入試動向分析

2008年 私立大入試 志願者動向分析
 【2008年5月】

国公立大と同じく"準難関校"が激戦化
中央大・明治大・同志社大が志願者大幅増!

3月に当サイトで掲載した『2008年国公立大入試の志願状況』では"大学入試"のメカニズムをご紹介した。今月の特集では、国公立大志望者にとって大切な併願校、私立大志望者にとっては目標校となる、私立大難関校の入試を中心に、人気度の指標となる「志願者動向」と、難易変動の指標となる「実質倍率」を見てみよう。さらに、新設予定の大学・学部など、2009年入試の最新情報もお届けする。

※この記事は『螢雪時代・2008年5月号』の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)

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一般入試の志願者は3%増。センター試験の平均点アップが"追い風"に!?

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大学受験生数が約5%減少したにもかかわらず、私立大一般入試の志願者数は、前年に比べ約3%増加した。国公立大の「前期集中化」の影響に加え、センター試験がやや易化したため、受験生が私立大難関校の、特にセンター試験利用入試の併願を増やしたようだ。


2年連続で志願者増、
最終的に2%前後の増加か

「螢雪時代」編集部では全国の私立大学(570大学)に対して、2008年(以下、08年)一般入試の志願者数を調査した。3月中旬現在で集計した確定志願者数のデータは「全国223大学:約232万人」にのぼり、最終予測数の9割近くをカバーしている。この集計は2月に行われた各大学の個別試験とセンター試験(以下、セ試)利用入試を主な対象とし、2月下旬~3月の「後期募集(セ試利用も含む)」を一部集計に加えている。

   その結果、私立大一般入試の志願者数は、07年の同時期に比べ、約3%増加したことがわかった。今後発表される大学の志願者数を加えても、最終的には「2%前後の増加」に落ち着くとみられる(グラフ1)。
   4(6)年制大学の受験生数は、「螢雪時代」編集部の推定では07年より約3万3千人(約5%)減少した。また、セ試の受験者数も「07年51.1万人→08年50.4万人」と約1%減少し、基本ベースになる数が減ったにもかかわらず、私立大の志願者が2年連続の増加となるのは確実だ。

私立大一般入試志願者数と大学受験生数の推移


一般入試・セ試利用ともに
2月の3教科入試が中心

ここで、私立大入試のしくみを、簡単におさらいしておこう。

選抜方式による私立大入学者の割合(07年度)    私立大の一般入試は国公立大と異なり、日程さえ重複しなければ何校でも受験できる。一般入試の大半は2月に行われるが、2月下旬~3月に「後期募集」を行う大学も数多い。基本は3教科入試で、文系は「国語、地歴・公民・数学から1、外国語」を、理系では「数学、理科、外国語」を課すのが主流だが、1~2教科型の入試も増えている。
   同じ学部・学科で複数の入試方式を行う「複線入試」や、自校キャンパス以外に試験会場を設ける「学外試験場」、同一学部・学科で複数の試験日を設け、その中から選べる「試験日自由選択制」も普及している。
   複線入試で代表的なのは「セ試利用入試」で、全私立大の8割以上で行っている。試験科目は「セ試2~3教科、個別試験なし」と、セ試の得点のみで合否判定するケースがほとんど。1~2月の募集が大部分だが、3月にも募集する大学が増えている。
   一般入試とは別に、早ければ7月頃から行われるAO(アドミッションオフィス)入試や、11月頃から行われる推薦入試がある。推薦入試には、大きくは指定校推薦、公募制推薦、自己推薦の3種類ある。公募制では、一般入試のように学科試験を課す大学もある。
   私立大全体の入学者の内訳(グラフ2)を見ると、一般入試は全体のほぼ半数に留まり、推薦・AO入試で入る人も、やはりほぼ半数を占める。とはいえ、難関校においては、あくまでも一般入試が主力であることを、狙っている受験生は肝に銘じておく必要がある。


国公立大入試が実質"1回化"
併願先を求め私立大難関校へ

08年の私立大一般入試に大きな影響を与え、志願者増の原因になった要素が4つあげられる。

(1)国公立大の「前期集中化」
   08年の国公立大入試では、東京大の後期縮小(324人→100人)をはじめ、東北大‐教育・法・医(保健)・薬、名古屋大‐文・理・医・農、九州大‐芸術工といった難関大や、神戸大・高知大の医学部医学科などで後期を廃止した。
   この「前期集中化」で、後期の募集枠が減り(07年21,743人→08年20,755人:5%減)、受験機会が実質「1回化」したため、国公立大志望者が私立大難関校の併願を増やしたものとみられる。

(2)セ試の平均点アップ
   08年のセ試は、07年に比べ平均点がややアップした。特に、国語、数学II・Bといった、文系・理系に共通する基幹科目がやや易化したことで、自己採点集計時に国公立大のボーダーラインが高めに出る結果となり、国公立大志望者が浪人回避の「安全志向」から私立大難関校の併願(特にセ試利用入試)を増やした模様だ。ただし、私立大に対しても「安全志向」が働き、国公立大と同様に"準難関校"が人気を集めた。

