入試動向分析

2013年の私立大入試はこう変わる!【2012年9月】

2012(平成24)年度

青山学院大が“都心回帰”、明治大・東京理科大がキャンパス新設!

 

 夏休みも後半、私立大の入試ガイドがほぼ出そろった。ここでは、2013年の私立大入試(おもに主要校の一般入試)のどこが変わるのか、どのような大学や学部・学科が新設されるかを紹介する。

 

※この記事は『螢雪時代・2012年9月号』の特集より転載。(一部、webでの掲載にあたり、加筆・変更を施した)

 

人気校の変更点を総まとめ! 14大学がセンター試験に新規参加。独自・セ試併用型の導入も目立つ

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 全国のおもな私立大の入試変更点のうち、志望動向に影響しそうなものを一挙掲載した。青山学院大・同志社大の全学規模の“都心回帰”、東京理科大・明治大のキャンパス新設、南山大・福岡大の学部共通入試の導入などが注目される。なお、センター試験(以下、セ試)に新規参加する私立大は14大学となった。

 
 

志望校の入試のしくみを把握し、的確でムダのない受験対策を!

2010年度 私立大一般入試 合格者絞込みの例
 

 私立大入試のしくみは多様かつ複雑で、しかも毎年のように変更される。志望校の入試にどのような特徴があり、どこが前年と違うのか、把握しておく必要がある。
 「螢雪時代」編集部では、全国の大学から2013年(以下、13年)入試の概要(科目・配点、募集人員、日程など)を掲載した「入試ガイド」を集めた。その中から、全国各地区で志願者数の多いおもな大学について、12年に比べ大きく変更され、志望動向や難易変動に影響しそうな注目ポイントをピックアップした。
 セ試を新規に利用する大学・学部については、前回で6月中旬現在の判明分を紹介したが、大学入試センターの発表(7月下旬)をもとに、あらためて掲載した。女子美術大・関西医科大など14大学が新規参加、10大学が実施学部を増やす一方で、3大学が参加を取りやめた。
 それ以外の変更点は、一般入試を中心に(一部、AO・推薦入試も)、以下に紹介する。
 螢雪時代・9月号付録『2013年 全国私立大学入試科目・配点一覧』とあわせ、志望校の情報をしっかりつかみ、得意科目を最大限に生かせる、効率的な受験対策や併願作戦をたててほしい。そして、くわしくは各大学の入試ガイドや募集要項を必ず取り寄せ、確認してほしい。

 
 

セ試「第1解答科目利用」が増加。医・歯学部で学費減額が目立つ

 

 13年私立大入試の変更点としては、セ試の地歴・公民、理科について「高得点科目を利用」から「第1解答科目を利用」へ移行する動き(特に首都圏)と、AO入試の廃止・縮小と選考の簡素化、独自・セ試併用型の導入が目立つ。ただし、その他の実施方法の変更は比較的少ない。
 前回で既報の通り、セ試利用入試における地歴・公民、理科の成績利用について、駒澤大・東海大・東洋大・日本大・法政大・愛知大・南山大・関西学院大・西南学院大・福岡大などが、全学で「高得点科目を利用」から「第1解答科目を利用」に切り替えた。とはいえ「高得点科目を利用」する大学がいまだ多数派だが、募集要項の段階で「第1解答科目を利用」に変更する可能性もあり、ホームページ等のこまめなチェックが必要だ。
 この他には、次のような特徴がみられる。
(1)青山学院大・同志社大の“都心回帰”(青山学院大は7学部、同志社大は4学部で、全学年の履修キャンパスを「郊外→都心」へ集約)、明治大・東京理科大のキャンパス新設、南山大・福岡大の学部共通試験(南山大は「全学統一入試」、福岡大は「系統別日程」)の導入が志望動向に大きく影響しそう。
(2)AO・推薦入試では、難関校を中心に募集枠縮小や廃止が目立つ。また、中堅校以降では募集回数を増やす一方で、選考を簡素化する傾向(選考を2→1段階、など)が見られる。
(3)全体にセ試利用入試の募集回数を増やす大学や、成蹊大・愛知学院大など、既存の独自入試とセ試利用入試を組み合わせた「独自・セ試併用型」を導入する大学が目立つ。学内併願の増加につながりそうだ。
(4)13年も人気を集めそうな医・歯・薬学部で、入試改革(セ試利用入試の新規実施など)や学費の減額など積極的な姿勢が目立つ。
(5)ここ数年と同様、奨学生制度の拡充、受験料割引制度の導入など、受験生を経済面でサポートする改革が目立つ。また、東日本大震災の被災者を対象とした学費や受験料の減免措置は、13年入試でも継続する大学が多い。

