文・社会・保健医療技術=2.7以上、教育=3.6以上、社会福祉=3.2以上)を追加する。
●追手門学院大 社会でAO入試を廃止する。
●大阪工業大 ものづくりAO入試の出願資格に評定平均値(数学・理科・外国語の3教科平均が3.3以上)を追加する。
●大阪産業大 AO入試(前・後期)で、選考方法に評定平均値の点数化(50点)を追加。
●近畿大 農でAO入試を廃止する。(専門・総合学科対象の推薦を新規実施)
●神戸女学院大 文、人間科学(心理・行動科学)でAO入試を廃止する。

 

 以上、くわしくは今後、各大学から発表される推薦・AOの募集要項などで確認していただきたい。

 

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2010年7月号)」より転載いたしました。

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