(3)セ試利用入試が"牽引車"に
   私立大全体の志願状況を入試種別に見ると、一般入試(大学の個別試験)の1%増に対し、セ試利用入試は8%増えた。セ試の平均点アップが"追い風"になり、国公立大志望者が私立大難関校の併願を増やすにあたって、持ち点を活かせるセ試利用入試に出願するケースが多かったことを物語る。
   さらに、08年セ試では「3科目以下」の受験者数が約2%増えたことにも注目したい。私立大専願型の受験生も、セ試利用入試への出願を目的として、セ試を積極的に受験しているのだ。

(4)総合大学の"学部増設ラッシュ"
   08年は数多くの新設学部が生まれたが、中でも明治大‐国際日本、法政大‐グローバル教養・生命科学、立教大‐異文化コミュニケーション、同志社大‐スポーツ健康科学・生命医科学、立命館大‐薬・生命科学、関西学院大‐人間福祉といった、大都市圏の総合大学における新設学部は、いずれも多数の志願者を集め、各大学の志願者増の大きな要因となった。


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東京理科大・法政大なども大幅増。
経済・文・理工が人気アップ、薬も人気回復

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首都圏では中央大・東京理科大・法政大・明治大・立教大など、京阪神では同志社大・関西学院大など、大都市圏の"ブランド校"が志願者増。特に経済・文・理工といった学部系統が人気アップしたが、法学系統はやや人気ダウンした。


"MARCH"に人気集中
受験生の併願パターンに変化


08年私立大一般入試では、07年と同様、大都市圏の知名度の高い難関総合大学、いわゆる"ブランド校"に人気が集中した。

   全国6地区ごとの全体的な志願動向を見ると(グラフ3)、関東・甲信越(3%増)と関西(2%増)が比較的志願者を集めている。一方で、北海道・東北、中国・四国の落ち込みが大きい。就職事情を考慮し、地方の受験生が大都市圏の大学へ流れ込み、都市部と地方の2極化がますます進む様子が見て取れる。

2008年私立大一般入試 地区別志願状況


さらに、下のグラフ4を見てみよう。駿台予備学校の集計(3月下旬現在)による文理別・難易ランク別の志願者動向である。ここでいう難易ランクは大学・学部によって異なるが、例えば首都圏に限って大ざっぱに言えば、Aランクは早稲田大・慶應義塾大・上智大や難関医科大など、Bランクはいわゆる"MARCH"(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)や東京理科大など、Cランクは"日東駒専"(日本大・東洋大・駒澤大・専修大)などを指す。文系のCランク、文系・理系のEランク以外は志願者が増えているが、中でも文系・理系ともにBランクの志願者増が目立つ。
   「私立大は易しい」とのイメージが浸透し、Cランクの志望者がBランクへの"チャレンジ志向"を強めた模様。一方で、Aランク志望の既卒者が"進学可能大学"確保のためにBランクへの併願を増やしたとみられ、両方向からBランクに人気が集中した模様だ。
   駿台予備学校の田村明宏課長によると「最近の受験生の傾向として、難易度の高低による従来型の併願(チャレンジ校→実力相応校→合格確保校)に加え、ほぼ同じ難易度の大学に集中して併願するケースが増えています。また、同じ大学で異なる学部・方式を受験する"学内併願"も増えています。"ブランド校"へのこだわりといえますが、保護者の意向も強く影響しているようです」という。そして「こうした併願パターンで第1志望に合格するケースも増えていますが、実力が足りないとリスクも大きいので、その場合にはバランスのとれた併願作戦が必要です。」とアドバイスする。

2008年私立大一般入試 難易ランク別 志願者増減率


全学部日程や"センター後期"
の導入も人気アップの要因に

さらに、08年入試で志願者が大幅に増えた大学は、次のような入試改革も行っている。

(1)「全学部日程入試」の導入
   学部・学科ごとに異なる試験日で行う従来の一般入試に加え、全学部・学科の共通問題により同一日に試験を行うのが「全学部日程入試」。学内併願(同じ大学の複数の学部・学科に出願すること)のチャンスが増え、同じ学部を2回受けることも可能になる。また、他大学との日程重複の心配もなくなる。
   07年の明治大・法政大・専修大・明治学院大に続き、08年では東北学院大・駒澤大・成蹊大・東京理科大・武蔵大などで導入し、志願者大幅増につながった(東北学院大10%増、駒澤大11%増、成蹊大14%増、東京理科大12%増、武蔵大85%増)。成蹊大・武蔵大は試験日が重複したが、その影響を感じさせない人気ぶりだった。このうち、東京理科大のC方式は、一般・セ試併用型でもあり、学外試験場を首都圏に設置(さいたま・横浜)、受験科目により2学科まで同時併願可としたこともあり、募集人員276人に対し3,634人の志願者を集めた。また、同方式の導入がA方式(セ試利用:22%増)に相乗効果をもたらした模様だ。