 
 

●変更点一覧の見方

文中、学部・学科名は原則として略称とし、「学部(学科)」と記載。入試方式・日程等も略称とし(例:セ試利用入試前期→セ試前期)、変更点は「12年→13年」で表記した。また、誌面の都合上、学科単位の変更や、ほぼ変更のない大学については、原則として割愛した。

 
 

北海道・東北~関東・甲信越

 

岩手医科大‐歯、昭和大‐医・歯、東邦大‐医で学費を減額

 

●北海学園大
 (1)経済1部、経営1・2部、法1・2部でセ試利用II期を新規実施。/(2)法1部のセ試I期をA・B方式に分割。いずれも3科目だが、A方式は「国語・外国語必須、地歴・公民から1」、B方式は「国語必須、地歴・公民から2」。/(3)工(生命工)でセ試利用入試を新規実施。
●酪農学園大
 農食環境学群(3学類10コース)でコース入試を廃止し(管理栄養士コースを除く)、学類入試(入学後に専攻するコースを決定)のみ実施。
●岩手医科大
 歯で学費(6年間合計)を2,940万円→2,760万円に減額する。
●奥羽大
 (1)歯の一般入試で小論文を廃止し、英語を「選択→必須」、理科を「必須→選択」に変更。/(2)歯・薬でAO入試を導入(募集:各15人)。
●青山学院大
 (1)理工・社会情報を除く7学部の1年次の履修キャンパスを、郊外(神奈川県相模原市)から都心(東京都渋谷区)に移転、全学年を都心キャンパスに集約する。/(2)法の個別学部日程の募集人員をA方式190人→170人、B方式25人→40人に変更。/(3)経済(現代経済デザイン)では「A方式40人→60人、B方式20人→10人」に変更し、セ試2教科型を廃止する。
●桜美林大
 (1)リベラルアーツ学群の一般入試の募集人員を247人→271人に増やし、AO280人→262人、推薦253人→244人に削減。/(2)リベラルアーツ学群の一般I期で「2科目英理型」「3科目英数理型」を導入する。
●北里大
 (1)獣医(獣医)のセ試利用入試で5教科方式を追加。/(2)獣医学部内で、獣医学科の第2志望制度(他2学科を第2志望に指定できる)を廃止。/(3)理(物理)でセ試中期を新規実施。/(4)理学部のうち2学科で定員増を予定(物理40人→50人、生物科学60人→70人)。
●杏林大
 (1)医の独自入試とセ試利用で、2次の小論文の点数化を廃止。/(2)学科増設(保健‐診療放射線技術)を予定。/(3)総合政策・外国語でセ試後期の3科目型を廃止し、一般前期に3科目受験型(英語と高得点1科目で合否判定)を追加。また、外国語の一般前期で1科目型を廃止。
●慶應義塾大
 薬の一般入試で理科(化学)の配点を100点→150点にアップ(350点満点)。
●工学院大
 グローバルエンジニアリング・建築・情報の3学部でAO入試を廃止。
●国士舘大
 経営で一般入試の募集枠を120人→132人、セ試利用入試を30人→40人に拡大(公募推薦75人→60人に削減)。
●駒澤大
 文(社会)でセ試中期を廃止(全学部統一日程を20人→30人に増員)。
●昭和大
 一般合格者(特待生以外)の学費(6年間合計)を、医で2,650万円→2,200万円、歯で2,850万円→2,450万円に減額する。
●成蹊大
 (1)法で独自・セ試併用型の「P方式」(セ試5科目とE方式の英語で判定。募集50人)を導入。/(2)E方式(全学部統一入試)で長野会場を増設。
●成城大
 法のセ試B方式前期で4教科方式を追加。募集人員は10人。「国語、英語、地歴・公民から1、数学・理科から1」で合否判定する。
●聖心女子大
 プレゼンテーション方式を廃止し、「総合小論文方式」を新規実施。「客観的に学力を測る問題」と小論文を課す。
●中央大