(2)「一般・セ試併用型」の導入
   セ試利用の一種だが、セ試の得点のみで判定せず、大学独自に実施する一般入試の指定科目の得点と、セ試の高得点科目または指定科目の得点を合計し、合否を判定するのが「一般・セ試併用型」だ。(1)セ試のできや自分の得意科目を考慮して、有利な科目を効果的に組み合わせることができる、(2)一般入試とセ試利用を両方受ければ、自動的にもう1回のチャンスが生まれる、(3)受験料割引の対象となることが多い、といったメリットがある。この方式のみの集計では、志願者は前年比32%も増加している。08年から導入した東京理科大や名城大などで、志願者増の要因となった。

(3)セ試利用入試の募集回数増
   セ試利用入試の募集回数を増やす大学、特に1~2月に加えて3月にも「センター後期」などの名称で出願期間を設ける大学が増えている。ここでも、国公立大「前期集中化」に伴い、国公立大受験者がセ試の持ち点を活かして併願を増やしたとみられる。08年から導入した青山学院大・東京女子大・法政大・西南学院大などで、志願者増の要因となった。そして「センター後期」導入が相次いだ結果、私立大一般入試の「後期募集」は、全体で志願者が8%増加した。



理工系は生命科学が人気集める
法・農・歯・生活が人気ダウン

2008年私立大一般入試 学部系統別志願状況次に、学部系統別の志願状況を見てみよう(グラフ5)。

   文系では経済・経営・商、文・教育・教養など、法以外の各系統が人気アップ。特に、好調な就職状況が続き、私立大の主力ともいえる経済系の人気が高まったことが、私立大全体の志願者増につながったといえる。また、国際関係の場合は、国際教養系の新設学部が多かった(明治大・法政大・立教大など)ためでもある。一方、法はやや人気ダウン、07年の大幅増の反動に加え、法科大学院出身者の新司法試験の合格率(40%)が当初の見込み(7~8割)より低いこと、司法試験合格者「年間3千人」計画の見直し気運、公務員志向の低下、などが影響した模様だ。

   理系では、近年の低倍率化や、就職状況の好調さなどから、理・工が人気アップ。特に生命科学系の学部・学科や、「機械工」など伝統的な名称の学科が人気を集めた。また、医、医療・看護の人気も根強い。一方、農・水畜産・獣医、歯、家政・生活科学が人気ダウン。家政・生活科学は資格志向の弱まりが影響したとみられる。

   薬は、06年からの「薬剤師養成課程6年制化」の影響も落ち着いた模様で、新設の立命館大‐薬(志願者1,823人)の影響もあり、やや人気回復。共立薬科大を統合して新設した慶應義塾大‐薬は、志願者こそ前年(共立薬科大)に比べ17%減少したが、難易レベルは大幅にアップし、少数激戦化した模様だ。



志願者数トップは早稲田大
武蔵大は志願者がほぼ倍増

ここからは、大学ごとの志願状況を見ていこう。下に示した表1では、志願者数(大学合計:3月中旬現在)の多い順に、上位20大学を示した。首都圏や京阪神の"ブランド校"がほとんどを占めている。
   1位は早稲田大。07年の志願者13%増の反動が予想されたが、国公立大「前期集中化」に伴う、国公立大受験者の併願先として人気を保った。同様の理由から、2位の明治大も全学部日程入試の導入2年目の反動を上回る人気ぶりで、学部増設(国際日本)もあって2年連続で10万人を超えた。3位は法政大で、工学部の改編(工→理工・生命科学の2学部に分割し、パイロット養成の「航空操縦学専修」を新設)、学部増設(グローバル教養)に加え、11学部でセ試利用後期を導入したことも、志願者が10万人に迫る要因となった。
   ちなみに、20位までの志願者の合計は、全体(223大学:約232万人)の約57%と過半数を占める。さらに、10位までの合計だけでも全体の約38%に達する。いかに私立大入試で"ブランド校"に人気が集中し、寡占化しているかがわかる。
   表2(このページの下に掲載)では、志願者1,000人以上の大学について、増加率が高い順に、やはり上位20大学を示した。このうち6大学で、07年の志願者大幅減の反動がみられる。また、全学部日程の導入などで志願者がほぼ倍増した武蔵大をはじめ、中央大・日本大・京都産業大など、学部・学科増設や、新方式実施・試験場増設などの入試改革が、人気アップの起爆剤になった。なお、大阪府・兵庫県の中堅校や女子大の志願者増が目立つが、交通費節約や自由時間の確保などのため、遠距離通学を敬遠する「通学範囲志向」の表れとも言えそうだ。



日本大・近畿大が志願者大幅増
立命館大・関西大は志願者減

ここまでに紹介した以外の、各地区のおもな大学の志願状況(2月入試が中心)を見てみよう。

【首都圏】
   早稲田大・慶應義塾大はほぼ前年並み、上智大は微減(2%減)だったが、東京理科大(12%増)・国際基督教大(10%増)が人気アップした。医学部では、学費を大幅に値下げ(6年間で約3千万円→約2千万円)した、順天堂大‐医(51%増)の大幅増が目立つ。
   明治大・法政大や青山学院大(4%増)・中央大(23%増)・立教大(6%増)と、いわゆる"MARCH"が軒並み志願者増。中央大は首都圏での会場増設(さいたま・横浜)と経済・商のセ試利用の複線化(3教科型の導入)も大幅増の要因となった。"MARCH"の併願先である"日東駒専"では、日本大(20%増)・駒澤大(11%増)・専修大(3%増)が増加した。この他、学習院大(5%増)・成蹊大(14%増)・津田塾大(20%増)・東京女子大(19%増)の人気アップが目立つ。
   一方、中堅校グループでは、千葉工業大(22%減)・亜細亜大(29%減)・桜美林大(18%減)・成城大(18%減)・玉川大(14%減)・東京電機大(10%減)・東京農業大(9%減)・立正大(13%減)など、志願者減が目立った。

【京阪神】
   いわゆる「関関同立・産近甲龍」では、同志社大(8%増)・関西学院大(2%増)・京都産業大(20%増)・近畿大(12%増)・甲南大(9%増)の志願者増に対し、立命館大(3%減)・関西大(8%減)・龍谷大(7%減)では志願者減と、明暗が分かれた。
   同志社大は学部増設(スポーツ健康科学・生命医科学)と理系全学部日程の導入、近畿大は前期B日程の「高得点科目重視方式」導入とセ試利用前期の負担減(法・経済・経営で4→3科目)も志願者大幅増の要因とみられる。
   中堅校グループでは、大阪工業大(21%増)・大阪産業大(24%増)・摂南大(41%増)・神戸女学院大(32%増)・武庫川女子大(20%増)などが大幅増。一方、同志社女子大(8%減)・佛教大(22%減)・追手門学院大(8%減)・関西外国語大(9%減)などの志願者減が目立った。

【その他の地区】
   志願者が大幅に増えたのは、東北学院大(10%増)・中京大(16%増)・名城大(17%増)・西南学院大(10%増)など。東北学院大は全学部日程の導入、中京大は学部増設(国際教養)と後期の負担減(一般…7学部で3教科型を廃止し2教科型に統一/セ試利用…9学部で2教科型を導入)、名城大はF方式(一般・セ試併用型)の導入、西南学院大はセ試利用入試の募集回数増(6学部で後期を新規実施)も志願者増の要因となった。
   一方、志願者減が目立ったのは、北海学園大(8%減)・金沢工業大(8%減)・愛知工業大(14%減)・中部大(7%減)・松山大(9%減)など。