2010年度 私立大一般入試 合格者絞込みの例

 学部共通入試(文系5学部)の統一入試と、理工の理数選抜入試(独自・セ試併用)の学外試験場を、水戸・長野・静岡・高松・那覇に増設。
●東海大
 医でセ試利用の「神奈川県地域枠入試」を新規実施。募集人員は3人、「セ試=5教科6科目、個別=小論文・面接(2回)」で選抜する。
●東京慈恵会医科大
 医(看護)で定員増(40人→60人)を予定。
●東京経済大
 一般後期が全学部統一入試となり、4学部同時出願が可能になる。
●東京女子大
 (1)AO入試を廃止し、セ試利用入試の募集枠を「101人→144人」に拡大。/(2)一般入試の試験日を「2/8・9→2/3・4」に繰り上げる。
●東京女子医科大
 看護の一般入試でII期を廃止。
●東京電機大
 セ試利用入試で、英語のリスニングを「利用しない」→「筆記のみ、リスニングを含む、の2パターンのうち、高得点の方を利用」に変更。
●東京都市大
 環境情報学部を「環境、メディア情報」の2学部に分割・改組する。
●東京薬科大
 生命科学が「学部一括募集→学科別募集(2学科)」に移行。また、同学部の一般C方式を独自・セ試併用型に変更。一般2科目(数学・英語)とセ試1科目(理科)で判定。
●東京理科大
 (1)東京都葛飾区に「葛飾キャンパス」を新設。理1部(応用物理)、工1部(建築・電気工・機械工)、工2部(建築・電気工)を神楽坂キャンパス(東京都新宿区)から、基礎工を野田キャンパス(千葉県野田市)から移転する予定。/(2)6年制の薬(薬)で定員増(80人→100人)を予定。
●東邦大
 (1)医で学費(6年間合計)を3,180万円→2,580万円に減額する。/(2)理(生命圏環境科学)の定員を80人→60人に削減。
●東洋大
 セ試B方式前期で、総合情報・理工(生体医工・都市環境デザイン・建築)・国際地域・生命科学(応用生物科学)が4科目型を新規実施。
●日本大
 (1)理工で学科増設(まちづくり工・応用情報工)を予定。/(2)法2部の一般入試がA方式からN方式(法・経済・商の学部共通入試)に移行。他3学部との同時併願(受験料割引あり)が可能になる。/(3)松戸歯でセ試C方式2期を新規実施。/(4)理工の一般A方式で複数学科併願時の受験料割引制度を導入(1学科目は3万5千円、2学科目からは1万5千円)。
●日本赤十字看護大
 一般B日程を廃止し、セ試利用入試の募集枠を拡大(5人→15人)、3方式に分割。募集人員は各5人で、いずれも個別試験は課さない。各方式のセ試の科目は次の通り。I‐A=数学I・A、英語(リスニングを除外。以下同じ)必須、「数学II・B、化学I、生物Iから1科目選択」の計3科目/I‐B=国語(古文・漢文を除く。以下同じ)、数学I・A、英語の計3科目/II=英語必須、「国語、数学I・A、化学I、生物Iから2科目選択」の計3科目。
●法政大
 理工・生命科学のセ試利用入試で、C方式(5教科6科目型)を新規実施する
●明治大
 (1)東京都中野区に「中野キャンパス」を新設、総合数理学部を設置し、国際日本学部を和泉キャンパス(東京都杉並区)から移転する予定。/(2)情報コミュニケーションで定員増(400人→450人)、国際日本も定員増(300人→350人)を予定。一方、法で定員減(900人→800人)を予定。/(3)情報コミュニケーションで一般B方式(数学・情報総合・英語の3科目。募集人員20人)を新規実施。一般A方式も募集枠を拡大(290人→310人)する。また、セ試利用入試に6科目方式(募集人員10人)を追加する。/(4)国際日本で一般入試の募集人員を「一般160人→180人、全学部統一20人→28人、セ試利用20人→30人」に拡大。/(5)法で一般入試(独自入試)の募集人員を435人→350人に削減する。
●早稲田大
 法でセ試・一般入試合算枠(募集150人)を廃止。独自入試を300人→350人に、セ試のみで判定する募集枠を50人→100人に増員する。
●関東学院大
 (1)工を「理工、建築・環境」の2学部に分割・改組。/(2)一般前期で全学部統一入試を導入。学部共通問題による2科目型(英語必須、国語・数学から1)で、学部・学科間の同時複数併願可。/(3)文・法・理工でセ試中期を新規実施。