表1 志願者の多い大学 TOP20
  大学名 08年
志願者数
07年
志願者数
志願者指数 増減 前年順位 主な変更点とTOPICS
1 早稲田大 125,249 125,647 100   1 教育に「初等教育学専攻」を増設。
2 明治大 108,946 102,451 106 2 学部増設(国際日本)。全学部統一日程で学外試験場を増設(大阪・広島)。商のセ試利用で4科目・6科目方式を新規実施
3 法政大 97,017 90,216 108 5 学部増設(グローバル教養)、学部分割(工→理工・生命科学)、理工にパイロット養成の「航空操縦学専修」を新設。11学部でセ試利用後期を新規実施
4 立命館大 95,597 98,761 97   4 学部増設(薬・生命科学)。一般・セ試併用入試で5教科型を導入(6学部)。映像でセ試利用を新規実施。経営・情報理工・生命科学のセ試利用で7科目型を導入
5 関西大 93,701 101,451 92 3 前年の志願者22%増の反動。一般・セ試併用のセ試中期で、個別試験を「別日程実施→全学部日程の学部指定科目の利用」に変更
6 日本大 85,942 71,486 120 6 経済でA方式2期を新規実施。薬で学外試験場を新設(仙台・名古屋・福岡)。生物資源科学がセ試利用を新規実施。出願方法を改善(志願票1枚で5試験に出願可能に。提出先が各学部→入試センターに)
7 中央大 81,981 66,396 123 8 学科増設(理工セ試利用で経済・商が3教科型を、経済が後期を新規実施。文で一般・セ試併用型を廃止
8 立教大 71,382 67,505 106 7 学部増設(異文化コミュニケーション)、学科増設(コミュニティ福祉-スポーツウェルネス)。理が全学部日程に新規参加
9 近畿大 71,127 63,416 112 9 7学部の前期B日程で「高得点科目重視方式」を導入(高得点科目を自動的に2倍)。法・経済・経営のC方式前期(セ試利用)を4→3科目に負担減
10 東洋大 59,702 60,361 99   10 文‐教育で初等教育専攻を新設。社会・工・ライフデザインで一般C方式を新規実施(3科目受験の高得点2科目判定)。セ試利用で工・国際地域・生命科学が前期ベスト2型を、経済が中期を新規実施
11 慶應義塾大 53,316 53,566 100   12 共立薬科大を合併し、薬学部を増設。薬で公募推薦・一般後期を廃止
12 東京理科大 50,856 45,286 112   一般・セ試併用で全学部日程のC方式を新規実施。試験場を増設(さいたま・横浜)。理2部の定員を縮小(480→360)し、基礎工240→300・工1部400→450に移行
13 同志社大 50,218 46,315 108 13 学部増設(スポーツ健康科学・生命医科学)、学部改組(工→理工)。4学部で理系全学部日程を新規実施。全学部日程の学外試験場を5会場増設
14 関西学院大 49,977 49,107 102   11 学部増設(人間福祉)。F日程で学外試験場を増設(山口・大分・長崎・熊本・鹿児島)。「関学独自入試」を新規実施(英数型<2科目>=法・経済・商・人間福祉、英語・小論文型<2科目>=神・総合政策、英語併用型<一般・セ試併用>=神を除く文系全学部)
15 青山学院大 47,210 45,550 104   14 学部増設(総合文化政策、社会情報)。経済・経営で夜間部を廃止。法・理工で一般・セ試併用型を導入。国際政治経済(3学科で構成)で「学科同時エントリー方式」を導入。文でセ試利用を新規実施。法・経営・国際政治経済・理工でセ試利用後期を新規実施
16 龍谷大 38,251 41,122 93 16 セ試利用前期の募集人員を148人→264人に拡大、成績上位者(82人)対象の特待生制度を導入
17 福岡大 37,792 37,184 102   17 理で学科横断型の「インスティテュート」を新設
18 駒澤大 32,589 29,249 111 20 全学部統一日程を新規実施(医療健康を除く6学部。明治学院大と日程重複)
19 専修大 31,776 30,755 103   18 一般入試の英語・国語・日本史・地理が全マークシートに。スカラシップ方式を新規実施(4年間の授業料等を免除、自宅外通学者に奨学金60万円も支給)
20 明治学院大 29,238 31,070 94 19 全学部日程が導入2年目の反動に加え、駒澤大の全学部統一日程と重複


(注1)「増減」欄の記号は、△=10%以上の増加、↑=5%以上の増加、↓=5%以上の減少を示す。
(注2)3月中旬現在のデータによる。一部、大学によっては未集計の方式・日程がある。


表2 志願者の増加率が高い大学 TOP20
  大学名 08年
志願者数
07年
志願者数
志願者指数 主な変更点とTOPICS
1 甲南女子大(注1) 8,023 3,103 259 看護リハビリテーションでセ試利用を新規実施。一般S・Aで3教科型を追加
2 武蔵大 15,419 8,317 185 一般・セ試併用を廃止し、全学部日程を新規実施
3 大阪学院大 1,414 838 169 前年の志願者25%減の反動。学科増設(経営-ホスピタリティ経営)。入学金を値下げ(26万5千円→20万円)
4 産業能率大 2,672 1,668 160 前年の志願者19%減の反動。経営が4年間とも東京23区内のキャンパスに(07年は1年次のみ神奈川県)
5 武蔵野美術大 11,047 6,996 158 セ試利用入試を新規実施
6 大阪経済法科大 2,055 1,307 157 前年の志願者19%減の反動
7 摂南大 8,130 5,763 141 前年の志願者23%減の反動。D日程を新規実施。A日程で配点セレクト方式(外国語重視型・選択科目重視型)を導入。B日程・C日程
8 北海道医療大 3,927 2,959 133 セ試利用前期でB(2科目型)を新規実施
8 四天王寺大 1,715 1,287 133 前年の志願者26%減の反動。大学名称を変更(07年までは四天王寺国際仏教大)、学部増設(教育・経営)。一般前期で2科目型に加え3科目型を追加
10 神戸女学院大 3,176 2,400 132 一般前期の試験日程を2→4に増加(F・A→A・B・C・D。Dは一般・セ試併用で新規実施)
11 流通科学大 2,334 1,848 126 前年の志願者25%減の反動
12 フェリス女学院大 4,059 3,258 125 一般A日程で2科目型に加え3科目型を、セ試利用前期で3教科型に加え4教科型を新規実施
13 大阪産業大 4,305 3,473 124 セ試利用入試の募集枠を拡大(106人→193人)
14 中央大 81,981 66,396 123 学科増設(理工経済・商が3教科型を、経済が後期を新規実施。文で一般・セ試併用型を廃止
15 大阪工業大 7,011 5,795 121 一般・セ試併用のAC・BC日程を導入
16 日本大 85,942 71,486 120 経済でA方式2期を新規実施。薬で学外試験場を新設(仙台・名古屋・福岡)。生物資源科学でセ試利用を新規実施
16 津田塾大 6,148 5,125 120 C方式(セ試利用)で前年の志願者11%減の反動
16 京都産業大 26,239 21,947 120 学部増設(コンピュータ理工)、学科増設(外国語‐国際関係)。一般・セ試併用のAC方式をA・AS方式と同日実施に変更(07年はB方式と同日)。A方式の配点を「傾斜配点→均等配点」に統一
16 武庫川女子大 11,044 9,223 120 一般D(セ試利用)で2科目型・4科目型を新規実施
20 芝浦工業大 23,964 20,104 119 一般前期で学外試験場を増設(新潟・大阪)。学科増設(システム工‐生命科学)
20 東京女子大 9,584 8,066 119 セ試利用のB方式後期を新規実施(3月募集)。セ試併用のC方式の実施学科増(1→5学科)