 
 

北陸・東海

 

愛知学院大で独自・セ試併用型、南山大で全学部日程を新規実施

 

●金沢工業大
 (1)一般中期・後期を2→3教科に増加。/(2)一般中期で独自・セ試併用型の判定を追加。
●愛知大
 (1)法・経済・文でセ試前期5教科型の募集枠を拡大(法28人→30人、経済20人→25人、文21人→24人)。/(2)法・経済の公募推薦(専願型)で面接を廃止する。
●愛知医科大
 (1)医で募集人員を、セ試利用10人→15人、推薦依頼校制15人→10人に変更。/(2)看護でセ試前期B(5科目型:募集5人)を新規実施。
●愛知学院大
 (1)経済学部を増設予定(定員250人)。一方、商(ビジネス情報)・経営(現代企業)を廃止。/(2)独自・セ試併用型のセンタープラス方式(セ試2科目と一般前期Aの1科目で判定)を導入。前期Aとの同時出願が必要。学部ごとの募集人員は「文・経営各15人、心身科学・法各9人、商7人、経済10人、総合政策・薬・歯各5人」。
●中部大
 (1)独自・セ試併用型のセンタープラスA・B方式(セ試2科目と前期A・B方式の高得点1科目で判定)を導入。学部ごとの募集人員は「A方式=工31人・経営情報12人・国際関係9人・人文20人・応用生物16人・生命健康科学24人・現代教育10人、B方式=工18人・経営情報6人・国際関係6人・人文10人・応用生物10人・生命健康科学13人・現代教育4人」。/(2)セ試C方式後期で5教科型を廃止。
●南山大
 「全学統一入試」を導入、個別学力試験型(3教科)とセンター併用型(従来の「センター併用マルチ方式」を改変)の2方式で実施する。学部・学科間、方式間の同時複数併願(受験料割引もあり)が可能となる。文系型・理系型に分かれ(出願時に選択)、センター併用型のうち文系型は文系6学部、理系型は経済・経営・法・総合政策・情報理工の5学部で受験可能。また、個別学力試験型では、文系型は経済・経営・法・総合政策の4学部、理系型は情報理工のみ受験できる。
●藤田保健衛生大
 (1)医で一般後期を新規実施(募集人員25人)。一般前期は75人→60人、セ試利用10人→5人、推薦25人→20人に募集枠を縮小する。(2)医療科学でセ試後期を新規実施(募集人員16人)。
●名城大
 (1)理工で募集制度を変更、M方式(全マーク式の3教科)・B方式(2教科)・F方式(独自・セ試併用)の「系別募集(数学科を除く工学分野8学科を一括募集し、入学後の2年次進級時に所属学科決定)」を廃止し、学科別募集に移行する。/(2)都市情報で募集人員を変更。A方式後期を15人→10人に削減し、セ試C方式前期を25人→30人に増員する。/(3)法で募集人員を変更。A方式前期を「法学科100人→120人、応用実務法学科30人→35人」に増員し、同後期を「法学科80人→70人」に削減する。

 
 

関西~九州

 

龍谷大でインターネット割引を、福岡大で「系統別日程」を導入

 

●同志社大
 文・法・経済・商の1・2年次の履修キャンパスを「京田辺(京都府南部)→今出川(京都市中心部)」に移転し、全学年を集約する。
●佛教大
 一般B日程に独自・セ試併用型の判定を追加。
●立命館大
 (1)文・産業社会・国際関係・経営のW方式(英文記述問題を課す英・国2教科型)を廃止する。/(2)情報理工学部の「英国数3教科型」を独自・セ試併用方式に変更する。
●龍谷大
 (1)インターネット割引制度を導入。インターネット出願の場合、次の同一出願期間の入試日程単位(「公募推薦(面接重視型・小論文型)」「公募推薦(2教科型・英語型・専門高校等対象)」「一般A日程・セ試前期」「一般B日程・セ試中期」「一般C日程・セ試後期」)で、受験料の総額から5千円を割り引く。/(2)一般A日程の合格者が、同一学部・学科等の一般B日程・セ試中期に出願しており、なおかつ受験しなかった場合、受験料を返還する制度を導入。/(3)文の一般A・B日程で、配点セレクト方式(出願時に得点が2倍になる科目を選択)を、高得点科目重視方式(自動的に2倍)に変更。
●追手門学院大
 (1)一般A日程に2科目方式を追加。3科目方式の同一学科の受験が必要で、受験科目のうち高得点2科目で合否判定する。/(2)一般S日程の英・国方式の実施日を「1→2日」に増加。/(3)試験日を「A日程2/5・6→1/29・30、S日程2/7・8→1/31・2/1、B日程・小論文B日程3/4→2/28」に繰り上げる。
●大阪工業大
 全学の公募推薦と一般入試の募集枠を拡大(公募推薦381人→395人、一般前期672人→706人、一般後期106人→121人)。
●大阪産業大
 セ試前期に5教科型を追加(従来は3教科型)。
●関西大
 (1)法・社会安全のセ試前期で6科目型を新規実施。(2)社会でセ試後期を廃止する。
●関西医科大
 一般入試で学外試験場を東京に新設する。
●関西外国語大
 外国語(英米語)に「小学校教員コース」を新設予定(定員30人)。
●近畿大
 (1)セ試C方式で、経営の前期、農の中・後期を3→2科目に軽減する。一方、産業理工の中・後期を2→3科目に増加する。/(2)文芸でPC方式(独自・セ試併用型)を新規実施する。
●摂南大
 (1)公募推薦・一般入試でインターネット出願を導入。/(2)セ試C日程に「特別奨学生」認定枠を新設予定。成績上位の計47人を特別奨学生として認定、入学金・年間授業料の半額相当額を給付する。/(3)「経済200人→220人、理工(生命科学)60人→80人」の定員増を予定。
●桃山学院大
 (1)独自・セ試併用のBE日程(一般B日程と併用)を新規実施。BE1型は「セ試1科目とB日程1科目(英語)」、BE2型は「セ試1科目とB日程2科目(英語必須)」で判定し、最高得点科目の配点を1.5倍する。/(2)一般A日程で、新たに最高得点科目の配点を2倍する。また、募集人員を「経営57人→70人、経済83人→100人、社会79人→98人、国際教養66人→80人、法43人→52人」に増やす。/(3)一般A日程の試験日を2→3日(自由選択制)に増やす一方、B日程の試験日を「2→1日」に削減。
●関西学院大
 (1)神でセ試利用(1月)に5科目型を追加(従来は3科目型)し、「関学英語併用型」を導入(セ試2科目+個別:英語)。/(2)全学日程で、宮崎に学外試験場を増設。
●甲南大
 (1)知能情報で、B日程とB日程C方式(独自・セ試併用)を廃止する。/(2)フロンティアサイエンスでセ試C日程前期のうち4科目型を廃止。
●神戸女学院大
 一般入試の成績優秀者対象の奨学金制度を導入。対象となる入試は「文=前期A日程、音楽=前期A日程の専攻実技、人間科学=前期B日程」で、給付人数は「文6人、音楽1人、人間科学4人」、入学金・授業料の半額を支給する。
●神戸薬科大
 (1)一般中期・後期で調査書の点数化を廃止。/(2)一般前期の募集枠を拡大(85人→100人)し、公募制推薦を65人→60人に減員。
●兵庫医科大
 医の募集人員を変更。セ試利用を10人→15人に増員、一般入試を80人→75人に削減。
●広島工業大
 セ試利用入試の受験料を変更。併願学科数にかかわらず一律2万円とする。
●広島修道大
 商・経済科学で一般・セ試併用入試を導入。一般前期の出願が必要で、募集人員は各6人。
●松山大
 (1)経営で一般I期を20人→30人に増員、公募推薦を32人→22人に削減。/(2)経済でセ試前期を20人→30人、公募推薦を20人→25人に増員、セ試後期を20人→10人に削減。
●西南学院大
 人間(心理)でセ試利用入試(前・後期)と一般・セ試併用型を新規実施する。
●福岡大
 (1)一般前・後期とは別に、全学部・学科を5つの学問系統(人文科学、社会科学、理学・工学、医療・保健、スポーツ科学)に分類し、各系統の中で同時複数併願(受験科目が一致する場合。受験料割引あり)を可能とした「系統別日程」を導入。募集人員は、人文30人、法30人、経済32人、商36人、商2部10人、理9人、工33人、医(医)75人、医(看護)5人、薬10人、スポーツ科学7人。/(2)工でセ試利用入試に3教科4科目型を追加する。/(3)理で独自・セ試併用のセンタープラス型を新規実施。/(4)名古屋に学外試験場を増設(系統別日程のみ実施)。
●立命館アジア太平洋大
 一般入試でB方式(3科目受験の高得点2科目判定)を廃止し、英語重視方式(3科目受験で英語必須、他2科目のうち高得点1科目の計2科目で判定)を導入する。