(注1)08年は第1~3併願学科、07年は第2~4志望学科の数値が含まれる。
(注2)3月中旬現在のデータによる。志願者数1,000人以上。一部、大学によっては未集計の方式・日程がある。


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実質倍率が3.6倍→3.9倍にアップ。難関校が合格者を絞り込み、やや難化!?

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早めに合格発表を行った京阪神地区を中心に、一般入試の受験者・合格者状況を「螢雪時代」編集部が集計したところ、受験者3%増に対し、合格者は3%減少し、倍率は3.6倍→3.9倍にアップ。難関校を中心に、合格者を絞り込み、やや難化するケースがみられた。


「志願倍率」に惑わされず、
「実質倍率」に注目しよう

次に、私立大一般入試の合格状況を見ていこう。中でも倍率の変化は、「難化・易化」を計る物差しとなる重要データだ。ただし、一般的に使われる「倍率」には、次の2通りあることに注意したい。

*志願倍率=志願者数÷募集人員=見かけの倍率
*実質倍率=受験者数÷合格者数=実際の倍率


2008年 大学入試センター試験 科目別平均点    私立大入試の場合、合格者の入学手続率を考えて、一般入試では募集人員の3~5倍程度、セ試利用入試では5~10倍程度の合格者を出すのが普通だ。
   グラフ6で青山学院大‐理工の例を見てみよう。一般入試の志願倍率(15.9倍)に対し、合格者を募集人員の4.4倍出しているため、実質倍率は3.4倍となる。また、セ試利用入試の志願倍率は54.6倍という超高倍率だが、合格者を募集人員の14倍近くも出しているため、実質倍率は4.0倍におさまっている。これなら「とても手が出ない」という倍率ではないだろう。
   見かけの倍率に惑わされることなく、実際の倍率を志望校選びのデータとして活用してほしい。


受験者3%増に対し合格者3%減
中央大・同志社大などが倍率アップ

「螢雪時代」編集部が私立大一般入試の受験者数・合格者数について調査したところ、正規合格者まで発表した112大学の集計(3月中旬現在)では、受験者数は3%増えたが、合格者数は3%減少した(グラフ7)。そのため、実質倍率(以下、倍率)は全体で、07年3.6倍→08年3.9倍にアップした。
   私立大が集中する大都市圏の集計をみても、首都圏・京阪神ともに、受験者の増加に対して、合格者を減らしており、倍率は首都圏で4.2倍→4.5倍、京阪神も3.7倍→4.0倍にアップした。
   この集計は2月入試の結果が大部分を占め、大学数は全体の約2割なので一概には言えないが、倍率面からは私立大入試は「やや難化」したとみていい。
   以下、おもな大学で倍率がアップしたケースをあげてみる(いずれも2月入試中心の大学合計)。

首都圏…青山学院大4.7倍→4.9倍、慶應義塾大5.2倍→5.3倍、中央大4.0倍→4.8倍、明治大5.2倍→5.3倍 
京阪神…京都産業大3.9倍→5.0倍、同志社大3.3倍→3.6倍、関西大5.4倍→5.5倍、近畿大3.4倍→4.7倍、関西学院大3.6倍→3.9倍

   これらの難関校では、受験者の増減に関わらず、合格者を絞り込むケースが多い。例えば、同志社大では一般入試(セ試利用を除く)全体で受験者9%増に対し、合格者数はほぼ前年並みに留めた。関西大では受験者8%減に対し、合格者も8%減。また、京都産業大で「受験者20%増、合格者7%減」、近畿大で「受験者13%増、合格者19%減」と合格者を大幅に減らした。
   これには、次のような事情が考えられる。
(1)難関校では合格者の定着率(入学手続率)が良くなっている。特定校に絞って受験し、しかも学内併願を増やす傾向が、受験生に強まったためとみられる。特に京阪神では、推薦・AO入試の段階から定着率が良く、昨年末の時点で入学者を相当数確保したものとみられる。
(2)近年の「学力低下」問題を懸念し、入学者の学力レベル維持のため、合格ラインを一定水準に保った。

   なお、学部や日程・方式ごとの入試結果については、「螢雪時代」5月号の『螢雪ジャーナル』をお読みいただきたい。


ボーダーライン付近は激戦
明暗を分ける1点の重み

2008年 大学入試センター試験 科目別平均点高校3年生の中には、ふだんの定期テストで「1点ぐらい…」と考える人もいるだろう。しかし、入試本番では、その「1点」が重要な役割を果たすのだ。
   グラフ8に、関西大学法学部の「学部個別日程」の08年入試結果から、合格ライン付近の上下10点幅の人数分布を示した。同日程は、受験者3,653人に対し、合格者828人で実質倍率は4.4倍。合格最低点は450点満点で278点、得点率は61.8%だった。
   注目すべきは、最低点を含めた「上10点幅」の部分で、ここに合格者全体の約22%が集中している。最低点ぴったりのボーダーライン上にいるのは22人。わずか1点差で不合格になった人も14人いる。合格ライン付近には、同じ得点帯の中に、多くの受験生がひしめき合っているのだ。
   大学受験生は、“単語のスペルミスや、簡単な計算間違いなどのケアレスミスが命取りになる”という現実を知った上で、ふだんの勉強から解答の見直しを習慣づけておくことが必要だ。


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公募推薦は龍谷大・近畿大など京阪神で"やや難化"!?

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一般入試に先立って行われた「公募制推薦」とAO入試。「螢雪時代」編集部の集計では、公募制推薦は「志願者3%減、合格者7%減」で、特に京阪神地区でやや難化した模様。一方、AO入試は「志願者7%増、合格者10%増」となり、全体としてはやや易化した模様だ。


推薦は経済・理工・薬が難化、
法・社会福祉・医療系が易化か

2008年度/私立大公募制推薦入試 地区別/志願者・合格者動向   「螢雪時代」編集部では、私立大の公募制推薦について、08年度入試結果の調査を行ったところ、昨年12月末現在の集計データ(172校:志願者数=約14万9千人)では、志願者数は07年度に比べ3%減少した。

   地区ごとの志願状況をみると、首都圏の3%減に対し、京阪神は1%増。大学別にみると、国士舘大(14%増)・大東文化大(19%増)・立教大(22%増)・大阪工業大(48%増)・摂南大(44%増)・武庫川女子大(28%増)の志願者増、亜細亜大(11%減)・東京農業大(18%減)・京都外国語大(13%減)・佛教大(29%減)・桃山学院大(16%減)の志願者減が目立った。

   一方で、合格者数も私立大全体で7%減ったため、倍率(ここでは志願者数÷合格者数)は、07年2.3倍→08年2.5倍とアップした。

   特に、京阪神では指定校推薦やAO入試の合格者増などもあって、公募制推薦の合格者を絞り込む傾向(グラフ9を参照)がみられ、倍率は地区全体で2.9倍→3.1倍とアップ。近畿大(志願者6%減・合格者36%減、3.2倍→4.7倍)、龍谷大(志願者4%増・合格者1%減、4.4倍→4.6倍)、大阪経済大(志願者1%増・合格者5%減、4.0倍→4.3倍)、摂南大(志願者44%増・合格者7%減、1.7倍→2.7倍)、神戸学院大(志願者4%増・合格者16%減、2.6倍→3.2倍)など、倍率面ではやや難化したといえる。
   学部系統別にみると、経済・理工・薬がやや難化、法・社会福祉・医療系がやや易化した模様だ。


AO入試は志願者7%増、
合格者10%増で倍率ダウン

08年度にAO入試を実施した私立大は429校(新設校を除く)で、実施校数は07年度より27大学(7%)増加した。さらに、実施学部の増加(日本大‐文理、同志社大-スポーツ健康科学など)や募集枠拡大(国際基督教大20人→40人など)もみられた。  昨年12月末現在の集計(119大学:志願者数=約2万4千人)によると、AO入試全体では07年度に比べ志願者が7%増加したが、合格者数も10%増えた。このため、倍率は07年2.0倍→08年1.9倍とダウンし、全体的としてはやや易化した模様だ。  ただし、慶應義塾大‐看護科学(18.8倍)、成蹊大‐文(7.0倍)、明治学院大-心理(10.5倍)、京都産業大‐経営(7.1倍)、同志社大-スポーツ健康科学(26.9倍)など、高倍率の激戦となるケースもみられた。


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関西学院大と聖和大が統合。郊外から都心への回帰続く!

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ここまで、08年入試の志願状況や合格状況について、どんな要素が入試に影響したかを見てきた。現・高校3年生たちが受験する09年入試では、大学の新設や統合、学部・学科の増設や、セ試利用入試の導入など、私立大はますます変貌を遂げていく。


新設大学は医療・看護系と
教員養成系に集中!