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新設大学・学部・学科をチェック!
共立女子大・東京医科大など、首都圏で看護系の新設相次ぐ!

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 ここからは、全国の私立大について、13年度に新設予定の大学・学部・学科等(既存の学部・学科の組織改編を含む)を紹介する。新設予定大学は2校と少なく、ここ数年と同様、医療・看護系、教育・保育系の学部・学科増設が目立つ。中でも、首都圏における看護系の“増設ラッシュ”が注目される。

 
 

2大学が新設、1大学6短大が募集停止。14大学で医療・看護系を増設

 私立大における、13年度の新設予定大学、および学部・学科の増設予定(認可申請分)、さらに学部・学科の改組・再編等に伴う増設で、5月末までに文部科学省に「設置届出」があったもの(7月末発表)を、このページ下にリンクした。
 学問分野や教員組織等を大きく変えないなど、一定の条件を満たす場合に限り、文部科学大臣に届け出れば学部・学科等を増設できる(設置届出)。その他の学部・学科増設や、大学そのものの新設には「認可申請」が必要で、最終的には10月末に正式に認可される予定だ。

●大学の新設と募集停止

 札幌保健医療大・岡崎女子大の2大学が新設される予定。一方、東京女学館大と私立6短大(帝京平成看護短大・昭和女子大短大部・東京富士大短大部・日本体育大女子短大部・文京学院短大・鹿児島国際大短大部)が募集停止する予定。

●学部・学科増設(設置届出)

 5月末までの届出分を合計すると、学部増設が東洋大‐食環境科学、愛知学院大‐経済、同志社大‐グローバル地域文化など16大学19学部等、学科増設が33大学38学部43学科となる。届出は12月まで随時受け付けられるので、今回の掲載分は、13年度分のごく一部に過ぎない。
 なお、6月以降の届出分で、大学が公表しているものの一部を「変更点一覧」に掲載した。

●学部・学科増設(認可申請)

 認可申請した学部・学科は、学部増設が10大学17学部、学科増設が3大学3学部3学科となる。これらの中では、常葉学園大・浜松大・富士常葉大の3大学の統合(常葉大に改称予定)、共立女子大・東京医科大など首都圏における看護系学部・学科の“増設ラッシュ”、法科大学院の不振などで逆風が吹く中での常葉大・名古屋学院大の法学部増設などが注目される。
 今回の申請では、私立大の定員はほとんど増えないが、新設大学の定員(200人)や、別途申請中の定員増(約2千500人)を加えると、私立大全体の定員は約2千600人増えることになる(いずれも通信教育課程と編入学定員を除く)。

●新設大学・学部・学科の特徴

 分野別に見ると、ここ数年と同様、医療・看護系、教育・保育系の新増設が多い。また、細分化した学部・学科を再統合する傾向も目立つ。
 医療・看護に関する学部・学科を増設する大学は14校に及ぶ。就職率の低迷などから13年入試も根強い“資格志向”が見込まれ、慢性的な看護師不足による需要もあり、多くの志願者を集めよう。ただし、入り口が広がり受験者が分散するため、既設校では倍率低下が見込まれる。
 新設学部・学科等の詳細は、案内パンフレットや募集要項などで必ずチェックし、不明の点は入試担当者に問い合わせてほしい。

 

25年度 大学・短大新増設一覧(7月末現在までの発表分)

 

(文責/小林)
この記事は「螢雪時代(2012年9月号)」より転載いたしました。

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