2009年度:大学統合の例(関西学院大と聖和大)ここからは09年入試について、現時点(3月下旬)で公表されている大学・学部等の新設や、セ試利用入試の新規実施といった注目ポイントを紹介する。

【大学の統合】関西学院大と聖和大の統合が注目される。後者は「関西学院大-教育」となる(右の図を参照)。同学部の一般入試では、文系・理系それぞれに対応した方式を行う予定だ。また、武蔵工業大では東横学園女子短大を統合し、都市生活・人間科学の文系2学部を新設し、総合大学の「東京都市大」となる予定。

【大学の新設】弘前医療福祉大・日本赤十字秋田看護大・つくば薬科大・東都医療大・こども首都教育大・びわこ学院大・広島都市大(いずれも仮称)が開設予定。このうち、弘前医療福祉大・日本赤十字秋田看護大・東都医療大・広島都市大が医療・看護系、こども首都教育大・びわこ学院大が教員養成系の単科大学だ。

【学部・学科の増設・改組】08年に続き、大都市圏の総合大学で学部増設が相次ぐ。
   首都圏では、法政大がスポーツ健康学部を新設する予定。京阪神では、関西学院大‐教育のほかにも、同志社大が心理学部、関西大が外国語学部、甲南大がフロンティアサイエンス・マネジメント創造の2学部を新設予定だ。また、学科の増設では、学習院大が理学部に生命科学科を、関西学院大が理工・総合政策の2学部にそれぞれ2学科を増設する。こうした"ブランド校"の積極的な規模拡大は、さらにブランド力を高める効果を生み、人気アップを加速しよう。
   なお、東京女子大では現在の2学部10学科を「1学部4学科12専攻」に再編成し、文理・現代文化を「現代教養学部」に統合、幅広い教養教育の充実を目指す。

【その他の変更】早稲田大では、社会科学部の授業形態を「昼夜開講(13時開講)→昼間のみ(9時開講)」とし、完全に昼間学部に移行する。慶應義塾大では学費の体系を全面的に変更し、入学金を「34万円→20万円」に引き下げ、各種の補助制度・減免制度を充実する一方で、「在籍基本料(6万円)」を新設する。
   同志社大では神・社会の2学部が、同志社女子大でも学芸‐英語英文・日本語日本文の2学科(「表象文化学部」に改組予定)が、4年間とも京都市内のキャンパスで学ぶことになる(08年は前者の1・2年次、後者の1年次が京都府南部のキャンパス)。また、東洋大では国際地域学部が、所在地を群馬県から東京都心に移転する。大都市郊外から都心キャンパスへの回帰は、ここ数年続く傾向であり、志願者増の要因となろう。


日本大‐薬、早稲田大‐社会
科学でセ試利用を新規実施

09年入試からセ試を初めて利用する大学は、昨年12月の文部科学省の発表では、東京歯科大・日本獣医生命科学大・愛知医科大など9大学(13学部)。また、すでにセ試を利用している大学でも、日本大‐薬、早稲田大‐社会科学など7大学9学部が、新たにセ試利用入試を行う。これで、セ試を利用する私立大は475大学1,338学部(08年1月現在)となり、大学数では全私立大の8割超(83%)を占める。
   私立大では「セ試2~3科目、個別試験なし」が一般的で、09年度の新規利用大学・学部でもそのパターンが多いが、早稲田大‐社会科学では5教科6科目を、愛知医科大‐医では4教科6科目(数・理各2科目)と個別(面接)、同志社大‐生命医科学では3教科5科目(数・理各2科目)と個別(面接)を課す。
   なお、セ試の新規利用大学・学部については、年2回発表される。4月中にも2回目が発表される予定で、セ試を利用する大学・学部はさらに増加する。


激戦化する難関校への早道は
3教科対策とセ試の活用で!

09年の私立大一般入試は、セ試の難化・易化にもよるが、07年・08年と2年連続で志願者が増加した反動から、全体的には志願者減が予想される。
   ただし、大都市圏の難関校では、受験生の"ブランド志向"の強まりや学部・学科増設などに加え、08年に続き国公立大の「前期集中化」が影響する。一橋大で後期の募集枠を大幅縮小、東北大‐文、九州大‐教育・医(保健)で後期を廃止するなど、09年入試も国公立大では受験機会の「1回化」が進むため、私立大難関校の併願を増やす傾向が08年同様に続くとみられる。一方で、私立大難関校では合格者数を絞り込む傾向が強く、厳しい入試が続くこととなろう。

   私立大入試は、選抜方法が多様かつ複雑なので、志望校選びの際に迷うこともあるだろう。正確な情報を早めに手に入れた上で、私立大難関校は「3教科入試」が基本であることを肝に銘じよう。
   科目数の少ない方式は一見魅力的だが、得意科目を生かして試験に臨む受験生が集中するので、それだけ激戦化し、合格ラインも高めになる。早いうちから1~2教科に絞らず、まずは不得意科目を克服し、得意科目で失敗してもカバーできる体制を整えることが、かえって私立大難関校合格への早道となる。
   さらに、国公立大志望でなくとも、セ試を受験しておくこと。セ試利用入試を上手に活用して、"あこがれ校"へのチャンスを広げよう。



(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2008年5月号)」より転載いたしました。

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